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OX3832のブログ一覧

2025年04月20日 イイね!

リア周りのリフレッシュ

リア周りのリフレッシュ筑波のジムカーナ場でコソ練をした後,ショップで点検してもらったら右のリアハブにガタが見つかってしまいました

6年前(2019年)にリアハブを交換した時,「これが最後!」と言われていたので純正新品はもう手に入らず,社外も出ていないので困ったなぁ~とオークションを漁ったら,「日本製の逆輸入品」というものが出ていたので即決で落としました.




出品元は関西の有名なショップだったので多分大丈夫だろう~と思いつつ,箱に「MADE IN JAPAN」と書かれただけのパチ物である可能性も十分有り得るので(だからこそオークションに流してるとかも有り得そうだし・・・),実際に取り付けてもらうまでは分からないなぁ~と思いつつ,ハブを持ってショップへ向かいました.

取付け前に,外した純正品と比較してもらったら(↓),



純正品(左)にはあるハブ固定用のボルト穴が,逆輸入品(右)では大きくくり抜かれていて固定が出来ない・・・.ショップの営業さんに聞くと「ボルトで固定しているのはホンダ車だけで,日産車等は元々こういった形状をしている」との事.「逆輸入品」である事は事実なんでしょうが,「EF用の逆輸入品(ED or EE用)とは言ってない」といったパターンですかね? 営業さん曰く「ちゃんとホイールを嵌めておけば,ボルトで固定しなくてもハブが外れる事はないから問題なし!」との事で,作業自体はそのまま進めてもらい,無事交換は完了しました

まぁ,ハブ単体で見れば,くり抜かれた穴の位置関係が純正品よりも均等になるので,回転のバランスは良いはず.くり抜かれた穴の分だけ重量も軽いはずですし,「性能向上品」と言えなくもないので,無理くりそれで自分を納得させる事にしました(笑).


そんなやりとりをしつつ,ハブの交換作業が終わるのを待っている間,ショップの営業さんと「今回のハブガタの直接の原因は何か?(いつ・どこでハブにトドメを刺したか?)」という話をしていたのですが,私としては先月のナリモの時(↓)かなぁ~?と思っていました.



今回ガタが出たのが右リアだったので,ナリモでジムカーナをやった時に左コーナー(通常のコースではなく,ジムカーナ特有のコースをショートカットする部分)で,ジャンピングスポット→着地→テールスライドと,右リアにかなり大きな負担を強いていた気がするので,ナリモかなぁ~?と.

ただ,会話をする中で営業さんから「ハブにガタがあると,リアのブレーキが効かなくなる可能性がある~」と言われ,

(・o・;)アッ!

と思い出しました.ナリモの次にTC1000を走った際,1回だけリアのブレーキがなくなったように感じたシーンがありました(↓).



この時は1回こっきりだったので「気のせいか??」とも思っていたのですが,話を聞いて「本当にリアのブレーキがなくなっていたのかも?」と思いました.営業さん曰くメカニズムとしてはこうだそうです(↓).



EF8のリアキャリパーはフローティングタイプの片押しなので,通常であれば左の図のようにピストンがパッドをローターに押しつけて制動が始まる訳なのですが,ハブにガタがあってローターが左右に振れている場合,押し当てたパッドがローターの振れによって押し戻され,右の図のようにローターから離れて制動が効かなくなる事があるそうです.パッドが離れた後も再度ペダルを踏み込んで油圧を掛ければ制動力は再び得られるのですが,上の動画のように再踏み込みをしないような操作だと,リアだけブレーキが効かない状態(=なくなったように感じる状態)が起きてしまうとの事です.

だとすると,ナリモではなくTC1000で壊したのか・・・?と考えて,

Σ( ̄□ ̄) ア…!!

とまたまた思い出しました.そういえばこのTC1000の時に,1周だけ洗濯板のライン取りをミスって,右リアを洗濯板のカマボコ(↓)にガツン!と当ててしまっていました・・・.



やった時は「アッ!? ヤバイ!!」と思ったのですが,その後,特に違和感を感じなかったので「大丈夫だった??」と情報を上書きして忘れていました.そうか,あの1周のミスがハブにトドメを刺していたのか・・・.手痛いミスだったなぁ~(泣).

だとすると,現状の1G状態でバンプタッチしていると思われるリアのセット(↓)は,



やはり足回りにダメージを与えてしまう仕様という事になるので変えないとダメだな~と判断し,スプリングも合わせて交換する事にしました(今回,リアタイヤも新品にするタイミングだったのでちょうど良かった).

最初は,リバウンドストロークの確保とバンプタッチの回避を同時に実現するために,リアに追加した0.2キロのヘルパースプリングをよりレートの高いものに交換する事を考えていたのですが,必要なヘルパースプリングのレートを試算してみたところ10キロ近い値となったため,「だったら,シングルの12キロで良いのでは?」と考え,以下のように変更しました(↓).

  (現) 5インチ 14キロ(高反発) + 0.2キロ ヘルパースプリング
   ↓
  (新) 7インチ 12キロ(高反発)



現在,フロントには14キロのスプリングが入っているため,前後バランスを取る意味合いでは同じ7インチでも「14キロ(高反発)」の方が良いか?とも思ったのですが,それだとリバウンドストローク不足に起因したスピン挙動に再び悩まされる可能性が頭を過ぎったので,そういう意味で安牌な12キロの方を選ぶ事にしました.もし,これで前後バランスが取れないようであれば,フロントも14キロ→12キロに戻そうと思っています.



結局24-25のタイムアタックシーズンでは,前後2キロレートアップした仕様で挑んでみたものの,クルマのバランスが大幅に崩れてしまい,23-24シーズンと比べて平均0.3秒くらい遅くなったような気がしています.この主たる原因はレートアップによるリバウンドストローク不足(接地性の悪さ)な気がしていて,限界域で挙動がピーキーですし,スィートスポットが狭くてフロントタイヤの性能を引き出し切れていないように感じていました.例えピーキーな特性でも1発が速いならまだ良いのですが,先述の通りむしろ遅くなっていますし,タイヤのグリップ頼りで摩耗が早い上に,冬場はウォームアップも遅いとネガの方が目立ちます.あげく今回の駆動系(ハブ)のダメージですから,得られたメリットよりもデメリットの方が遥かに多く,「現状のダンパー仕様だと12キロが限界なんじゃないかなぁ~?」と思うようになりました(=これ以上レートを上げたかったら,ダンパーを作り直すべき).

「だったら,フロントも一緒に12キロに戻しちゃえ!」という話なのですが,現在フロントに入れている「14キロ(低反発)(↓)」に関しては,



リアのバランス取りに苦労した事もあって,まだ正しい評価が出来ていない気もしています.



スプリング自体の反発力が低い事で,フロントの荷重をキープする時間が相対的に長くなっているのは間違いなく,コーナーの後半(中間~出口にかけて)まで前傾姿勢を保てている気がするので,この特性を上手く使えばトータルではこっちの方が速いんじゃないかなぁ~?と思っており,もう少しテストを続けてみようと思っています.


そんな感じでスプリング交換→アライメントの取り直しをやってもらったのですが,途中で数値を聞いてビックリ!



なんとリアのトー角がOUT 10'となっていたそうです(左側).確かにリアタイヤを新品にした事で車高が若干上がってはいるのですが,そこまでズレるものか?? 以前調べたEFのリアジオメトリー変化を確認してみたところ(↓),



車高が上がる方向(Rebound側)だとトー角は確かにOUT側へ行くようです.それにしても思ったよりイニシャルの位置(In-Outのライン)が下がっている気がするなぁ~と思い考えてみると,私のEF8はトレーリングアームブッシュ(↓)をピロ化して,



コンペンセーターアームを廃していますし,諸々のトー角変化抑制機構(↓)が機能していないので,



In-Outのラインが下がるのも仕方がないのかなぁ~?と思いました.もしそうであるならば,やはりリアのレートは下げた方がピーキーさが緩和されるので,こちらの方が正解だろうと思いつつ,トー角を調整し直してもらいました.




以上,リア周りのリフレッシュでした.ハブが新品という事で連休中は慣らしに勤しもうと思います.
Posted at 2025/04/21 12:30:07 | コメント(1) | トラックバック(0) | トラブル&修理 | 日記
2024年12月21日 イイね!

小ネタの備忘録

小ネタの備忘録ミュージアムやイベントの見学の合間にEF8のアップデート&トラブル対応も進め,ドタバタの1週間が終わり,ようやく落ち着いてきました.

今年も実質残り1週間程度になりましたが,来週から再び走れそうなので,何とか間に合ったかな?という感じ.自己ベストを更新している方もチラホラ見かけ,今シーズンこそ4年以上更新出来ていないTC1000の自己ベストを塗り替えたいところなのですが,ここ数日気温こそグッと下がったものの,気圧の上昇が今一歩な感じなので,これだと届かないかなぁ~?なんて思っています.

さて,この間に気になる小ネタがいくつかあったので,それぞれ個別のブログにする程でもない事から,備忘録も兼ねて纏めて上げておきます.

①EF用の無限製スタビライザー
先日,ダンパーフォークブッシュをピロボール→ゴムブッシュに戻した訳なのですが,この際,無限製のハードブッシュを再購入しました.

「無限の新品ブッシュなんて,もう二度と手に入らない」と思い込んでいたので,最初見つけた時はニセモノか?と疑ったほどだったのですが,ちゃんと正規品でした.この際,正規品かどうかを確認するのに部番を調べていたのですが,その過程で当時の無限のカタログを見つけました.今では手に入らないモノばかりで「懐かしいなぁ~」と眺めていたのですが,その中にEF用のスタビライザーの項目が(↓).


(無限:COMPETITION PARTSより)

無限のスタビは何種類かあると聞いていたのですが,フロント/リアで各2種類あったようですね.

  フロント ・・・ 17.3mm/19.1mmの2種類(中空)
  リア   ・・・ 20.0mm/22.0mmの2種類

EF9用がEF8にそのまま付くのか分かりませんが,今でもこれが入手出来ればなぁ~.足回りのセットアップをもう少し詰められたかと思うとホント残念です(中空パイプを曲げてワンオフで作ってくれるトコないかなぁ~?).


②シートレールアップデートキット
12/10にBRIDEが「シートレールアップデートキット」なる製品を発表しました(↓).


(BRIDE:NEWSより)

シートレールの左右を連結して剛性UPを図るもので,慢性的に剛性不足で悩まされている人間にとっては魅力的な商品.早速購入しようと思ったのですが,私の使っているシートレールがどれだか分からない・・・.私が使っているシートは2010年に購入した「VIOSⅢ LOWMAX」なのですが,当時シートレールも同時に購入しました.BRIDEの適合表を見てみると(↓),



「LFタイプ or Fシリーズ」と書いてあり,どちらだか分からない.仕方がないので,ショップに行って購入時の伝票を確認してもらったところ「LFタイプ」と書いてありました.「ならば,そうなのかなぁ~?」と思い,一応現物を確認してみたところ,



「LFタイプ」は2シーター用のシートレールで,シート後方に横棒が付いていないタイプのようなのですが,私のEF8に付いているレールは横棒がある・・・.伝票が間違っていて「FOタイプ」なのか? 一体どっちなんだー!と騒いでいると,メカニックさんがシートの裏に潜って部番を確認してくれました(↓).



しかし,タイプ名が分かるような情報は見つからず.どっちをオーダーしたら良いのやら分かりませんでした.
( 困った・・・泣)


③スプリング干渉対策
レートアップ後の挙動対策としてHALの低反発スプリングを投入したのですが,「低反発」は「中反発」とは異なりバレル形状となっているため(↓),



中央部付近の内径が5mm大きく,片側2.5mmほど外側に出る事になったのですが,これを見落として組み込んでしまい,ナックルアームとスプリングが干渉する問題が発生しました(↓).



工場長と協議した結果,「キャンバーを起こしましょう」という話となり,フロントのキャンバー角を30分ほど立てる事にしました(↓).



この結果,たった2日でアライメントを再度取り直す羽目になりましたが(泣),キャンバーを起こした後は干渉はなくなり,問題は解消しました.

一方,キャンバーを30分失ったネガに関しては,レートアップして以降,フロントタイヤの表面温度はIN/OUTで割とキレイに揃っているので,温度の上がらない冬場であれば何とか耐えられるかなぁ~?と思いつつ,夏場だったり,高速コーナーが多かったりすると摩耗的には厳しくなりそうです.そんな折,三十爺さんから「ASLANの偏心ピロアッパーを使うと対策出来ますよ」とアドバイス頂き調べてみると,


(ASLAN:偏心ピロアッパーより)

「ワァ~オ! まさに必要なのはこれじゃん!!」という製品でした.早速これが使えそうか調べてみると,「ロッド径がΦ12のショックだった使えます」との事で,今使っているAragosta「TYPE-S」のロッド径をショップ経由で確認してもらったところ,「Φ14」との事でガックリ・・・.orz

「いや,待てよ.もしかして~」と思い,Aragostaのカタログをひっくり返してみたところ,


(Aragosta:オプションパーツより)

「調整式のピロアッパーがあるじゃ~ん! これが使えれば!!」と返す刀でショップの営業さんに提案.問題はダブルウィッシュボーン用の車高調に,調整式ピロアッパーの設定があるかどうか? カタログには「各車種別」と書かれていますが,そもそも調整式のピロアッパーはストラット用を想定しているはずなので,ない可能性の方が高いか・・・.


④雨滴考察の裏取り
10月にウェットのTC1000を走った際,走行後の雨滴の付き方が気になりました(↓).



ドアの部分に付いている雨滴が下方向に引っ張られるかのように流れていたので,車体下部に負圧域でも出来ているのかなぁ~?と考察しました(↓).



「タイヤウェイクの影響では?」といったコメントを頂いたりもして,以降もどういう流れ方をしているのか気になったので,また洗車機のシャワーを使って確認してみました(笑).



これを見ると,ボディ下部はフェンダーフラップの後方が乱流状態になっており(↓),



一定の方向性を持たない流れとなっているので,実質タイヤウェイクが発生しているのと変わりませんね.
一方,ボディ上部に関しては,ミラーに当たった気流が下方に沈み込む様子が見てとれ(↓),



どうやら,これが先日の雨滴の流れ方の要因のようですね.F1を筆頭に,GTカーや最近はラリーカーなんかでもミラーを空力パーツと見なして形状を工夫していますが,EF8のこんな単純な形状のミラーでも意外と影響が大きいんだなぁ~と思いました(まぁ,空気中に突き出ている部品なんで当たり前と言えば当たり前).この気流を下に落とすのが良いのか? 上に跳ね上げるのが良いのか?は勉強不足で分からないので,また色々と調べてみようと思います.


以上,こんな多種多様な小ネタをラーメン食べながら考えていたお話でした.


2年前にEF8の先輩と行った時以来,久方振りに行ったら1100円まで値上がりして券売機が出来てた・・・)
Posted at 2024/12/21 23:04:09 | コメント(0) | トラックバック(0) | トラブル&修理 | 日記
2024年06月18日 イイね!

ブレーキペダルが奥にスコッ!と入る その②

ブレーキペダルが奥にスコッ!と入る その②アタックシーズンを終えた3月頃から「なんだかブレーキのフィーリングが良くないなぁ~」と思い,ローター&パッドを交換してリフレッシュしたのですが,それでもフィーリングは改善せず,「対向キャリパーに変えようかなぁ~?」なんて色々調べていました.

それから月日が経って4月に入った頃,フィーリングが更に悪くなって,駐車場で車庫入れをするような極低速のシチュエーションで,ブレーキペダルをソォ~ッと踏むとペダルタッチが物凄く柔らかく,ストロークの半分くらいまで行くようになりました.

「アレレッ? この感触は,まさかアレじゃないだろうな・・・」と10ヵ月前の記憶が蘇り,ショップでメカニックさんに相談してみたところ,

「それ,マスターシリンダーでしょ!」

とのご回答.うぇぇ~,交換してからまだ1年も経ってないのに,もうマスターシリンダー終わったのかよ・・・.orz

私のマスターシリンダーはNSX用に交換しているので,NSX用ってそんなにヤワなのか?と調べてみたら,サーキット走行を繰返すと摩耗が早く進むので,後期型のNSX-R(NA2R)に替えるのが定番メニューなんだとか.「確かにType-R仕様じゃないけどさぁ~.それでも一応スポーツカーでしょ~,いくらなんでも短命過ぎない?」と不満思いつつも,しょうがないのでオーバーホールキットを注文したのですが,純正部品のくせに,なぜか6月中旬まで入荷しないとの事で作業は延び延びに・・・.


その間,騙し騙し走らせていたのですが,



先月のTC1000の頃には,いよいよブレーキペダルが奥にスコッ!と入る末期症状になってきたので,さすがにこれは危険だという事で以降,走行休止にしていました.


そして,先週末ようやく部品が揃ったのでショップへEF8を預け,作業完了の連絡を待っていたら「オーバーホールしても直んなかったみたいです・・・」と営業さんから電話が.「ああ,やっぱりなぁ~」という気持ちと「うわぁ~,参ったな・・・」という気持ちが入り混じった状態で一度電話を切ると,その2時間後に「原因分かりました.ダンパーフォークです!」と入電.

( ˙꒳​˙ ) ハイ??

口頭で一所懸命説明してくれたのですが,何が起こっているのか全くイメージが湧かないので,「分かりました.今からそっち見に行きます」と仕事を抜け出してショップへ.


降水量10mmというザーザーの雨の中,靴の中まで水浸しになりつつショップに到着してEF8を見せてもらうと,以下のような顛末でした.

まず,私のEF8はダンパーストロークを稼ぐために,フロントにDC2用のショートダンパーフォークを使っています(↓の左側).



ご覧の通り,このダンパーフォークは純正(右)より大分ゴツいので,ダンパーフォークとブレーキキャリパーの間隔が純正よりも狭くなっています.



更に私のEF8のフロントキャリパーは,ビッグローター対応でEK9用に変更しているため(↓),



純正よりも位置が上がって,更にダンパーフォークに近づいています.
この状況で,私は4月にダンパーフォークブッシュのピロ化を行った結果(↓),



ダンパーフォーク本体が左右にスムースに首振り(↓)出来るようになりました.



この首振り量を実際に現場で見せてもらったのですが,「えっ!? そんなに動くのー??」と驚くほどの振れ幅で,この首振りはダンパーがストロークしてスプリングに力が加わると,スプリングがダンパーフォークを捩じるように力を加えるため,スプリングの巻き方から左フロントのダンパーフォークはキャリパーの方に向く形となります.

この状況でステアリングを右に切って,キャリパーをダンパーフォークに近づけると(↓),



この両者が当たっちゃう訳なんですねぇ・・・.orz


確かにダンパーフォーク側を見ると当たっている痕跡がありました(↓)



でも,単に当たるだけなら物理的にロックされて,ブレーキペダルのタッチは硬い感じとなり,スコッ!と入るような柔らかい感触にはならないのでは・・・?と思っていると,工場長がメカニズムを説明してくれました.

まず,先程も述べましたが私のEF8にはEK9用のキャリパーが入っていますが,如何に天下のType-Rと言えど,テンロククラスは片押しのフローティング(浮動型)キャリパーです.


(ADVICS:ブレーキ雑学講座 ふたつのキャリパー その1より)

フローティングキャリパーの"フローティング"はその名の通り,本体が浮いた状態で左右に動く訳なのですが,ブレーキを踏んで油圧が掛かり,ピストンがキャリパー本体を押しつけて動こうとした先にダンパーフォークがいるため,キャリパー本体は動きません.キャリパー本体が動かない(動けない)という事は,ブレーキパッドがディスクに当たらないため,勿論ブレーキは効かず,ブレーキペダルを踏んでいるのにクルマは止まらない・・・という恐怖状態に陥る事になる訳なのですが,この時に,私が使っているNA1用のマスターシリンダーが思わぬ動きをします.


私の使っているNA1用のマスターシリンダーは「ALB(ABS)仕様」です.「ABS(Anti-lock Brake System)」は皆さんご存知の通り,ブレーキペダルを強く踏んだ時に,ロックを解除するシステムですが(↓),


(ADVICS:ブレーキ雑学講座 ABS入門 その3より)

このロックを解除する際,ブレーキキャリパーに掛かっている油圧を抜く必要があります.このため,ABS車用のマスターシリンダーは,想定以上の圧力が掛かった時に油圧を抜くための「センターバルブ」という機構を持ったものがあるそうです(↓).



キャリパー本体が物理的に固定されて,油圧の逃げ場がない状態で,ブレーキペダルを更に奥まで踏み込んで圧力を上げたら,そりゃ想定以上の油圧になる訳で,そうなった時に「センターバルブ」が開いて油圧を一気にリザーバーへ油圧を逃がしてしまうため,ブレーキペダルが奥にスコッ!と入るような感触になるのだと思われます・・・.orz


以上,ブレーキペダルが奥にスコッ!と入る,2024年バージョンでした(泣).

纏めると,以下の部品を組み合わせたクルマで,

  ・DC2用のダンパーフォーク
  ・EK9用のキャリパー
  ・NA1用のマスターシリンダー
  ・EF8用のダンパーフォークピロブッシュ

以下のようなシチュエーションになると,

  ・下り坂 or ブレーキングでフロント荷重になった後
  ・右にフル転舵

ブレーキペダルが奥にスコッ!と入るようです.流用・流用でクルマを組み上げるとこういう事にハマるという,見事な組合せ問題でした(泣).こんなケースにハマる人はそうそういないとは思いますが,皆様お気をつけ下さい・・・.
(謎を解き明かしてくれた工場長,本当に有難う御座いました!<(_ _)>)
Posted at 2024/06/18 21:40:49 | コメント(0) | トラックバック(0) | トラブル&修理 | 日記
2023年12月26日 イイね!

何とか年内に間に合った

何とか年内に間に合った先月の日光走行後にショップで点検をしてもらっていたら,右フロントにガタが見つかりました.

診断の結果は,どうやらアッパーアームの先端に付いているボールジョイントのガタで,この部品を手配する事になったのですが,12月の頭にメーカーに問合せてもらったら「年末と被るので納品は1/9以降かも??」なんて言われてしまいました・・・.


私のEF8が使っているボールジョイントは純正品ではなく,アライメント調整器具を販売している「アムテックス」という会社が,アメリカの「SPC(Specialty Products Company) Performance」から輸入している「アジャスタブルボールジョイント」という製品を使っています(↓).



この製品は本来,車高を下げてネガティブ(寝る)側に進んでしまったキャンバー角を,ツライチにする為にポジティブ(立てる)側へ調整するための部品なのですが,逆向きに付けると更にネガティブ方向へキャンバー角を寝かせる事が出来るため,これを使って純正アームなのに-4°というキャンバー数値を実現しています.

CUSCO等から出ているショートアームだと-2°くらいが限界なので,時間が掛かろうが海を渡って部品がやって来るのを待つしかない・・・と諦めてゲーム買って気を紛らさせていました.しかし,年内最後の航空便に間に合ったのか? ショップが年末進行で過密スケジュールとなっている最中に部品が届き,営業さんとメカニックさんが色々調整してくれて何とか年内に交換を完了する事が出来ました(毎度本当に有難う御座います!<(_ _)>).


・・・で,今日EF8を取りに行って,外した部品を見せてもらったのですが,現物を見てびっくりしました!

その部品の話に入る前に一連の経緯を振り返ってみると,まずガタが発覚したのは日光の走行後でした.



ただ,ガタが見つかったのは右側だけで左側は何ともなく,右周りのコースである日光で,負荷の高い左側(OUT側)ではなく右側(IN側)の部品が壊れるという点が不可解でした.このため,日光を走る直前に行ったフロントのアッパーアームブッシュのピロ化の影響か?とも思ったのですが,



確かにアッパーアームブッシュのピロ化によって,ボールジョイントへの負荷が増すのは間違いないですが(↓),



それにしたって,たかだた12分×4本程度の負荷で一気に壊れるか?とこちらも不可解でした.
「そうすると,もっと前に傷を負っていたのか?」と思い,記憶を辿ってみると,



ナリモでコースアウトして右フロントをしたたかに打ちつけた事を思い出しました.確かにあの時の衝撃を思い起こすとサスペンション部品が壊れても仕方がないかなぁ・・・とも思ったのですが,実はナリモ走行後にショップで点検してもらった時はガタはありませんでした.


・・・となると,一発破壊ではなく摩耗型の故障か?なんて思っていたのですが,どうやらその通りだったようです.



名称の通り,ボールになったジョイント部なのでアームに付く部分がグルグルと動くのですが,これが軽く手で捻っても動くくらい軽い! 画像でご覧頂ければ分かる通り,ボール自体がかなり摩耗していて,力を入れて捻ったらボールがポン!と固定部から抜けてしまうんじゃないか?と思うくらい,クリアランスがスカスカの状態でした.
(高速コーナーでスポン!と抜けなくてホント良かった・・・)



更にボールを固定する台座の一部に摩耗痕があって,どうやらジョイント部が最大角となった時に棒状の部分が台座に接触してしまうようで,そこから元に戻って→接触して→・・・を繰返して,その部分の台座が摩耗で凹んでしまったようです.こうなると,棒状の部分も設計時の想定角以上に動いてしまうので,テコの原理でボールの外周に更に力が掛かり,摩耗も進んでしまったようです.

この原理からすると,ガタの起きた右側だけでなく左側も同様のはずでは?と思い,そちら側も見てみると(↓),



こちらのボールもかなり摩耗していました.右側と同様に台座が削り取られたかのような摩耗痕が確認出来ますし,ボールと固定部とのクリアランスはスカスカで,その隙間から何かのカスが出ています.恐らく,このカスはボールを保護するためのコーティングか何かと思われるのですが,ここから推測するに右側のボールジョイントはこのコーティングが残っていないくらい摩耗していたのでガタが出ていた・・・という事なんだと思われます.

これを見るまでは,「まだガタの出ていない左側のボールジョイントは予備で取っておこうかなぁ~」なんて思っていたのですが,こんなスカスカじゃ二度と使う気にはならないので,両方とも処分してもらう事にしました・・・.


以上,何とか年内に間に合ったボールジョイントの交換でした.

この「アジャスタブルボールジョイント」を投入したのは今から7年前.恐らくサーキット走行なんて想定していない部品と思われるので(そもそもコレ,オデッセイ用です),7年ももてば十分と言えば十分なのかもしれません.アッパーアームブッシュのピロ化によって,今後ボールジョイントに掛かる負荷はこれまでよりも増えるので,定期的に点検していこうと思います.
Posted at 2023/12/26 23:25:24 | コメント(0) | トラックバック(0) | トラブル&修理 | 日記
2023年09月09日 イイね!

別れまでの年月

別れまでの年月お盆休み中に倒れたショップの店長,過去何度か倒れているのですが,今回は酷そうなので心配していたところ,復帰叶わず退職となったようです.

ショップとの付き合いは2001年に今のEF8を買った時から始まったので,かれこれ22年にもなりますが,その間の半分以上を店長とやりとりしていたので,もうお店で話が出来なくなると思うと非常に寂しいですね・・・.

やりとりが始まった当初は,「出るとお金が飛ぶ,不幸の知らせ」と私はショップからの電話を無視し続けていたですが,無視されても諦めず,何度も繰り返し電話を掛けてくる熱心さに折れ,ショップには半年に1回行く程度だったのが,月に1回となり,やがて毎週通うようになりました.

店長と私は同年代ですが,考え方が真逆なのでショップでセッティングやドライビングの話になると,「水と油」状態で言い合いになるのがいつものパターン.これを見ていた周囲のお客さんが「この二人,大丈夫か?!」とハラハラする事もしばしばあったそうですが,もうそんな事は二度となくなりますね.歳が歳なので,病を患ったら良くなる事は難しいと思いますが,店長には長生きして欲しいな,と思います.


さて,そんな10年以上の付き合いの後の別れに比べ,何とも短い別れとなったのがタイトル画像の「テンションロッド」.先端部にピロボールを使っているので,経年劣化でガタが出て異音がするのは仕方がないのですが,3月に交換してから僅か半年で,工場長に「サーキット走行は見送って・・・」と言われるほど酷い状態となりました.

このNAGISA AUTO製の「ピロテンションロッド」を使うのは通算3回目で,1回目は3年(途中で日光の縁石にブツけてへし折った↓).



2回目は5年もったのですが,この3回目は僅か半年・・・.さすがにコレは酷いんじゃないの?と思いつつ,3回目に交換する時に工場長が製品がマイナーチェンジされてる事に気づいてくれて,当時は私も「良い方向である事を願う」なんて書いたのですが,そんな願いも空しく,逆方向だったようですね.


ピロボールなので当然当たり・外れがあるとは思いますし,私が引いたのがたまたま外れだった可能性もなくはないですが,さすがに半年で寿命を迎えた製品をリピートする気にはなれず,他にないか?と探したところTRY・BOX製が見つかり,こちらの「調整式ピロラジアスロッド」をオーダーしてみました(↓).



私はよく知らなかったのですが,TRY・BOX製のピロは国内大手の「ミネベアミツミ」製の「HRT(ロッドエンドベアリング)」を採用しているそうで,かなり信頼が置けそうです.ただ,TRY・BOXでは,通常純正のロッドを送ってもらって,それの先端部を加工して返すそうですが,手元にはNAGISA AUTO製のピロ化されたテンションロッドしかなく,これを送って加工してもらえるかどうかが微妙でした.結果的には加工を受けてもらう事ができ,調整してくれた店長(の最後の仕事)に感謝です.<(_ _)>

交換後は異音もなくなったので,後は寿命.今度こそ年単位でもって欲しいものです・・・.


そして,TRY・BOXにオーダーするなら~と,ついでにリアの「ピロトレーリングアームブッシュ」もオーダーしました(↓).



私のEF8は足回りのセットを煮詰め切り,残るはリアのトーをアウトに振るくらいしかやれる事が残ってないのですが,コース上はともかく,土砂降りの高速道路でも走るとなると,リアのトーをアウトに振るのはかなり怖く,予測不能な動きとなるリスクを少しでも低減すべく,ピロ化してみる事にしました.

トレーリングアームブッシュというのはコレ(↓)なのですが,



以前,リアサスのジオメトリーに関して調べた際,EF世代の足回りには「ゼロ・コンプライアンスステア」「ゼロ・サイドフォースステア」という機構が組み込まれ,



「ピロ化してブッシュのたわみをなくすと,トーが余計イン側に入るようになっちゃう気がする」と思ったのですが,TRY・BOX製のは無段階スクリューとなっているため,コンペンセーターアーム自体を外す事が出来るとの事です.


(↑の手前側の⑥がコンペンセーターアームです)

これにより,リンク機構そのものがなくなるので,前述の「ゼロ・コンプライアンスステア」「ゼロ・サイドフォースステア」を無効化出来るんじゃないかと思うのですが(並行移動でトー変化を打ち消すのではなく,そもそも変化しないようにする),上下方向のジオメトリー変化は残るはずなので,実際に走ってみないとどっち方向に行くのか分かりませんね.

なお,こちらの製品も「テンションロッド(ラジアスロッド)」と同様に,「ミネベアミツミ」製のスフェリカルベアリングを採用しているとの事で,信頼が置けそうです.街乗りで乗った印象では,ギャップを乗り越えた時の収束性が良くなった感じで,ゴムの曖昧さが消えてダンパーがスムースに働いているような気がしました.


ちなみに「コンペンセーターアームを外す事で軽量化も期待出来る~」なんてセールストークがあったのですが,



外したアームを持った感じ,左右合わせても1kgもないんじゃないかなー?と思いました(苦笑).


そして,外した無限製の「トレーリングアームブッシュ」ですが(↓),



切れもなくまだ十分使えそうでした.
履歴を追ってみたところ,こちらは2014年に交換していたので9年目の別れになりますね.


最後に番外編で,もういっちょ!

先月「河口湖自動車博物館」へ行った時
に,LINK ECUのセッティング用にタブレットPCを積んでいたのですが,35℃オーバーの外気温+直射日光にやられたのか? 内部のリチウムバッテリーが膨張して下面の板が外れてしまいました・・・(↓).



私が使っていたのは,FFF SMART LIFE CONNECTEDの「MAL-FWTVPCM1」というUMPCだったのですが,こちらは購入してまだ1年ちょっと.交換用のバッテリーは市販されておらず,膨張したバッテリーをそのまま使うのもリスクが高いので,やむなく新しいPCを手配.



ECUのセッティング用なので屋外で使う事も多い事から,今回はUMPCの中では比較的頑丈そうな「GPD MicroPC」にしてみました(画像右側).ただでさえ小さかった画面が更に小さくなり(8インチ→6インチ),キーボードも小さいのでセッティング用としてはちょっと使いにくいかもしれませんが,失火症状もなくなり,今後は「ECUログ」メインでセッティングしていこうと思うので,一先ずこれでやってみます.


以上,別れまでの年月でした.

12年・半年・9年・1年と別れまでの年月は長かったり・短かったりと様々ですが,色々な事を心機一転しつつアタックシーズンに突入していきたいと思います.
Posted at 2023/09/10 03:40:08 | コメント(1) | トラックバック(0) | トラブル&修理 | 日記

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「アップデートの効果検証 http://cvw.jp/b/1684331/48745732/
何シテル?   11/04 00:09
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