2024年03月23日
先週末にVOLVO EX30、今日Tesla Model 3 Highlandに試乗したのでメモ。
VOLVO EX30
全高1,550mm
全幅1,835mm
全長4,235mm
ホイールベース2,650mm
車両重量1,790kg
というサイズは日本で乗るにはとても便利だ。
スペックは
最高出力272ps
最大トルク343Nm
バッテリー容量69kWh
WLTC560km
0-100㎞/h5.3 秒
と十分と言えるもの。
デザインも、外観はクリーンで嫌みのないもので好感が持てる、内装は、機能がほとんど画面に集約されていて簡素ではあるが、チープな感じはそれほどしない。ただし高級感とかプレミアムを感じるものでは全然ない。若者向けという感じで年齢的に自分にはそぐわない気はどうしてもしてしまう。
バッテリーが設置されているフロアは若干厚みの感じる。運転席の床は前に行くにしたがって下がっていくもので少々違和感があった。
前も思ったが、最大のネックは、後席の狭さだ。後席が開口部の前後長が狭く、乗り込みにくい。前に張り出しているボディパネルに当たらないようにお尻を前に出してのけぞるようなアクロバティックな体制で乗り込む必要がある。後席シート座面が低く、前後長も小さいため寛げない。足元は広くないし、つま先も前席シート下にあまり入らない。
前席は広々としていてシートサイズも大きく、寛げるので残念だ。
前席にはシートとステアリングヒーターにヒーターが付くが、後席にはシートヒーターやアームレスト付かない。
試乗してみて驚いたのは、そのモーターのスムースさ、室内の静かさ、乗り心地の良さだ。短時間の市場ではわからないが、最高出力ほどの力強さは感じないが、十分な加速性能だった。後輪駆動のためステアリングもスムースで駆動による雑味は感じない。
車高が1550mmなので、普段乗るe-208やE53に比較して、若干の腰高感を感じた。
なお、ハンドルの右側がシフトレバー、左側がウィンカーレバーで、メルセデスなどと同じなので、何ら戸惑うことはなかった。
全般的にスムースでこのクラスの車としては、パワートレインを問わず、上質さでは図抜けている気がする。自宅ガレージには問題なく収まるが、通勤で使う立体駐車場の車高制限には引っ掛かるのが悩ましい。
ただし、少し価格帯は高くなるが、比較的小さなSUVタイプのBEVとしてはBMW iX1の方がもっと良いのは確か。非常に乗り味が上質で快適だし、内外装の質感や高級感があって価格相応の価値が感じられた。残念ながら駆け抜ける喜びは薄味だったが。
Tesla Model 3 Long Rage (Highland)
翌週の今日、令和6年度の補助金の内容も明らかになって不確定要因の無くなったTesla Model 3 Long Rageに試乗してみた。
サイズは
全高1,441mm
全幅1,850mm
全長4,720mm
ホイールベース2,875mm
車両重量1,828kg
でこちらも日本にはジャストサイズだ。
スペックは
総合最高出力:450ps(推定)
総合最大トルク:559Nm(推定)
バッテリー容量78.1/75.0kWh(グロス値/ネット値)
WLTC706km
0-100㎞/h4.4秒
と十分で、特に速さについてはかなり過剰ともいえるほどだ。
バッテリーが収まるフロアは意識させられるほど厚みは感じず、普通のセダンとさほど変わらない感覚で運転できる。乗り降りも自然な感じで降りづらさは感じない。
内装はミニマルかつクリーン。可能な限りセンターの画面に設定機能を取り込み、それ以外には本当に必要最小限のボタンやスイッチ類しかない。それでも車内では運転のみに集中する自分に不足する部分はない。前席はランバーサポートやシートヒーター・ベンチレーションが付くし、座り心地も良い。後席も広くて、シートヒーター、アームレストとカップホルダーが付く。
内外装の作りもかなり精度が上がっている印象で、高級感や良いもの感はあまり無く、見た目で買う気になるものではないが、逆に購入を躊躇するような粗さがあるわけでも無い。
昨年、チェンジ前のModel 3に試乗した時も驚いたが、今回、Highlandに試乗してみてさらに感銘を受けた。
まず、静かさとスムースさが格段に増していて、短時間の試乗では申し分ないレベルに仕上がっていた。
EX30に比しても大分上の印象だ。RWDは価格が被るが、サイズからしてそもそもクラスが違うし。
シフトレバーは無く、画面右側でスライドさせて前進・後退する。停車時にはPボタンを押してパーキングに入れる。これはすぐ慣れた。
ウィンカーレバーも無くなって、ハンドルのスポーク左の2つのボタンを軽く押し込んで点滅させる。これが使いにくいと大騒ぎする人がいるが、自分はすぐに慣れた。これくらいの事が出来ないようならスマートフォンを使いこなすことなどできないと思うんだが。
車内は室外からかなり隔絶されていて、相当に静か。EQSならこれよりもさらに静かなのだろうが、これ以上静溢に保つ必要は感じられない。
試乗車は18インチの標準ホイールとタイヤだった。タイヤはMichelin e-Primacy。路面の凹凸を少し硬めに伝えてくる時はあったが、概ね上手くいなして乗員には響いてこない。乗り心地は自分としては思っていたよりも良いと感じた。
パワーはアクセルワークによっていくらでも引き出せる。踏んだ瞬間から意図通りにスピードを乗せることができる。ステアリングも重みがあるしっとりとした感触で、直進時にわずかに過敏と感じるものの、重量バランスやこの性能のEVとしては軽めの重量で思う通りに曲がる。ワンペダルでの停止動作も極めてなめらかで、ほとんどブレーキペダルを踏む必要が無い。
総じて自在に加速して、曲がって、停まることができるというフィーリングがあり、この自在感は今まで乗ったクルマの中ではE46 330でのそれに近い。ただし、そのレベルも滑らかさもかなり上回っていて、このクラスでこの経済性でここまでできるクルマって他にある?という気はした。PerformanceとかPlaidとかは全く不要だろう。
ドイツ車あたりの高性能モデルであれば、もっと速いクルマはいろいろあるわけだが、自分が求めるのはそういう絶対的な速さ・性能ではなく、日常的な使用において、常識的な範囲で、自在に運転できるという感覚だ。その感覚をより強く持てるクルマがいいクルマだと捉えている。
そのためのパワートレインやシャシーの性能や作り込みであり、バランスの取れたセッティングと仕上がりが大切なのだと感じる。今や高性能モデルは、ビジネスとして利幅の狙えるニッチ層に向けて無理矢理に出している感がある。そういう誘導にも乗せられたくはない。
自分は、標語として独り歩きしているようなSGDsだとかESGとかを振りかざす意識高い系の人間ではないので、単純にユーザーとして、好ましいパワートレインは何かという視点で考えている。ガソリンでもディーゼルでもハイブリッドでもBEVでもいいのだが、現時点では総合的にはBEVが優位と感じている。
Tesla Model 3 Long Rageで言えば、現実的な航続距離は概ね500kmを超えるようだし、十分な動力性能や快適性があり、ドライバーとしても満足のいく運転感覚がある。自宅充電を基本として、遠出の時は必要に応じてスーパーチャージャーを使えば、ほとんどの用途はカバーできるし、高い利便性と満足度を低コストで享受できる。
結局、EX30もかなり良かったのだが、Model 3がそれをはるかに超えるほど素晴らしかったので、ガレージ内のスペースギリギリになるという不便を受け入れてでもModel 3の方がいいという結論になった。
e-208は補助金の関係で4年は乗らなければならないので、タイミングはもう少し先、今年の11月末頃の乗り換えになるだろうと思う。それまでに同程度の価格帯でこれを超えるEVが出ない限りはModel 3 LRになりそうだ。
Posted at 2024/03/24 00:55:12 |
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