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2024年07月02日

リフト量の皮算用

リフト量の皮算用 先日のTC1000でのテスト結果から,リアスプリングのレートを12キロ→14キロに上げた事でクルマがインリフトし易い特性になったようです(まぁ,こうなるだろうとは思ってはいましたが・・・苦笑).

こうなると,バネレートを2キロ上げた事でリアのリバウンドストロークは一体いくつ減ったんだ?と気になってくるので,簡単に試算してみる事にしました.


まず,私のEF8のリアの軸重は337kg(大分古いデータなので今はもっと重い気もしますが)なので,1輪当たりに掛かる荷重は,

  337kg / 2 = 168.5kg

次いで,リアのレバー比を1.23と仮定すると,

  168.5 × 1.23 = 207.2kg

ここから,各レートでの縮み代を求めてみると,



  12キロ ⇒ 207.2 / 12 = 17.2mm
  14キロ ⇒ 207.2 / 14 = 14.8mm (-2.4mm)

という事で約2.4mm短くなったようです.たった2.4mm・・・と思いたくなりますが,ダンパーの1ターン分が約3mmなのでそれなりですかね.


現在のリアで使っているスプリングは7インチ≒178mm なので,1G状態での長さは,



  178 - 14.8 = 163.2mm

同じくリアダンパーは以下(↓)のような設計となっていますから,



車高30mmダウンを許容限界として設計されていると仮定すると,

  196 - 30 =166mm

となり,ほぼ1G状態の長さ=ダンパーの有効ストロークですね.厳密には2.8mm調整代が残っていますが,1ターン分(3mm)も残っていないので使い切っていると考えて良いでしょう.これではヘルパースプリングを入れてリバウンドストロークを稼ぐ,といった手も使えなさそうです.


となると,次レートアップした時はスプリング長を6インチ(152mm)化するしかない訳なのですが,その場合,

  16キロ ⇒ 207.2 / 16 = 12.95mm
  152 - 12.95 = 139.05mm (-24.15mm)

といった試算から,現状より25mm近くリバウンドストロークが減る事になるので,かなーりインリフトに苦しまされそうな未来が見えます・・・.リアのレートを上げる時はフロントのレートも一緒に上げる事になるので,額面通り25mmインリフトするとは思っていませんが,いずれにせよ,次のレートアップは少し慎重に進めた方が良さそうです.


そういう訳で,当面の間は今の仕様のままとなりそうなのですが,暑い時期はともかく,冬になるとダンパーオイルが固くなってインリフトが助長される懸念もあるため,もう少し細かく減衰のセット出しをしておこうと思うのですが,ここで1つ最近よく分からなくなっている事があります.

それは,「リアのリフト量を減らしたい」と思った時に,減衰力は上げるべきなのか? 下げるべきなのか?



「上げるべき」の考え方は,「リアの減衰力が低いとダンパーが伸びる速度が速くなり,リアの浮き上がりに対する抵抗成分がないため,リフトを助長させる(だから,減衰力は上げるべき!)」というもの.

一方,「下げるべき」の考え方は,「フロントが沈んでリアが持ち上げられた時に,リアの減衰力が高いとダンパーが伸びるのが遅くなり,リフトを助長する(だから,減衰力は下げるべき!)」というもの.

何となく「リフト」という現象に対して,リアを軸にして考えるか? フロントを軸にして考えるか?の違いな気もしなくはないのですが,どちらも言っている事は正しいように思えるので悩ましいです.


個人的には,FF車である以上,重たいフロントを軸にして考えるべきかな?と思っていて,「フロントが沈むから,リアが浮くんだ」説の方が納得感があります.なので,どちらかと言えばインリフトで困ったら「減衰力は下げる」方向でアジャストする事が多いです.

とは言いつつ,これもケース・バイ・ケースなんじゃないか?と最近思っていて,



例えば,リアが伸び切った状態でもタイヤがまだギリギリ地面に接地している場合(図の左側),一応接地はしているので,減衰力を下げて伸び易くする事にはあまり効果がなく,逆に減衰力を上げてダンパーを伸びにくくした方が前傾姿勢は弱まる気がします.

一方,リアが伸び切った状態でタイヤが完全に浮いてしまう場合(図の右側),これはもう浮いてしまっているので伸びの速さ云々は関係なく,如何にしてこの「浮いている時間」を減らせるか?が焦点になる気がします.となると,減衰力を下げてダンパーを伸び易くした方が「浮いている時間」が相対的に減る気もします.

という事で,減衰力を上げるか? 下げるか?は,リアが伸び切った状態でタイヤが浮くか? 浮かないか?がポイントになる気がしているのですが,これは一体どうやって見極めれば良いんだろう・・・?と頭を抱えています(笑).


(先日こもりん.さんに撮って頂いた画像を見ると,ちょっとした操作の違いで,浮く・浮かないがあるようですしね・・・)


以上,リフト量の皮算用でした.

現状のセットでも既にリアはリフトし掛かっているので,次のレートアップは慎重に進めようと思うのですが,皮算用した結果,「完全に浮く」方向になるのだとすると,リアの減衰力はもっと下げる必要がありそうです.ただ,そうするとピッチング方向はともかく,ロール方向が不安定になるのであんまり嬉しくないなぁ~とも思っています.

次は,ピッチング方向とロール方向を分けてセットする手立てが必要になってくるのかもしれませんね・・・.


【'24.07.14追記】
リアをジャッキアップしてリフト状態を再現し,1G状態の車高と比較した結果以下でした.

  0G ・・・ 168mm
  1G ・・・ 151mm (-17mm)

17mmのダウン量から逆算すると,

  17 × 14 = 238kg
  238 / 1.23 = 193.49kg ≒ 194kg
  194 × 2 = 388kg

となるので,やっぱり重くなってますかね・・・(泣).
ブログ一覧 | セッティング(ダンパー) | 日記
Posted at 2024/07/04 12:15:10

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この記事へのコメント

2024年7月4日 16:42
フロントもっと硬くするは?
コメントへの返答
2024年7月4日 18:11
そうすると,立ち上がりでアンダーステアになりますね.
2024年7月8日 12:55
減衰力は下げる方向で合ってると思います^^
ブレーキングを行うとピッチングが起こって前傾姿勢になりますが、その時点では通常インリフトせず、このとき既に「ピッチングによる後輪の伸び」は終了しています。
その後ピッチングが戻り始めると同時に「ロールによる内輪の伸び」が増えていく区間でインリフトして、ロール頂点では再び接地しているケースが多いです。
ダンパの減衰力を上げるとロールが遅くなることでインリフトする区間がほんの少し奥に移動するかもしれませんが、リフト開始が遅くなったとしもリフトしている時間が短くなるわけではないので、影響は限定的だと思います。

荷重移動によってボディが傾いている最中は、リヤ内輪に働く減衰力の大きさがそのままタイヤ(を含めたバネ下重量)を持ち上げる力になりますので、だいたい10kgf~50kgfくらいかと思いますが、この力を少しでも小さくしてあげることは直接的なリフト対策と言えると思います。
ただ、そもそもリヤ減衰ダウンはオーバーステア方向なので、そちらとの兼ね合いですね。
リバウンドストロークについてはレバー比の分でもう少し余裕はあると思いますが(実測がおすすめです)、いずれにしてもかなり厳しいのが現状だと思いますので、シビアな調整になりそうですね。
コメントへの返答
2024年7月8日 20:46
コメント有難う御座います.

>ブレーキングを行うと~(中略)~通常インリフトせず
そうですね.インリフトはしませんね.ただ,後輪の伸びが終了するか?というと個人的には疑問です.そこはブレーキングの仕方(減速Gの立ち上げ方)次第で,伸びが終了するケースもあれば,まだ終わっていないケースもある気がします.

>ロール頂点では再び接地しているケースが多い
これもどうでしょう? 「ロールの頂点」とはロールの最大角を指しているのだと思いますが,最大角という事はリアは伸び切っている状態な訳で,伸び切っているのであれば,まだ接地はしていないのではないかと.

>リフト開始が遅くなったとしもリフトしている時間が短くなるわけではない
シミュレーションした訳ではないので感覚論に過ぎませんが,リフトの開始が遅れれば,相対的にピッチングの戻りの方が早い(間に合う)ケースも出てくる訳で,タイミング次第では上手く辻褄が合ってリフトしている時間が短くなるケースがないかなぁ~?と妄想しています.

>リヤ内輪に働く減衰力の大きさがそのままタイヤを持ち上げる力になります
これは仰る通りですね.個人的にはバネ下重量(例えばホイールの重さ)でリフトの量とタイミングが変えられないかなぁ~?と妄想した事があります(笑).

>リバウンドストロークについてはレバー比の分でもう少し余裕はあると思いますが
はい.あると思います.ただEF8のリアのレバー比は正確な値が公開されていないので(恐らく1.2程度),大勢に影響がない事から今回は省略しました.

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