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2024年12月16日 イイね!

専門家からのアドバイス

専門家からのアドバイス前後共に2キロのレートアップをして以降,コーナリング中の限界領域で上手くタイヤのグリップを引き出せず困っていたのですが,色々とテストしてみた結果,ダンパーの仕様が私の好みに合わなくなってきた事が分かりました.

これはダンパー自体が悪い訳ではなく,ダンパーを入手した後からスプリングの銘柄を変えて・レートを変えてと,設計者の意図と異なる使い方をしているので当然と言えば当然の結果です.

ならば,今のスプリングに合うように再びダンパーの仕様を変更すれば良い訳なのですが,私は専門家ではないので自分の望んでいる動きをどう言語化すれば良いのか分からず,さすがにショップも個人の好みレベルとなると掴みようがありません.



こうなると全部自分でやるしかないので,走行データから仮説を立てて,出来る範囲でパラメータを振ってデータを集め,体感した事と理屈と照らし合わせて(途中プロドライバーにもアドバイスを頂きました),ようやく以下のように纏められました

  フロント(縮み側) ・・・ 減衰力は弱めて,荷重をのせ易くしたい
  フロント(伸び側) ・・・ 減衰力は強めて,荷重を抜けにくくしたい
  リア  (縮み側) ・・・ 減衰力を強めて,リアのロール量を抑えたい
  リア  (伸び側) ・・・ 減衰力を弱めて,リアのインリフトを抑えたい


素人なのでここまで来るのに数ヵ月を要し,気づけばタイムアタックシーズンも始まってしまっていた訳なのですが(汗),今からダンパーの仕様変更なんてしていたらシーズンが終わってしまうので「何か現状で出来る事がないか?」と考えた結果,フロントのスプリングをレートを維持したまま,中反発→低反発に変更するアイデアを思いつきました.



(HAL springs:自動車用スプリングより)

HAL springは,低・中・高の3種類の反発力をラインナップしており,これまで「中反発」と「高反発」を試した事があるのですが,違いを感じ取る事が出来ました.ならば「低反発」も違いはちゃんと出るだろうと手配しようと思ったのですが,少々不安が.



「低反発」はオープンエンドだったり,バレル形状だったりと「中反発」「高反発」とは別物な様子.高⇔中と中⇔低とでは特性違うかもしれない・・・と逡巡していたところ,以下の動画を見つけました(↓).



HAL springs代表の畑野賢明氏が低・中・高の反発に関して説明してくれている動画です.
この動画の中から私が気になったポイントを抜粋すると以下のような感じ(↓).

  ・バネ業界に「反発」なんて用語はない.ないから自分で名付けた
  ・低⇔中⇔高の違いを数値で計測(証明)出来ていない
  ・ただ,「低反発」を付けると反発していないように感じるし,「高反発」を付けるとダイレクト感が増す
  ・伸縮した際の動的特性による違いはあるが,それが何故なのかは掴めていない


  ・低反発はオープンエンドで,レートの立ち上がりは緩やか
  ・低反発はややバレル形状になっている.ID65のスプリングは中間径がID70となるように作ってある
  ・少しバレル形状にすることによって,横方向のたわみを抑制し,ふくよかな動きが出る
  ・低反発は(高反発と比べて)巻き数が多く,線形も太く,重量は重い
  ・また,低反発は1個仕組みを入れてあり,大きいストロークになるとレートが上がるように設計してある


これ以外にも畑野氏は多くの事を語られており,低反発スプリングに対する熱意が伝わって来たのですが,それを感じれば感じるほど,益々「低反発」は上手くハマるのか?と心配になってきました・・・.


「もうこうなったら直接聞くしかない!」という事で,この動画に以下のようなコメントを送ってみたところ(↓),



回答を頂けました!(↓)



  ・低反発にすれば,確かにリリースした時の持ち上がりスピードはゆっくりになる
  ・ただ,ここのスピードを遅くするのはスプリングでも出来るが,減衰力でカバーしてあげたい
  ・伸びの減衰を少し上げてあげて,ブレーキリリースした時にフロントがゆっくり上がるようにしたい
  ・この「スピードを合わせる」という事がダンパーの役割であり,スプリングの役割でもある
  ・低反発にすれば(症状は)治まるとは思うが,他の場面になった時にアジャストが効かなくなる可能性もある
  ・なので,まずは減衰力で調整する事を念頭に置いて欲しい


おおっ! これぞまさに私が欲しかった答えです!!

これで覚悟は決まり,低反発を投入する決心がついたので,早速HAL springsの「ID65 7インチ 14kgf/mm 低反発」を手配しました(↓).



そして,早速EF8に装着(↓)し,



街乗りで乗ってみたところ,確かにフロントのギャップ吸収能力が良くなってる. 感覚的には「これ本当に同じレートか!?」と思いたくなるくらいの吸収性で,あまりにもフロントが暴れないので,逆にリアに入れてある高反発のピョンピョンした動きが気になるほどでした.まだ「コーナリング」と呼べるほどの速度で曲がってみてはいませんが,動きが変わった事は間違いなく,あとはこれを今週のファミ走で試すのみ!と思っていたのですが・・・,

  ポコン! ( ̄△ ̄;)エッ・・?
  ギー!  Σ( ̄Д ̄ノ)ノエエエッ!!!!

という異音が(泣).なんじゃこりゃ~!?とショップに駆け込み,年末進行でお忙しい工場長に診てもらったところ,



「ナックルアームがスプリングに当たってますね・・・」

あ~,そういえば先程の動画の中でも「ID65のスプリングは中間径がID70となるように作ってある」と仰っていましたね・・・.恐らく「ポコン!」という音は,サスペンションが伸びた時にスプリングがアームに一時的に引っ掛かってダンパーから浮き,それが着地の衝撃で引っ掛かりが外れてダンパーのシートにスプリングが当たった時の音ですね.一方,「ギー!」という音の方は,ステアリングを左に切った時にしていたので,恐らくアームが左右に振れた時にスプリングの表面を擦って削っている音でしょう(泣).

。゚(/□\*)゚。 シクシクシク…

という事で,スプリングの感触は良さそうだったのですが,このアーム干渉の対策をしないといけないので,EF8は再びショップに入院となりました・・・.


以上,スプリングの専門家からのアドバイスでした.
干渉の件は私の自爆なのでそれはさておき,HAL spring 畑野さん,アドバイス頂き有難う御座いました.<(_ _)>
2024年11月25日 イイね!

レートアップ時の減衰力のお勉強

レートアップ時の減衰力のお勉強色々テストして集めた情報からダンパーをどうしたいのか?が見えてきたのですが,そもそもこうなったきっかけはスプリングをレートアップした事にあります.

事の発端は今年の2月.205/50R15で何とか40秒台に入れ,モノは試しとその直後に195/55R15で走ったら,なんと両者の差は僅か0.05秒・・・.13mmの幅の差って何なんだろう?と考えさせられ,サーキットアドバイザーから頂いた助言でレートアップに踏み切りました.

当時のバネレートは前後共に12キロ.これを前後共に+2キロして14キロまで上げました.



元々このダンパーは,フロント:14キロ,リア:10キロ+ヘルパースプリングの仕様で設計してもらったため,スプリングの銘柄こそ違いますがフロントのレートは元に戻る感じ.なので,心配なのは設計値+4キロとなるリアの方で,こちらは減衰力が足りなくなるかなぁ~と思っていました.


しかし,実際に走らせてみると,結果は逆でフロントの動きに悩まされる事になります.



日光TC1000とプロに乗って頂いた結果,以下の指摘を頂きました.

  日光   ・・・ 6コーナーの進入でフロントの減衰が足りず,荷重を掛けられない
  TC1000 ・・・ 転がし気味にコーナーに入ると戻り(反発)が強く,フロントの荷重が抜ける

レートアップして以降,何となくフロント荷重をキープする事が難しい(=荷重が掛かり過ぎたり・突然抜けたりと一定の範囲に留めておけず,ドライビングの再現性が低い)印象を持っていたのですが,それを上手く表現出来ずモヤモヤしていたのを,プロは見事に言語化してくれました.


その後,LSDの仕様変更をきっかけに,リアのインリフトにも悩まされるようになり(↓),



晴れて(?),前後共にダンパーに問題を抱えている事が明らかとなりました.
そして,先日のTC1000のテストの結果,求めている方向性は以下(↓)である事が見えてきました.



  フロント(縮み側) ・・・ 減衰力は弱めて,荷重をのせ易くしたい
  リア  (伸び側) ・・・ 減衰力を弱めて,リアのインリフトを抑えたい



  フロント(伸び側) ・・・ 減衰力は強めて,荷重を抜けにくくしたい
  リア  (縮み側) ・・・ 減衰力を強めて,リアのロール量を抑えたい

縮み側と伸び側で求めている事が逆.更にフロントとリアでも方向性が逆という事で,これを実現するには2wayダンパーの投入しかなさそうなのですが,その前に,本来レートアップしたらダンパーの減衰力というのはどういう方向性にすべきなのか?を勉強し直してみます.


まず,よく聞くのは「バネレートを上げたら,減衰力も上げる」という話.以前ショップの店長にも「バネレートを設計値から4キロ上げるなら,減衰力も上げないとダメ」と言われていたので,何となく「そういうもんなのかなぁ~」と思っていたのですが,理屈を正確に理解していなかったので改めて考えてみます.

最初は縮み側.



バネレートが低ければスプリングの反力が小さいので,ダンパーを押せばすぐに縮まります(青).バネレートを上げればこの逆となるので,ダンパーを押してもなかなか縮まらない事になります(赤).つまりバネレートを上げると移動量自体が少なくなるのは勿論ですが,それに加えて到達点までの移動速度も遅くなる事が分かります.



例えば,「ロール量を減らすためにバネレートを上げる」というケースにおいては,スプリングが固くなる事によって移動量(≒ロール量)が少なくなる事は狙い通りなのでOKですが,ダンパーの減衰力が同じだとロールが治まるまでの時間は必然的に長くなってしまいます.サーキット走行においてロールしている時間が長いのを好む人はいないでしょうから,バネレートを上げる前のロールスピードと一緒になるようにダンパーの減衰力を下げる事になります.

つまり,「バネレートを上げたら,縮み側の減衰力は下げるべき」という事ですね.
(アレ? 店長が言っていた事と逆だな・・・)


次に伸び側.



こちらは縮み側の逆となり,バネレートが低いとスプリングの反力が小さいため,一度縮んだダンパーを押し戻す力が弱くなかなか伸びません(赤).一方,バネレートを上げた場合はスプリングの反力が大きいため,ダンパーをすぐに元の位置に戻します(青).つまりバネレートを上げると元の位置に戻るまでの時間は短くなる,という事ですね.

従って,この元の位置に戻るまでの時間をレートアップ前と同じにしたいなら,ダンパーの減衰力を上げる必要があり,「バネレートを上げたら,伸び側の減衰力は上げるべき」という事になります.
(店長が言っていたのはコチラの事のようですね)


理屈が分かったところで,実際にメーカーはそういう設計をしているのか確認してみましょう.

一般的にダンパーの減衰力はなかなか開示されないものなのですが,HKSが車種毎に値を公開してくれていたので,今回はその中からFL5用のものをピックアップして見てみます(↓).


(HKS:ハイパーマックスシリーズより)

このデータを,S→Rへのレートアップと見なして整理し直すと以下となります(↓).

  【フロント】
   バネレート     ・・・ 10 → 14kgf/mm  (+40%)
   減衰力(縮み側) ・・・  623 → 530N    (-15%)
   減衰力(伸び側) ・・・ 1055 →1172N   (+11%)

  【リア】
   バネレート     ・・・  8 → 14kgf/mm  (+75%)
   減衰力(縮み側) ・・・  412 → 280N   (-33%)
   減衰力(伸び側) ・・・  348 → 294N   (-16%)

フロントはバネレートを上げたら,縮み側の減衰力を下げて,伸び側の減衰力を上げている事が分かります.先程の理屈通りですね.一方,リアの方は,バネレートが上げて,縮み側の減衰力を下げているところまでは一緒ですが,伸び側の減衰力は逆に下げています.この辺りはフロントとリアで思想が異なるという事でしょうか?
(リアの伸び側の減衰力を弱めるという事は,より早くリアを伸ばすという事なので,インリフト対策な気もします・・・)

ちなみに,ここでは減衰力の単位が「N」となっていますが,これはピストンスピードが「0.1m/s」の時の値であるため(本来の減衰力の単位は「N/(m/s)」).ダンパーの減衰力はピストンスピードによって変化するため,ここでは「0.1m/s」の定点計測で比較し易くしていた,という事なんでしょう.なぜ「0.1m/s」なのか?という点に関しては,以前勉強した「ダンパーのお勉強」のブログが参考になると思いますので,そちらを参照下さい.


以上,レートアップ時の減衰力のお勉強でした.理屈と事実を確認出来たところで先述の方向性と照らし合わせてみると,

  フロント(縮み側) ・・・ 減衰力は弱めて,荷重をのせ易くしたい    ⇒ ○
  フロント(伸び側) ・・・ 減衰力は強めて,荷重を抜けにくくしたい   ⇒ ○
  リア  (縮み側) ・・・ 減衰力を強めて,リアのロール量を抑えたい ⇒ ×
  リア  (伸び側) ・・・ 減衰力を弱めて,リアのインリフトを抑えたい ⇒ ○

という感じで,考え方としては合っていそうです.唯一違うのはリアの縮み側ですが,これはレートアップへの対応というより「こうした方がクルマが速くなる」という意味の方向性になってしまっているためと思われます.なので,ここは減衰の調整幅を持たせて,「設計としては減衰力を弱めても良いが,セッティング要素として強められるようにもしておく」というのが正確な要望なんでしょうね.
2024年11月24日 イイね!

方向性を決めるための材料集め

方向性を決めるための材料集め先日のTC1000の走行会は合計5本走る事が出来るので,今後の足回りの方向性を決めるためのテストのつもりでエントリーしました.

残念ながら1本目は濃霧に阻まれたため,2~5本目で減衰設定を変えて方向性を探る形となりましたが,先月の雨のTC1000車速域の高いTC2000,逆に車速域の低いナリモとテストして,現状の足回りの問題点がどこら辺にあるのか?が大体見えてきたので,最後の念押し確認という感じです.

いつもの通りロガーデータを中心に情報を整理していくのですが,今回は最高速もチェックしたいので,基準タイムは当日最も高かったセカンドベストを採用する事にします(↓).

【基準セット(41.731)】



ここからまずは,フロントの減衰を1段下げ.

【フロント1段下げ(41.812)】


当日はフロントが全然入らずアンダーステアに苦しんだので,フロントの減衰を1段落としてタイヤを潰し易くしてやろうという試みです.これでターンイン時のフロントの入りは良くなると思いますが,立ち上がりではフロント荷重が抜け易く,アンダーステアが強まる可能性があります.果たして結果はどうだったのか?というと・・・,



1コーナーの立ち上がり(1個目の緑丸),インフィールド立ち上がり(3個目の緑丸)で,案の定アンダーステアが強まり失速しました.一方,ヘアピンの進入(2個目の緑丸),最終複合(最後の緑丸)ではフロントに荷重をのせ易くなったので,思った通りに曲げる事が出来ています.この両者を差し引くとトータル0.08秒遅くなりました.



乗っていた時の感触としては,フロントタイヤに素直に荷重をのせられるので,ステアリングレスポンスが良く,速度をキャリーする感じであまり減速させずにコーナーに飛び込んでいける感触がありました.ただ,最大ロールに達して以降の加速領域ではフロントの手応えが薄く,アクセルを開けていってもクルマが前に進まない(=アンダーステアが強い)印象を受けました.


フロントの減衰だけ下げるとフィーリングが良くなかったので,今度は逆に前後共に1段上げた状態を試してみます(フロントとしては2段上げ).

【前後1段上げ(41.924)】


フロントの減衰を上げた事で,掛けられる荷重が小さい低速コーナーではフロントの入りが悪くなる可能性がありますが,高速コーナーでは一度掛けた荷重が抜けづらくなるので立ち上がりのアンダーステアを消せるかなぁ~?という予想.一方,リアの減衰は先日の雨練の結果から,ここまで上げるとインリフトが大き過ぎて接地感がかなり薄くなる懸念があります.では,実際どうだったのか?というと・・・,



1コーナー(1つ目の緑丸),ヘアピン(2つ目の緑丸),最終複合(最後の緑丸)とやはりフロントの入りが悪く,ボトムスピードを下げて曲げざるを得ませんでした.一方,立ち上がりに関しては予想通りフロント荷重が抜けづらくなったので,基準タイムよりも良い加速を示していますが,ボトムを下げて失った分を取り戻せるほどではなく,差し引き0.2秒の遅れとなりました.



乗っていた時の感触としては,フロント荷重をキープし易いので狙ったラインにのせ易く,特に1~2コーナー間でアンダーステアが出ないので,個人的にはこちらの方が好みでした(乗ってて楽しい♪).



ただ,ヘアピンではブレーキング完了→ターンインするタイミングで「シャー!」とタイヤが滑るような音がしており,滑っているのがフロントなのか? リアなのか?までは分からなかったのですが,タイヤがグリップしていない事は間違いなさそうです.


という事で,滑っているのがフロント or リアのどちらかなのか切り分けるために,フロントの減衰はそのままで,リアの減衰だけ1段下げ.

【リア1段下げ(42.006)】


雨練の時の経験から恐らく滑っているのはリアじゃないか?と思い,だったらリアの減衰を落とせば安定するだろうという予想.フロントの減衰はそのままなので好みのハンドリングを維持したまま,ネガティブな部分だけ取り除けるかな~?と思ったのですが・・・,



先程のヘアピン(2個目の緑丸)で起きていた「シャー!」と滑っているかのような音は出なくなりました.やはり滑っていたのはリアだったようです.これでネガが消えたのでタイムは上がるかなぁ~?と思いたいところだったのですが,1コーナー(1個目の緑丸)ではリアの動きが大きくなったため,待ちの時間が増えてアクセルを踏めず.インフィールド(3個目の緑丸)も前後バランス的にはアンダーステア方向となったためフロントが入らず失速.唯一最終複合(最後の緑丸)だけはバランスが取れたようでマズマズの走りとなりました.



乗っていた時の感触としては「可もなく不可もなく」といった感じ.前後バランス的には取れている印象を受けますが,どちらかといえば全体的に弱アンダーで速くはないだろうなぁ~と思ったら,41秒台にすら入れられず,0.27秒後れとなりました・・・.


以上を纏めると,まずタイムとしては落ちる一方でしたが(↓),

  ②基準設定     ・・・ 41.731
  ③フロント下げ   ・・・ 41.812 (+0.081)
  ④基準+1段上げ ・・・ 41.924 (+0.193)
  ⑤リア下げ     ・・・ 42.006 (+0.275)

走れば走るほどコンディションは悪化していく方向だったので,タイムの絶対値としては参考程度.乗った時のフィーリングやロガーデータから判断すると,

  ②基準設定     ・・・ やはりこれがベスト(スィートスポットが広い)
  ③フロント下げ   ・・・ 悪くはないがコントロールが難しい(スィートスポットに入れるのが大変)
  ④基準+1段上げ ・・・ コントロールは楽だがクルマとしては遅い(スィートスポットから外れている)
  ⑤リア下げ     ・・・ クルマが遅い状態でバランスをとっただけ(スィートスポットから外れている)

といった感じ.基準設定がやはりベストである事が確認出来たので,減衰のセッティングはこれ以上詰めようがないかなぁ~と思いました.ダンパーではなく,スプリング変更で対策を練るとするならフロントのバネレートを2キロ下げれば良い感じになりそう.ただそうなると,リアのレートを維持する意味もなくなるので(インリフトを助長するだけなので),フロントに合わせてリアも2キロ下げ・・・,

(・・。)…ン?

それってレートアップ前のセットがやっぱりベストだったという事?? う,う~ん・・・(汗).


そうなるとこの半年,乗り心地の悪化に耐えて何やってたんだ?となるので考え方を変えよう.
スプリングではなく,ダンパーの仕様変更で対処出来ないか?と考えると,

  フロント(縮み側) ・・・ 減衰力は弱めて,荷重をのせ易くしたい
  フロント(伸び側) ・・・ 減衰力は強めて,荷重を抜けにくくしたい
  リア  (縮み側) ・・・ 減衰力を強めて,リアのロール量を抑えたい
  リア  (伸び側) ・・・ 減衰力を弱めて,リアのインリフトを抑えたい

う~む,これを実現するとなると,やっぱり2wayダンパー(↓)が必要なのか・・・?



(;-ω-) ウーン…


ああ,そうだ.最高速の話もあったので,そちらも見てみましょう.

  ②基準設定     ・・・ 132.83km/h
  ③フロント下げ   ・・・ 130.99km/h (-1.84km/h)
  ④基準+1段上げ ・・・ 128.73km/h (-4.10km/h)
  ⑤リア下げ     ・・・ 128.14km/h (-4.69km/h)

こちらも順当に走れば走るほど落ちていますが,③→④での落ち幅が大きいですね・・・.
コンディション変化の影響もあるので,そちらの値も確認してみると,

  ②基準設定     ・・・ 気圧:1012.7hPa  気温:12.3℃
  ③フロント下げ   ・・・ 気圧:1011.4hPa  気温:16.8℃
  ④基準+1段上げ ・・・ 気圧:1009.3hPa  気温:18.5℃
  ⑤リア下げ     ・・・ 気圧:1008.3hPa  気温:18.0℃

確かに気圧・気温共に悪化傾向ですが,③→④で極端に悪くなっている訳ではなさそう.
過去実績ベースで気圧・気温の影響を調べてみると(↓),





気圧は4hPa変化して落ち幅は1km/h未満.気温は5℃変化して落ち幅がちょうど1km/h程度なので,やはり③→④での悪化代が大き過ぎ.これはコンディション以外に要因がありそうですね.


コンディション以外の③→④の変化点というと,フロントの減衰を基準値から1段上げた事・・・.

Σ( ゚д゚)ハッ!

リアがあれだけインリフトするくらいだから,もしかしてここまで減衰を上げると,フル加速時に実はフロントが浮いたりしてる?!



だとすると,TC2000で最高速が伸び悩んだ原因は,コレ(フロントのトラクション不足)か?!
う~ん・・・.やはり足の仕様を変更しないと解決策を見い出せないのか??
2024年11月11日 イイね!

直角コーナーのインリフト量

直角コーナーのインリフト量先日参加してきたナリモでのジムカーナ練習会参加者の方が撮ってくれた写真をいくつか頂きました.

当たり前の話ですが,自分が走っていれば自分のクルマの走行写真なんて撮れませんし,私の周りは撮影する事よりも走行に専念する人の方が多いので,頭を下げて頼まないとわざわざ撮ってくれません(笑).なので,こういうのは嬉しいし,ホント有難いです.


特にコーナリング中の写真は,ロール角等の情報が得られるので非常に助かるのですが,今回は外周を全開で抜けて→ブレーキング→左に直角ターン!という,このコーナー(↓)の画像が目に留まりました.



なぜこのコーナーの画像に注目したのか?というと,





メッチャ,インリフトしてたからです!

TC1000なんかでも「浮いてる! 浮いてる!」と騒いでましたが,いざこうやって画像で見てみると,白煙なんて出るはずもないレベルで,かな~り浮いてますねぇ・・・.


この画像は連続で撮影して頂いたようで,1コマ前の画像もあったのですが(↓),





エイペックスに到達する前から浮いてますね・・・(ここまで来たらブレーキング開始時も見たかったなぁ~).この直角コーナーは,2速・88km/hで進入して,ブレーキング→左にターンとなるので,TC1000のインフィールドに近いイメージ.この画像の位置は,ほぼ横Gが最大となるポイントで「1.1G」を記録していました.

ちなみに,このラップの1周前,タイヤが温まる前で手加減して走っていた時のラップも撮影してくれていたのですが,この時は「0.6G」くらいで,浮いていませんでした(↓).



やはり横Gの大きさ(≒ロール量)に比例して,インリフト量は大きくなるようですね.
そして,このインリフトしていない時(左)・している時(右)の2枚の画像を並べて見てみると(↓),



ボンネットでラインを引いて比べてみた場合,左右でほぼ同じ角度なのでフロントのロール量的には変わらないように見えます.一方,ミラー下からCピラー後端まで線を引いて比べてみた場合,インリフトしている方(右)が若干リアが持ち上がっており,リアのロール量は増えているように見えます.これらの情報から「横Gが倍になっても,フロントのロール角は実はそれほど変わっておらず,逆にリアのロール角はボディ自体が捻じれる事によって大きくなってしまっている」という仮説を思いつきました.

つまり,私のEF8の場合は,

「ボディが捻じれるからインリフトが大きい」

という事なのではないかと・・・.

さすがは 紙ボディ.ロールケージが入っていないとグニャグニャとよく曲がりますな(苦笑).


・・・なんて冗談はさておき,ボディが原因ならこのインリフトは防ぎようがないので,「じゃあ,実際どれくらいインリフトしているんだ?」と画像を拡大して調べてみると,



リアタイヤのサイドウォールの高さの大体半分くらい浮いてますかね?
サイドウォールの実測値は約75mmだったので,その半分だとすると38mmくらい・・・.

えっ? 38mm!? (゚ロ゚ノ)ノ !!!!!

約1.5インチじゃないですか.リアバネを1インチ以上長くしないと接地しないって,そんなの非現実的でしょ!
こりゃ,ヘルパースプリングを追加すれば何とかなるとかのレベルじゃないぞ・・・.


う~む.そうなると,まだ理解出来ていないこの考え方(↓)を今後は取り込んでいかないとダメなのかなぁ~?


(REVPSEED:「ヘルパースプリングの違いでタイムや乗り味の違いは?」ラズファクトリー86でテストより)


ま,いずれにせよ,車載を見るとこれくらいインリフトする時の舵角は,こんな感じのようなので(↓),



85km/h以上の車速を出した後,ブレーキングしながら180°ステアリングを切るコーナーは,今後確実にインリフトすると考えて要注意ですね.


以上,直角コーナーのインリフト量考察でした.
2024年07月03日 イイね!

2wayダンパーのお勉強

2wayダンパーのお勉強ピッチング方向とロール方向を分けてセットする手立てが必要となってきそう」という事で,ダンパーの伸び側と縮み側を別々にセッティングしたくなってきたので,2wayダンパーに関してお勉強してみる事にしました.

まず,「2way」とはなんぞや?というとダンパーの減衰力の調整代が2つある,という意味だそうです.ダンパーは伸びたり・縮んだりする代物なのはイメージ出来ると思いますが,この「伸び」と「縮み」のそれぞれで2つという事ですね.



プロユース(レーシングカー用)ともなると,更に「低速」「高速」の2段階に分かれるそうで,調整可能な部分を纏めるとこんな感じだそうです(↓).

  1way ・・・ 伸び側のみ
  2way ・・・ 伸び側 + 縮み側
  3way ・・・ 伸び側 + 縮み側 + 縮み側(低速)
  4way ・・・ 伸び側(高速/低速)+ 伸び側(高速/低速)

大半のダンパーは「1way」ですが,減衰調整といっても実は「伸び側」の減衰しか調整出来ないそうです.
(一部「縮み側」も若干変わる製品もあるそうですが)

なお,ここで言っている「低速」「高速」はダンパー内のピストンスピードの事を指しており,こんなイメージ(↓)になるのだそうです.


(Motor Fan illustrated Vol.12:ダンパーのテクノロジーより)

コース上で実際に使っているのは0.1~0.3m/sくらいの低速領域で,1.0m/sくらいの高速領域は縁石にガツン!と乗り上げるようなシーンしかないそうです.このため,サーキットユースでは「低速」「高速」というより,「低速」「微低速」くらいの棲み分けで,本当の意味で「高速」が必要となるのはジャンプ後の着地(↓)の衝撃を吸収しないといけないラリーユースのようです.



ちなみに,この着地みたいな急激な動きを吸収するために,減衰力を一気に弱めるる機構を「ブローオフ(Blow off)」と言うそうで,特性としてはこんな感じ(↓)だそうです.


(ダンパー講座:第74回 ブローオフより)


さて,「2way」の概念が理解出来たところで,次は構造です.


(ダンパー講座:第7回 ダンパーとしての最小構成要素より)

一般的な「1way(図の左側)」ダンパーの構造は,最上部に「ロッド(灰色の棒)」があり,「ロッド」の先に「ピストン(Piston)」が付いていて,この「ピストン」がオイル(水色)で満たされた「シェルケース」内を上下します.この「ピストン」には穴が空いていており,オイル内を上下しようとするとこの穴で抵抗が生じるため,これが「減衰力」となります.なお,オイルで満たされた「シェルケース」内に「ロッド」が侵入すると,「ロッド」の体積の分だけオイルが押し出さないといけませんが,そのオイルが押された圧力は一番下の「ガス(Gas)室」に伝わり,この「ガス室」内は気体なので圧縮して縮む事が出来るため,「ガス室」の容積が小さくなる事でオイルの逃げ場を作り,辻褄を合わせる構造となっているそうです.

一方,「2way(図の右側)」は,最後に出てきた「ガス室」が「シェルケース」の外(別体タンク)に追いやられているのが特徴です.「シェルケース」と「別体タンク」は繋がっているので,「1way」と同じようにオイルの行き来があるのですが,ご覧の通りU字に折れ曲がったような形となるため,「1way」と比べるとダンパー本体の長さは短くなります.これは言い替えると「1wayのガス室があったスペースの分だけロッドを長く出来る」という事でもあるので,決められた長さの中でダンパーストロークを稼ぎたい場合に「2way(厳密には別体タンク式)」は効果的という話になります.そして,この「ロッド」とは別の位置に「別体タンク」があるおかげで「2way」が実現出来ているようです.


「1way」の場合は,「ロッド」の中に「ニードル(Needle)」という調整機構があり,この「ニードル」の高さを変える事によってオイルが通る穴の大きさを変えて,減衰力を変更しています(↓).


(ダンパー講座:第21回 低速減衰力アジャスターより)

「2way」の場合は,この「1way」の機構に加えて,「別体タンク」側にも「ピストン」を設け,ここにも同様のニードルによる調整機構を設ける事で,縮み側の減衰力を調整出来るようになっているそうです(↓).


(ダンパー講座:第22回 低速減衰力アジャスター、バンプより)

ちなみに「3way」の場合は,オイルの流路が上下に別れるような複雑な形状をしているようですね(↓).


(ダンパー講座:第24回 高速域減衰力アジャスター、 バンプより)

なお,Aragostaの3wayである「TYPE-SS」は,どこにこの調整ノブがあるのかな?と思い調べてみたら,こんな感じでの2段階調整ノブでした(↓).




以上,2wayダンパーのお勉強でした.

「やれる事が広がる」という事は,それだけ「迷路に迷い込む」という事でもあるので,「2way」のデメリットとしてはそれが挙げられそうですね.また,物理的に「別体タンク」という物体が増える事になるので,重量増を懸念される方もいるそうですが,ショップで聞いてみたところ「気にするほど重くない」との事.それよりもブレーキ等の熱源から「ガス室」とオイルを引き離す事が出来るメリットの方が大きいとの事でした.

あと最大の問題点は価格ですかね(苦笑).これだけ複雑な構造をしているので当然と言えば当然なのですが「1way」の倍近い値段・・・.「そこまでの金額を投資してレートを上げる意味があったのか?」と後悔しないように投入の是非は慎重に考えようと思います.

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「リバースヘッド見学 ~ADVAN EXIV編~ http://cvw.jp/b/1684331/48629165/
何シテル?   09/01 00:12
GPSロガーを使ってクルマとドライビングを改善しながら,B18C搭載のCR-XにB16AのCR-Xで挑んでいます. TC2000 1'07.4/TC1000 ...
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