![[ニューモデル]スズキ・キザシ 渾身のフラッグシップ(?) [ニューモデル]スズキ・キザシ 渾身のフラッグシップ(?)](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/015/607/556/15607556/p1m.jpg?ct=f610341b5ee3)
開発中止やお蔵入りとネガティブな噂が飛び交っていたスズキのフラッグシップ「キザシ」だが、紆余曲折。難産の末、どうにか陽の目を見ることになった。日本では完全受注生産と言うことで、おっかなビックリの腰が引けた販売スタイルではあるが、まぁ発売に漕ぎ着けたことをまずは喜びたい。現行スイフトからスズキのクルマ作りは変わったと言われるが、当然フラッグシップとなるべく開発された「キザシ」においては相当気合いの入ったチューニングが施されていると期待をしてしまうところだ。スズキ自身も「キザシ」という車名には、スズキが「世界の市場に向け、新しいクルマ作りに挑戦する」という想いを込めていると説明する。日本の次は北米市場にも投入を予定している。
「キザシ」のスタイリングは基本的にはヨーロピアンスタイルの定石とも言うべきもので、全体的に丸味を帯びていて、あまりクルマを大きく見せようとしていないのは評価したい。ただフロントマスクがあまりにも類型的になってしまったのは惜しい。確かにスイフトのエッセンスも感じるのだが、私の目には新型VWジェッタ?と写ってしまう。また、受注生産車にも関わらず、車体色が銀(プレミアムシルバーメタリック)、白(スノーホワイトパール)、黒(スーパーブラックパール)の3色に限定されてしまうのは残念。納期が3ヶ月かかっても良いから、もっと沢山のボディ色を用意して欲しい。
「キザシ」のボディサイズは全長4650mm全幅1820mm全高1480mmホイルベース2700mmと数値的には結構大柄。特に全幅は1800mmの壁をあっさりとオーバー。日本では最大のライバルになるであろう「スバル・レガシィB4」も今年のFMCでかなり大柄になったと叩かれているが、 全長4730mm全幅1780mm全高1505mmホイルベース2750mm。全長は80mm長いが、全幅は40mmナローである。
先日行った東京モーターショーで「キザシ」に触れてきたが、各部が丁寧に作り込まれており、スズキの開発陣がスズキのフラッグシップモデルを作るんだ!!という意気込みを感じたが、カーナビが社外の汎用品設定しかないなど、このクラスを求めるユーザーの嗜好に完全に応えているとは言い難い部分もあろう。
エンジンはエスクードにも採用されているJ24B型のNA2.4L直列4気筒DOHC。昨今のブームに乗って(?)レギュラーガス指定である。最高出力は188PS/6500rpm 最大トルク23.5kg-m/4000rpmを発揮する。残念なことに、低排出ガス基準が星三つに止まるため、エコカー減税の対象にならないのはタイミングが悪いねぇ。トランスミッションはCVTを採用する。足回りはフロントにマクファーソンストラット式、リヤはマルチリンク式サスペンションを奢った。どうやら、4WD車がメインの様で電子制御4WDシステム“i-AWD”を搭載。価格は2WDが278.7万円で4WDが299.7万円である。
さすがフラッグシップと言うことで、安全装備・快適装備については文句がない。スズキ初の9個のエアバッグ(運転席・助手席、カーテン、フロント+リヤサイド、運転席ニーエアバッグ)や横滑り防止装置(ESP)も標準装備となる。クルーズコントロールやパーキングセンサー、運転席10ウェイ、助手席4ウェイのパワーシート。左右独立温度調節機能付フルオートエアコン等を装備する。
正直、価格については内容の割にリーズナブルとは思うが、セールスはそう簡単ではないだろう。ライバルのスバル・レガシィB4(2.5L/AWD/CVT)が結構リーズナブルで、2.5i"Sパッケージ"が267.7万円。これに「キザシ」と同等の装備レベルになる様にメーカーOPを積んでも価格はほぼ同等レベルである。個人的に「キザシ」は新車を買ってみようという気は起きないが、数年後にリーズナブルな価格で中古車になったときには乗ってみようかなと思っている。スズキのフラッグシップカーへの挑戦がどの程度のものだったのかは短時間の試乗では判らないこともあろう。スズキは「キザシ」を出したことで満足せず、どんどん改良を加えていくことで本当のフラッグシップへ育てて欲しいものだ。
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Posted at
2009/11/03 18:25:59