
先日,筑波サーキットのサーキットアドバイザーでお馴染みの蘇武喜和さんに
日光の走行会でEF8に乗って頂いたのですが,そこで得た車載・ロガーデータを基に
自身のドライビングと比較を行った結果,私は「手前で止め過ぎず,ボトムを奥にとる」ドライビングが全く出来ていない事が分かりました.
課題が明確になったのならば,これを克服するための練習をすれば良いのですが,一体どこで・どういう練習をしたら,これが身につくのか全く思い浮かびませんでした.
「困ったなぁ~」と数日頭を悩ませていたのですが,タイミング良くサーキットアドバイザーとして蘇武さんがTC1000に来られる事に気づいたので,「もうこうなったら,直接ご本人に聞こう!」という事で,
先日筑波へ向かったのでした.
お会いして先日のお礼を述べた後,すぐさま単刀直入に「手前で止め過ぎず,ボトムを奥にとるドライビングはどうすれば出来ますか?」と質問したところ,「聞かれるんだろうなぁ~と思ってました」という返事と話が始まり,最初に意識すべきポイントとして,
・ヨーが最大となるポイントを奥に設定する
・ロール量やフロント荷重が最大となるポイントもそこに合わせる
というアドバイスを頂きました.その一例として教えて頂いたのが日光の1コーナーでターンインを始めるポイントの話で,蘇武さん(赤)と私(青)でラインが違っていた点に触れて(↓).
蘇武さん(赤)の方が曲がり始めるポイントが奥になっているのは「ヨーが最大となるポイント」を奥に設定し(↓),
そこから逆算してターンインのタイミングを決めているから,との事でした.
「ああ,ここでも逆算の話が出てくるのか・・・」 orz
まだまだ分析・考察する力が足りないなぁ~と反省しつつ,「これをTC1000で練習する事が出来ますか?」と重ねて質問してみると,「インフィールドの進入が練習になります」とコース図を使って説明頂きました.
「例えば,図の青線のように26Rの縁石(緑丸の部分)に寄せないでアプローチすると,(インフィールドへの進入角度がキツいので)ヨーが最大となるポイントが手前に来ます.これに対し,赤線のように26Rの縁石にキッチリと寄せてアプローチすると(進入角度が緩いので)ヨーが最大となるポイントを奥にする事が出来ます」との事.
「ほうほう,そうなのか・・・」と思い,参考までに
昨年6月に蘇武さんにTC1000でEF8に乗って頂いた時のデータを引っ張り出して確認してみると(↓),
うわー,本当だ.私(青)よりも蘇武さん(赤)の方がボトムの位置も奥になってる!(1つ前のアプローチのデータもその時のもの) なんてこった.当時は気づけなかった・・・.orz
加えて,「ボトムを奥にするためには,手前で急激なヨー変化を起こさない事」というポイントまでアドバイス頂きました.蘇武さん,有難う御座いました!<(_ _)>
・・・で終わらすと勿体ないので(笑),ここでもう一歩食い下がってみます.
「確かにインフィールドでもその練習になると思うのですが,2速固定であれば多分出来る気がするんです.それよりも,日光の1コーナーの3→2速,TC2000の最終コーナーの4→3速のようなシフトダウン操作が加わった状態だと私は出来ないみたいなんです.こっちの練習はどうですか?」と重ねて質問してみると,
「だったら,最終の複合ですね」
\_(・ω・`) ココ!
と即答.「あっ! そうか!!」と言われてから気づきました.確かにココならシフトダウン操作は入るし,ゆるゆると弱く・長くブレーキングするコーナーなので,絶好の練習ポイントですね! う~ん・・・頭が働ないてないなぁ,私(苦笑).
これは良い練習材料が得られた!と蘇武さんにお礼を述べて,その後の枠で早速練習.
しかし,この頃には路面温度が朝方の倍近くまで上がってしまったため,リアタイヤの内圧が上がり過ぎてズルズルとなり,洗濯板の進入でブレーキングするとクルマが左に行こうとするため,少し手加減して練習せざるを得ず若干消化不良気味となってしまいました・・・.内圧を再調整してもう1本走りたかったところですが,タイヤを温存したかったのでこの日はここまで.ただ,最終の複合が「手前で止め過ぎず,ボトムを奥にとる」ドライビングの鍛錬には持って来いである事は十分実感出来ました(後日また練習しようと思います).
ただ,全力で走れなかったとはいえ,何回か走った後の感触としてボトムの位置を本当に奥に出来ていたのかなぁ~?と気になったので,ロガーデータを確認してみると,どうやらこのくらいの位置のようでした(↓).
ちょうど20Rの頂点辺りのようなのですが,このくらいの位置で十分なのか? それとももっと奥にしないとダメなのか?? 判断がつかずモヤモヤしていたら,ちょうどサーキットアドバイザーの午後の解説が「最終コーナー」との事で,コースウォークに急いで参加.
蘇武さんの解説に耳を傾けると,この辺りがボトムとの事でした(↓).
「うわっ,やっぱりもっと奥じゃん・・・」と思いつつ,更に話を伺っていると,「目印はキレートレモンの看板!」との事でした.
という事で,これをしっかりと脳裏に刻み込むべく「キレートレモン」の看板を撮影.
・・・してたら盗撮されてました(笑).
以上,日光の補講をTC1000で受けたお話でした.
ちなみに「手前で止め過ぎず,ボトムを奥にとるドライビング」のコツと練習方法を蘇武さんに聞いた際,包み隠さず全部教えて頂けたので,
これはチャーンス! ( ✧Д✧) キラーン!
と図に乗って,蘇武さんがTC2000でC:羊さんのDC2を走らせた時の車載を引き合いに出し(↓),
私 :一体どうやって,あんなブレーキングを実現しているのですか?
私 :4→3速へのシフトダウン操作をしても減速量が変化していないようでした
私 :ヒール&トゥではなく,サイド&トゥでシフトダウンしているのですか?
私 :まさか,ブレーキを踏まずエンブレだけで減速させているのですか?
と,かなり踏み込んだ質問をしてみたのですが,
蘇武さん :いやいや,さすがにブレーキは踏んでますよ
蘇武さん :普通にヒール&トゥです
と答えて頂けたので,重ねて「私,あんなにブレーキを弱く踏めないんですよ.何か良い練習方法がありますかね?」と質問してみたら,
蘇武さん :シートポジションを変えてみたらどうですか?
私 :あ! シートを後ろに引いて,ペダルに対して足首を寝かせるってコトですか?
蘇武さん :それもアリですが,逆に前に出す手もありますよ
私 :(ああ・・・,力を入れ易くして微妙な力加減をコントロールするってコトか)
蘇武さん :それか,足首のストレッチですね
私 :おおっ! そんな手(足?)があるのですか!
と至れり尽くせりのアドバイスを頂けました.さすが色々なクルマを乗ってきた方は違いますね.豊富な経験値がこういう引き出しの多さを生むんだろうなぁ~と改めて蘇武さんの凄さを感じました.なお,この後,更にA・B・Cのペダルを駆使したテクニックやその練習方法まで教えて頂いたのですが,さすがにこれは有料コンテンツ級だと思うので,ここでは触れないようにしてでおきます(笑).
蘇武さん,走行会後のアフターフォローまでして頂いて本当に有難う御座いました.<(_ _)>
良い練習方法を教えて頂いたので,引続きTC1000で走り込んで腕(足?)を磨こうと思います.