
前からブログでやってみたいと思っていました(笑)、我が愛車シビックシャトルと、スプリンターカリブ(AE95G)の徹底比較。いや、脳内ではもう何回もやってるんですが....(笑)
シャトルはもうあまり見なくなりましたが、カリブ(AE95G)は今でも結構走っていますね。
販売面では完全にカリブ >> シャトルだったようです。
じゃあ始めましょう。
【概要】
「スプリンターカリブ」 という車は1982年8月、ターセル/コルサをベースにした4WD ワゴンとしてこの世に誕生。片やシビックシャトルはその1年後の1983年9月、“ワンダーシビック”ファミリーの一員として誕生しました。この段階ではカリブは4WDのみでRV色が強く、片やシャトルには4WDがなく、「スペース・ユーティリティ・ワゴン(SUW)」といったキャラクターでした。
しかし、シャトルが'84年に4WDを加え、'86年にはフルタイム化、そして'87年のモデルチェンジでルーフレールを装着するなどRV色を強めたことで、カリブに段々と近づいていったという印象。片やカリブは、'88年のモデルチェンジでカローラをベースに生まれ変わり、正常進化とも言えるリファインを果たしています。
【スペック / ディメンション比較】
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ホンダ シビックシャトル RTi リミテッドエディション [4WD/4AT] ('94年)
全長4105mm×全幅1690mm×全高1515mm ホイールベース2500mm 車両重量1160kg
1590cc(120ps/14.5kgm) 10モード燃費11.2km/L 車両価格178.4万円
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トヨタ スプリンターカリブ AV-II ツーリングスペシャル [4WD/4AT] ('93年)
全長4380mm×全幅1655mm×全高1485mm ホイールベース2430mm 車両重量1240kg
1587cc(110ps/14.5kgm) 10モード燃費10.6km/L 車両価格181.9万円
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ボディのディメンション比較では、カリブは長くて低いステーションワゴンスタイル。片やシャトルは短く、背の高いハイトワゴンスタイルとなっている。
室内については、シャトルの方がホイールベースが7cm程長いが、後席の足元空間は狭い。カリブには乗ったことがないので分からないが、「広い」という話を聞いたことがないので、多分大差はないのだろう。運転席の着座点も、道でニアミスした際に見る分には大差がなさそうだ。ルーフレールを除いた全高差は4cm程シャトルの方が高いが、カリブにはシートリフターが装着されているので差が解消されてしまうのだろう。ボンネットのスラント具合が少ない分、カリブの方が見切りが良さそうだが、シャトルはボンネットが短いので取り回しで苦労することは皆無だ。
【走行性能比較】
シャトルはとにかくエンジンの中低速トルクが足りない。高速の登坂路では、ギアを落とさなければ軽にすら抜かれてしまうほどだ。それに比べ、カリブの4A-FHE型エンジンは、中低速トルクに優れていると聞く。
足は四輪ダブルウィッシュボーンのシャトルに分があるかもしれない。カリブは後輪が車軸式だし、以前乗っていた友人はロールが大きいと言っていた。ブレーキ性能もプアだったそうだが、友人のは13インチホイールのモデルだったので、最後期の14インチモデルではそれは解消されているのかもしれない。
【装備比較】
ドアミラーの電動格納、フロントワイパーの間欠時間調整、リアワイパーの間欠機能、運転席シートリフター、そして運転席/助手席間のセンターコンソールボックス。これらの装備が、カリブの最上級AV-IIツーリングSPにはすべて装備され、シャトルの最上級RTiにはすべて装備されていない。逆にシャトルにしか装備されないものは、オートエアコン(カリブはOP)、リアヒーターダクト、助手席シートアンダートレイ、助手席シートバックポケット、ヘッドライトウォッシャー、フィニッシャー付きデュアルエキゾーストパイプなどがあるが、快適装備類を筆頭に、やはりカリブに分がある。ついでにシャトルには、リアハッチノブさえも付いていない。
【まとめ】
素人の私にはまとめるのが難しいので(笑)、ここらで徳大寺さんに登場願おうと思う。 『間違いだらけのクルマ選び '89年版』、カリブの頁からの抜粋。
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「シビックのシャトルがライバルだろう。いまのシャトルは、かつての個性を喪失したようなところがあり、ボディスタイルからいっても、カリブのほうがカッコいいし、少々分がありそうだ。ただ、リアサスペンションはシャトルのほうが独立式なので乗り心地がいい。
4WDのシステムは、シャトルがビスカスカップリングを使い、カリブがオーソドックスに、センターディフを使っている。ビスカスカップリングの場合は、ふだんはほぼ100%FFで走り、いざ後輪にスリップがはじまったとき、ビスカスが作動して、後輪にトルクが配分されて4WDとなる。それにたいして、ディフの場合は常時4WDで走ることになる。どちらの形式がいいかは一長一短だ。
カリブのようなクルマは、オーナーの生活感を世に喧伝するための存在だ。このクルマには「オレはヒマがあったら釣りに行くぞ、スキーに行くぞ、海にもぐるぞ」と、都会生活者が、ウィークエンドはその種のレジャーを楽しんでいるのだとアピールするための道具といった側面がある。かつてその種の小道具は、ネクタイの模様とか潜水用腕時計などだったのだが、いまはクルマでそうしたことを表現する時代なのだろう。実際、いま世界的に大型4WDで街中を走るというのがファッションになっている。」
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確かにカリブは、そうしたアクティブイメージを表現するのに最適な車と言える。そういえばエアウェイブに 『アクティブパッケージ』 というのがあるが、カリブは素であれをやっていた。
片やシャトルは、“生活便利車” からスタートし、徐々にRV色を強めていくに従い、そのアイデンティティを喪失していったようなフシがある。
このクラスには、他にも5ドアハッチバックやワゴンの車が存在していたが、カリブとシャトルはその個性において、やはり他の車種たちとは一線を画していたように思う。 共に現在は消滅してしまったが、このブログを見て思い出し、心の片隅に留めて頂けたら幸いである。
カリブがこの後辿った道については、次のヴォルツについてのブログで少し触れたいと思う。