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OX3832のブログ一覧

2022年08月14日 イイね!

RAC訪問

RAC訪問ボロボロになったグローブを新調すべく下調べも終わり,「さて,手配するか」と思ったのですが,ちょうどお盆休みに入ってしまったので,配送も滞るだろうから店舗に直接買いに行く事にしました.

最初は埼玉のsparcoの専門店でも行こうかと思っていたのですが,こちらはお盆休みで開いておらず・・・.他にどこか空いてるトコないかなぁ~?と調べてみたら江東区の「RAC」さんはやっているようだったので,そちらへ.

「お盆休みの都内なんてガラ空きでしょ~」と思って首都高を使って移動したのですが,微妙に混雑している上に,記憶頼りに勘で進んで行ったら道間違えちゃったりと,色々ロスして想定の時間に辿り着けず.お店は17時閉店だったはずなので,「店内で商品をじっくり見てる時間がないんじゃないか!?」と一瞬焦りましたが,なんとか15時半には辿り着けたので御の字.

早速,店内に入ると,


(写真はコチラからお借りしました.<(_ _)>)

一日店長の蘇武喜和さんが出迎えてくれました.


ご挨拶をしつつ,早速,グローブを探しに来た事をお伝えすると,



「FF・4WDならコレ(↑)がオススメです」と,sparcoの「TIDE」を紹介頂きました.この製品のグリップ力は凄く,力を入れず両手を添えているだけでステアリングが保持されるので,24時間耐久の時も楽だったそうです.

そう言われると高くても興味が湧いてしまうので(笑),試着させて頂き,お試し用のステアリングを握らせてもらうと確かにグリップ感は凄い.ただ,手の平の部分(↓)が結構固い感じがして,



手の形通りに窪まず,たわんで生地が余る(重なる?)ような感触だったので,フィット感がイマイチでした.


続いて紹介頂いたのは,同じくsparcoの「ARROW」.



「TIDE」と同じくsparcoのHTX技術を使っているので,こちらのグリップはどうかな?と思いましたが,「TIDE」ほどのグリップ感は感じず・・・.それより全体的に細身の設計なのか,今まで使っていたものと同じサイズの10インチだと手を入れるのにも抜くのにも一苦労.大き目のサイズだと指がブカブカになったり,小さ目のサイズだと手を握りにくかったりと,同じメーカーの同じサイズなのに,こうも違うものかと驚きました.


他のメーカーの製品も見せて頂き,こちらも蘇武さんは使われているとの事でPUMAの「SLW GT7(だったかな??)」も紹介頂きました.



こちらもなかなかグリップが優れているとの事で,前述の「TIDE」に比べると生地が柔らかく,フィット感も良好.「おおっ,コレいいな!」と思ったのですが,生憎と10インチのサイズがなく代替は11インチに(10インチはメーカーも在庫切れとの事).さすがに11インチだと指の袋状の部分がブカブカで,まぁ,使えなくもないのですが,



親指の付け根部分に来るプーマ(↑)の主張がちょっと強い気がしたので(笑),止めておきました.
(車載カメラで見た時に気になりそう・・・)


といった感じで色々ワガママたっぷりだったのですが(笑),根気強く蘇武さんはつき合ってくれて,最後はコレ(↓)に落ち着きました.



sparcoの「LAND+」.LAND系はリストクロージャ―の部分の絞りが強そうで心配でしたが,実際に嵌めてみるとそれほどでもなく,時計したままでも全く問題ありませんでした.生地も「TIDE」に比べると柔らかく,指のフィット感も10インチでちょうど良く,内縫いで見た目も悪くないですし,デザインも気に入ったのでコレにしました.

「TIDE」に比べればお値段もリーズナブルで助かった・・・と思いきや,なんと! 蘇武さんからの紹介割引とやらで,更にお安くして頂けました(有難う御座います!).


その後,折角の機会なのでレーシングシーツの注意点を色々お聞きしていたら,「試着してみますか?」と嬉しい提案を頂いたので,お言葉に甘えて試着させて頂きました.



Silverstone RACING「BECKETTS-Ⅲ」スリムタイプのMサイズを試着させてもらったのですが,吊るしの状態でぴったり.腕の長さも,足の長さも,股下もちょうどいい感じで,あまりの違和感のなさに自分でも驚いてしまいました.

私の体型だと,吊るしのズボンとか大体サイズが合わないので,何かしらの違和感を覚えるのが日常茶飯事なのですが,特に新しいモデルの「BECKETTS-5」は着心地もよく,あまりにもジャストフィットだったので,「こういうのは一期一会.逃すと後で後悔するかもしれない・・・.今日,買っちゃうか!?」とお財布に手が向かいましたが・・・,



値札を見て我に返り,ちょうど閉店時間になった事も相まって,何とか思いとどまる事が出来ました(笑).


以上,RACへの初訪問でした.

今までグローブのグリップってあまり意識した事がなかったのですが,FF向き・FR向きの違いがある事を知れて良かったです.サイズにしても製品によって微妙に異なり,指の余りや親指の付け根の突っ張られ具合,右手・左手の微妙な違い等,色々と注意点がある事も知れて助かりました.また,レーシングスーツもそろそろ購入しようと思っていたところだったので,試着までさせて頂き有難かったです.

蘇武さん,今回も色々とアドバイス頂き有難う御座いました! <(_ _)>

Posted at 2022/08/15 00:03:11 | コメント(4) | トラックバック(0) | セッティング(操作系) | 日記
2022年08月12日 イイね!

グローブ探し 2022

グローブ探し 2022先日TC1000を走った後,グローブがボロボロになっている事に気づきました(遅い).

現在使っているのはsparcoのカート用グローブ「MOTION KG-5」で,履歴を追ってみると購入したのは2017年ですので今から5年前でした.その前はAlpinestarsの「TECH1-KR」で,こちらも6年でお役御免となったので,ほぼ寿命ですかね.
(「TECH1-KR」の方はカート用としてまだ使ってはますが・・・)

・・・という事でステアリングに続き,カタログ眺めながらまたも品選びです.

特にメーカーに拘りはないのですが,Alpinestarsはカラフルで賑やかなデザインが多く,個人的にはあまり好みではないので,順当にsparco継続で考えてみます.また,前回購入時は「内縫い」→「外縫い」のグローブに変えて試してみたので,今回はカート用ではなく,ちゃんとしたレーシンググローブを狙ってみます.

早速,sparcoのサイトを覗いてみると,シリーズとしては大まかに4つに分かれるようです.

 ・TIDE   ・・・ ハイエンド
 ・ARROW ・・・ ミドルクラス
 ・LAP    ・・・ サーキット用のエントリーモデル?(「周回」という意味合いからして)
 ・LAND   ・・・ オフロード用のエントリーモデル?(「陸地」という意味合いからして)

「TIDE」「ARROW」は「ステアリングホイールを握った際のバンチングを軽減するために手の形にカーブしたデザインを特徴としています」と紹介されているので,どちらかというとコクピットの狭いフォーミュラ向けなんですかね? 「手のひらと指の部分に,sparcoの3D HTX素材を使用しており,スエードとレザーステアリングの両方で高いグリップと振動吸収性を実現しています」との事ですが,ミニサーキットが中心で,連続でも最大60分程度の走行時間である事を考えると,これ以上のグリップ性や疲労低減効果が必要だとも思わないので,ここまでは必要ないでしょうね.

他にも特徴として,「TOUCH-S」というグローブをしたまま人差し指と親指でタッチパネル操作出来る技術も使われているそうなのですが,実はこれと似たようなものが今まで使っていた「MOTION KG-5」にもありました(↓).



ラップタイマーをセットする際,スマホの画面を触るので,これがあると便利かなぁ~?と思ったのですが,実際やってみるとそんなに反応が良くなく,グローブを嵌めた状態だと細かな操作もしづらいので,結局「グローブを取った方が早い!」となり,ほとんど使いませんでした.

・・・という事で,高級品で値段も張りますし,「TIDE」「ARROW」までは必要ないかなぁ~と思いました.


次に「LAND」.



製品の特長としては,以下だそうです.

 ・手のひらと指のスエードパッチは高いクッション性とグリップ感を実現.
 ・シングル パネル オールアラミド構造による快適なフィット感
 ・装着が容易な伸縮性のあるリストクロージャー

「クッション性」を重視している辺り,やはりオフロード用なのでしょうか? シンプルなデザインは好みではあるのですが,リストクロージャ―の部分(↓)が少し気になります.



伸縮性があるとはいえ,手首の部分の絞りが少しキツめなので脱ぎぬくそう・・・.実際「時計をしながらだと厳しい」というコメントもありましたし,ちょっとここが難点かな?


最後に「LAP」.



製品の特長としては,以下の通り.

 ・指のまわりの縫い目を内縫いと外縫いをコンビネーションにする分割ステッチング技術を採用
 ・手の形に合わせた立体裁断にて生地をカットする事で,フィット感と快適さを実現
 ・手のひらと指に施されたシリコンプリントグリップにより最適なグリップを実現
 ・手の形に湾曲した形状によりバンチングと圧力ポイントを低減

「TIDE」「ARROW」に近い謳い文句に感じるので,やはりこちらはサーキット用なのかな? 「内縫いと外縫いのコンビネーション」というのが面白いですね.

「内縫い」「外縫い」というのは,グローブの上面・下面の合わせ目,縫い目を内側と外側どちらに持ってくるか?という話です.「内縫い」だと合わせ目がグローブの中側にくるため,縫い目が指に当たってフィット感が落ちます.一方,「外縫い」は合わせ目がグローブの外側にくるため,指先がきっちり収まり,フィット感が高いと言われています.

私は「内縫い」と「外縫い」の両方を使いましたが,正直どちらも大差ない感じでした.元々「内縫い」でも縫い目に指が当たって違和感を覚える事はありませんでしたし,確かに「外縫い」の方が縫い目に指が当たらなくて付け心地は良かったですが,特別恩恵を感じる程ではないかと.それよりも「外縫い」のこのビラビラ感(↓),



これがイマイチな感じで,見た目的には「外縫い」はあまり好きではありませんでした・・・.

という事で,単なる「外縫い」ではない,「内外縫い」というのが気になるのですが,画像を見てみると,



「外縫い」のビラビラ感がなく,スッキリとした感じで良さそうです.


以上,sparcoのグローブ選びでした.

「内外縫い」という新しいタイプが気になるので,今回挙げた中だと「LAP」ですかね.「LAP」には強化されたFIA規格に対応した最新型の「LAP 2022」というモデルがあるようなのですが(↓),デザイン的にはこちらの方が好みでした.



ただ,価格差が5000円近くもあるとなると,少し悩みますね・・・.


最後におまけで全くの余談なのですが,今使っている「MOTION KG-5」にはグローブ装着時に引っ張るための専用の生地が付いていたのですよ(↓).



コレ,意外と便利だったので,出来ればコレが付いたものが欲しかったのですが,最新のモデルだとないみたいで,少々残念です・・・.
Posted at 2022/08/13 12:30:28 | コメント(1) | トラックバック(0) | セッティング(操作系) | 日記
2022年08月11日 イイね!

内圧テスト結果の整理

内圧テスト結果の整理アンダーステア改善のため,リアタイヤの内圧を振ってデータ収集をしてみましたので,結果を纏めておきたいと思います.

走行枠が異なるので,気温・路温がズレる意味では厳密な比較にはなっていませんが,そもそもの絶対値が高い時期なので,あまり突き詰めても仕方なく,限界点が見極められればいいかなぁ~?くらいのつもりでやってます(そもそも走行中に内圧自体も変わりますからね).


先に全体の傾向から言うと,リアタイヤの内圧を上げれば上げる程,タイムは落ちていきました.ただ,コンディションの悪化も同じ傾向なので,必ずしも内圧のせいとは言い切れず,ここはロガーで細かく見てみないと判断がつかないと思っています.


という事で早速始めます.まずは2.5キロ(赤)vs 2.7キロ(青).



1コーナー(1つ目の緑丸)は,2.7キロ(青)の方がステアリングレスポンスが良いので,進入でドライバーが若干警戒気味になっており,アクセルONも遅いですね.続く1ヘア(2つ目の緑丸)では,2.7キロ(青)の方がボトムが5km/h高く良さそうに見えますが,車載を見返して見ると2.5キロ(赤)の方が単純にミスってるだけでした・・・(クルマを止め切れていない).インフィールド(3つ目の緑丸)も進入で警戒して抑え気味になっており,立ち上がりでリアが流れて向きの変わりは良くなっていますが,リアが流れるのに引きずられてフロントの荷重も若干抜け気味になっており,結果,フロントが逃げて加速が鈍ってます・・・.洗濯板通過後(最後の緑丸)は,早めにブレーキをリリースしており,ここでもステアリングレスポンスの良さが読み取れますが,立ち上がりでやっぱりフロントが逃げて失速してますね.



総じて見ると,クルマの動きが若干ピーキーになっており,オーバーステア傾向には寄っていますが,それが速さには直接繋がっておらず,全域で遅くなっている感じです.


続いて,2.7キロ(赤)vs 2.85キロ(青).



ステアリングレスポンスが更に上がり,ブレーキを踏んだら勝手にクルマが曲がり始めるような印象です.このためブレーキを残す必要がなく,1コーナー(1つ目の緑丸)・ヘアピン(2つ目の緑丸)等では減速を終わらせたら,さっさとブレーキをリリースしています.2.7キロ時(赤)と比べてドライバーが動きに慣れてきた事もあるのでしょうが,インフィールド(3つ目の緑丸)でも思い切って飛び込んでいるのが読み取れます.ただ,やはり立ち上がりでフロントが逃げているため加速が鈍いようで,特に最終コーナー(最後の緑丸)が酷い状態ですね・・・.



全体的に見ると,こちらも全域で遅くなっている感じですが,路面コンディションがかなり悪化してもいるので,立ち上がりの鈍さはフロントタイヤの熱タレが原因かもしれません.


・・・と思ったため,フロントタイヤが冷める午後まで待って,最後に2.85キロ(赤)vs 2.80キロ(青)のテスト.



タイヤが冷めるのを待った都合上,2.80キロの方は必ずしもこの瞬間(このラップで)2.8キロだったか?は分かりませんが,1コーナー(1つ目の緑丸)・インフィールド(3つ目の緑丸)・最終コーナー(最後の緑丸)の各コーナーで立ち上がりの加速が良くなっています.リアのスライドが増えて向きが変わるようになったとしても,その横方向の力に耐えられるだけのフロントのグリップがないと結局遅いという事なんでしょうね・・・.




最後に,最初(2.5キロ:赤)と最後(2.8キロ:青)の比較です.



ホームストレートエンド(1つ目の緑丸)の車速を見ると,コンディションの悪化によって2.8キロ時(青)の方が車速の伸びが悪いですね.そんな約3km/h進入速度が低い状況にも関わらず,1コーナー(2つ目の緑丸)のボトムはガクッと下がっていますし,ヘアピン(3つ目の緑丸)こそ2.5キロ時(赤)の方のドライビングミスで上回っていますが,インフィールド(最後の緑丸)ではボトムが落ちるだけでその後の加速力は違わず,やはり恩恵がなさそうです.


以上,内圧のテスト結果でした.

単純に「向きを変える」という意味では,リアタイヤの内圧上げは効果的だと思いますが,それで旋回~加速領域が速くなっているか?というと疑問な結果となりました.以前書いたブログの通り,アクセルを操作をもっと繊細に行えば,加速領域での横滑りを防いでゲインが得られるかもしれませんが,今回の結果からすると,そこまで頑張ってもほんの僅かな差かなぁ~?という気がします.

私の乗ってるクルマがFFなので当たり前と言えば当たり前なのですが,どんなにリアを滑らせても,やはり「フロントタイヤの限界が全て」といった印象です.これが例えばB18Cだったら,トラクションステアのような,向きが変わった後に強引にクルマを前に進めるような技も使えたりするんでしょうが,現状のトルクだとちょっと厳しいですね.

やはり足回りのセッティングを見直して,前後バランスを取り直す方向で進めたいと思います.
Posted at 2022/08/11 19:17:12 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(タイヤ) | 日記
2022年08月10日 イイね!

U字・V字のドライビング比較

U字・V字のドライビング比較アンダーパネルを装着してから前後バランスがリア寄りとなり,「フロントタイヤの限界で走っている」感の強い状況なのですが,このバランスだとTC1000で一番辛いのが最終の複合セクションです.

100km/hオーバーの左高速コーナーを抜けた後,S字状に左→右と切り返しながら洗濯板手前で80km/h前後まで減速し,20R~17R~94Rの3つのコーナーを一纏めにしてクリアする複合セクションなのですが,手前で減速しているため,ユルユルと惰性で抜けるか? 再加速→ブレーキングで抜けるか? 悩むポイントでもあります.

ブレーキを踏まず,惰性で抜ける場合のポイントは,

 ・洗濯板手前で減速し過ぎない.
 ・洗濯板通過後に姿勢を乱さない.
 ・20R~17Rコーナーの間のアウトクリップまで失速し過ぎないよう車速を維持する.
 ・アウトクリップから向き変える際はアクセルOFFを使う.

という感じで,ロガーデータで車速の推移を見るとV字状になります.


一方,洗濯板を抜けた後にアクセルを踏んで再加速~ブレーキングする場合は,

 ・洗濯板手前の減速はあまり気にしなくて良い.
 ・洗濯板通過後はアクセルを入れて姿勢を安定させられる.
 ・20Rでアクセルを踏む事で意図的にアンダーステアを引き起こせるため,アウトクリップにも自然と向かう.
 ・アウトクリップから向きを変える際はブレーキを使う.

という感じで,こちらの車速推移はW字状になります.

前者はタイヤのグリップと相談しながら走る「対話型」のドライビング,後者はドライバーが積極的にクルマに指示する「命令形」のドライビングとも言え,このどちらが速いか?はクルマによりけりなのですが,私がここ1~2年試した感じでは「対話型(ブレーキを踏まない)」の方が良い結果が出ていました.ただ,現状のEF8はあまりにアンダーステアが強く,万策尽きた感もあったので,久方振りに「命令形(ブレーキを踏む)」のドライビングを試してみる事にしました.


今回は,なるべく正確に比較したいので,ドライビングの切替えは同じ走行枠で行い,1周のクーリングラップを挟んで交互に試す事で精度を上げてみました.また,比較する区間もインフィールドを立ち上がって2→3速にシフトアップした地点を「スタートライン」とし,ホームストレートを立ち上がって同じく2→3速にシフトアップする地点を「ゴールライン」として,なるべく外乱を減らしてみました.




まずは,この区間のロガーデータの比較です(赤:ブレーキを踏まない 青:ブレーキを踏む).



区間タイムで見ると,

 ブレーキを踏まない ・・・ 11.595
 ブレーキを踏む    ・・・ 11.654 (+0.059)

やはり「ブレーキを踏まない」方が僅かながら速かったようです.
洗濯板を下りた地点での両者のタイム差は0.002秒とほぼ同じなので,ここから細かく見ていきます.


ブレーキを踏むために再加速を始めるポイントで見てみると(↓),



前方の林との位置関係からドライビングの微妙なバラつきで,「ブレーキを踏む(下)」の方が僅かに内側に寄っているようです.ここからアクセルを開けて意図的にアンダーステアを起こしてアウトクリップへ向かい,アウトクリップに到達したらブレーキを踏んで向きを変える事になります.この一連の流れをライン取りで見てみると(↓),



アクセルを開け始めた地点では,「赤(ブレーキを踏まない)」よりも内側にいた「青(ブレーキを踏む)」が徐々に外側へ膨らみ始め,途中で「赤」と入れ替わり,アウトクリップの地点では,「赤」よりも「青」の方が外側に位置している事が分かります.そこから「青」は急激に曲がり始め,再び「赤」と交差.立ち上がりでは反対に「青」の方が「赤」よりも内側にいるようなライン取りとなっています.「赤(ブレーキを踏まない)」を定常円旋回(U字のコーナリング)と見なすなら,「青(ブレーキを踏む)」は,より凸型のV字のコーナリングとも言えそうです.

ポイントポイントでのタイム差を見てみると,アクセルを踏んで加速している分,アウトクリップ地点では「V字(青)」の方が0.1秒速い結果となっていますが,そこからブレーキを踏んで失速するため,最終コーナーを抜けた地点では,逆に「U字(赤)」の方が0.06秒前にいる結果となっていました.


ただ,「V字(下)」は「U字(上)」に比べて,最終コーナーの立ち上がりで明らかに舵角が少なく(↓),



「V字(赤)」は,最終コーナーの外側で操舵抵抗によって失速もしているので(↓),



「V字」の立ち上がりの方がホームストレートでより車速が伸びるかなぁ~?と思っていたのですが,意外と両者の加速力に違いはなく,差は広がりもしなければ縮まりもしない,0.6秒差をキープしたままゴールラインを通過する結果となりました.


乗っていた時の印象としては,ブレーキを踏む「V字」方が最終コーナーの手前で慌ただしく,ステアリング・アクセル・ブレーキの3つの操作精度がどうしても落ちてしまいました.ただ,ブレーキを踏んで向きを変えて以降は一転して操作が楽になり,ステアリングも早く戻せますし,アクセルも早く開けられるので,「トータルで見たら,こっちの方が速いかなぁ~?」とまで思っていたのですが,その後の加速の伸びが思った程ではなかったですね.ちょっと意外な結果でした.

ブレーキを踏まない「U字」の方は,フロントタイヤのグリップと相談しながら向きを変えるので,横のグリップが出てくるまでの待ちの時間が長く,その分ロスしているのかな?と内心思っていたのですが,常にタイヤのグリップの限界を引き出しながら走った方が,トータルでは速いみたいですね.


以上,最終コーナーにおけるU字・V字のドライビング比較でした.

「ドライビングで何とかなるなら,それも良し」と思ってトライしてみたのですが結果的にはダメでしたね.明確な結果が出た以上,やはりクルマ側で何とかするしかないので,ブレーキを踏まず,アクセルOFFだけでV字の時のようなコーナリング姿勢を実現出来るセッティングを探りたいと思います.
2022年08月09日 イイね!

アンチ・アッカーマンのお勉強

アンチ・アッカーマンのお勉強「アッカーマンに反対な人から学ぶ」という意味ではなく(笑),ジオメトリーのお話です.

以前,トー角のセッティングを考えていた時に,「アッカーマン・ジャントー機構」の勉強をしたのですが,理論が難しくて私の頭では理解出来ず,「ステアリングを切った時に内側のタイヤが外側よりも切れる機構」とだけ覚えていました.


その後,トー角のセッティングも方向性が見え忘れつつあったのですが,別なところで思い出させられました.

それは今年5月のF1モナコGPで,フェルナンド・アロンソ選手がミラボーでクラッシュした時で(タイトル画像参照),この映像を見た一部の人達が「フロントタイヤが同じ方向を向いてない!」と話をしていたのですが,私自身は「そりゃ,クラッシュしたんだからタイヤは同じ方向を向いてないだろ・・・」と流してました.

ところが,どうやらそういう意味ではなく,クラッシュ直前のタイヤの角度を見て(↓),「(クラッシュ前に)左右で同じ方向じゃない!」と言いたかったようです・・・(汗).



確かに,ステアリングを切った状態で,外側のタイヤが内側のタイヤよりも切れ込んでいます・・・.以前勉強したアッカーマンステアリングとは内・外の関係性が逆で,「なんじゃ,こりゃ?」と思い調べてみると,こんな記事を見つけました.


英文なので意訳すると,

コーナリング中,内側のタイヤは旋回中心に近いため,外側のタイヤに比べて移動距離が短くなる.このため,クルマには所謂「アッカーマンステアリングジオメトリー」が備わっている.ステアリングホイールを回すと,内側のタイヤが外側のタイヤよりも大きく切れるのだ.


(F1Technical:A curious F1 tech detail - The Anti-Ackermann steeringより)

しかし,F1ではこの現象は起こらない.

F1では性能が優先される.「アッカーマンステアリング」はタイヤのスリップを最小限に抑え,摩耗を低減するが,性能としては理想的ではない.コーナリングフォースを生み出すためには,タイヤは横方向に滑る必要があり, タイヤの荷重が増えると,グリップを最大化するためのスリップ角も増えるためだ.


(F1Technical:A curious F1 tech detail - The Anti-Ackermann steeringより)

コーナリング中は「遠心力」によって内側のタイヤの荷重の一部が外側のタイヤへと移動する.従って,タイヤのグリップを最大化するためには,外側のタイヤが内側のタイヤよりも多く滑る必要がある.これを実現するためには,外側のタイヤが従来の「アッカーマンステアリング」よりも多く切れる「アンチアッカーマンステアリング」が必要となる.

F1 はこれを極端にしたものを使用している.「アンチアッカーマン」のレベルが非常に高く,外側のタイヤは内側のタイヤよりも大きく切れている.これによりタイヤの摩耗は悪化するが,横方向のグリップは向上する.モナコのような(抜けない)サーキットでは摩耗は重要ではなく,グリップの方がより重要となる.


「へぇ~,これは知らなかった・・・」と興味が湧いたので,続けて「アンチアッカーマン」に関して調べてみたところ,こんな特徴(↓)がある事が分かりました.

 ・F1に限らず,スリックタイヤを履くレーシングマシンはアッカーマンジオメトリーを採用しない傾向がある.
 ・スリックタイヤを履くようなクルマは,旋回時の内側のタイヤの荷重が限りなくゼロに近い.
 ・このため,「アッカーマンジオメトリー」を取り入れてもあまり意味がない.
 ・例えば,パドックでクルマを押して動かす際は「アッカーマンジオメトリー」の方が移動は楽.
 ・ただ,強力なLSDが組み込まれたマシンは,元々小回りが利かないので大した問題ではない.
 ・「アッカーマンジオメトリー」を取り除くと,舵を入れた瞬間の応答性が向上する.
 ・これはレーシングマシンだけではなく,市販車でも同様である.
 ・ただ,フルロック状態からハンドルが戻らなくもなるため,市販車では採用されない.
 ・また,F1は構造上,「アッカーマンジオメトリー」を取り入れる空間的余裕がないためでもある.

 ・スリックタイヤを履いたマシンに限定されるのは,タイヤの特性によるものである.
 ・スリックタイヤは特に温度管理が重要で,ちょっとした差でタイヤのグリップが変わる.



 ・「アッカーマンジオメトリー」は,過大なスリップアングルを生む.
 ・このため,タイヤの左右で温度差を生む要因となり,温度管理には不都合となる.


「へぇ~,なるほどねぇ・・・」と思いつつ,スリックタイヤ前提だから,市販のラジアルタイヤ前提の市販車には,この考え方を取り込むのは難しいんだろうなぁ~と思って調べていたら,市販車でもこれに似た「パラレルステアリング」というのを採用している事を知りました.

切れ角ベースで要約すると,こんな感じ(↓)みたいです.

 アッカーマン     ・・・ 内側のタイヤ > 外側のタイヤ
 パラレル        ・・・ 内側のタイヤ ≒ 外側のタイヤ
 アンチアッカーマン ・・・ 内側のタイヤ < 外側のタイヤ

この「パラレルステアリング」はドイツ車に多く,その代表例として981/991系ポルシェが上がっていました.

ただ,どちらかというとあまり良いイメージはないようで,パラレルステアリングによって低速域で外側のタイヤが引っ掛かってしまい,ゴリゴリ音(↓)がするという指摘に繋がっているそうです.




これに対して,「これは低速域よりも高速域を重視するポルシェだからこそ!」.すなわち,

「ゴリゴリ音はスポーツカーである証!」

とまで言ってるのを見て,モノは言いようだなぁ~と思いました(苦笑).


それはさておき,「アンチアッカーマン」まで行かなくとも「パラレル」レベルまでは市販車・ラジアルタイヤでも採用されている訳ですから,それなりに効果がある(デメリットも許容出来る)という事なんでしょうね.勿論,ジオメトリーの変更は素人レベルでは出来ませんが,トー角を考える時の1つの考え方として少し勉強になりました.

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