2012年11月21日
ども。高丘です。
えー…連日サバゲー記事ですいませんでした。
サバゲー記事を書き始めた頃はウケといいますかなんといいますか…とりあえずネタの分かる人があまり多くなかったように感じます。それが嬉しいことに今ではいろんな方に見ていただいております。本当にありがとうございます。
しかし,今日は久々におクルマの話題でございます。
もう冬です。遂にオイラの部屋ではファンヒーターが稼働を開始しました。
クルマの場合はスタッドレスの季節です。うちの会社にもたくさん付け替え・交換のクルマが入ります。もしかすると自分で付け替えるという方もいらっしゃると思います。
しかし…整備士的に言わさせてもらうと,案外『ちょっと待った!!』という事例がたくさんあったりするんです。たかがタイヤに何言ってるんだ?という人が多いと思います。ですが…世の中なめてはなりません。
実はタイヤ付け替えって意外と奥が深いんです。
タイヤの付け替えを試験にしているディーラーがあるくらいです。基本的ながらも,案外危険な作業だったりもするんです。だから安全に作業を行えるかを見る試験に使えるわけなんですねえ。
よくよく考えてみてください。片輪もしくは前後どちらかをジャッキアップする時点でコツを知ってなければ案外危険です。間違えたところにかえばオイルパンやらトーションビームを破壊するし,終いにはクルマが落っこちてきます。潜ることはないでしょうが,クルマの下に足でも入っていたりしたら?タイヤを付け替えたところでオーバートルクすればクリップが折れます。しかし締め付け不足はタイヤ外れて大事故です。間違った締め付けをしてネジが焼き付いたりなめってしまって外れて…ということで緊急出動したこともあります。
じゃあどうすれば?ディーラーに頼めばいいんです…が,自分で行うという方もたくさんいると思います。いちいち基礎からの説明というのはしませんが,整備士から見て『これだけは守ってもらいたい』という事を何点か今宵は書きたいと思います。まずその1です。
・足は使うな。
これ多いんです。とにかく多いんです。オイラも父親がやっているのを見て厳重注意したことがあります。足を使うというのはどういうことかと申しますと,クリップナットにかけたレンチを足でゆるめたり締めちゃったりことをいいます。腰痛持ちや力のないというオーナーさんに多く見受けられます。うちの父親も坐骨神経痛で,こういうことをしたんでしょう。
しかし…これホント危険なんです。まずオーバートルクの問題です。案外,人の腕力ってそれほど強いもんじゃあありません。この後,手で締める重要性をとことん解きたいとおもいますが,健全なクリップなら折れるリスクは案外低いんです。しかしそこを足でやるとどうなるか?あなたの体重は何キロですが?47キロ?60キロ?100キロ?これをクリップへのしかかりのごとくかければ当然折れるリスクは高くなります。だいたいここのメーカー締め付けトルク指定はせいぜい10キロほどです。折れなくてもダメにする確率は激増します。
更に危険なのはFFのオートマで駆動輪のタイヤを付け替える場合。これやるとミッションに大きな負荷を掛けることになり,最悪破壊します。手締めでもリスクのあるこの事項に足絞め緩めとかなれば恐ろしいことになります。プロでも増し締めをする場合,絶対にサイドブレーキを引くんですが,車を停める以外にミッション保護も兼ねてたりします。今のミッションはベラボーに高いのは皆様論ずともわかりますよね?基本的にジャッキアップ前にネジを設置状態で緩めておくこと。当然手で緩めてください。その他足は禁じ手な理由は山ほどあります。絶対にやらないように。
・動力工具はプロ用です。
足のところでもいいましたが,基本的にDIY交換は電動エア問わずインパクトレンチなどの類は使わないのが懸命です。まずネジ山を傷めるリスクが高いこと。固く締まりすぎているのをインパクトで緩める真似は整備士でもしません。締める方はネジを斜めに入れてしまった状態でインパクトを使用して焼き付いてどうしようもなくなったり,折れたりなどのリスクが高くなります。そもそもプロでも工場によっては1年坊主だとこういう工具を使わせないところも存在します。これをプロじゃない素人さんが使った場合のリスクは計り知れません。
そして手締めも案外ナメたものではない…どころか一番理想の締め方なんです。ホイールのセンターが決まりやすく,ネジを傷めるリスクも少ないです。何よりホイールを傷つけるリスクが減ります。プロでもレイズやらプロドライブやらBBSやらの高級ホイールを見たら即刻十字レンチを使用します。動力工具は効率のいい作業を必要としない場合は長所が少ないことを頭に入れておきましょう。
・絶対手で緩めて手で締めること。
最後に重要なポイント。先ほどだいたいメーカーの締め付け云々は10キロと言いました。だいたいこれってどれくらい?という話になると思いますが,何のことはありません。車載レンチで腕力一杯締めた程度でホント十分なんです。というより十字レンチがあって越したことはないし便利なんですが,ないならホントに車載レンチで十分です。そして十字レンチでも車載レンチでも同じ事ですが手で締めることにより,ネジの異常を感じ取りやすいんです。違和感感じたら即刻緩めてやり直しです。やり直しが効くパターンが多いんです。違和感感じたらそこで作業をやめるのは大事なことです。これを足でやったら?絶対に事故ります。インパクトなら尚更です。不安でも自分の思うなりにしめてからディーラーやらガソスタやらに空気圧見てもらうついでにトルクレンチ貸してもらえばいいことです。事故は防げます。
安全に気を使う季節に安全な作業ができなければ何も意味がありません。整備士からの切なるお願いでございます。不安ならば絶対にプロへ任せてください。お待ちしております。
Posted at 2012/11/21 21:18:39 | |
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