
TC2000は年に1~2回しか走らないので,来年のための反省会です(笑).
今年のチャレンジではタイヤが終わりかけの状況であったにも関わらず,2年振りに7秒台を出す事が出来ました.個人的にはマズマズの結果だと思っているのですが,プロに「
6秒8は出せるよ!」と言われて早7年.当時のプロのタイムに届かないのは勿論の事,7秒台に入れるのもやっとの状況なので,6秒台なんてまるで見えませんね・・・.
エンジンが前回のオーバーホールから16万kmを経過し,大分お疲れ気味なのは間違いないですが,なんだかんだと年々車重も増えていっているので,これが少しずつ遅くなっている要因の1つかなぁ~?とも思っています.ま,そんな事をグダグダ言っててもしょうがないので,ドライビングの課題出しとセットアップの検討のために今回の走行を振り返ります.
まず比較材料ですが,今回は7秒台を出せたので2年前の自己ベストと比較してみます.
【自己ベスト:1'07.692】
【今回:1'07.963】
セクタータイムは以下の通り.
自己ベスト ・・・ Sec1:27.529 Sec2:28.143 Sec3:12.020 最高速:151.451km/h
今回 ・・・ Sec1:27.803 Sec2:28.083 Sec3:12.077 最高速:152.542km/h
これだけ見ると今回自己ベストに届かなかった原因はSec1にあるように見えますね・・・.
その一方で,今回のタイヤは終わりかけ(↓)だったにも関わらず,
Sec2が速くなっている点からすると,足回りのセットアップは良い方向に進んでいるようにも思えます.また,意外なところでは最高速が1km/h伸びている点で,これは7年前にプロが出した「152.306km/h」も上回っています.最高速は第2ヘアピンの立ち上がりの影響を受けるので,安易に考える事は出来ませんが,今年アップデートした「
リアアンダーパネル(↓)」の恩恵だと嬉しいですね.
最高速の話が出たので,コンディションも振返ってみましょう.
自己ベスト ・・・ 気圧:1011.6hPa 気温:13.3℃ 路面温度:15.5℃
今回 ・・・ 気圧:1027.0hPa 気温:16.2℃ 路面温度:21.2℃
今回の気圧はかなり高かったですね.気温は今回の方が3℃高いですが,気圧は15hPa以上高いので気温上昇による低下代を簡単に打消せますね.今回の走行で唯一ネックだった点は路面温度が高い事でしたが,それも計測1で決めたので影響は少なかったでしょう(逆に言うと20℃を超えていなかったら計測1で決めるのは無理でした).
といった情報を踏まえつつ,ロガーデータの比較です(緑:ベスト 青:今回).
ザッと見ると,今回(青)は4箇所のブレーキングポイント全てで遅れをとったようですね.ブレーキングで引き離されたのをその後の加速区間で取り返すような構図になっているようです.ブレーキは,前回TC1000を走った時にも感じたジャダーが今回も発生していて,自信をもってブレーキングを行えなかった点が影響しているかもしれません.
走行後にショップでブレーキ周りを診てもらったら,「ローターのクラックが深くなっている(↓)」との事だったので,
交換しないとダメだと思いますが,次の日光に間に合うかなぁ・・・?
そんな不安を抱えつつでありますが,細かく見ていきましょう.最初はホームストレート~第1コーナー.
1コーナーの進入時点で今回(青)の方が車速が4km/hも低いですね.毎回こうなのかなぁ~?と思って他のラップを見てみたところ,155km/hをマークしている周回もあったので,計測に入る前の周で何かミスっていそうです.
なので,車載を見返してみたところ(↓),
アタックに入る直前にシフトノブに手を置いており,3速に入っている事を確認していました.なんで確認をしたのか?は覚えていないのですが,何かしらの違和感があって,これを確認していたからアクセルを踏むのが遅れたんでしょうね.この踏み遅れによって第1コーナーのブレーキングまでに0.2秒遅れてしまっているので,非常に勿体なかったです・・・.orz
ただ,そこからのブレーキングは今回(青)の方が上手かったようで,
ボトムを5km/h上げて旋回出来ました.立ち上がりの加速も悪くなく,第1ヘアピンの進入速度が2.4km/h上回っているので,ここら辺は足回りのセッティングが決まっている事とドライビングの精度が上がっているおかげかな?と思います.
次は第1ヘアピン.ここは今回,進入の仕方を少し変えました.
第1ヘアピンに進入する際,4速に入れると,入れたと同時にシフトダウンを始めないといけないくらいの距離なので,私は4速に上げず3速キープのまま進入するようにしているのですが,3速キープだとS字の2個目辺りでレブに当たるため,少しアクセルを戻してコントロールする必要があります.これだと思い切ってヘアピンに飛び込めないので,正直マージンを少し残したドライビングとなってしまいます・・・.
一方,今回はブレーキにジャダーの問題を抱えていたので,あまり強くペダルを踏む事が出来ず,1本目を走った後にどうしたもんか?と考えていたのですが,「だったら,3速のレブまで全開で引っ張って,レブに当たったと同時にブレーキングを開始すれば,ちょうど良い距離感になるのでは?」と思い,これを試してみたところ,ドンピシャでした!
おかげで第1ヘアピンの進入速度も稼げましたし,ターンイン時の姿勢も安定しました.ただ・・・,
フロントタイヤのグリップが足りず,クルマが曲がってくれないので,V字のコーナリングがイメージ通りに出来ない点だけは残念でした.イメージ通りにクルマが曲がらないので,U字のコーナリングをせざるを得ず(↓),

(赤:ベスト 青:今回)
立ち上がりの車速の伸びは今回(青)の方が良いのに(↓),
距離で損をして0.15秒遅れる結果となりました.Sec1の遅れの主たる要因は,この第1ヘアピンの立ち上がりにおける距離的な損失のせいなので,もうちょっとだけフロントのグリップが欲しかったなぁ~という感じです.
グリップが足りなかった原因は,勿論擦り減ったタイヤのせいではあるのですが,
先月のナリモでの感触も踏まえると,今のセットアップが低速コーナーで曲がらない特性になっている印象が更に強まりました.この辺りのバランス点をもう少し見直さないと,冬場のTC1000でも40秒台は厳しいかもしれませんね・・・.
続いて,ダンロップ~80R.
今回(青)の方がダンロップの進入速度は2km/h高いですが,ボトムは2km/h低くなっているので,まぁ,トントンですかね.80Rの伸びもベスト(緑)と変わらず,ロガーデータを見ても互角ですね.
あ,あと80Rの途中にある舗装の繋ぎ目(↓).
ここを通過する際にクルマが跳ねるのですが,今の足回りだと跳ねた後の収まりが良く,危ない感じは全くありませんでした(コーナリング中に3→4速へシフトアップするのも苦労しなかった).これを踏まえても,やっぱり今の足のセットアップは決まっているんだぁ~と思いました.
次は第2ヘアピン~バックストレート.
ここもボトムスピードを4.7km/h上げる事が出来ました.やはり足回りのセッティングが決まっているおかげですね.惜しむらくは,アクセルを開けていった時のトラクションが若干足りない点で,やっぱりタイヤの摩耗が地味にダメージを与えてきます・・・.
ただ,それでもバックストレートの伸びは今回(青)の方が良く,コースの他の区間も合わせて見てみると,全体的に110km/hを超えた領域で車速が伸びているようです(↓).
全域車速が伸びているなら高い気圧の効果とも考えられるのですが,特定の領域だけ車速が伸びているのだとすれば,やはり「リアアンダーパネル」の効果なのかもしれませんね.
そして,最終コーナー.
ここはボトムスピードの一言に尽きますね.進入のブレーキングで落とし過ぎです・・・.そんなに強く踏んでいるつもりはないのですが,6km/hもボトムが低いのはマズイですね.ここまで落ちてしまう理由の1つにリアタイヤがあるんじゃないか?と思っているのですが,それはそれとしてドライビングで対応する策を考えないといけませんね.
以上,TC2000の反省会でした.
纏めると,Sec1の遅れは「計測前の助走」と「第1ヘアピンでのアンダー」が原因で,前者はドライビングミス,後者はタイヤの問題と言えそうです.仮にこれらの問題が起きなかった(例えば,タイヤが新しかった)とすれば,少なくとも自己ベストと同等のタイムは記録出来たんじゃないかなぁ~?と思います.
これは言い替えると,やはり現状の実力では7秒台中盤が良いトコで,6秒台は到底視界に入らない・・・という事に思えました.大幅な軽量化か,エンジンのパワーアップ(or リフレッシュ)でもしないと,やっぱり6秒台には届かなそうですね.