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流浪人ぽんぽこのブログ一覧

2019年02月10日 イイね!

究極のエコ競技から公道走行へのFBを考える その3

一般的にエコ運転というと、いわゆる『ふんわりアクセル』に代表される様に、アクセルワークをどうするか というイメージがあります。
エコラン競技でのアクセルワークから公道走行にFB出来る事は何か?

実は、何もありません!
というか、アクセル操作自体が(殆ど)存在しません。

そもそも、アクセル操作は何の為に行うのか?
ガソリン車の場合は、アクセル操作によってスロットルバルブが開閉して吸気量を調整する事で出力を制御し、最終的には速度の制御を行う為です。
※画像の出典はこちら
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ところが、エコラン競技では先のブログに挙げた様な走行パターンの為、速度の制御はエンジンのon/off時間で行いますし、短時間で加速させる事だけが目的なのでスロットルバルブでの出力調整自体が不要な訳です。
調整不用なら固定化してしまえば良いし、そもそもスロットルバルブの存在自体が邪魔。
という訳で、スロットルバルブ自体も外してしまうのが多いのです。
※併せて草刈機等の小型キャブへ交換し、スロットル全開でもそれなりな状態にしています。

ここからは応用編

上図の通りスロットルバルブが閉じた状態は空気の流れを乱し、ポンピングロスを生じさせます。
これを減らす為にはスロットルバルブを開いた方が良い訳ですが、それでは無駄に加速してしまう事になる。
では、スロットルを開いても通過する空気量を減らす事は出来ないか?

その答えの一つが、吸気温度を上げる という策になります。
空気も温度が上がれば体積が増えますが、そこに含まれる酸素の量は変わりません。
必要とする酸素を得る為に体積が増えた空気を通す必要があるので、結果的にスロットルバルブを余計に開く事になる という論法です。

おなじみのボイル・シャルルの法則ですね。
  P V = n R T
            P:圧力
            V:体積
            n:物質量
            R:気体定数
            T:絶対温度
仮に真冬を0℃、真夏を30℃として体積差は、
  (30 + 273.15) / (0 + 273.15) ≒ 1.11
となるので、真冬は真夏に比べて11%スロットルを閉じても同じ酸素量が得られてしまう。
スロットル開度が小さいのでポンピングロスが増える という事になります。
これも、冬季に燃費が悪化する要因の一つになります。

一般的に、吸気する空気の取り入れ口はグリル付近にあるので、ほぼ外気温のまま取り込まれる事になります。
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通称毒キノコ型エアクリーナにすると、ラジエターを通過した少し温まった空気を取り込む事になるので、燃費が良化する??? あれれ????
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まぁ、上の写真ではラジエタ背後に導風板が取り付けられていて温まった空気を吸わないようにしていますが、ボンネット内で少し暖められた空気を吸わせる というのは、理論的には燃費改善の観点ではアリです。

実際、空気の取り入れ口をラジエター裏や排気パイプの近くに移動させて、吸気温度を上げる努力をされている方々も、みんカラでお見かけしています。(一例はこちら)
この方の結果でも冬場の吸気温度が2~3℃ → 22~28℃となったとありますから、私が先に計算した程度の効果が現れるのだと思われます。
ただ、夏場は相当に暖まった空気を吸う事になる可能性もあり、ノッキング等の弊害も懸念されます。
やるなら冬季限定でしょうかね。

Posted at 2019/02/10 18:24:22 | コメント(3) | トラックバック(0) | 燃費走行術 | 日記
2019年02月09日 イイね!

究極のエコ競技から公道走行へのFBを考える その2

前回挙げた動画を見ての通り、エコラン競技では下り坂ではエンジンをかけません。
下り坂では位置エネルギーが運動エネルギーに変換される事で、エンジンの力を使わずとも加速出来るからです。
自転車の運転を思い出せば納得出来ますね。
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これを車の運転に置き換えるとどうなるか?
私の車はMT車なので、クラッチを切ってしまえば良いのです。
そうすれば、車は加速していくものの、エンジンはアイドル相当の回転に留まります。
えっ、エンブレ状態なら燃料カットが働くからクラッチ繋いだままの方が良いんじゃないの?と言われそうですが、設け代はあるのです。
 1.水温が低い状態では、燃料カットが働かない。
   (マイクラの場合85℃付近が敷居値らしい)
 2.下り坂で加速すれば、その後も滑走をしばらく続ける事が出来る。
   (正に自転車的な走行)

実際にやってみました。
通勤路は出勤時が全般的に登り勾配になるのですが、途中で一箇所丘状の起伏を超える場所があります。
丘を超えた先は下り勾配になるので、丘の頂上付近でクラッチを切ってみます。

こちらは通常走行例。
赤枠で囲んだ辺りが丘越えの所になります。
水温が上がりきっていないので燃料カットが働かず、瞬間燃費が跳ね上がっていません。
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拡大したものです。
アクセルオフで瞬間燃費値は40km/L程度になり、その後も30km/L程度の定常走行をしている事が判ります。
※その後の速度低下は、信号に引っかかったが故です。
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こちらはクラッチ切り例。
グラフのスケールや赤枠の大きさは同じです。
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拡大版。
瞬間燃費値が速度と同レベルで推移しており、前出の通常走行例よりも燃費が良くなっている事が判ります。
マイクラの場合、クラッチ切りした時の瞬間燃費値は、概ね速度と同一になる様です。
赤枠の右端で瞬間燃費が落ちているのは、クラッチを繋いだ為です。
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この走法を今年の1月から継続してみました。
出勤時の燃費値推移をみると、若干良化している事が判ります。
余談ですが、DIREZZAってスタッドレスよりも燃費が悪いのがはっきり出ていますね。
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こちらは帰宅時の燃費値推移。
帰宅時は全般的に下り勾配になるので、元々出勤時よりも値が良いのは当然の事。
全体的な良化だけでなく、何故か日々のばらつきが小さくなっています。
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全体としては、19.05→19.83km/Lと約4%の改善となりました。
出勤時に4箇所で約2.5分、帰宅時は3箇所で約2.8分程度の事ですが、予想以上の効果です。
クラッチの磨耗影響が少し気になりますが、まぁ、何とかなるかと。

MTはクラッチを切れば良いですが、一般的なAT/CVTにはクラッチペダルがありません。
似たような事をやるとなれば、セレクタをNにする案があります。

これ、あんまりお勧めできないんですよね。
MTは、ミッションオイルを潤滑だけに使用しています。
出力軸(様はタイヤ)の回転でミッション内のオイルを掻き揚げる事で潤滑しているので、クラッチを切っても潤滑の度合いは変わりません。

一方のAT/CVTは、ミッションオイル(ATF)を潤滑だけでなく変速の動力源としても使用しています。
オイルポンプはエンジンからの入力軸に取り付けられています。
走行時にNレンジにする事でエンジンの回転数が下がると、オイルポンプからの吐出も減って潤滑が不足。
特にCVTはプーリに油圧をかけてベルトを保持する構造の為、最悪はベルトが滑ってCVTがオシャカになります。
やられる方は、その辺りを覚悟の上でお願いします。
画像はこちらから拝借しました。
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プリウス等のハイブリッドになると、やり方が変わってきます。
通常、下り坂でアクセルオフした場合には回生ブレーキ作用で発電され、バッテリに蓄電されます。
平坦路や上り坂では、先に蓄電された電力を使ってモータを回すという事が行われるので、通常の車よりも燃費が良いという事になるのです。
画像はこちらから拝借
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ここからの更なる取り代として『滑空』と呼ばれる走法があります。
位置エネルギーを電力に変換し、それでモーターを回すとなるとどうしても変換ロスが生じます。
またバッテリーが満充電状態では、回生自体が出来ません。
そこで、位置エネルギーを直接加速に使う為に回生に因る充電もモータやエンジンも駆動させない状態を作る事で、いわばグライダーが滑空する様な状況を作るという訳です。
通常はアクセル操作で滑空状態としますが、容易に滑空状態を作る専用コントローラもある様です。
詳しくは、こちら を参照下さい。
(コントローラ作ってる会社って、先日事業停止の報道がありましたね・・・)

今回は位置エネルギーの有効活用方に触れてみました。
次回は、アクセル操作に触れたいと思います。

※'19.02.12 一部加筆修正
Posted at 2019/02/09 23:53:41 | コメント(2) | トラックバック(0) | 燃費走行術 | 日記
2019年02月02日 イイね!

究極のエコ競技から公道走行へのFBを考える その1

Honda エコ マイレッジ チャレンジ』という競技を御存知でしょうか?
1981年に始まり、かつては『本田宗一郎杯Hondaエコノパワー燃費競技』という名称でした。
スーパカブ50ccのエンジンを使い、平均時速25km/hでの燃費競技。
過去最高記録は2011年に出された3,644.869km/Lになります。

私も大学生の時に参加していました。
中学か高校の時に競技の存在を知り、大学生になったら絶対に参加するぞと思っていたものの、入学した大学にはこれをやるサークルが無く、友人をたぶらかして(!)サークルの創設から始めるという、完全にゼロからのスタートでした。
当然の事ながら車両もゼロから作らねばならず、旋盤やフライス、アーク溶接等と格闘する日々。
なんとか完成させたものの、工作精度が稚拙な我々の車は走らせるのがやっとの始末。
初参加の大会では途中で車両が壊れて完走すら出来ませんでした。
成績は兎も角として色々な事を学ばせてもらい、若き日の良い思いでの一つになっています。
今、けだまおやじさん主催のエコからに参戦していますが、私の省燃費遊戯の原点はこの競技になります。

この競技、上位と下位では燃費が10倍以上も違います。
もちろんエンジンの熱効率が10倍以上も違うなんて事はありません。
では、その差はどこから生まれるのか?
それは、この競技特有の走らせ方を見ると良く判ります。

先述した様に、この競技の基本ルールは平均時速25km/hでの燃費。
常に25km/Lである必要は無く、平均が25km/L以上ならばOKです。
『燃料消費を少なくする為にはエンジンをかけなければ良い』ということで、下図に示すようにエンジンを動かして加速し、上限速度まで達するとエンジンを停止して惰性走行に移り、下限速度になると再びエンジンを始動して加速を始めるという走行パターンが使われます。
※こちらのグラフは、八戸工業高校自動車部のHPより拝借しました

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実際の走行状態を見てみましょう。

こちらは2015年鈴鹿大会に於ける名城大学の車載映像。
記録は796.531km/Lで、グループIII(大学・短大・高専・専門学校生クラス)1位でした。
左下に車速表示があるので、速度の変化が判り易いかと思います。


鈴鹿はストレートが下り坂で裏のS字が上り坂。
ストレートではエンジンは一切かけずに位置エネルギーを運動エネルギーに変換して加速。
ノーブレーキのまま70km/h近くで1~2コーナへ進入。
車速を落とさない様にout in outのラインを取って、上り坂となるS字へ。
車速が落ちたら5~10秒程エンジンを掛けて一気に加速し、また慣性走行の繰り返しで坂を登りきる。
最終コーナを超えれば再び下り坂になるので加速。
これの繰り返しです。

こちらは、2016年鈴鹿大会に於けるTeam With You。
記録は1085.198km/Lで、グループIV(一般クラス)1位でした。
先の名城大学に対して燃費値は+36.2%です。
コックピット上部中央の赤いディジタル数字が車速と思われますが、1コーナへの進入速度はこちらの方が高い様ですし、エンジンを掛けている時間もより短い事が判ります。
それだけ慣性走行時間が長く、且つ効率的な加速が出来た事が、36.2%もの差に現れているのでしょう。


もう一つ、2018年鈴鹿大会に於ける瀬田工業高校自動車部。
記録は175.803km/Lと、名城大学に対しては-77.9%、Team With Youに対しては-83.8%となります。
ストレートでの加速が悪く、スタート直後では慣性で2コーナを回りきれなかったりしています。
エンジンでを掛けている時間も長いですし、加速自体も悪い。
先の2台との違いが良く判ります。


映像から見て判るとおり、この競技のポイントは下記になります。
 ・エンジンをかける時間や回数を減らす為に、どれだけ慣性走行の時間を増やすか

まぁ、エンジンをかけないって事は燃料消費はゼロですから、当然っちゃぁそうなんですがね。

特殊な走らせ方で異次元の燃費記録を叩き出すこの競技。
理屈の上では一般車両でも同様の走行をする事で燃費を向上させる事が出来る筈ですが、それを公道で行う事は出来ません。
各々の車が有る意味好き勝手に加速と慣性を繰り返しているので、映像でも他車を追い抜いたり追い抜かれたりする場面が頻見されますが、公道でこんな運転をしたら迷惑千万この上ないですね。
エコではなくてエゴです。

でも、何か応用できる事が無いのだろうか?
次回はその辺りを考えてみたいと思います。
Posted at 2019/02/02 21:26:47 | コメント(2) | トラックバック(0) | 燃費走行術 | 日記

プロフィール

「正規日本仕様ではなく、輸入代理店で取付けたと考える方が妥当な気がします。
これはシーサイドモーターのステッカーが有りますが、くまとっどさんの写真と同じ個体かも。

https://web.motormagazine.co.jp/_ct/17348033
何シテル?   03/26 06:02
雄タヌキ 流浪人ぽんぽこです。 2020年05月 通算引っ越し回数が20回に達しました。

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