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2025年05月17日 イイね!

タミヤ本社特別見学会 2025

タミヤ本社特別見学会 2025先日,リニューアルされた新橋の「TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO」へ行って来たのですが,この時に「タミヤ本社の展示をまた見たいなぁ~」と思いました.

タミヤ本社(静岡市)には歴史館とショールームがあり,無料で見学出来るのですが,コロナ禍以降(?)予約制となってしまい,しかも平日しか受付ていないので,ちょっとハードルが高いなぁ~という事で足が遠のいていました.

ただ,静岡ホビーショー開催時は「特別見学会」と称して予約なしで見学出来るので,今年は行ってみる事にしました.本当はホビーショーの方も観たいのですが,こちらは事前登録がすぐ締め切られてしまうので,最近はなかなか観る事が出来ないですね・・・.



生憎と当日は天気が悪く,降水量が8mm/h以上と結構な雨量で「面倒臭い&危ないなぁ~」と一瞬気が引けたのですが,雨の日に走れば先日のTC1000で付いたタイヤカスが自然と洗い流されるので,「ま,カス取りのついでだと思えばいっか」と向かいました.


タミヤ本社近くの駐車場にクルマを停めて中に入ると,「タミヤ会」による1/24のボックスアートの仕様を1/1で再現したという車両展示が行われているのですが(↓),



さすがにこの雨だと観る気が起きないのでスルーさせて頂きました….入口の階段を上っていくと,前回来た時の記憶(恐らく10年近く前)には,ここにいすゞのF1エンジンが展示されていたような記憶が.しかし,今回そのスペースには本社そのもののスケールモデルが展示されていました(↓).



そこから中に入って色々見学していると,今年の特別展示だという「ロータス 99T」が(↓).



こちらは恐らくどこかのタイミングにホンダ関連施設で観れる気がするので,スルーしてお目当ての常設展示車両の方に向かいます.


1台目は,1976年のF1カー「ティレル P34」.



こちらは2023年にレプリカを観た事があるので(↓),



そちらとの比較を~とも思いましたが,恐らく最も違う車体後部がアングル的に観れなさそうなので(↓),



タイヤだけジロジロと観てました(笑).




(こちらはレプリカと違って,正真正銘当時モノのタイヤでしょうからね・・・)


お次は,1982年のF1カー「ロータス 91」.



この年代のF1はさすがによく知らないので,スルーかなぁ~と思いましたが,「いや,待てよ.この年代だと生粋のウイングカーだよな・・・」と思い直し,その辺りをジロジロと.



もっと近くで観たい!と思いましたが,この展示位置だとこれが精一杯(苦笑).



「ああ,ここの裏面を覗きたい!」と欲が出ますが,グッと我慢(笑).



ウイングカーの特徴であるサイドスカートは意外と位置が高いなぁ~と思いましたが,1982年だと可動式の有無はどうだったっけかな?と思いながら見てみました.


そして,最後が1991年のF1カー「ロータス 102B」.



財政難で困窮していたロータスにタミヤがスポンサードした事で,ロータスはその後も数年F1参戦を継続出来たというお話で,よく出てくる車両ですね.





スケールモデルは勿論の事,RCでも製品が出てましたが,個人的にはミニFが一番記憶に残っているかな.

90年代初頭のF1という事で,昨年観た「Jordan 192」を思い出しながら眺めてみると,財政難で開発が出来なったという事で非常にシンプルなフロントウイング(↓).



モノコックが薄っぺらいせいか,フロントのアームの取付位置が低く感じますね(↓).



コクピットサイドのアンダーパネルが変な突起物があるなぁ~と気づき(↓),



「ああ,これは多分アレだな・・・」と視線を上にズラしたら,やはりその真上にミラーがある(↓),



レギュレーションを満たすためだけの突起物なんだろうなぁ~と思いつつ観ていると,そのミラーの下のモノコックに変な出っ張りがある事に気づきました.

随分と歪な出っ張りだなぁ~と思い,モノコックの反対側を観るもそちらにはこんな出っ張りはない.だとすると右手側にのみあるのか・・・と思考が回ったところで,「ああ,コレ,そこにシフトノブがあるのか」と気づきました.モノコックが狭過ぎて,シフトノブとモノコックの間に手が入らずシフトチェンジがやり辛い事から,モノコックを外側に膨らませて手を入れるスペースを作っているんですね.当時はまだマニュアルミッションの時代ですから,こういった後付けみたいな改造をやったと文献で読んだ事があるのですが,実物を観るとかなりボコッとしてますね.

だとすると,これがこのクルマの特徴とも言えるのだけれど,こういうのはスケールモデルで再現出来ているのかなぁ~?と見てみると(↓),



1/20の方は,完全再現されていましたが(↓),



それより大きいスケールの方は,ミラー下のアンダーパネルが再現されていない(↓).



1/10のRCに至っては,モノコックの出っ張りも再現されていませんでした(↓).



こうして,スケールモデルの展示があるタミヤ本社ならでは楽しみ方をする事が出来ました(笑).
その後は再び実車に戻り,リア周りがシンプルだなぁ~と観ていると(↓),





オイルクーラーを発見(↓).こんなに堂々とボコッ!と出すんですね(苦笑).



車両の横にはフロントウイングが壁に立てかけられていたので,この時代独特のボルテックスジェネレーターを観ていると(↓),



資金難から持ち直して開発出来るようになった翌1992年の「ロータス 107」用のフロントウイングでは,ボルテックスジェネレーターがかなり凝った形状になっているのが分かります(↓).



ちなみに,この1992年にも「TAMIYA」のロゴが貼られていますが,一説によるとタミヤのスポンサード自体は1991年限りだったとか.ロータス側がチームの窮地を救ってくれた感謝の意を込めて,その後もロゴを貼り続けたとの事です(今じゃ考えられないお話ですね).


そんなF1ネタの最後に,コチラのエンジンを(↓).



いすゞ製のF1用V12エンジンです.私の頭の中でなぜかSUBARUのF1用H12とごっちゃになっていたのですが,確かに「ロータス 102C」に搭載してテストしていたのは,いすゞのV12ですね.



当時としてはかなり優秀なエンジンだったそうですが,いすゞが自社の実力を把握するためだけに製作したものなので実戦で使うつもりが全くなく,1回テストした後はそのままお蔵入りとなった幻のエンジンなんだとか.こういったものがちゃんと保管されて,30年後の今でも観れるのですから有難いですね.


以上,タミヤ本社特別見学会で観て来たF1でした.
Posted at 2025/05/19 20:19:26 | コメント(2) | トラックバック(0) | 博物館見学 | 日記
2025年05月16日 イイね!

低反発スプリングを紐解く

低反発スプリングを紐解くEF8の先輩に遊んでもらった先日のTC1000ですが,そろそろフロントタイヤを使い切るという事で,次に向けてのセッティングデータ集めも行っていました.

最優先で考えないといけないのは「低反発スプリングを続投するか否か」.低反発のフィーリングがかなり良くないのは明らかですが,その一方で良い部分もあるのは間違いなく,トータルで考えた時にメリットがデメリットを上回るか?が焦点でした.

まずはデメリットの確認から.

これは「フィーリングが良くない(気持ち悪い)」という事なのですが,この表現では何が・どう悪いのか分からないので,今回テストしてここを明確にしました.その結果分かったのは「ブレーキリリース時にフロントの持ち上がり方が一定の速度ではない事」を私は気持ち悪いと感じていたようでした.

一番顕著だったのはTC1000の1コーナーで,130km/h台の車速からフルブレーキングしてフロントのスプリングを縮めた後(↓),



ブレーキをリリースしてフロントの荷重を抜きつつ(スプリングを伸ばしつつ),ステアリングを切ってタイヤのグリップを縦→横に移すシーンで問題が生じます(↓).



このシーンでは,一度力を加えて縮めたスプリングから力を抜き,スプリング自身の力で元の長さに戻ろうとする場面な訳なのですが(↓),



ダンパーの減衰を使って,元の長さに戻ろうとするスピードを遅らせています.
そうする事で,ブレーキペダルのリリース量と連動する形で(↓),



フロントが持ち上がるスピードをコントロールし,タイヤのグリップを縦→横へ移す量とタイミングを,ドライバーの思い通りにコントロールしている訳です.

しかし,低反発スプリングの場合は,ブレーキペダルの位置を一定にしているつもり(フロントが持ち上がる量を抑えているつもり)なのに,勝手にフロントが持ち上がったり・沈んだりするんです・・・.つまり,ドライバーの意思や操作と関係なく,クルマが勝手に動くので「気持ち悪い」「フラフラする」「コントロールが難しい」と感じた訳です.


では,なぜこんな事が起きるのか?というと,低反発スプリングの構造がそういう構造になっているためと思われます(↓).



低反発スプリングには「オープンエンド」と「バレルタイプ」という2つの特徴があります.
「オープンエンド」はスプリングの先端が浮いている事です(↓).



浮いているという事は,この部分が接触するまで(スプリングが縮むまで)規定のレートが出ない(=バネレートが変化する)という事を意味します.

もう1つの「バレルタイプ」というのは,スプリングの中間部分の内径が大きくなる(全体を見ると樽のように見える)形状の事です(↓).



スプリングは径が変わるとバネレートも変わりますので,こちらもスプリングが縮むとレートが変化する訳です.従って,低反発スプリングは縮む→伸びる過程でバネレートがコロコロと変わるため,ドライバーがスプリングに同じ力を掛けているつもりでも,スプリングの反力がコロコロと変わり,ドライバーの意思に反して,フロントが勝手に持ち上がったり・沈んだりしているのだと思われます.


「ドライバーの意思に反して動くスプリングなんて,使い物にならないじゃん!」と思われるかもしれませんが,それは地面が動かない(=ターマック)を前提にしているからで,ダートのように絶えず地面側が変化する状況では,ドライバーの意思に反してスプリングの方で勝手に動いてくれた方が,姿勢が安定してドライビングが楽なのだと思われます.

ここから察するに,低反発スプリングを活かす方法が「反発力(伸び側の過渡特性)」である事は間違いないと思うのですが,ここで言う「伸び」とは「2G→1G」みたいな強い力で地面に押しつけて戻すシーンではなく,「1G→0G」みたいな弱い力で地面からタイヤが離れるシーンを指すのではないかな?と思いました(↓).




だとすると,コーナリング中の外輪側はともかく,内輪側であれば低反発スプリングのメリットが何かしら得られそうな気がするのですが(↓),



私としては逆にデメリットの方を感じました.これはフロントのスプリングを同じレートのまま中反発→低反発に変更した時に起きた現象なのですが,低反発だと内輪側が浮くんですよね・・・(荷重が抜けた後,スプリングが伸びるのが遅い).



反発力が低いのだから,伸びが遅いのは理屈としては合っているのですが,あまりにも内輪側が接地するのが遅過ぎて,トラクションが掛かっていない気がするんですよねぇ.昨シーズン,コーナーの立ち上がりでタイムロスが大きかったり,最高速が伸び悩んだりした原因は,このフロントタイヤの接地性の悪さが原因なんじゃないか?と訝しんでいます.


という事で,ここまでデメリットばかり述べてきた訳なのですが,「じゃあ,低反発スプリングのメリットは何なの?」と考えると,やはり「反発力の弱さ」になると思われます.

ダンパーの力を借りずにスプリングの力だけで縮む→伸びるのスピードを抑えられるため,フロント荷重をコーナーの出口までキープするのが容易では?と考えていました(↓).



しかし,今回テストしてみたところ(ヘアピンで何度か試して1回しか成功しなかった),フロントが沈んでいる時間の長さを活かして,エイペックス通過後までフロント荷重をキープし,そこからノーズが持ち上がる直前で意図的にアクセルを開けてみたのですが,アンダーステアが出て曲がりませんでした・・・.



ここから察するに,外輪側の伸びを遅くする事で荷重をキープする事は出来ているものの,内輪側の伸びがそれ以上に遅過ぎて実質片輪走行となり,左右両輪のトータルのグリップで考えると,落ちているという事なんじゃないかな?と思いました.

これらのテスト結果から,狙っていたメリットは得られず,逆にデメリットの方が多々ある事から,今回は「低反発スプリングはデメリットの方が大きい」という結論に至りました.なお,これはあくまで現在使っているダンパーを基準とした場合の話で,低反発スプリングに合わせた仕様にすれば,また違った見解になるとは思います(「低反発スプリング」という製品自体が悪い訳ではないです.スプリングというのはあくまでダンパーとの組合せなので・・・).


では,次どうするの?という話になるのですが,現在のレート(14キロ)のまま低反発→中反発に戻すと,プロに指摘頂いた「転がし気味に入ると,戻り(反発)が強く,フロントが抜け気味になる」という症状が戻ってくる事になります.



これを回避するためには,「レートを落として反発そのものを弱める」という策を取る事になるのですが,そうすると今度は日光でプロに指摘頂いた「フロントの限界が低い」という話が戻ってきます.



なので,レートを戻すならこの件をどうするか?を考えないといけませんね・・・.


まさに「アチラを立てれば,コチラが立たず」のセッティングのドツボにハマった状況な訳なのですが(苦笑),別な視点で考えると,14キロのハイレートにはいくつかデメリットがある気もしています.

1つ目が「乗り心地が悪い」.ま,当たり前の話ですね(笑).ただ,これは単純な街乗りの話だけでなく,路面の起伏に対する追従性という点でも結構悪化している気がしています.その証拠にEF8の先輩に追いかけられた際の車載を見ると(↓),



ストレートをただ真っ直ぐ走っているだけなのに,結構クルマがヒョコヒョコと上下動しています.これではトラクションがしっかり掛からないので,最高速の伸びも鈍るかなぁ~?という感じです.


2つ目は「タイヤの摩耗」.実はレートを14キロに上げて以降,タイヤの摩耗速度がかなり上がっています.



上の図は,A052のコース上での走行距離とタイムの推移を表したものです.レートが12キロだった頃は,概ね240km(TC1000だとまんま240周)前後くらいは走行可能だったのですが,レートを14キロに上げて以降は長くて200km前後,今回のセットが特に酷くて150kmで使い切る事態となってしまいました・・・.明らかにタイヤに厳しい側に進んでいる気がするので,14キロだとタイヤを上手く使いこなせないのでは?とも思っています.

なお,摩耗が早い直接の理由としては,タイヤの表面温度が高いせいな気がしていて,1回タイヤがタレると2度と戻って来ず(42秒台を切れなくなる),これはタイヤのピークグリップを超えた温度域が維持されているためではないか?と思っています.グリップレベルの低い状態が維持されるため,アベレージが落ちて「平均0.3秒落ち」となっていたりしないか?と考えています.

それ以外にも,「冬場のダンパーとのマッチングが悪い(オイルが固くなった時に減衰が合わない)」「フロントタイヤのウォームアップが遅い(タイヤを潰せず,表面で走っているせい?)」「フロントの制動力が低い(そのせいでリアがロックし易い)」等々,14キロのネガは結構あるので,一度12キロに戻して状況をリセットしてみた方が良いかな?と考えています.


以上,低反発スプリングの特性を紐解いて,導き出した結論でした.
2025年05月15日 イイね!

GEN3 Evoの見学

GEN3 Evoの見学週末にFormula Eの東京大会(Tokyo E Prix)開催されるという事で,都内各所でイベントが行われているのですが,どうせだったら「GEN3」の進化型「GEN3 Evo」を観たいなぁ~とSNSで展示画像をチェックしてました(この手のイベントは旧型の単なる色替えである事が多く,展示の情報だけで出向くと空振りの終わる・・・).

すると,渋谷に展示されている「NEOM McLaren Formula E」のクルマは最新型の「GEN3 Evo」のようだったので,近いし観に行って来ました.

場所は「渋谷PARCO」前との事で,「うぇぇ・・・ハチ公口を通らないとダメかぁ~」とゲンナリしつつ向かうと,例のスクランブル交差点は案の定の混雑っぷり.ただ,周囲をよく見ると外国人ばかりで,信号が赤で待っている間に「Hey Guys!」と掛け声掛けているから何をしているんだろう?と思ったら,スクランブル交差点が青になった瞬間に集団でダッシュして,中心で撮影会をしてました(苦笑).

ここは公道なので,そんなの気にせず横目に通り過ぎて会場へと向かった訳なのですが,そもそもなんで渋谷で展示なんかしているんだ?と調べてみたところ,この展示の主催は「TDK」との事.



「TDK」は,昨年10月からマクラーレンレーシング(皆さんご存知のあのマクラーレンです)と複数年に渡る戦略的技術提携を始めたとの事で,提携の一環で企画した「未来のエンジニア(大学生)向けの体験イベント」を日本とイギリスで今後行う予定なのだそうです.その未来のエンジニア(=若い世代)向けにアピールするために,わざわざ渋谷でイベントを企画したようです.最近では渋谷は「ビットバレー」と呼ばれ,IT関連のベンチャー企業が多く集まっているのでエンジニアを目指す若い世代が来るだろう~という目論見なのでしょうね.



ふ~ん・・・と思いつつも,「アレ? マクラーレンって今シーズン限りでFormula Eから撤退するんじゃなかったか??」とハテナマークが浮かびましたが,どうやら提携の範囲はFormula Eだけでなく,マクラーレンのe-Sportsチームも含んでいるようなので,来期以降はそちらで活動していくんでしょうね.


さて,前振りが長くなりましたが,肝心の「GEN3 Evo」の見学に行ってみましょう.
今回は事前に「GEN3」と「GEN3 Evo」の違いを頭に入れて来たので,そちらを中心に観てみます.

まずはフロントウイング(↓).



以前観た「GEN3」と比べると,翼端板の形状が異なるのが分かります(↓).



これは空力のアップデートというよりは,フォーミュラらしからぬ格闘戦(=よくぶつかる)が行われるFormula E独特の事情によるものだそうで,「GEN2」時代にあまりにも接触が多かったため,「GEN3」でフロントウイングを敢えて壊れ易くしたそうなのですが(壊れ易いから接触を避けるようになるだろう~という意図),今度は「壊れ過ぎる」と苦情が入ってしまったようで,その対策として「Evo」では翼端板を強化したそうです.



アップで観ると,確かに翼端板がブ厚くなっているのが分かります(↓).




次にノーズ上の突起物(↓).



なんの突起なのか分かりませんが,若干高さが大きくなったそうです.


次いで,ミラー(↓).



取付け角度が変わったようなのですが,「GEN3(↓)」と見比べると少し寝たのかな?




そして,ロールフープ部のカウル(↓).



「GEN3(↓)」と比べると,



上部の開口範囲が広くなり,両側の板の部分が若干厚くなったようです.横から観ると(↓)ほとんど違いが分かりませんが,横転時に最初にロールフープが当たるようにしたかったのかなぁ~?




最後がリアタイヤ前のフェアリング(↓).



なんだか90年代終盤のF1っぽいウイングレット形状になっていますが,下側はくり抜かれているので正面からの空気が直接タイヤに当たるのは変わらなそうです.タイヤの上部にフェアリングを付ける事で気流を上に逃がして乱流を抑制する狙いなんですかね?


なお,外観上の違いはこんな感じですが,見えない部分でも「Evo」は色々変わっていて,最大の特徴はAWDになった(フロントも駆動するようになった)事ですかね.



これは充電のために使っていた回生ブレーキ用のモーターを,逆に駆動用として用いる事で実現したようです.モーターなんでこの辺りはハードウェアの変更が不要(=ソフトウェアの変更のみで実現出来る)でしょうから,SDV(Software Defined Vehicle)の時代らしい「Evo」と言えるんでしょうか.ちなみに,このAWDは常時行っている訳ではなく,特定の条件を満たした場合のみ+αとして解禁されるルールとなっているそうです.

ちなみに,よく見ると中にいつものディスクブレーキ&キャリパーが見えますが,チーム的にはこのディスクブレーキをあんまり使いたくないのだそうです.というのもディスクブレーキを使うという事は運動エネルギーを熱エネルギーに変換して車外に放出してしまう事になるので,1周当たりのネルギー効率が下がってしまいます.このため制動は出来るだけ回生ブレーキ側で行い,使ったエネルギーを取り戻したいそうなのですが,なんせ最高速が322km/hも出るクルマなので,回生ブレーキだけでは止め切れず,どうしてもディスクブレーキを使わざるを得ないのだそうです.故にディスクブレーキをどこで使って・どこで使わないか?のバランスが戦略の一部となっているのだとか・・・.


以上,GEN3 Evoの見学でした.

Posted at 2025/05/18 12:16:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | イベント見学 | 日記
2025年05月14日 イイね!

EF8 vs EF8 2025 第1戦 筑波

EF8 vs EF8 2025 第1戦 筑波EF8の先輩に挑むEF8vsEF8,2023年は先輩がアメリカに行ってしまい,2024年は先輩の仕事が忙し過ぎて1戦のみで終了.そして,2025年は3月にようやく開幕戦か!?と思ったら,先輩がトラブルでリタイヤと,ずっと戦えず仕舞いでした・・・.

そんな消化不良がずっと続いていましたが,先輩のEF8の修理も終わり,満を持しての第1戦となりました.


当日は雲が日射しを遮ってくれたおかげで,気温は朝から20℃オーバーと高いですが汗をかくほどではなく,逆に気圧が1020hPa超えとなかなかのGoodコンディションでした.今回は某SNSでよく見かける若手のホンダ車乗り達が多数参加していて,かつてないほど車種がバラエティに富んでいて,パドックを歩くだけでも賑やかな雰囲気です.

そんな雰囲気を楽しみつつ,1年振りの対戦となるので「ハンデはどうしますか?」と先輩に聞いたところ,



フロントのカナードなし,タイヤは3年落ちの中古品を使ってやるから,ハンデなしにしろとの事.「ええ~っ,ハンデなしですかぁ~」と嫌な顔したら,「じゃあ,おまけでアンテナも出したままにしてやる」と言われました・・・(↓).




即座に隣のAT使いのBB6のトコへ行って,「ハンデなしって酷いんですけど~」と泣きつこうとしたら(↓),



フロントタイヤ外して,新設したブレーキダクトを覗き込むフリをしてスルーされました(↓).



(ノД`) シクシク…


そんな仕打ちを受けつつ,早速1本目(9:00~).

路面温度は既に30℃を超えており,リアタイヤのウォームアップは不要.となると1本目の計測1が勝負になるので,極力ペースを落としてブレーキだけ温める感じでウォームアップ.



出走7台なので十分にスペースをとった後,いざ勝負!



結果は 41.806 でこの瞬間ではトップタイム.ただ,リアスプリング交換後,初の走行だったので少し1コーナーのブレーキングで日和ってしまいました・・・.

(*ノω<*) アチャー

この後,気温は上昇する一方なので,タイムを出せるとしたら次の計測2がラストチャンス.気合を入れ直して,いざ勝負!



結果は 41.716 とコンディションを考えればマズマズのタイムとなりました.

続く計測3はタイヤがタレて42秒台までガクッと落ちました.これでもう私は41秒台を出せないので,あとは先輩のタイム次第.タイムボードをジッと眺めつつ周回を続けると,どうやらトップ3にはいない模様(私はクラス4位).「おっ! 何とか抑え込めたか!?」とバックミラーを見たら,なんと背後に先輩がいる!



「えっ!? まさか1本目からやるんですかー??」とタレたタイヤをなだめつつ必死に逃げたのですが,「ああ,なんだ.1年経ってもそんなもんか」と余裕を見せつけられてしまいました・・・.そんな1本目の結果は,

  私   ・・・ 41.716
  先輩 ・・・ 41.795 (+0.079)

辛くも私のリード.しかし,先輩のあの余裕っぷりからすると2本目以降で超えてきそう・・・.


続く2本目(10:00~).

何もせず,ただ走っても勝ち目はないので,ブレーキバランスを0.5だけリアに寄せてオーバーステアを誘発する狙いにしてみましたが,



ハンドリングが悪化するだけでタイムには繋がらず・・・(42.162).
「こりゃダメだ」という事で,タイムを出しにくいように先輩にプレッシャーを掛けてみます(↓).



インフィールドの立ち上がりで挙動を乱させる等,一応プレッシャーは掛ける事には成功したようですが,こちらのフロントタイヤが全く喰わないので接近する事は叶いませんでした・・・.

「あとやれる事は~」と考えて,ピットに戻りブレーキバランスを再調整(↓).



現状のバランスだと1コーナーとヘアピンでリアが出過ぎるので,この位置に再調整(↓).



これでリアがロックして滑る感触がなくなり,バランスは取れた気がしますが結果には繋がらず(42.242).この感触だと「SC6.5」でもまだフロントが足りないかもしれませんね.初期制動の強い「SC6」か? 絶対値の高い「SC7」か? 悩ましいところですが,再検討が必要そうです.

一方,そんな情報収集を私がしている間に先輩は,



41.543 をマークし,私を逆転! これで今回の勝敗は決しました・・・.

  私   ・・・ 41.716
  先輩 ・・・ 41.543 (-0.173)

(T⌓T) ウゥゥ…


先輩はこの後,次戦に備えて(?)ホンダ車系の走行会なのに,なんとフェラーリドライバーを招聘し(↓),



コーチングを受けていました(↓).



そして,ちゃっかりサイン(↓)もゲット(笑).




最後の3本目(11:00~).

勝敗は決してしまったので,3本目はセッティングの検討に頭を切替えます.ブレーキバランスは先程の調整で不満はなくなったので,残るは前後バランス.リアはヘルパースプリングを抜いた事で再びインリフトするようになり,ヘアピンやインフィールドでは小回りが利くようになりましたが,1コーナーの進入がやや不安定.



今回でHAL springの低反発を継続するか否か判断しようと考えていたので,具体的にどこかが乗りにくいのか?を確認したところ(↓),



やはり1コーナーでした.130km/h台の車速からフルブレーキングして,ブレーキをリリースしつつステアリングを切り込んでいくポイントで,フロントがフワフワとした感触で落ち着きがない.落ち着きがないので姿勢がなかなか定まらず,姿勢が定まらないのでアクセルも開けられない・・・.これは恐らく14キロのハイレートに対応させるために減衰力を下げた事が原因で,ならば減衰を上げれば感触が良くなるか?とピットに飛び込み,調整(↓).



これが正解でした.減衰を2段階上げた事で姿勢がビシッ!と決まり,思い切ってアクセルを開けられる~♪ 残念ながらお昼近くで路面温度がかなり上がっているため,タイム自体は伸びませんでしたがフィーリングとしては明らかにこちらの方が良い.



「低反発ならこれだな~」と思いつつ,走りながら・・・,

「でも,減衰を上げられたのは今日の気温が高いからだよなぁ~(ダンパーの粘度が下がっている)」
  ↓
「恐らく冬場でこの減衰設定だと,ツッパリ感が出てフロントが入らないよなぁ~」
  ↓
「そうなるとツッパリ感解消のために,レートを下げるべきだよなぁ~」
  ↓
「レートを下げるなら,そもそも低反発にする必要がないよなぁ~(14キロの反発力が強過ぎるから低反発にした)」
  ↓
「元の12キロ・中反発に戻すか・・・」

という結論に至りました.


これでセッティングの検討も終了.走行枠も残り10分を切り「さて,少し早いけど戻るか・・・」と思っていたら,目の前にこちらのFD2が(↓).



「なんで,お前がこの枠走っとんねん!」と突っ込みを入れつつ,「あ~,同乗走行か?」「ん? 同乗走行?? という事は今走らせているドライバーは先程の・・・」



( ✧Д✧) キラーン

という事で追撃開始!



ふむ,クルマの速さ的には私のEF8と同等くらいかな? ただ,ドライビングが滅茶苦茶スムース! さすがはフェラーリドライバーだなぁ~と思っていると,今度は後方から先輩が接近.

「最後にコーチングの成果を見せてもらおうか!(←負けた癖にエラそう)」と追いかけてみますが(↓),



「フッ,手の内は見せんよ・・・」と避けられてしまいました.

(ー ー;) グヌヌヌ…


という事で,2025年の開幕戦の結果は0.17秒差で先輩の勝利となりました.先輩はフェラーリドライバーからのコーチングで収穫が得られたようですが,私の方もセッティングの材料を集められたので,互いにアップデートを施して次戦に臨みたいと思います.

なお,走行会終了後は「まだ筑波のモツ定を食べた事がない」というFD2乗りを誘って,EF8の先輩,AT使いのBB6と4人でサロンへ.





AT使いは,走行会に参加していた黄色いBB6とプチオフ会をやれて喜んでました.
(BB6乗りに会える事自体が相当レアなので,かなり嬉しかったらしい・・・笑)


以上,開幕戦の模様でした.当日お会いした皆様,お疲れ様でした!


【おまけ】
メカニックのSさんから「最近,走行会終了後のじゃんけん大会の景品獲得率が低く,由々しき問題である.ドライビングだけでなく,レーシングドライバーのじゃんけんパターンも分析するように!」とよく分からない宿題を落っことされました(苦笑).



しょうがないので,今回からデータを収集していこうと思います.
記念すべき第1回は,K選手(↓).



最初はグー!の後,初回は連続でグーを出し,その後はグー→チョキ→パー→グー→チョキ→パー→…と必ず手を変えて繰り返すパターンでした.なお,このパターンはじゃんけんのセッションを跨いでも(勝者決定後の第2戦等)持ち越しされ,継続されるようです.

φ(´・ω・`)メモメモ

ちなみに,日本じゃんけん協会によると「グーには『強い』『握り拳』といった勝利に結びつきやすいイメージがあるため,不意にじゃんけんを仕掛けるとグーを最初に出す事が多い」のだそうです.さすがはレーシングドライバー,こういう場面でも"勝利"の二文字に拘るようですね!
Posted at 2025/05/16 00:49:49 | コメント(0) | トラックバック(0) | EF8 vs EF8 | 日記
2025年05月05日 イイね!

フリクションサークルの使い方(セッティング活用編)

フリクションサークルの使い方(セッティング活用編)「BICライブラリ」へ調べ物に行った際にもう1つ小ネタを仕入れられたので,こちらも纏めておきます(これでラストです).

内容は,フリクションサークルをセッティングに使う方法.「フリクションサークル」というのはタイトル画像のように加速度センサ等を用いて,走行中の前後・左右の加速度(G)を計測し,グラフで示したものです.私の場合はGPSロガーによる簡易計測なので精度的にはイマイチですが,傾向くらいは分かります.

過去フリクションサークルの使い方(分析の仕方)を纏めた事がありますが(加速領域編減速領域編),今回はセッティングを変えた際に,フリクションサークルのどこを見て,何を判断すれば良いのか?というお話になります.


まず,斜め上(ブレーキングしつつ旋回する領域)のエリアから,クルマ(or ドライバー)とタイヤのマッチングが見るとの事(↓).



例えば,仕様の異なるタイヤを比較する場合,この部分が膨らんでいればマッチングは良い(そのタイヤがクルマ or ドライバーに合っている)と判断でき,逆に凹むとマッチングが悪いと判断できるとの事.上のグラフはTC2000でA025(青)とCR-S(赤)を比較した時のものですが(↓),



右上の部分がCR-S(赤)の方が大きく膨らんでおり,当時の足回りだとCR-S(赤)の方がマッチングが良かった,という事になるようです.

また,同じタイヤを履いてセットアップを何も変更していないのに,このエリアが凹んでしまった場合は,路面コンディションが悪い(埃っぽい)といった事を読み取れたりもするそうです.滑り易くて限界が下がるからそうなるのでしょうね.



これを読んで1つ思ったのですが,「タイヤの減り(新品⇔5部山⇔終わりかけ)に対するグリップの低下具合」を,このエリアの凹み具合から導き出せないかなー? 同じタイヤでも減ればグリップが低下する訳で,摩耗が進むにつれて徐々にサークルが小さくなっていったら面白いなぁ~と思いました.


次に,左右の両端のエリア(加速も減速もせず,目一杯横Gが出ている状態)から,クルマのグリップ性能が判断出来るそうです.それも内側と外側で見る視点が異なるとの事.



例えば,車高を変えて比較する場合,車高を下げれば重心高も下がり,左右の荷重移動量が減って限界が上がるため(↓),


(VD講座:第4回 荷重移動 その3より)

内側が先程と同様に膨らむようになります.これが低速域でのメカニカルグリップに相当するとの事です.上の図だとフロントの車高が赤の方が8mm高いため,青と比べて凹んでおり,限界としては下がっている事が読み取れます.


一方,同じ端でも外側はタイヤのグリップに空力が加わるため,エアログリップが判断出来るとの事(↓).



例えば,ウイングの角度を変えて比較した場合等ですね.上の図の場合では,ウイングの角度が同一なので差がない事が読み取れます.


こんな風に,現場でセットを変更して良い方向に進んだのか? 悪い方向に進んだのか?をパッと判断するのに,フリクションサークルは有用なのだそうです.ただ,ドライバーが体感で分からない微妙な差であればあるほど,今度はセンサの精度がモノを言う事になるので,GPSロガーのような簡易計測だと,どこまで分かるのか怪しくなってしまいますが・・・.

最新のクルマだと車体制御用に加速度センサを当たり前のように搭載しているでしょうから,OBDコネクタ経由で情報を吸い出して見れると良いんですけどね.ま,ABSも付いていないEF8でそういった事を考えるのは論外ですが(苦笑).


以上,フリクションサークルをセッティングに活用する方法でした.
Posted at 2025/05/05 02:19:58 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(ツール) | 日記

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