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イイね!
2015年08月05日

ブラック企業体験談

ブラック企業…という言葉がすっかり一般化したようですが、かくいう私も、かつてブラックに分類できるような会社に一年ほど籍を置いていました。
タクシー会社でしたから、一応車関連ということになるだろう…と思い、こちらに書くことにいたします。

そこに勤めていたのは10年ほど前、都内の会社でした。
実名は明かしませんが、この会社まだ存在してます。

当時、タクシー業界は規制緩和で、そうなる前は新規にタクシー会社をやろうとするとハードルが高かったのが低くなり、それによって新規に経営始めるタクシー会社が多くありましたが、自分が入った会社も、そうして新規に参入した会社の一つでした。

この会社は「運賃が安い」ことと「タクシー車両がすべてハイブリッドなのでエコである」のを売りにしていました。
規制緩和の際、中古車でもタクシー車両にすることが可能になったようで、その会社の車両はすべて中古車を改造したもの。
なので、毎日車のトラブルが絶えません。
ドライバーの給料は、タクシーで営業することで賄っているわけですから、車が動けなければ会社はもちろん回りません。

話はそれますが・・・タクシー会社の車両として使われているのは、大別するとトヨタのクラウンか、日産のセドリックの2つ。
これらの車両が使われる理由は、車両価格の安さと、燃料であるLPGガスのタンクを積めるように設計されていること。
そして何よりも、数10万km走れるように、各部が頑丈につくられているからなのもあります。

今でこそ、ハイブリッドカーをタクシー車両に使う会社が増えましたが、当時はまだハイブリッドカーも、世に出てそれほど立っていないこともあって、タクシーとして使う会社はほぼありませんでした。
使わない理由は、上記3つのどれも満たせておらず、実際に使ったらトラブル多発で営業どころではなくなるので、どこの会社も二の足を踏んでいたのでしょう。
そういった見極めがワンマン経営の社長にはできず、そもそも車というのはトラブルがどこかで必ず起きるものなのに、そういう認識を持っておらず、トラブルが起きるたびにイライラしてしていたのが印象に残っています。

整備で雇った方が、かなり整備のできる方だったので、そんな状況下でも、どうにか車が動かせていたくらいなのですが、一人しかいなかったので、労力がその人ひとりに集中してしまっている状況でした。

売り上げに関しても、低料金なので、お客の引きはいいけれども、安いタクシーを選んで乗るのは、大抵が近距離しか乗らない方ばかり。
ここでも、中古のハイブリッドカーを使っていた弊害が出て、長距離タクシー乗りたいお客は、多少料金が上がっても、設備が整っている高級車に乗りたいという方のほうが多く、どんなに料金が安くても、長距離乗るにはつらい中古のハイブリッドカーは、ここでも不利でした。

それでも、営業回数をこなして何とか水準以上の売り上げをこなすべく頑張っていたのですが、思うように売り上げが伸びないことに、当初は好待遇をうたっていたのが、目に見えて悪くなっていきました。
有給あり、交通費支給といっていたものが、いつの間にか無かったことになり、待遇の悪化でどんどん社員が減っていきました。

待遇悪化に加え、ここの社長が超絶ワンマン経営で、しかも物事を見極める目がまったくなく、朝令改暮の制度に不満を持って意見した社員を社長権限であっさり首にするなどが日常茶飯事。
そんな状況をみてさらに社員はやめていく・・・というスパイラルです。

社長はともかく、経理や運行管理などのフロント職で「このままではだめだ」とやり方を変えようとした方も何人かいたのですが、「命令無視して勝手なことをするな」と首にされた、またはされる前に諦めて辞めた方も数知れず。
1年間ほどこの会社にはおりましたが、経理担当は覚えているだけでも3回ほど変わりました。

タクシードライバーも、自分のように業界を知らずにまったく新規でやってくる社員か、そうじゃなければ、素行が悪いなどの問題で他のタクシー会社が雇ってくれないドライバーのどちらかで、タクシーの営業自体も決してレベルの高いものではありませんでした。

事故やトラブルも多く、そのたびに経費がかかることもあって、何らかのペナルティを起こすたびに、ドライバーから経費を徴収するようになりましたが、ここでもさらにドライバーがいなくなる。
そうしたスパイラルの繰り返しで、現場もだんだん殺気立ち、空気が悪くなってきます。

私自身、「これではだめだ」と思い、その会社を相手に訴訟することも考えましたが、同様の騒ぎを過去にも何度も起こしていることで、会社自体がかなり疲弊していること、会社自身がもはやまともな判断を下せる頭がないことで、相手にしてもこちらが疲弊するだけ・・・と思ったことで、退社することにしました。

退社後は、比較的中堅の会社へ移りましたが、素人経営の前社とは何もかもがレベルが違い、補助的ながらも交通費や有給も出してくれて、車のトラブルもほとんどなし。
何よりも、前の会社とほぼ同じ売り上げを少ない労力で出せるようになり、そのうえ給料も上がった・・・といいことづくめでした。
そうと知っていれば、最初から大きい会社へ行ったのに・・・一年間無駄にしました。
その後、タクシー業界も辞めて、現在はドライバー業とはまったく関係ない業種で働いております…。

タクシー会社における例ではありますが、素人経営のあおりで社員へも負担がのしかかり、昇給やキャリアアップもおぼつかない例は、一般企業にも当てはまるケースは多いと思います。

このブラック会社へ入社の際、ワンマン社長の直接面接で、会社そのものをラジオやTVで取り上げてもらったことで、会社自体が世間に浸透している(と思い込んでた)、その当時の売り上げはどんどん伸びていっているので、いずれは都内最大の会社になるだろう・・・と大言壮語を延々と聞かされましたが、現在この会社は経営そのものはできているものの、都内最大の会社となるには程遠く、「全車ハイブリッドでエコロジー」だったのが、ハイブリッドカーは一台もなくなり、ごく普通のタクシー車両ばかりの状態。
転職やタクシー絡みのネットの評判を見ても、「最低最悪の会社」とさんざん言われていますが、そうなるのも納得の経営状況でした。
むしろそれでよく潰れないなぁ・・・と驚くくらいです。

面接や就活の際、窓口担当は都合の悪いことは言わないけれども、それが行き過ぎて大言壮語ばかりになると、怪しんだほうがいいかもしれません。
そんな話を延々と聞かされていくうちに「この会社と夢をかなえたい」と気が大きくなってしまったのも、会社に入った理由の一つです。
大言壮語で釣るのは詐欺とやっていることは同じですが、こうして労働力を安価に得て、社員となった人へは安月給と時間を浪費させるという、こんな形の詐欺もあるんだなぁ・・・と勉強になりました。
あまりにも景気のいい話には、くれぐれも乗せられないように・・・というのも、詐欺に引っかからないようにするうえでの注意点ですが、やはり色々似てますね。

長くなりましたが、ブラック企業での昔話を終わります…。
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Posted at 2015/08/05 16:14:53

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