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2025年02月13日 イイね!

リバウンドストローク不足の対策結果

リバウンドストローク不足の対策結果タイム的には今一つでしたが,先日のTC1000でリアにヘルパースプリングを追加してリバウンドストローク不足の対策結果を行った結果を振り返っておきます.

まずはコンディション.

  前回 ・・・ 気圧:1017.1hPa  気温:9.3℃  路温:14.4℃
  今回 ・・・ 気圧:1014.8hPa  気温:8.4℃  路温:16.8℃

今回午後枠を走ったにしては割と近しいコンディションですね.ほぼほぼイーブンでしょう.


続けて車載.

【前回(41.456)】


【今回(41.607)】


タイム的には0.15秒後れと遅くなっていますが,フロントタイヤがほぼ終わりかけの状態なので,そのせいかなぁ~?と思っています.


ではいつものロガーデータ比較(緑:前回 青:今回)



上が車速,下がタイム差です.ざっくり見ると今回(青)の方がヘアピンの進入は速いですね(下に行っている).リアのリバウンドストロークが増えた事で接地性が増し,思い切った突っ込みが出来るようになったためと思われます.逆に遅くなっているのは,1コーナー・ヘアピン・インフィールド・最終コーナーとほぼ全てのコーナーの立ち上がり部分.やはりフロントタイヤのグリップが落ちているのでクルマが前に進まない・・・といった感じなのでしょうか?


細かく見ていきます.

ホームストレートエンド~1コーナー~2コーナー



コンディションがほぼ同等な割には最高速が1.3km/h低いですね(左側の赤丸の部分).これには思い当たる節が1つあるのでここで飛ばします.1コーナーのボトム(右側の赤丸の部分)は2.9km/hダウンしていますが,フロントタイヤの状況を鑑みれば止む無しかなぁ~? ただ今回(青)はその後の加速で真っ直ぐ一直線に車速が伸びているのは嬉しいですね.ライン取りを見てみると(↓),



今回(青)の方が前回(赤)よりも内側に切れ込んでいっているので,乗っている時に感じた「よく曲がる~♪」というフィーリングと一致している事が確認出来ました.


ヘアピン~インフィールド~左高速



総じて見るとほぼ違いはないのですが,ヘアピン(赤丸の部分)をよーく見るとほんの僅かですがアプローチの部分でブレーキ踏力を緩める余裕があるのが見てとれます.これがリアの接地性向上の効果でしょうね.ただ,踏力を弱めたせいか,やや突っ込み過ぎとなって立ち上がりの部分で失速もしているようです.今回のタイヤの摩耗状況だと少々突っ込み過ぎだったのかもしれませんね・・・.それ以外の部分に関してはほぼほぼ違いはなく,リアのスプリングを7インチ→5インチに縮めた弊害はなかった事が分かります.各コーナーの立ち上がりで加速が鈍っている原因に関しては,リアのスタビリティが上がって前後バランスがアンダーステア方向に行った可能性も拭いきれないので,こちらはタイヤをリフレッシュして再確認かなぁ~?と思います.


最終複合
今回一番反省すべき点があるとすればココ.



洗濯板を抜けて,最終複合のアウトクリップにつくところまでは違いはありませんが,そこから加速しつつ最終コーナーに向かって切り込んでいくところ(赤丸の部分)で今回(青)が明確に失速しています・・・.失速の理由は車載を見ると一目瞭然で(↓),



最終コーナーに対して深く切り込み過ぎてしまい,このままだとIN側の白縁石に右フロントが乗っかるため,それを回避するためにアクセルを抜いてOUT側にクルマを逃がしている事が原因でした.ライン取りのデータもこれを裏付けていて(↓),



今回(青)の方が早めにIN側に切り込んでしまっているのが分かります.これは2コーナーと同じ状況なので,よく曲がるようになってしまったが故に起きてしまったドライビングミスなんでしょうね.orz

一応この後,この問題を解消するためのライン取りを探ってみたのですが,アウトクリップにいる時間を長くするためにややオーバースピード気味で洗濯板に突っ込んでみると,今度は曲がり切れずアンダーステアと格闘する羽目になってしまいました.逆に洗濯板へのアプローチを抑え気味にしてみると,タイヤのグリップが余って小回りし過ぎてしまい,余計アクセルを踏めなくなってしまいました.今回のテストでは,なかなか「コレ!」といったポイントを上手く掴む事が出来ませんでしたが,ここの進入角度が悪いとアクセルを全開にするポイントが遅れてしまい,いとも簡単にホームストレートで0.1~0.2秒失ってしまうので,なんとかドライビングで合わせ込みたいところですね.


以上,リバウンドストローク対策結果でした.纏めると,

  ・ブレーキング時のスタビリティは確実に向上しており,ヘルパースプリングの投入は成功!
  ・スプリングの自由長を7→5インチに縮めた事による悪影響は見られず,こちらも成功!
  ・これらの効果で,旋回時間が長いコーナーでフロントがしっかり入るようになり,よく曲がる♪
  ・但し,最終コーナーだけは曲がり過ぎており,ここを何とかドライビングで合わせ込むのが今後の課題

といった感じでしょうか.結果は出ていませんが確実にクルマが良くなっているので,タイヤをリフレッシュして,ドライビングで再度勝負かなぁ~?と思いました.
2025年02月09日 イイね!

ヘルパースプリング再び

ヘルパースプリング再びリアのリバウンドストローク不足の対策として,再びヘルパースプリングを使う事にしました.

スプリングをHYPERCO→HAL springsに切替えて以降,スプリングの長さが7インチとなった事もあり,ヘルパースプリングを廃止していたのですが,バネレートを14キロに上げてからフルブレーキングするとリアが両輪共浮いて,簡単にスピンモードに入ってしまうため再び投入する事になりました.

考え方としては,メインスプリングを7インチ(178mm)→5インチ(127mm)へ短縮し,これによって出来た約50mmの空間に,ほぼレートのない(0.2キロ)ヘルパースプリングを入れる事で伸び代(リバウンドストローク)を稼ごう~というもの(↓).



このヘルパースプリングはレートがほぼない(素手で簡単に縮まるレベル)ため,1G状態では潰れる事から,

  1G→0G   (浮いた時) ・・・ ヘルパーが潰れた分だけリバウンドストロークがそっくりそのまま増える
  1G→1G以上(沈んだ時) ・・・ ヘルパーが既に潰れているため機能せず,メインスプリングのレートで縮む

という形になります.


このアイデアで唯一心配だったのは,メインスプリングを7→5インチに縮めるため,車高を維持するためには思いっきり車高調のスプリングシートを上げる必要があり,今使っているAragostaの「TYPE-S」でこの上げ代が足りるのか?という点でした.

このため,車検整備時に工場長に上げ代を調べてもらったところ,



「約25mm(≒1インチ)」あったそうで,スプリングを2インチ(≒50mm)も縮めると足りないかなぁ~?と思ったのですが,「メインスプリングとヘルパースプリングの間にスペーサーも入れますし,ヘルパースプリングに若干プリロードが掛かるかもしれないですが,ギリ大丈夫では?」という見解頂いたので,クルマを引き取ったその日のうちに5インチスプリングを発注しました(↓).


(変更後のメインスプリングは,HAL springsのID65 5インチ 14kgf/mm 高反発

発注時にちょっとしたミスがあってHAL springsから電話が掛かってくる事態となりましたが,何とかその翌々日の午前中にスプリングが到着.到着早々ショップに電話を掛けて「今からスプリング交換は出来るか?」とお願いしたところ,他の作業の合間を縫ってメカニックのSさんが特急で仕上げてくれました.
(突発の依頼だったにも関わらず,毎度本当に有難う御座います!<(_ _)>)


ただ,組付けの過程で少々問題も発生しました.

今回使ったヘルパースプリングはレートがほぼない代物なので,メインスプリングの重量で潰れないようにヘルパースプリングをメインスプリングの上に載せる形でお願いしたのですが,それで仮組をしてもらったところ,ヘルパースプリングとメインスプリングの間に入れる金属製の「ヘルパースペーサー」がダンパーのダストブーツに引っ掛かってしまいました・・・(↓).



「ならば,ヘルパースプリングを下にするか?」とSメカが仮組をし直してくれたのですが,そうすると今度は「ヘルパースペーサー」がケースのねじ山に引っ掛かってしまいました(↓).



いずれも軽く引っ掛かる程度なので,ダンパーが真っ直ぐ動けばちゃんとストロークはするのですが,金属同士が接触する可能性が残るのはあまり嬉しくない・・・.Sメカに「どうしますか?」と聞かれ,ねじ山が摩耗するのは致命的な事態になりかねないので下に入れるのはナシ.かといって上に入れて引っ掛かるのも嫌なのでダストブーツを抜いて,何も接触しないようにした状態で組んでもらう事にしました.



加えて,ヘルパースプリング固定用のスペーサーも,HYPERCOの金属製「ヘルパースペーサー」ではなく,Swiftの「樹脂スペーサー」に変更(↓).



こちらのスペーサーの方が万が一接触した際のダメージが小さいのと,薄いのでリバウンドストロークをより稼げるという判断で変更となりました(念のために持って来ておいて良かった~).これでHYPERCO(ヘルパースプリング)・Swift(ヘルパースペーサー)・HAL(メインスプリング)という3社混合セット(苦笑)となりましたが,まぁ,全てID65用なので問題ないでしょう.

完成後に試走した際の印象としては,7→5インチ化によって反発力が上がったのか? トラクションの掛かりが良くなった(加速時にリアの沈み込みが減った)気がしました.次いでギャップを乗り越えた際に若干コツコツした印象を受け,5インチ化の弊害か?と思いましたが,想定していた程酷くはないので十分許容範囲内.最後に直角コーナーでのターンでリバウンドストロークを確認しましたが,内輪側が「浮いてない」印象を受けたので狙い通りの効果は発揮しているのではないでしょうか.総じてみると,デメリットは少なく・メリットは確実にありそうなので,あとはサーキットでテストして最終判断ですね.


以上,ヘルパースプリング再び!でした.

なお,最後に今回の交換過程で7インチと5インチの14キロ(高反発)のデータを入手出来たので,「コイルばねっと」で計算した結果も載せておきます(左:7インチ 右:5インチ).



これを見るとほぼ同じバネ定数なので,これなら5インチ化によるフィーリングの違いは確かに少なそうですね♪
2025年01月25日 イイね!

コイルばねっとで遊ぶ

コイルばねっとで遊ぶaki@rsさんから「コイルばねっと」というばね検討ソフトを紹介頂いたので,ちょっと遊んでみようと思います.

こちらのソフトは,兵庫に工場がある「東海バネ工業」という会社が公開しているもので,こちらの会社は完全受注生産方式のバネメーカーだそうです.バネ専業なので航空宇宙を始め,様々な分野向けのバネを製造されているようで,受注生産というスタイルからワンオフものに強そうですね.

では早速,「コイルばねっと」で遊んでみます.まず最初に以下のフォーマット(↓)に入力をするようなので,各項目の意味を確認します.



①横弾性係数
棒を捩じった時のひずみ量(伸びる量)の比率.固い素材であれば値が大きく,柔らかい素材であれば値が小さくなるそうです.本ソフトでは「一般用」と「耐食用」が選べますが,自動車用として一般的に使われているのは「熱間成形ばね材料」と呼ばれるもので,SUP6(シリコン・マンガン鋼),SUP9(マンガン・クロム鋼),SUP11A(マンガン・クロム・ボロン鋼)といった辺りになるとの事.ここではSUP10(クロム・バナジウム鋼)が含まれている「一般用」を選べば良さそうです.

②材料径
バネの直径ですね.

③中心径
「内径 + 材料径」だそうです.内径は図の通りバネの内側の直径なので,ID65=65mmですね.

④自由高さ
所謂ところの「自由長」ですね.

⑤有効巻数
「総巻数 - 座巻数」だそうです.

⑥総巻数
バネの巻かれている数だそうです.厳密に言うと,1回転して同じ位置に戻った時に1巻きとなります.

⑦座巻数
バネの両端の平らになっている部分です.通常は上下合わせて「2巻」ですね.

⑧バネ定数
上記の①~⑦の計算結果がココに示されます.


各項目の意味が分かったところで,お題としてHAL springsの「12キロ(高反発)」の数値を入力してみます.



143.17 [Nm/mm] ≒ 14.6キロ という結果が得られました.バネレート(バネ定数)がカタログスペックに対して3キロ近く違いますが,材料が正確ではないのでしょうがありませんね.


では,今度は同じくHAL springsの「12キロ(中反発)」.



138.43 [Nm/mm] ≒ 14.1キロ という結果が得られました.なるほど,高反発に比べて巻き数が多いため反発力が落ち,確かに「中反発」なようです.ただ,そのままだとバネレートが落ちるため,線径を僅かに太くしてそれを補っているという感じでしょうか.面白いですね.


ならば,同じ銘柄の「14キロ(中反発)」を調べてみましょうか.



166.86 [Nm/mm] ≒ 17キロ となりました.仮に材料が同じであるとして,カタログスペック上は2キロアップのはずなのですが,2.9キロアップという結果になりました.12キロと比べると線径が太くなっており,巻き数が減っています.ここから察するに,レートは基本線径で表現していて,巻き数で帳尻を合わせている感じなのでしょうか?


こうなると「14キロ(高反発)」も確認してみたいところですが,こちらはクルマに付いていて計測出来ないので,HYPERCOの「14.3キロ」を引っぱり出してみます.



188.41 [Nm/mm] ≒ 19.2キロ となりました.スペック上のレートが0.3キロ高いとはいえ,HAL springsの中反発と比べると大幅に高いですね.仮に14キロの高反発が+0.5キロ程度だったとしても 17.5キロ.HYPERCOのバネ定数はそれより更に1.7キロ高い訳ですから「HALの高反発はHYPERCOよりも低反発」という話は信憑性が出てきますね.

ただ,これはあくまでHYPERCOとHALのスプリングが同じ素材だった場合の話ですから,実際はそんな事があるはずないですし,私自身は自分の感覚(HALの高反発はHYPERCOよりも高反発)を信じようと思っています.


さて,色々遊んで理解が進んだので,最後にこの間の「自由長を短くすると高反発になる」という話を調べてみましょう.仮にHAL springsの「14キロ(中反発)」の5インチ版(127mm)が,線径は同じ・有効巻き数が3.5巻だったとすると,



202.61 [Nm/mm] ≒ 20.6キロ となりました.7インチと比べると+3.6キロも上がってますね.
では仮に,ここから7インチと同等のバネ係数まで落とすには,線径をいくつにすれば良いのか?と求めてみると,



材料径:13.05mmとなりました.すなわち,7インチ版に対して材料径が0.75mm細ければ同等という事になるのですが,これくらいなら十分有り得そうですね.


以上,コイルばねっとで遊んでみた結果でした.

今回遊んでみて,「バネレートを上げる時は線径を測定しろ!」と仰る言葉の意味がよく分かりました.ただ,僅かコンマ数mmで結構大きな違いを生む一方,外見からこのコンマ数mmを識別するのは難しく(ノギス使わないと無理),手っ取り早く反発力を判断するには,やはり巻き数なのかなぁ~と思いました.また,その巻き数も意外と正確に測らないとダメで,単純な1巻,2巻・・・といった単位ではなく,2巻+最後の1/4巻,1/8巻といったところまで測らないと結構な差が生まれる事も理解出来ました.

反発力に関しては,まぁそもそも,開発者自ら「バネ業界に"反発"なんて用語はない」と仰っている通り,反発力は外から見て分かる代物でもない訳なのですが,設計者側で線径と巻き数でバランスさせて「自由長は違えどバネレートは同じ」になるようにしてくれているのであれば,自由長の違いを正直あまり気にする必要はないのかもなぁ~と思いました.
2025年01月22日 イイね!

リアのリバウンドストローク対策案

リアのリバウンドストローク対策案フロントスプリングをHAL springsの中反発→低反発に変更した事によって発生したナックルアームとの干渉問題は,キャンバー角を30分起こす形で暫定対策を行ったものの,これだとやはりタイヤのショルダー摩耗が進んでしまいました.

このため,恒久対策としてASLANの「偏心ピロアッパー」を手配し,キャンバー角も無事元の数値に戻ったので,早速TC1000でテスト~と有休を取ろうとしたら,ファミ走の日に会議を入れられてしまい行く事が出来ませんでした・・・.

前回のテスト結果から,リアのグリップをかなり引き上げないとバランスが取れなそうな事が見えてきたので,リアのキャンバー角を1°増やし(↓),



その効果を早く確認したかったのですが,次回に先送りですね(泣).


ちなみに,今回のリアキャンバー増し作戦は,昨年の夏頃からリアタイヤの摩耗状態を見て,「少しキャンバー角を増やした方が良いかな??」と思っていた事がきっかけでもあるのですが,それに加えていくつか追加の効果が期待出来そうというのが選んだ理由でもあります.

1つ目はスライドが始まった後のコントロール性の向上.現状,リアのリバウンドストロークが決定的に足りないため(↓),



ブレーキングで追い込んでいくと左右両輪共に浮いた状態となり,最早ステアリングを切らずともスピンモードに入ってしまう事から(↓),



滑らさないように走らせるのではなく,滑った後でもコントロールして走らせる(=スピン挙動を穏やかにする)意味合いでキャンバー角を増やしてみました.同じ効果を得る方法としてリアタイヤの内圧を下げる方法も思い浮かんだのですが,そちらはウォームアップの妨げになるのと,少しでも「EF9の動き(↓)」に近づけるため,今回はキャンバー増しの方を選択してみました(内圧下げだと腰砕けになって,クルマが前に進まない可能性がある・・・).




2つ目は,昨年夏に調べ物をした時に知った効果(↓)があったので,それを確認してみようかと.



来月TC2000を走る機会がありそうなので,あの長いストレートで検証してみようかなぁ~と思っています.


3つ目は,リアタイヤのウォームアップ促進.こちらは単純に接地面積が減った分だけ面圧が上がるので,「その分だけ温度上昇も早いでしょう~」という安直なアイデア.さすがに7°もついてないので,直進安定性の向上効果まで得られないと思っていますが,はてさて違いは出るのか?


・・・とそんな感じで色々画策して今回はリアのキャンバー増しを施してみた訳なのですが,根本的な問題は「リアのリバウンドストローク不足」なので,所詮は付け焼刃に過ぎません.本質的な対策として最も期待出来るのは2wayダンパーの投入(↓)になると思っているのですが,



かなり高額になるのと,年末に新たなイグニッションコイルの発売を知ってしまったので(↓),



どちらかというと,資金はそちらに回したいなぁ~という気持ちが湧いて,先送りする気満々(笑).


・・・という事で,現状のダンパーのままスプリングで何とか対処出来ないかなぁ~?と考えていたのですが,やはり定番のヘルパースプリング(↓)が頭を過ぎりました.



ただ,今使っている7インチスプリングだとダンパーの調整代は使い切っているため,ヘルパースプリングが入る余地はなく,メインスプリングを短くする(6インチ化)しかありません.

そう思った時に「6インチ化して本当にヘルパーが入るのか・・・?」と疑問に思ったので,スプリングを引っぱり出して並べてみると(↓),


(左が7インチ,右が6インチ+スペーサー+ヘルパースプリング)

6インチ化しても,ほとんどリバウンドストロークは増えないのでは・・・? (-_-;)

使おうと思っているヘルパースプリングがレート:0.2キロとほぼ無視出来る代物なので,同レート(14キロ)で6インチ化した場合,メインスプリングの縮み代(以前行った皮算用から14.8mm)は,7インチと同等と見なして良いはず.そうなると,メインスプリングが短くなった分=1インチ(25.4mm)だけヘルパースプリングが入る事になるのですが,スペーサーの厚みが約9mm,ヘルパースプリングの密着高が11.18mmという情報を踏まえると,一応ヘルパーが入る事は入りますが,ほとんど動かないスペーサー状態になりそうな気が・・・(汗).


そもそも,リバウンドストロークはいくつ必要なんだっけ?と以前画像から導き出したものを引っぱり出して確認してみたところ,



約38mm(≒1.5インチ)でした.やはりメインスプリングを1インチ短くするだけでは不十分,2インチ短くしないとダメそうとなると,

5インチか・・・.(;-ω-) ウーン

HAL springsの14キロ・高反発は,許容ストローク:62mmなので,軸重の小さいリアで使う分には問題なさそう(線径密着しなさそう)ですが,ヘルパーを入れるとはいえ5インチかぁ~.オレさまが5インチを毛嫌いしていたから,ちょっと引っ掛かるんだよなぁ・・・.


そもそも,同レートでスプリングの長さ(自由長)を短くするとどういう違いが出るんだっけ?と調べてみると,



  ・自由長が変わろうが,レートが同じであればスプリングの縮み代は同じ
  ・縮み代が同じなので,コーナリング中のロール量は変わらない
  ・変わるのは乗り心地
  ・自由長を長くすると動きがマイルドになり,短くするとシャープになる
  ・この違いは,スプリングのたわみ量に起因している

  ・自由長の違い=スプリングの巻き数の違いと言える
  ・例えば,ここに巻き数が違う2種類のスプリングがあったとする(長い方が20巻,短い方が10巻)
  ・両者共にレートが10キロだった場合,100kgの荷重を受けると10mm縮む事は変わらない
  ・但し, 長い方のスプリングは,10mm / 20巻き ⇒ 1巻当たり0.5mm縮む
  ・一方,短い方のスプリングは,10mm / 10巻き ⇒ 1巻当たり1.0mm縮む
  ・つまり,自由長が短い方が,1巻き当たりのたわみ量は多くなる

  ・たわみ量が多いと,スプリングの元に戻ろうとする力(反発力)は強くなる
  ・従って,乗り心地の違いは反発力の違いとも言える


なるほど! そういう事なのか.リアのスプリングを7インチ→5インチ化すると,高反発なスプリングが更に高反発になるって事かぁ~.

イイじゃねぇか!(笑) ( ¯꒳¯ )b✧

反発力が上がると,縮み側は街乗りでの突き上げ感は増えて苦になるかもしれませんが,伸び側はリバウンドスピードが上がるのでリアの接地性が上がるはず.ヘルパースプリングによるストローク稼ぎと合わせて狙っている効果がより得られるかもしれませんね.


以上,リアのリバウンドストローク対策案でした.

ヘルパースプリング作戦がダメだった場合,バネレートを下げてリバウンドストロークを増やし,バンプラバーで縮み側を規制して辻褄を合わせる方法を考えないといけないかと思っていたのですが,思いの外5インチ化はメリットが有りそうですね.唯一心配なのは,ヘルパースプリングを入れるとはいえ,5インチスプリングでダンパー長が足りるかどうか(ダンパー側が長過ぎて天井突き当てにならないか?).



7インチ→5インチで-51mmだから多分大丈夫な気がしますけど,もしかしたらバンプラバーをカットする必要は出てくるかもしれませんね.
2024年12月26日 イイね!

低反発 vs 中反発

低反発 vs 中反発新品タイヤ投入も惨敗に終わったTC1000の原因を突き止めるべく,過去実績と照らし合わせて分析してみた訳なのですが,そこから見えてきたのは・・・,

  「ストレートが遅い!(特に3速領域)」

という事実.重量増がこの結果を招いている可能性もありますが,細かく見ていくと「コーナー脱出時のトラクション不足(クルマが前に進まない)」というのが根本的な原因のようです.

「トラクション不足」というとLSDが真っ先に思い浮かぶのですが,そこに行く前にまずは直近の変化点から潰し込んでいこうと思います.

  ①フロントスプリングの反発力変更(中反発→低反発) ・・・ ピッチ方向の挙動改善
  ②ダンパーフォークブッシュ変更 (ピロ→ゴム)     ・・・ 不具合対策
  ③フロントキャンバー角変更    (4'00→3'30)     ・・・ 不具合対策

①はちょっと横に置いておいて,フィーリング的に言うと②は違いがあるとは思えませんでした.



これはゴムブッシュ→ピロボールに変えた最初の時もそうですし,ピロボール→ゴムブッシュに戻した今回の時もそうです.厳密にはダンパーの上下動の動きのスムースさが違ったり,バネ下重量が微妙に変わったりしてハンドリングに影響を与えているんだと思いますが,今回感じた違和感の原因がコレだとは思えません.


一方,③(キャンバー)の方は走行後のタイヤ表面温度から,特に左フロントのショルダー部分の負担が増しているのは間違いなく,乗っている時もタイヤを追い込んでいくと,つんのめるような感触がありました.



この感触は,内圧不足で掛けられた荷重に対してタイヤが支えら切れなかった時の感触と似ており,恐らくタイヤが内側に倒れ込んじゃってるんじゃないかと思います(↓).



このタイヤが倒れ込む要因として「キャンバー不足」というのは十分有り得る話で,一般的にキャンバーを起こせば静止状態でのタイヤ接地面積は増える方向なのでトラクションは良くなるはずなのですが,ショルダーが捻じれたせいでその復元にエネルギーを喰われ,クルマを前に進める力が残っていない・・・というのは何となくイメージ出来る気もします.


という事で,トラクション不足の原因が①(低反発)なのか? ③(キャンバー角)なのか?を切り分けるためにも再びロガーデータを引っぱり出してみます.

まずはサンプルデータ.

【中反発(41.467)】


  気圧:1012.7hPa  気温:12.3℃  路面温度:15.9℃

【低反発(41.614)】


  気圧:1016.1hPa  気温:9.0℃  路面温度:12.5℃

低反発の方は,当日1本目のベスト(41.306)だと新品タイヤの影響(-0.2秒)を受けてしまうため,正確性を期するために多少摩耗が進んだ当日2本目のベストを用いる事にします.


では,データの比較です(緑:中反発 青:低反発).



低反発(青)の方がコンディションが良いにも関わらず,0.1秒以上遅いのが悲しいですが,全域で負けている訳ではなく,部分部分で速いところもあるので詳しく見ていきます.

ホームストレートエンド



やっぱり低反発(青)の方が最高速が低いですね(泣).1コーナー進入のブレーキングまでに全域2km/h程度は車速が低く,これで0.08秒の差が生まれています.繰返しになりますがコンディションは低反発(青)の方が良いので,この差はエンジンパワーではなくトラクションの問題でしょうね.

ならば!という事でアタックラップに入る前の最終コーナーのデータを確認してみます(赤:中反発 青:低反発).



車速の伸びはそんなに変わらないですね.むしろタイヤが新しい分だけ横Gが掛かった状態での伸びは低反発(青)の方が良い気すらします.ただ,気になる点としてちょうど100km/hを超えた辺り,この図の右端の辺りで両者の差が開き始めている部分.ここはちょうど2→3速に上げるポイントですので,やはり3速領域(厳密には3速を使っている時の負荷・トラクション・姿勢)に何か問題を抱えていそうです.


1~2コーナー



ここは低反発(青)を投入した狙い通り!という結果になっています.1コーナーの進入でブレーキングを終えた後,ブレーキをリリースしつつステアリングを切り込んでいく訳なのですが,この際にノーズがポン!と跳ね上がる事なく,沈み込んだ状態を維持し続けてくれるため,アクセルを開けた瞬間にアンダーステアに転じる事なく,姿勢を維持したまま2コーナーに向う事が出来ます.これによってボトム:90km/hというなかなかのコーナリングが実現出来ており,先程の0.08秒の遅れを取り戻すどころか,逆に0.06秒リードするような速さを見せています.

ただ,このコーナリングを実現するのには結構苦労させられました.



ブレーキングを終えてステアリングを切り込み,OUT側のタイヤに荷重を掛けていくのですが,低反発なのでこの時に手応えがない・・・.乗っている時は「オイオイ,どこまでロールしていくんだ!?」という感じで姿勢が定まらず,クルマが不安定な印象を受けて,ここからアクセルを開けても大丈夫なのか?とかなり不安になりました.

その不安な気持ちを無理やり捻じ伏せて,アクセルを開けに行くとこういう事も起こる訳で(↓),



ステアリング越しに伝わってくる情報を遮断し,自身のこれまでの経験から進入速度を決めて,クルマの動きを無視してアクセルを開けに行かないとこのようなコーナリングは出来ず,乗っている時はホント変な感じでした.

いや,変というより,気持ち悪い!という方がより正確な表現かな(苦笑).

この気持ち悪さを知ってしまうと,低反発を毛嫌いする人達の言い分は理解出来ますし,共感もしますね.如何にこっちの方が速いと言われようとも,まだ中反発や高反発を使ってクルマと格闘する方がマシ!と思えちゃうんじゃないでしょうか.低反発にはそれくらいの癖の強さを感じましたし,Swift(高反発)→HYPERCO(低反発)に変えた時も似たような戸惑いがありましたが,今回の中反発→低反発の差はそれ以上のものでしたね.
(ま,こうなるんじゃないかと思っていたので,ある意味予想通りではあるのですが・・・)


インフィールド
大分長くなってきたので,ヘアピンは飛ばしてインフィールド.



低反発(青)の方がフロント荷重をキープし易いので,やや突っ込み気味(左側の赤丸)に進入しても破綻する事なく,大舵を入れてインリフトさせれば小回りと両立も出来るのですが(右側の赤丸),タイム的には今一つですね・・・.なお,ここから先は中反発(緑)から遅れる一方となります.


左高速コーナー



ここも低反発(青)は2→3速に入れて以降の車速の伸びが今一つですが,ここはしょうがないかなぁ~? 左高速はステアリングレスポンスの影響が結構大きいので,ライン取りを見た感じ(↓),



低反発(青)の方が若干切り遅れている感がありますし,ロールスピードが穏やかだと,ここの車速の伸びはどうしても鈍っちゃいますかね?


最終複合



乗っている時は低反発(青)の方が曲がらない印象を受けたのですが,ロガーデータで比べてみるとそんな事はなさそうですね.あれだけ「トラクションが掛からない!」とか言っていた割には,スムースに加速しているように見えるので,少なくとも低反発スプリングのせいではなさそうですね.


以上,低反発 vs 中反発でした.纏めると,

  ・低反発投入の理由である,「伸び側のスピードを遅らせる」は実現出来た
  ・それによりフロントの荷重をキープし易くなり,アクセルONでのアンダーステアは弱まった
  ・荷重をキープし易いので,その分だけ舵角を増やせるようになった
  ・但し,舵角を増やすとその分だけつんのめる挙動も出た
  ・これは低反発の「大きいストロークになるとレートが上がる」という特徴によるものと思われる
  ・低反発はその名の通り反発力が低いので,ステアリングレスポンスはかなり悪い
  ・レスポンスの悪化代を見越して操作しないと,速いコーナリングは出来ない

といったところでしょうか.予想していた通り,低反発はかなり癖が強いですね.単純な「良い」「悪い」ではなく「癖が強い」なので,使いこなせればこれはこれで武器になるとは思います.このスプリングのポジティブな部分を残したまま,ネガティブな部分を取り除けるようにセットアップを煮詰めれば何とか目があるかなぁ・・・.


問題の「トラクション不足」に関しては,今回のデータを見る限り,キャンバー角ではなく,低反発スプリングの方が原因っぽいですが,唯一最終複合のフィーリング悪化だけはキャンバー角が減ったせいかな? キャンバーを起こしたメリットは見受けられないので(特に制動力が強まった印象も受けませんでしたし),こちらは元の数値に戻したいところですね.



「フロントスプリングの反発力を下げたらトラクションが掛からなくなる」という理屈は今一つ思いつかないので,車速が伸びない理由は他にあるのかも? それがLSDなのか? エンジンなのか?はデータ不足で分からないので,もう少し情報を集めないとダメですね.

プロフィール

「リバースヘッド見学 ~ADVAN EXIV編~ http://cvw.jp/b/1684331/48629165/
何シテル?   09/01 00:12
GPSロガーを使ってクルマとドライビングを改善しながら,B18C搭載のCR-XにB16AのCR-Xで挑んでいます. TC2000 1'07.4/TC1000 ...
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[ホンダ シビックタイプR]SPOON ツインブロックキャリパー 
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2025/04/28 00:41:13
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愛車一覧

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