
マツダの屋台骨である新型「CX-5」に試乗させて頂いた。仕様はトップグレードの"L"(AWD/6AT)で、メーカーOPのレザーシート(スポーツタン)とパノラマサンルーフが装着された全部乗せの豪華版。マツダ公式ホームページでオンライン見積をしてみると、乗出し価格で470万円を超えてくる仕様。
店内には中間グレード"G"にEX Packageを装着したモデルが展示されていたが、こちらは乗出し価格で430万円程度。装備差もそれなりにあるので悩ましい。
ちなみに最もベーシックな"S"なら乗出し価格380万円程度で済む。レンタカーに配備されるのはコレかな...。
早速運転席に乗り込むと、15.6インチのセンターディスプレイがドーンと鎮座していてなかなかの存在感。今回は時間の関係上センターディスプレイを触ることは無かったが、新しい乗り物になった感はあるね。とは言え、エアコンの基本操作位は物理スイッチで残しても良かったかもしれない。まぁ「温度を上げて」とか音声コマンドで指示を出せば良いのかもしれないが。
販売店を出て、一般道を走り出して直ぐに気付くのは、マツダ車にしてはゆったりした味付けの脚周り。ゆったりと言っても、無駄にユラユラ揺れる様なだらしないものでは無いが、第6世代以降のマツダは総じてドイツ車に近い乗り味を追求してたと思うが、コレは日本車の世界観だなぁと思った。否定的な事を言いたいのではなく、日本の大多数のユーザーが求める"快適なSUV像"に合致していると書けば良いのかもしれない。トヨタ車で言えば、ハリアーとRAV4の中間位か...??
先行したCX-60/80は脚が硬いと必要以上にバッシングされ、事実上(日本では)失敗作の烙印を押されてしまったトラウマを鑑みれば、こういう味付けになるのも無理は無い。発売後約1ヵ月時点での累計受注台数が10,000台超えたとのリリースも出されているから、ここのところ暗い話題しか無かったマツダにとっては朗報だろう。
本質的には、屋台骨である「CX-5」がガンガン売れていれば、マツダが本当に作りたかった「CX-60/80」も安心してスポーツSUVの方向に舵を切れる。ファンとして思うのは、マツダはいつも順番が違うよな...と心配。
(CX-60が登場した頃、CX-5はいずれ廃止で後継がCX-60と理解されたのがそもそもの失敗だったのではないか...)
また、ステアリングも中立付近で割と大きな遊び(不感)があるのも近年のマツダらしくない印象。先代モデルは割とステアリングが神経質で、微舵域からリニアに反応するのが良くも悪くもマツダらしいなぁと思っていたが、新型はかなり印象を変えてきた。まぁゆったり系の脚周りとバランスが取れていると言えなくもない。
雪道などの低ミュー路では少しルーズな方が安心感が得られる印象もあるので、好みの世界だろう。
ブレーキも踏み始めからグッと制動力が立ち上がるチューニングで、日本の大多数のユーザーに配慮した効果を感じるところ。また、先代CX-5は静粛性がイマイチと言う印象が有ったが、新型はかなり静かになった。エンジン音は回転の上昇と共にある程度透過してくるが、ロードノイズや風切り音は綺麗に処理されている。最近のトヨタ車は総じてロードノイズが嫌なので、これだけでも「CX-5」を買いたくなる人が居るのではないか。
2.5Lのガソリンエンジン(178ps/24.2kg-m)に小さなモーター(6.5ps/6.2kg-m)を組み合せたマイルドハイブリッドは不足の無いアウトプット。2.2Lディーゼルのモリモリ感は無いが、これで不満に感じることは無いだろう。これ以上のアウトプットを期待するなら来年のSKYACTIV-Zに期待か。(まぁSKYACTIV-Zが完成してから新型CX-5を発売したら良いのに...と思わなくもないが)
まぁこんな感じで、試乗スタート以降の前半部は「これまでのマツダ車とは路線が違うなぁ...」と言う印象に終始していたが、後半になる頃にはもはや「試乗」というよりも「ドライブ」を楽しんでいる様な状態だった。
私の様なメンドクサイカーマニアは「試乗」となれば、色々あーでもないこーでーもないと重箱の隅をつつきたくなるものだが、新型「CX-5」はそういうモードではなく、静かでゆったりとしたSUVの走りを楽しみたくなるキャラクターだった。恐らく、これこそが日本の大多数のユーザーに配慮したマツダの回答なんでしょうね。
古参のマツダファンはCX60/80もしくはCX-30あたりを乗り、それ以外の大多数ユーザーは「CX-5」を買う。そう思うと、先日の改良でCX-30にも2.5Lガソリン+マイルドハイブリッドが追加されたのも合点が行く。
結論として新型「CX-5」は、誰にも勧められる間口の広いSUVモデルとして上手い落としどころを付いてきた。コレが安定して売れてくれなければ、マツダが本当に作りたいクルマにも着手出来なくなるという意味ではマツダファンにとっても重要な存在を担う力作と評価して良いと思う。
その反面私にとって「今すぐ買いたい!!」と商談がスタートするような強い誘引を感じるシロモノではないことも事実。こういうクルマはじっくり長時間・長距離乗ってみたいと思う。

Posted at 2026/08/22 19:34:53 | |
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