
今回のブログも、
前回に引き続きマニアックな内容になりますので、
あらかじめご了承願います。
さて、前回のブログでは、以前親が乗っていた、タウンエースワゴンの特別仕様車、
「スーパーエクストラ “スペシャルパッケージ”」
を取り上げた訳ですが、この型のタウンエースを語るにあたって、忘れてはならないグレードがあります。
それが、タイトルにもある
「ロイヤルラウンジ・リミテッド」 です。
このモデルは、ライトエースワゴンとボディが共通になった
1992年1月13日のビックマイナーチェンジ時に登場した最上級グレードで、
他のグレードとは一線を画する豪華な装備が特徴でした。
一般的 (?) に、1BOXワゴンの豪華グレードと言えば、100系ハイエースワゴンの
「スーパーカスタムリミテッド」
が有名ですが、この「ロイヤルラウンジ・リミテッド」は、それに負けず劣らずの装備内容を誇っています。
実際、価格の方もハイエースの「スーパーカスタム」に手が届くほどだったと言いますし…
今回は、そんな「ロイヤルラウンジ・リミテッド」を、タウンエースのカタログを通じて紹介していきたいと思います。
それでは、早速行ってみましょう!
1992年1月発行、タウンエースワゴン カタログ
(以下、カタログの画像はクリックで拡大できます)
ひろく、やさしく、あたたかく。
新タウンエース登場。
なんか良いですね~このフレーズ♪
「パパの笑顔のように頼れる、新タウンエース」 ですって。
ぜひ今のミニバンにも、こんなキャッチコピーを採用して欲しいです(笑)
ROYAL LOUNGE Limited
SUPER EXTRA
ROYAL LOUNGE
ここからは、装備紹介!
家族のためのクルマだからこそ、
誰にでもやさしい本当のイージードライブ。
↑いちいちセリフがくさいですね(笑)
Easy Driving
― ロイヤルラウンジ・リミテッド 専用装備 ―
・パワーステアリング (車速感応型、他グレードはエンジン回転数感応型)
・イージーアクセスパワーシート
・アジャスタブルシートベルトアンカー
・アラーム付きデジタル時計
・パワーウィンドゥ (リミテッドのみキーOFF後作動可能)
・ドアキー連動電気式ドアロック (リミテッドのみ車速感応式)
このページだけで、これだけの専用装備があります!
特にパワーシートなんて、今ではLクラスミニバンの上級モデルにしか付いていませんよね♪
なんでも、キーをLOCKの位置にすると、降車しやすくするためにシートが下がるんだとか。
でも、この機能って本当に必要でしょうか…?
あと、ロイヤルラウンジ以上にオプションとなっている、
「タウンエース・ライブサウンドシステム」
も気になる装備です!
フロントツィーター、フロントフルレンジ、リヤフルレンジ、ウーハーがセットになっているようですが、
果たしていくらするのでしょうか…
バカみたいに高いような気がしてなりません(笑)
自然に会話が弾む、くつろぎのキャビン。
わが家のもうひとつのリビングルームです。
↑確かに、このシートならくつろげそう♪
Amenity
― ロイヤルラウンジ・リミテッド 専用装備 ―
・オーバーヘッドデュアルオートエアコン
・プッシュ式ヒーターコントロールパネル
・電動カーテン (リミテッドのみ標準)
デミオの時も思ったのですが、なぜ上級グレードのコントロールパネルはプッシュ式なのでしょうか?
確かに見栄えは良いですが、レバー式の方が断然使いやすいと思います。
特に、内外気循環の切り替えがスイッチだと、切り替わった感じがしないんですよね…
やはり、手動で「ズボッ」っとやるのが一番です(笑)
そして、上級1BOX定番の
電動カーテン♪
運転席脇のスイッチで開閉が可能なのですが、一度でいいから操作してみたいです!
こういう無駄な装備って、なんか憧れますね(笑)
Exterior
― ロイヤルラウンジ・リミテッド 専用装備 ―
・ヒーター付電動格納式カラード電動リモコンドアミラー
・カラードドアハンドル
前回のブログでも書きましたが、
最上級グレード以外、ドアミラーとドアハンドルが未塗装
というのは、あんまりではないでしょうか(汗)
せめて、「ロイヤルラウンジ」くらいは同色塗装にすれば良かったのに…
内装が「ロイヤル」でも、見た目が「スーパーエクストラ」と変わらなかったら、所有欲が半減しそうです。
ちなみに僕が乗っていたデミオ、最上級グレード「1500GL-X」にも関わらず、
ドアハンドルとサイドプロテクターは未塗装!
(しかも、未塗装バンパーが “敢えて” オプションで選べるという謎グレードだったり…)
完全に実用車と割り切ったコンセプトが、逆に新鮮でしたね♪
やるんだったら、これくらい徹底してやって欲しいです(笑)
そして、定番の
スカイライトルーフ♪
…ってこれ、2列目の部分が取り外せたんですね!
カタログを見て初めて知りました(汗)
スカイライトルーフの陰に隠れて目立たない
ツインムーンルーフ ですが、
実は、トヨタのワンボックス系でフロント部分が電動スライド & チルトするのは、
この頃のタウンエース・ライトエースだけなんだそうです。
なので、当時こちらを選んだ人はある意味、先見の明があったのかも…
この部分は、ハイエースに勝っているところですね!
― ロイヤルラウンジ・リミテッド 専用装備 ―
・195/70R14 90S スチールラジアルタイヤ&アルミホイール (2WD車、他グレードはセットオプション)
・205/70R14 93S スチールラジアルタイヤ&クロームメッキホイール (4WD車、他グレードはセットオプション)
メカニズムの解説ですが、このページで目を引くのは何と言っても
トヨタ電子制御式サスペンション TEMS です♪
これは、走行状態を感知して、コンピュータがショックアブソーバーの減衰力を自動的に
SOFT ↔ HARDにコントロールする装置で、ブレーキング時に前のめりを抑えるアンチダイブ、
コーナリング時にロールを抑えるアンチロールなどの機能を発揮するとされています。
子供の頃にタウンエースの取扱説明書を読んで、一番興味を持ったのがこの装備でした。
「上級グレードにはこんなハイテクなものが付くのか!」 という感じで(笑)
SOFTモードとHARDモードで、一体どれほど乗り味が変化するものなのか、一度味わってみたいものです♪
右下では、4WDシステムが紹介されていますが、このタウンエース、2WD-4WDの切り替えが面倒なんですよね…
一度車外に出て、フリーホイールハブをLOCKにする必要があるんです。
その上で、車内の4WDスイッチを押さなければなりませんでした。
僕がまだ幼稚園の頃、初雪が降った日に母親の運転するタウンエースで出掛けたことがあったのですが、
その時はまだ4WDに切り替えていなかったこともあり、
見事に大きく横滑り(汗)
母親も、ただ4WDスイッチを押すだけではダメなことは知っていたのですが、
肝心のフリーホイールハブLOCKのやり方が分からず、結局2WDのままで走ることになりました(怖)
2WD状態だと、このクルマは
後輪駆動 ですからね!
そりゃもう、生きた心地がしませんでしたよ…
― ロイヤルラウンジ・リミテッド 専用装備 ―
・ハイマウントストップランプ・LED式 (リヤスポイラー付) (他グレードはオプション)
・バック&クリアランスソナー (リミテッドにのみオプション設定)
このクリアランスソナー、特にリヤの左右に付いているものは、
荷物を積む時に引っ掛けて壊してしまいそうな形状ですね(汗)
ABSが2WD車にしかオプション設定されていないところにも時代を感じます…
ここからは、グレード紹介♪
下の3つはバンみたいですね(笑)
1年車検を嫌うユーザー向けでしょうか…
そう言えば、この手のグレード、次期型のタウンエース ノアにもあったような気がします。
主要装備一覧表から、その他の専用装備を挙げてみますね!
― ロイヤルラウンジ・リミテッド 専用装備 ―
・ボデーカラー : シルキーミストトーニング〈23U〉(4M2/194)
・ブロンズ・熱反ガラス (トップシェード付)
・カラードマッドガード
・熱反フラッシュサーフェイスクウォータウインドゥ
・ワイヤレスドアロックリモートコントロール
・カセット一体AM/FMマルチ電子チューナー付ラジオ&6スピーカー
あと、明記されていませんが、写真を見る限り「カラードスライドドアレール」も含まれるものと思われます。
以上、大まかにタウンエースのカタログを見てきましたが、ここであることに気が付きました。
それは、
ほとんどが「ロイヤルラウンジ・リミテッド」の写真
であるということです!
これっていかがなものでしょうか…?
確かに、普及グレード「スーパーエクストラ」の写真が地味なのは分かりますが、
だからと言って、浮世離れした豪華内装で誰も買わない (買えない) ような仕様の
写真をメインに持ってこられるのは、ちょっとマズい気がします。
だって、「スーパーエクストラ」と「ロイヤルラウンジ・リミテッド」の価格差、
80万円 もあるんですよ!
…と、今日では見ないような、カタログ構成に疑問を持ってしまった僕でした(笑)
このバブルが生んだ豪華グレード、「ロイヤルラウンジ・リミテッド」は、
1996年に次期型の「タウンエース ノア」にフルモデルチェンジするまで、
小改良を繰り返しながらラインナップされ続けました。
タウンエース ノアにも「ロイヤルラウンジ」を名乗るグレードはありましたが、
多くの日本車がそうであったように、タウンエースもモデルチェンジで大幅にコストダウンされ、
かつての豪華な内装は姿を消してしまったと言います。
その後、タウンエースは商用モデルに名を残すのみとなり、
乗用モデルはライトエース ノア共々、「ノア」「ヴォクシー」へとバトンタッチ、
「スーパーエクストラ」「ロイヤルラウンジ」といったグレード名も消滅してしまいました…
なんとも寂しい限りですが、これも時代の流れですかね。
もう、このようなグレードが出ることは無いでしょう。
今のクルマは、確かにパワフルで静か、燃費も良くて室内も広い。
でも、何か心に訴えてくるものが足りないような気がするんですよね。
「味」…と言えばいいのでしょうか。
うるさくても心に残るようなエンジン音、乗員に伝わるダイレクトな感覚、独特の雰囲気を持つ内外装など、
昔はワクワクするような
「夢」 のあるクルマが多かったように思いますね。
今回、この「ロイヤルラウンジ・リミテッド」の詳細を追っていく中で、
今のクルマにはない世界観を知り、その魅力に惹き込まれてしまったように感じている次第であります。
おまけ①
タウンエースのアクセサリーカタログの中から、時代を感じる装備をいくつか紹介してみたいと思います♪
車内テーブル
今のクルマでは、まず見掛けないアイテムですね!
これがあれば、「わが家のもうひとつのリビングルーム」の話にも現実味が…(笑)
システムキャビネット & ウッドコンソール
テーブルの次は家具ですか…
もう、ここに住めるのでは(笑)
突っ込みどころ満載な品々(笑)
これが、1992年の最先端技術でございます。
個人的には、空気清浄器に
「クリーンエース」 という名前を付けちゃう辺りのセンスが、
なかなかイカしていると思いますね(笑)
イラストの坊やが持っているものにも、時代を感じます…
おまけ②
今から2年半ほど前、今回取り上げた「ロイヤルラウンジ・リミテッド」の中古車が
ネットに掲載されていたので、その時に保存しておいた写真を紹介したいと思います♪
1992年式タウンエースワゴン、
グレードは、「4WD ロイヤルラウンジ・リミテッド 2000ディーゼルターボ スカイライトルーフ」です。
走行距離は3.3万キロ、塗装状態は良好で、テープストライプにも縮みや剥がれなしと、外装の程度は極上♪
オプションの「バック&クリアランスソナー」が付いています。
標準の「ヒーター付電動格納式カラード電動リモコンドアミラー」ではなく、
敢えてオプションの「カリフォルニアミラー」を装着している模様。
リミテッド標準の「クロームメッキホイール」が光っています♪
インパネ上部に、クリアランスソナーの表示灯が見えます。
しかもこのクルマ、先ほど触れた空気清浄器
「クリーンエース」 装着車なんですよね(笑)
おそらく、手前に見える5つのスイッチのうち、右から2番目がそのスイッチになると思われます。
ちなみに、左の3つは電動カーテン、一番右はTEMSの操作スイッチです。
「スーパーエクストラ」は、スイッチベース部分がガラ空きなので、
ここにスイッチがあるのを見ると、何だかとてもワクワクしますね(笑)
「イージーアクセスパワーシート」が装備されています。
鍵を挿すと電動でセットされた位置までスライドするんだとか♪
こんな豪華なシート、今の2リッタークラスミニバンに存在するでしょうか♪
しかも、サイドの内装は布張りですよ!
まさに、「プラスチッキー」とは無縁の世界…
電動カーテンもしっかり装備されています。
そして、定番のスカイライトルーフです♪
この型のタウンエースを象徴する装備ですね!
ちなみに、このタウンエースは
車両本体価格 47万円
支払総額 63万円
で売られていました。
低走行、程度極上の「ロイヤルラウンジ・リミテッド」が
このお値段なら、非常にお買い得ではないでしょうか♪
実際、この物件も発見して早々売り切れになりましたし…
ぜひ所有した際には
室内の色々なスイッチを押しまくってみたい
1台ですね(笑)
おまけ③
実は、今回取り上げた「ロイヤルラウンジ・リミテッド」、
名探偵コナン 第25話「偽りの身代金誘拐事件」
に登場しているんです!
この話に登場するのは、4WD・スカイライトルーフ仕様の「ロイヤルラウンジ・リミテッド」 。
ボディーカラーから推測すると、おそらく、一部改良後の
最終型だと思われます。
タウンエースは、話の最初に登場するのですが、これがまさかの
誘拐犯のクルマ(汗)
しかも、警察に勘付いた犯人が、取り引きの中止を告げた途端、
逃走(汗)
警察の追跡を振り切ろうとし、最後は
フェンスを突き破り川へダイブ
と、非常にショッキングな内容になっております。
当時、小学生だった僕はこれを見て、かなり驚きましたね…
自分ちのクルマがアニメに登場、しかも川にダイブするんですから(笑)
しかし、この回を見ていると…
室内の再現度もハンパないです!
僕がこのタウンエースを「ロイヤルラウンジ・リミテッド」だと確信したのも、ダッシュボードが映った時に
「バック&クリアランスソナー」の表示灯
を発見したことがきっかけでしたし…
「よく見てるな~」と思われそうですが、実は当時の僕、後でビデオを借りてきて
何度もコマ送りして見ていたんですよね(笑)
何とも物好きな小学生でした。
このように名探偵コナンは、クルマの再現度がかなり高いので
アニメを見る機会がありましたら、ぜひ注目してみて下さい!
ちなみに、この話の動画は、
http://www.dailymotion.com/video/xt6hrb_yyyyyy-y025y-detective-conan-025_tv#.UPI2RuRE_8k
から、ご覧頂けます。
以上、今回もマニアックなブログでした(笑)