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2025年08月03日 イイね!

インマニガスケットのお勉強

インマニガスケットのお勉強先日,マツダの論文でエンジンの吸気ポートに3mmの厚さの断熱材を巻くと吸気温が2℃下がるという事を学びました.

しかし,実際の吸気ポートはシリンダーヘッドと一体となった鋳物なので,周りに断熱材を巻く隙間などなく,「ヘッドの中に異物を埋め込むなんて,メーカーじゃないと無理だなー」と思っていたら,ヘッドとインテークマニホールド(インマニ)の間に挟まっているインマニガスケットで似た効果を得られそうな事に気づきました.

調べてみると,吸気温にシビアなS2000(AP1)では定番メニューなのだそうで,CSOから「インマニ断熱ガスケット」として製品が出ていました(↓).



「エンジン熱によるインテークマニホールドの温度上昇を抑える断熱ガスケットです.吸気温度低下に伴い,酸素密度向上によるパワーアップが期待出来ます.サージタンクに吸気温度センサーが存在するAP1には特に効果的です」


AP1の吸気温センサはサージタンクに付いているため,サージタンク内の空気ではなくサージタンク本体の熱(温度)を拾ってしまい,センサ読み値が真冬でも60~70℃となるそうです.これだけ吸気温が高いと,ECUはノッキングを避けるために点火時期を遅らせる(リタードさせる)ため,顕著にパワーダウンするそうです.

後期型のAP2では,吸気温センサがサージタンクではなく,スロットル上流に取り付けられているため,こういった事象は起きない事からセンサの移設を行ったりもするそうなのですが,移設ではなく,サージタンクそのものの温度を下げる手法として,ヘッドとインマニの間にあるガスケットを断熱性のある素材のものに交換するのがコレだそうです.曰く「N1レースではレギュレーションで改造範囲に縛りがあるため,それに抵触しない部品としてこういったものを用いる事もある.ストレートの長いサーキットであれば,スリップを使わずとも抜けてしまうくらいパワー差が出る」との事.


私のEF8は,既に吸気温センサを移設してあり,エアクリ後方に付いています(↓).





なので,AP1と同じ事は起きないのですが,先述のマツダの論文では「吸気温を下げるのにサージタンクを冷やすのは効果的」といった情報も載っていたので,S2000以外でも使っている人いるのかなぁ~?と調べてみたところ,ありました(↓).



オートスタッフという会社が出している「インシュレーションガスケット」.
狙いはCSOと同じ,エンジン本体からの熱がインマニ(サージタンク)に伝わるのを防ぐためです(↓).



おっ! いいじゃん.B16A用はあるのかな~?と調べてみると(↓),



なぜか記載が「B16C」・・・.EG/EKと書いてあるので,多分「B16A」の誤記だと思うのですが,微妙~.ガスケットなので穴が埋まっている分には加工して穴を開ければ済みますが,穴が余計に開いている場合は間に水が通るだけに都合が悪い.輸出用含めて「B16C」なんて型式はホンダにないはずなので,ほぼほぼリスクはないと思うのですが,微妙だなぁ~と更に調べてみると,M&M HONDAにも似た製品がありました(↓).



こちらの製品名は「Heat Shield Gasket」.ちゃんとB16A用/B16B用と書かれており安心.解説文(↓)には「耐熱樹脂のベークライト素材で厚さは3mm」との事で,リスクを冒さないならコッチですかね.

「エンジン本体のインテークポートとインテークマニホールドの間に,耐熱樹脂の3mm厚のベークライト素材を使用したインテークガスケットを装着する事で吸入温度の低下で3~5%のパワーの向上を期待出来ます! シリンダーヘッドからインテークマニホールドへと伝わってくる熱を遮断して,金属製のインテークマニホールドがヒートシンクとなってしまうのを防ぎます.その結果,吸入空気のシリンダーへの充填温度の上昇を防ぎ,充填効率を向上させる事が出来ます.吸気温度の低下によって3~5%のパワーアップに繋がります.取付けには純正ガスケット2枚必要です」


しかし,「3~5%のパワーアップ」ですか・・・.マツダの論文では中負荷の2000rpm相当で約2℃低下だったので,形式・運転領域が異なるとはいえ,このガスケットだけで3~5%も上がったりするかなぁ~? 以前調べた時は「吸気温5℃低下で出力1%向上」といった単位でしたし,この換算だと15℃近く下がる事になるのですが,ガスケット1枚でさすがにそれは・・・と思いつつ,更に調べてみたところ,こんなのを見つけました(↓).


(OPTION2 パーツテストバックナンバー:零1000 パワープレートより)

2006年5月にZERO-1000が「パワープレート」という名称で製品開発していたという記事.ZERO-1000と言えば「パワーチャンバー(↓)」で有名な会社ですので,ここが出しているなら信頼が置ける.



早速記事を読んでみると,テスト結果はこんな感じ(↓).


(OPTION2 パーツテストバックナンバー:零1000 パワープレートより)

エンジンはB18C,水温:84℃,油温:80℃,アイドリング状態で吸気温を50℃に合わせた状態から,4速で2500→8000rpmまで回した時の結果だそうです.

まず,絶対値的には最大出力が6.1PS上がっており約3.1%の向上.アレ? 3~5%アップって嘘じゃない?? 過渡応答も4000→7800rpmの到達時間が0.13秒短縮しており,グラフを見るとハイカムに切り替わってから差が出ているので,吸気流量が増えた領域で威力を発揮しているみたいですね.このクルマの吸気温センサが純正取付け位置だとすれば,レブリミット温度が2℃低下しているので,サージタンクの遮熱効果もきちんと出ているようです.

この結果を見ると「N1でスリップ使わなくとも追い抜ける」というのは,あながち嘘じゃなさそうな気もしますが,その一方で,ZERO-1000が「パワープレート」という製品を市販した痕跡を見つけれなかったんですよねぇ・・・.上記の記事はあくまで「開発中」の話なので,もし本当に市販に至らなかったのであれば,その理由を知りたいところです.


以上,インマニガスケットのお勉強でした.
2025年07月22日 イイね!

ラリー車のボンネット開口部

ラリー車のボンネット開口部先日,池袋に行ってラリー車を観てきた訳なのですが,その中で不思議に思ったのがボンネットの開口部でした.

エンジンルーム内のクーリングのために,ボンネットに開口部を設けるのはレーシングカーでもよくある事なのですが,大体のパターンはラジエターの後ろ辺りに開口部を設けて,ラジエターで熱せられた空気を抜く形にするのが一般的です.

実際,私のEF8もこの位置に開口部がある訳なのですが(↓),



今回見たラリー車は,3台が3台ともボンネットの中央部ではなく,両端に開口部を設けていました(↓).

GR YARIS Rally1


SKODA FABIA R5


SUBARU WRX S4


最後の「WRS S4」は,ボンネット中央部にインタークーラー用の取り込み口があるので(↓),



ラジエターの後ろに穴を開ける事が難しいのは理解出来るとしても,他の2台にはそういった制約がないので,なぜこの位置になるのか不可解でした.何かそこに設けないといけない理由(例えばレギュレーションで指定されている等)があるのかな?と思い調べてみたところ,理由はコレ(↓)でした.



ラリー車特有の室内クーリング用に設けられているシュノーケルダクト(ルーフベンチレーター).


仮にボンネットの中央に開口部があった場合,ラジエターを通って熱せられた空気がそのままボディに沿って流れ,ルーフの先端にあるこのシュノーケルダクトの中に入る事になります(↓).



室内を冷やすために設けたダクトなのに,そこに熱せられた空気が入ってしまっては本末転倒で,こういった事象を避けるためにボンネットの開口部を中央ではなく,左右両端に設けているのだそうです(↓).




コレを聞いてSUPER GTのランボルギーニの話を思い出しました(↓).

  autosport web:新ウラカンGT3エボ2。リヤ2本交換の“こだわり”を捨てて掴んだ完勝劇

GT3車両である「ウラカン」が「EVO」→「EVO2」へアップデートした際に,吸気の取り込み口(エアインテーク)をサイド→ルーフ後部へ移動したそうなのですが(↓),

【ウラカンGT3 EVO】


【ウラカンGT3 EVO2】


その結果,ラジエターの熱を拾って吸気温が上がり,パワーダウンしてしまったそうです.この対策としてボンネットの開口部にフィンを追加して,排熱した空気をエアインテークの左右両脇に避けるように流したら,先述の吸気温が20℃も下がったのだとか・・・.ミッドシップ車両がこういったチョンマゲを付けているのは珍しくないと思うのですが,中央に開口部があるとこんな問題が起きたりするのですね.



遠目に見ても,「ウラカン」のエアインテークはボンネットから大分遠い位置にあるように見えるのですが,この位置でも20℃変わるなら,ルーフの真上というボンネットからかなり近い位置にあるラリー車のシュノーケルダクトなんて,更に熱い空気を取り込んでしまうのでしょうね・・・.


以上,ラリー車のボンネット開口部がなぜ左右両端にあるのか?というお話でした.
Posted at 2025/07/22 22:46:37 | コメント(0) | トラックバック(0) | セッティング(空力) | 日記
2025年07月21日 イイね!

体感フェス in 池袋見学(JP4編)

体感フェス in 池袋見学(JP4編)池袋で開催されていた「体感フェス in 池袋」ネタのラストです.

前回同様,こちらも全日本ラリーの最上位クラス「JN1」に参戦している「JP4」車両.「JP4」というのは2023年から制定された車両規格で,簡単に言えば「JAF公認のRally2車両」ですね.Rally2自体はFIAの公認が必要ですが,FIAの公認が取れていなくとも「一般道路での使用を想定した量産車両」をベースにRally2準拠の改造車ならOKという事のようです.

という事で,そのJP4車両である「SUBARU WRX S4」.



現行のWRXにはSTIバージョンがないので,S4=トランスミッションはCVTという事のはずなのですが,コチラの車両は6速シーケンシャルを搭載.「JP4」は公認車両なので,その辺りは自由に出来る感じなんですかね?

ふ~ん・・・と思いつつ,フロントウインドウに目を移すと(↓),



アレッ? ワイパーが逆?? という事は左ハンドル仕様か~?と中を覗き込むとその通り.そういえば,WRXの輸出仕様にはマニュアルミッションの設定もあったはずなので,ベース車は輸出仕様なのか(後日調べてみたところ,元々は右ハンドル仕様だったが,ドライバーである新井敏弘選手の要望で途中から左ハンドル仕様に変更したとの事).

「という事は,正真正銘の最新型(2025年型)か!?」と思い,車両の後ろに回って下を覗き込みます(↓).







う~む・・・よく見えませんが,2025年仕様であればリアのサスペンション形式がマルチリンク→マクファーソン・ストラットに変更されているはずなんですよねぇ.こちらも新井選手の要望で変更したのだとか(↓).


(WEB CARTOP:2025年はサスの変更と軽量化で「世界のアライ」も納得の戦闘力アップより)

ちなみに,元のマルチリンク形式はこんな感じですが(↓),



素人にはよく分かりませんな・・・.ストラット形式というと「頑丈!」というイメージがありますが,形式変更はそういった理由によるものなのかな?と調べてみると,どうやらサスペンションストロークを稼ぐためらしい.

「マルチリンク→ストラットでストロークって増えるのか??」と思い調べてみると,まず「マルチリンク」はこんな感じ(↓).


(Beyond the ApexThe Gran Turismo Magazine:サスペンション:形式より)

ハブに対して複数本(マルチ)のアームが繋がって(リンクして)いるのが分かります.余談ですが,SUBARUは「マルチリンク」とは言わず,これを「ダブルウィッシュボーン」と呼んでいるそうなのですが,本来の「ダブルウィッシュボーン」はこんな感じで(↓),


(Beyond the ApexThe Gran Turismo Magazine:サスペンション:形式より)

ハブに対し,A形状のアームが上下2本繋がっているものを「ダブルウィッシュボーン」と言うので,ロアアームが2本リンクになっている構造からすると「マルチリンク」の方が正確な気もしますね.

話を戻して,今回変更となった「マクファーソン・ストラット」はこんな形(↓).


(Beyond the ApexThe Gran Turismo Magazine:サスペンション:形式より)

アッパーアームのないシンプルな形状となっています.このシンプルさがサスペンションストロークを稼ぐのに適しているのだそうで,アッパーアームがないためダンパーを隙間に通す必要がなく,取付点の自由度が高いため,ストロークが稼げるという理屈なんだそうです.



なんとなく「ストラット」より「マルチリンク」の方が良さげに思えてしまいますが,ラリー車にはラリー車の考え方がある訳で面白いなぁ~と思いました.


さて,このクルマの一番面白い部分はココなので,あとは正面に回ってザッと見て終わり.



ターボ車なので伝統のエアスクープがボンネット中央に鎮座していますね(↓).



当然,中は見れないのですが,伝統のEJ20ではなく後継となるFA24が搭載されているそうです(↓).


(Car Watch:スバルとSTI、「WRX S4」ベースの全日本ラリー参戦車より)

前回のR5(Rally2)車両もターボエンジンですが,あちらの排気量は1620ccであるのに対し,こちらの「WRX S4」は2380ccと大きいため,最低重量が70kgほど重く設定されているそうなのですが(1300kg),それ以前にそもそもベース車が1600kgとかなり重いため,アレコレ外してもこの最低重量に届いていないそうです.

そして,これまで観てきた2台と同様に,ボンネット後部の両端に穴が空いています(↓).



「FABIA R5」と同様に穴の前には衝立が付いていて,同じような思想である事が分かるのですが,それにしてもどうしてラリー車はこの位置に穴を開けるんでしょうね? レギュレーションで縛りでもあるのでしょうか??

そして,最後にお約束のエアスクープです(↓).




以上,体感フェス in 池袋見学の「JP4編」でした.

深掘りしないと言いつつ,結局今回も長くなってしまいました・・・.WRCはトヨタが参戦している限り,またどこかで見る機会があると思いますが,全日本ラリーの車両はなかなかお目に掛かれないので貴重な見学となりました.


【おまけ】
今回の「WRX S4」の2025年型を調べる過程で,エアクリボックスにヒートバリアが施工されているのを確認(↓).


(WEB CARTOP:2025年はサスの変更と軽量化で「世界のアライ」も納得の戦闘力アップより)

上で出てきた2023年仕様の時には施工されていなかったので,やはり効果があるんですね・・・.φ(´・ω・`) メモメモ
Posted at 2025/07/21 22:19:56 | コメント(3) | トラックバック(0) | イベント見学 | 日記
2025年07月20日 イイね!

体感フェス in 池袋見学(R5編)

体感フェス in 池袋見学(R5編)では池袋で開催された「体感フェス in 池袋」の続きです.

見学目的の3台のうち1台はRally1車両でしたが,残る2台は全日本ラリーのクラス1(最上位クラス)に参戦しているJN1車両です.ラリー車のクラス区分って,どうもすんなりと頭の中に入って来ないのですが,2025年の規定を要約すると「JN1」=「FIA・ASN・JAFいずれかの公認車両」≒「競技専用車両」という事になるようです.


「競技専用車両」ならばRally1も入るのか?というとそれは認められず(当たり前でしょうね),FIA公認車両の最上位は「Rally2」までとなっているようです.また,ASN(各国のモータースポーツ統括団体,日本のJAFに相当)の公認車両は「AP4」と呼ばれ,JAFの公認車両は「JP4」と呼ばれるそうです(「公認」の定義はややこしいので割愛).


という事で,そのJN1の1台目「SKODA FABIA R5」です.



「SKODA(シュコダ)」はチェコの自動車メーカーで,フォルクスワーゲンの傘下です.WRCに興味がある人であれば,ちょくちょく聞く名前ですが一般的には「どこのメーカー??」といった感じでしょうね.末尾の「R5」は「Rally2」の旧名で,旧名という事は古いの?というと,製造開始が2015年なので何と10年前のクルマです.

EF8に乗ってると10年落ちなんて「最新型!」と思えてしまいますが(苦笑),競技車両で10年落ちといったら相当古いので,なんでこんな古い車両が全日本の最上位クラスで走っているのか?というと「(競技専用車両の中では)安いから」でしょうね.


(SKODA Motorsport:A Rallying Bestseller: ŠKODA FABIA R5 Reaches 300 Salesより)

この「FABIA R5」は累計300台以上売れたベストセラーだそうで,2018年当時のマーケットシェアで34%を占める程だったそうです.それだけ売れていれば中古車も出回りますし,メンテナンスパーツも入手し易いという事で,全日本ラリーへの参戦が増えているようです.


さて,前振りはこれくらいにして肝心の車両を見て行くと,前回も述べましたが最近エンジンルーム内のクーリングが気になっているので,一番最初に見るのがボンネット(↓).



前回の「GR YARIS Rally1」と同様に,ボンネット後部の両脇に結構大きな開口部があります(↓).



コレ,よく見ると開口部の前に衝立があるんですよね(↓).



これでボンネット上部を流れてきた気流を上に弾いて負圧域を作り,エンジンルーム内の空気を引き抜いてやる設計なんでしょうか? そのまま正面に回るとこんな感じ(↓).



カストロールカラーという事で,往年のセリカを彷彿とさせるライトポッドが目立ちますが,個人的に気になるのはアチコチの開口部.吸気はフロントグリルの左側から取っているようですが(↓),



ラジエターの排熱はどうしているんだ? 上に導いて先程のボンネット左右から抜くのか?と見ていくと,フロントバンパー横に穴が(↓).



1990年代のレーシングカーでは,このバンパー横から抜く手法をよく見ましたが,ここから排熱すると気流がボディ左右に広がって,前面投影面積を増やしたかのような効果が出てドラッグ(空気抵抗)が増えるのだそうです.故に2000年代以降のレーシングカーでは見られなくなったのですが,この「FABIA R5」では採用しているんですね.

となると,ラジエター横にあるこの穴は何だ?と思い覗いてみると(↓),



アームが見えるので,ブレーキダクトのようですね(↓).


(SKODA Motorsport:Rally Turkey 2018: Latest News and Resultsより)

そのブレーキにはサーモシールが貼られていたので(↓),値を見てみると,



ダクトのないリアは240℃でしたが,フロントはそれよりも低い180℃だったので,やはり効くんですね.
温度と言えば,ラリー車に必須のシュノーケルダクトが天井にありました(↓).



サイドウインドウは当然アクリル製で,外部とのやりとりに使えるようにスライド式の穴が空いているのですが,これ面白い事に後端部分にガイドが付いているんですよね(↓).



これのおかげで開けている時は室内に結構な量の空気が入ってくるそうで,リエゾン(競技セクション間の途中移動)では重宝しそうですね.そのまま後ろに目を移すと吊り下げ式のリアウイングが(↓).



コレ,よく見ると翼端板が3D形状になっていました(↓).



そんな感じで一通り眺めて「なるほどなぁ~」という感じだったのですが,1点だけ不可解な部分が(↓).



フロントバンパーの両端部分がフェンダーまで届いておらず,正面から見るとタイヤが剥き出しだったんですよね.タイヤが露出していたら当然ドラッグが増える訳で,素直にフェンダーの位置までバンパーを延ばせばいいものを敢えてそうせず,意図的にくり抜いているかのように見えます.なんでこんな形状になっているんだろう?と調べてみたら(↓),


(WRCWings:The new Škoda Fabia RS Rally2 aerodynamics key pointsより)

先述のバンパー横の穴を使ってエアカーテンを貼るので,見た目ほどドラッグは増えないようです.気流で前面投影面積が増えるなら,それを逆手にとってボディを切り取って軽量化しちゃえ!って事なんですかね(ラリーなので破損部位が減るのは助かるでしょうし).メーカーがやるんだから,そこにはちゃんと理由(カラクリ)がある訳で,こういうのに気づけるからレーシングカーの見学って面白いんですよね♪


以上,体感フェス in 池袋見学の「R5編」でした.最後の1台はそれほど深掘りしたい訳でもないので,今回の見学ネタはこれで終わらそうと思ったのですが,予想外にボリュームが増えてしまったので次回に回します.
Posted at 2025/07/20 20:34:32 | コメント(0) | トラックバック(0) | イベント見学 | 日記
2025年07月19日 イイね!

体感フェス in 池袋見学(Rally1編)

体感フェス in 池袋見学(Rally1編)WRCラリージャパンの認知度拡大を目的に,豊島区池袋の中池袋公園で「体感フェス in 池袋」というイベントが行われるというので見学に行って来ました.

アムラックスが閉鎖してから池袋に足を向ける事もなくなったので,行くのは何年振りだ??といった感じですが,屋外イベントなので暑さのピークを過ぎた夕方に着くよう見計らって出発.今回は珍しく電車ではなくバスを使って向かったら家から30分くらいで着きました.

さて,目的が「認知度拡大」なので,私のようなモータースポーツ好き向けのイベントではなく,一般向けというか,池袋なのでアニメファン向けのイベントとして企画されたようなのですが,その割には痛車の展示もなく,イニDやMFGの匂わせもなく,こんなヒストリックカーばかり並べているので(↓),



ニーズとシーズがちゃんと合ってるのか?と素人目には思ってしまいましたが,周りで飛び交っている人の声を聞くと,ラリーに全く興味のなさそうな人が「何だコレ?」といった感じで足を止めて画面やクルマを見ていたので,一定の効果はあるんだろうなぁ~とは思いました.


そんな前置きはこれくらいにして本題はクルマ.ラリーの告知という事はラリー車が展示されている訳で,私の興味は勿論そちら.今回はその中の3台に注目して,いつもの通り写真をパシャパシャと撮ってきました.

1台目は「GR YARIS Rally1」.



Rally1車両自体は2023年に「Hyundai i20N Rally1」を,GRヤリスとしてはまだWRカー規定だった2021年型をそれぞれ見た事があるのですが,最新のRally1規定のGRヤリスはこれが初.

ただ,展示されている車両がRally1である事は間違いないものの,2024年までのハイブリッドシステム搭載車なのか? 持続可能燃料に切替えた最新の2025年型なのか?が事前の情報では分からず・・・.見分け方を調べた結果,リアバンパーの中央部にハイブリッドシステム冷却用の穴が空いているものが2024年型,その開口部がパネルが埋められているものが2025年型という事で,早速後部に回ってみると,



パネルで埋められているので,どうやら2025年型の模様(ま,パネルなんてどうとでも後付け出来るとは思いますが).一応最新型っぽいので詳しく見てみるかーとそのまま後部を眺めてみると,相変わらずウイングがデカい(↓).



単にデカいだけでなく,形状も複雑(↓).





Rally1に切り替わった直後は穏やかになった印象があったのですが,結局,数年経つと複雑怪奇な形状になりますね.そのまま下部に目を移すと,マフラーは右出しの模様(↓).



センターマフラーじゃないんだ~と少々意外でした(ハイブリッドシステムがあって通せなかったのかな?).
反対側にも同様の穴が空いていて(↓),



中を覗くとダブルディフューザーっぽい形状に見えます.正面に戻ってフロント側の空力を見ると(↓),



これぞヤリスWRC!って感じの面構えですが,アンダーパネルの厚さが目立つ(↓).



最近,エンジンルーム内のクーリングが気になっているのでボンネットをじっくり眺めると(↓),



ボンネットの後部,両サイドのこの位置に穴が空いている事を確認(↓).



ふ~む,ラリーというカテゴリー事情があるにせよ,この位置から抜くのかぁ~と勉強になりました.
そのまま横に行って,ミラーは最早立派な空力デバイスなのでステーは完全にウイング形状(↓).



コレ,後ろから見ると,鏡面部分は縦型ミラーにしか見えませんでした(↓).



リアフェンダー上部の開口部は(↓),



恐らく元々はハイブリッドシステムの冷却用だと思うのですが,塞いでありませんでした.他に開口部が見当たらないので,もしかしたらリアブレーキの冷却口も兼ねているのかもしれませんね.

前に戻って,この展示車両はグラベル仕様なので,車高が上がっていてダンパーの姿が見えます(↓).



ラリー用なんでこんなもんなのかもしれませんが,「シェルケースが太っと!」と思っちゃいました(↓).



あと,何だかよく分かりませんが,フェンダー内に貼られているガムテープ(?)がビロビロに剥がれていて気になりました.「なんでこんなトコにテープを貼ってるんだ?」と思い,覗いてみると(↓),



フェンダーとボディの間に出来た隙間を埋めるために貼ったようです.「なるほどこんな部分でも空力を気にして・・・」と一瞬思ったのですが,そんな訳ないな.この雑な貼り方からして,恐らく現場で何らかの問題が生じて急場凌ぎでやった感じ.グラベル走ったら隙間から砂埃が室内に入ってきたので,取り敢えずテープで封をした~といった感じですかね?

あと面白かったのが,タイヤのマーキング(↓).



「210/650R18」というタイヤサイズがショルダー部分にプリントされています.あんまりこういったパターンを見た事がなかったので,ちょっと面白かったです.

最後にリアタイヤで気になった部分を1つ(↓).



ご覧の通り,リアタイヤの一部がフェンダーに被っていました.「なんでこんな状態になっているんだろう?」「途中でサスペンションジオメトリーを変更したのかな?」と思ったのですが,このクルマがグラベル仕様という事を思い出して気づきました.



「ああ,車高を上げるとタイヤが後ろに伸びる(=ホイールベースが伸びる)ジオメトリーなんだ」

という事は傾斜ダンパーを採用しているのか?と思い,フェンダーの隙間を覗き込んでみましたが,僅かに傾いているかどうか?といった感じ.以前ラリー車のキャスター角を調べた時に「トヨタはRally1のタイミングで傾斜ダンパーを止めた」という話だった気がするのですが,あれから3年以上経ってますし,思想が変わったのかな? タイヤ外して中を見せて欲しいですね(笑).


以上,体感フェス in 池袋見学のRally1編でした.長くなったので残り2台は次回

【おまけ】
展示車両紹介のボードを眺めていて今頃気づいたのですが,21世紀も1/4を過ぎようかというご時世なのに,Rally1車両って5MTなんですね(当然6~8速なんだろうと思い込んでた・・・).

Posted at 2025/07/19 20:33:30 | コメント(0) | トラックバック(0) | イベント見学 | 日記

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