せっかく面白い車に乗っているんだから、どんなクルマか記録に残しておきましょう。
結論から言うとN-VANは名前の通り商用バンです。
お金を使う乗用車じゃなくてお金を稼ぐ商用車。
運転座席は立派だけど助手席の時点でかなり怪しい。
後部座席は市内ならギリギリ何とか。
運転手だけ乗れれば良いと割り切れるなら、乗っていいかもしれません。
走行性能は中々イイです。
ということでN-VANですね。
6MTで前輪駆動。
昔はバンと言うと後輪駆動だったのですが、スペース効率を追求すると前輪駆動なんですね。
正直内装は興味ないので、ドライバーズカーとしてどうかだけ書いていきます。
まず走り出して思ったのはスポーツカーかな?と言う事。
排気音が聞こえるクルマは久しぶりに乗りました。
最後に乗ったのはGR86かな(割と最近)
演出じゃないんですよ。
遮音材を省いて軽量化&コストダウンしているんですよ。
さらに6速マニュアルミッション。
気分が上がる変速操作!と言う前に超忙しい。
1速25キロ、2速45キロ、3速70キロ、4速90キロくらいの超ローギヤードの上にクロスしているミッション。
1速クラッチをつないで車が前に動き出し、2速もアクセル踏まずにそのまま繋がる。
ようやくアクセルを踏んで加速して、時速30キロくらいで3速。
時速30キロの時点でエンジン4,000rpmくらい回っていますからね。
気分が上がるというかやかましい。
そして凄く忙しい。
信号のたびにコレですよ。
じゃあギヤ飛ばししよう!って思いますよね。
でも660ccのNAエンジンはそんなズボラ操作は許容してくれないんですよ。
しっかり一段一段ギヤを変えていかないとスムーズに加速しません。
ですので1速、2速、…3速、…4速と、確実にシフトアップしていく必要があります。
しかも4,000rpm以上で。
5速に入ると随分静かになってきて落ち着く事ができます。
流れもいいし、6速!と入れると「ゴロゴロゴロゴロ」とエンジンが唸りだし場合によっては減速します。
あれー?
カタログ見てみると、どうやら4速が直結相当の1.097で、5速は0.829のオーバードライブギヤ。
そして6速は0.634の超オーバードライブギヤなのでした。
最近の主流はベルト式トランスミッションなのでギヤなんて付いていませんから、今の人にオーバードライブギヤって言っても通じませんね。
そもそも今のクルマはオートマしかないから、ギヤ比の概念も薄いのか…。
と言う事で平坦な道で時速60キロ以上でなければ6速は出番が無いのでした。
燃費の為の割り切りが凄い。
高速道路でもずっと6速という訳にはいかず、上り坂ではアクセル全開でも減速する場面があります。
マニュアルミッションらしく大人しくギヤを落とし、5速で走ると割とどんな坂でも登って結構オールマイティ。
5速90キロってエンジン5,000rpmも回っていて最大トルク発生域に入っているんですよ。
何なの最大トルク4,800rpmって。
スポーツカー?
パワーは全然ないんですがレスポンスが物凄く良くて、アクセルを踏むとガォン!と一気に回転が上がります。
おかげでダブルクラッチもヒールアンドトゥも凄く楽。
超低粘度エンジンオイル、ウルトラネクストの恩恵でしょうね。
と言う事で楽しいけれど、かなり忙しいですね。
ハンドリングはどう?というと、これが素晴らしいんですよ。
まさにドライバーズカー。
熟練ドライバー向けのセッティング。
まずビシっとまっすぐ走ります。
もう直進安定性が素晴らしい。
マニュアルミッションはどうしても片手運転の時間ができますが、そんな時でもビシっとまっすぐ走る。
このおかげで300キロの長距離移動も凄く楽でした。
長距離を走るクルマはハンドリングが大事だって、しっかり分かっていますねホンダ。
コーナリングに関してはカーブの入り口で(あえてコーナーとは言わない)しっかり減速し、トラクションをかけながら曲がっていくとハンドル角度は最初に決めた一定角度で、旋回挙動が一切ぶれないのでまさにオンザレールで曲がっていきます。
いやー気持ち良いですよこのハンドリングは。
カーブの入り口でしっかり減速して、出口に向かって加速していく。
これ他のホンダ車と同じ挙動です。
サーキット走るクルマみたいなセッティング。
限界なんて公道でアンダー出るくらい低いんですよ。
登りのカーブなんて読み間違えるとアンダーステアが出る。
でもそんな時でもハンドル切り増したりアクセル緩めたりするとすーっとカーブを曲がっていく。
これは気持ちいい。
峠道が凄く楽しい。
ボディ剛性なんて全然なくて、高負荷時にリアボディがクニャってしなるのが分かるんですよ。
全然剛性なんてない。
開口部デカいバンなのに、助手席側Bピラー無いですからね。
おまけに普通軽バン、軽トラックはラダーフレームボディなのにN-VANはモノコックボディ。
ボディ剛性なんてある訳ない。
でもサスペンションセッティングがいいんですね。
全然ロールしないし、運転感覚は背の高い車両とあまり感じません。
ふらつく前にアンダーステアが出ます。
運転席限定ですが快適性は中々イイです。
シートが明らかに軽乗用車ではない普通車みたいなシート付いていまして、腰痛持ちの私でも6時間運転して全然痛くならない。
大事なところにきちんとカネをかける姿勢は素晴らしいですね。
助手席?
ああ…付いていますよ。
短距離で酔いそうとクレーム出ましたが。
写真1

またタイヤがイイですね。
12インチタイヤが凄く良い仕事をします。
銘柄はブリヂストン・エコピア R680 145/80R12。
このタイヤが凄く静かなんですよ。
排気音や他車のロードノイズなど外部ノイズは凄く良く聞こえるのに、このタイヤはロードノイズが少ない。
また乗り心地も凄く良いんですね。
まさにブリヂストンという感じの、しなやかで滑らかで柔らかい乗り心地。
なんだか古のB'Styleを思い出すような優しさがある乗り味のタイヤです。
良いタイヤもありますがサスペンションセッティングもいいんですね。
かなり快適です。
写真2

写真は50キロ走行時点だけど、瞬間的に20キロを平気で超える。
実燃費は一般道100キロと高速道路200キロ走行して19.93Km/L。
滅茶苦茶燃費良いな。
クーラーの効きが悪いとか外部ノイズがうるさいとか事実上一人乗りとか、些細な問題はありますが割り切れば凄いくイイと思います。
燃費も超良いからセカンドカーにピッタリなんじゃないかな。