
先月までの走り込みで
新しく投入した車高調のセットも煮詰まってきたので,そろそろ次のステップを考え始めています.
現状,アライメント調整で確認したい事が2点ほどあるのですが,タイヤを新調する前にやるか,新調するのに合わせてやるかでちょっと悩んでます.タイヤを新調するなら一緒にバネレートも変えたいですし,折角バネレートを変えるんだったら,その前にアライメントを決めておきたい気もするし・・・でグルグル回って答えが出ません(笑).
そもそもレート変更も,どういう方向性に進むかで悩んでいます.
現状一番の課題は,TC1000の1コーナーのような高い車速でブレーキングしながら飛び込むコーナーでリアタイヤがインリフトする事です.別にインリフトしてもドライビングで合わせる事は出来ますし,それ自体は大して苦でもないのですが(これが日光だったらちょっと苦ですけど),
先日,EF8の先輩に撮って頂いた映像を見ると(↓),
再びインフィールドで白煙が上がるようになったので,やっぱりリフト量の調整は必須かなぁ~と思っています.
その後,
サーキットアドバイザーにこの件を相談してみると,やはり「インリフトの対策は,バネレートよりストローク」と仰るので,リアのスプリングを6インチ→7インチに変える手が思い浮かぶのですが,「またバネが増えるのか(苦笑)」と思うのと,EF8はリアの軸重が軽い事もあって
1インチの変化で結構車高が上がる可能性もあって,う~ん・・・って感じで悩んでいます(リアの車高は絶対に上げたくない).
ならば別の手として,「フロントのバネレートを上げる」という手も思い浮かぶのですが,こちらも
別の日にサーキットアドバイザーに相談したら,やはり「リアで対策すべき」と仰られ,前後のバネレート差が大きくなる事に関しても難色を示されていました(「2~4キロ差に留めるべき」というご意見).
確かに市販されている吊るしの車高調なんかを見ると,大体前後2~4キロ差くらいですし,実際にサーキットを走っている方もそれくらいにされています.一方,ジムカーナに目を向けて見ると,前後10キロ差(フロント:18キロ リア:8キロ)なんてケースはよく見ますし,バネレートは軸重に合わせてセットするという原則ベースで考えれば,前後の軸重が2:1な関係のEF8の場合,ジムカーナの考え方の方が正しいようにも思えます.ただ,サーキットユーザーの前後2キロ差も実績ベースでこうなっているんでしょうから,これはこれで合っているようにも思え・・・って感じで,こちらも堂々巡りになり,答えが見つからなくて悶々とする日々です(笑).
そんな折,いつもの通りアレコレ調べていたら,
コチラのブログを見つけました.こちらで述べられている事を勝手に纏めさせて頂くと,
・FFはフロントが重いから,フロントを固めれば荷重移動が減って曲がると思うが,それは勘違い.
・フロントを固めて減るのは荷重移動ではなくロール.荷重移動は逆に増える.
・フロントの荷重移動が増えると,フロントの限界が下がり,攻め込んでいくとアンダーステアに悩まされる.
・フロントを固めてよく曲がるように感じるのは,ステアリング切込み初期の反応が良くなるから.
これを読んで,
車高調を変えた直後に感じた事とぴったり辻褄が合いました.
ああ,だから高速コーナーで曲がるように感じる一方,中速の複合では曲がらないと感じたのかと.「なるほど,なるほど~」と読み進めていくと,途中「レバー比」と「ロール剛性」の話が出てくるのですが,これに触れるとまたブログが長くなるので(笑),ここでは一旦横に置いておいて・・・,
・ジムカーナでは中低速で俊敏なハンドリングが求められる.
・このため,とにかくステアリングレスポンス重視.
・だから,フロントを固めて初期のステアリングレスポンスを確実に良くする.
・これだと,グリップ限界の手前はよく曲がる.
・でも,グリップ限界に近づくとアンダーステアが出る.
・じゃあ,グリップ限界に近づいた時にどうするか?
・強い荷重移動でリアをインリフトさせてオーバーステアに持ち込む.
・オーバーステアに持ち込んだ後は,フロントで引っ張ってリアのスライドを維持する.
・しかし,リアがインリフトした状態のままではアンダーステアに転じる.
・そこで,フロントで引っ張って曲がる姿勢を維持する.
・だから,ジムカーナ車両はLSDの装着が必須.
これを読んで,「なるほど! そういう事だったのかー!!」と納得出来ました.点と点で理解していた事がようやく線として繋がった感じです.
ジムカーナでフロント20キロとかにしているのは,前後のバランスではなく,左右のバランス(正確にはレスポンス)のためだったんですね.じゃあリアは?というと,インリフト前提なので,旋回時にアウト側にくるサスペンションがイン側のタイヤを浮かすくらい沈み込んでくれないと困るから,極端に柔らかくしているんですね.なんでこういう数値なのか,やっと理解出来ました.
理解出来たならば,これが私の求めている方向性か?というと恐らく違いますね.
ジムカーナのセッティングは,欲しいグリップのピークをコーナー入口(Entry)に持ってくる考え方.見方を変えれば,コーナー中間(Middle)部分のグリップは低いという事です.中間部分のグリップが低いのに,なんで速く走れるのか?というと,ジムカーナ特有のサイドターンがあるからでしょうね(フロントタイヤのグリップを無視してクルマの向きを変えられる).
じゃあ,同じようにリアを飛ばしたら?と言われると思いますが,リアだけ飛ばしても遅いんですよね.リアを飛ばした分だけフロントが引っ張ってくれないと意味がない.
いやいや,お前のクルマもLSDが付いているんだから,フロントで引っ張れるんだろ?と言われると,VTECの兼合いで4000~5000rpmの中回転域は割とトルクが細いので,ブレーキングでこの領域に回転数を落っことすと,引っ張れないんですよね・・・(私のEF8だと,ZF1にも負けるレベルです↓).
これを避けるために,ジムカーナ車両はクロスミッションでローギヤード化して高回転域を保っていると思いますが,私のEF8のミッションは逆に
ドラッグレース用のミッションでハイギヤード化されているので,ファイナルで誤魔化してはいるものの,どう考えてもフロントで引っ張るのは得意分野ではありませんね・・・.
また,ジムカーナ車両はリアがインリフトさせるタイミングは,フロントタイヤのグリップが限界を迎えるポイント,すなわちコーナー中間部分(Middle)になりますが,私のEF8はコーナー進入部分(Entry)でリフトしているので,起きている事が違いますね.この事からもジムカーナの仕様に近づけるべきではないのだろうなぁ~と思いました.
最後に,先述のブログではこう(↓)纏められていました.
・重心が前寄りのFFでは,フロントに比べてリアのロール剛性を高くした方がフロントのトータルグリップが上がる.
・その結果,コーナリング限界が上がり,トラクションも掛け易くなる.
・フロントのイン側の荷重が抜けにくくもなるので,LSDの効きをマイルドにでき,パワーロスも減る.
・アンダーステアが弱まる分,舵角が少なくて済むのでトラクションを無駄にせず,前へ進め易い.
・但し,リアを固め過ぎてカウンターステアが必要なほどになると,逆にコーナリング限界は下がるので注意.
・それから,リアがあっさりインリフトしないようにリバウンドストロークに気をつけること.
・また,リアのバンプ側も底突きさせない事.底突きさせるとリアの動きが唐突でコントロールしにくくなる.
「やっぱり,そっちか~」と思う反面,まだいくつか疑問が残る箇所もあるので,引続き頭を悩ませてみようと思います(笑).