![[納車1ヶ月が経過]VW ゴルフ・ヴァリアント ファーストインプレッション [納車1ヶ月が経過]VW ゴルフ・ヴァリアント ファーストインプレッション](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/017/181/570/17181570/p1m.jpg?ct=5b7c806d39ac)
ゴルフ・ヴァリアントが納車されて1ヶ月が経過した。どういう訳か今年の冬は当たり年のようで首都圏でも雪や冷たい雨の日が多く思うように走らせる事が出来なかった。納車日にガソリンを満タンにして以降、ようやく初給油を実施。距離的には物足りないが、ファーストインプレッションを書いておく事にする。
まずはスペックのおさらいから。全長4545mm全幅1785mm全高1530mmホイールベース2575mmで車両重量は1370kg。エンジンは1.4TSI(直噴のシングルターボ)で122ps/5000rpm 20.4kg-m/1500-4000rpmを発揮。ターボエンジンにしては圧縮比が10.0と高い事からもこのエンジンの性格が読み取れる。組み合わされるミッションは7速DSG(乾式)で10.15モード値は16.8km/Lである。 タイヤサイズは205/55R16でサスペンションはフロント:マクファーソンストラット/リヤ:4リンク(前後ともスタビライザー付)。4輪ディスクブレーキとなる。
昨年の11月から日本市場へ導入が開始されたゴルフⅥ・ヴァリアントだが、現時点であまり路上ですれ違う機会は多くない気がしている。ヴァリアントだけではなく、ハッチバックもゴルフⅤの時代に比べると普及が遅れているような....。まぁエコカー減税の影響で輸入車全般に割高感が生じていることや、ゴルフの支持層がプリウスに流れていることもあろう。以前から、国内でゴルフの比較検討車種はプリウスかレガシィだと聞いていたし...。(現行レガシィがゴルフのライバルになるとは思えないが)事の是非はともかく、今後販売される1.4TSI(シングルチャージャー)や恐らく1.2TSIエンジンを搭載するモデルはエコカー減税の対応になる事で販売にも弾みがつくのではないか。VWが日本の偏った税制に対応した改良を施してくれるのは有難いと思うべきだろう。ハッチバックに1.2TSIで安価な「トレンドライン」が追加されたらドーンと売れ始めるでしょうね。
さて、我がヴァリアントだが(不本意ながら)ほんの数回ドライブを共にしただけと言う状態であるから、色々と試せていない事も多いのだか、基本的な操作系は相変わらずどのVW車にも共通するものだから何も迷うことが無い。これは車種が違えばスイッチ類のレイアウトが右往左往してしまう日本メーカーのクルマと比較して特に感じる部分。エンジンやミッションなどメカニズムは世界最先端と言って間違いない内容でありながら、ヒューマンインタフェースはずっと変わらない。良いものはどんどん取り入れ、変える必要のないものは守り通す。実はなかなか出来ない事だろう。
少し脱線するが、最近のトヨタ問題で一躍話題の「
ブレーキ・オーバーライドシステム」(アクセルとブレーキを同時に踏んだ場合ブレーキを優先し、エンジンをストールさせるシステム)を今後すべてのトヨタ車に標準装備していくと発表しているが、VW車にはもうかなり前(2000年位)から標準装備だったはずだ。まぁ笹目二郎氏の様に
媒体上でもおかしな理論を展開する評論家がいたりして驚くのだが、人間はミスを冒す存在との前提に立ち、踏み間違えによる事故を防ぐ事を優先課題として考えるならば有効な手段だと思う。
話題を戻して、心配していた7速DSGのギクシャク感はほとんど気にならないレベル。面白いことに、購入前に
テストした固体よりも明らかにギクシャク感が少ない。個体差なのかそれとも私自身がDSGの癖に慣れてきたのだろうか....。いずれにしても、予備知識が無ければ普通のATとしても通用するレベルだろう。ただ、急坂等での発進時に「一瞬のずり下がり」は皆無ではない。ヒルホルダー機能も有しているが、その作動には一定の斜度が必要であったりと不明確な部分もあり、なにかしらインジゲーター等で情報表示があれば安心感が増すように思う。まぁCVT車でもずり下がる場合もあるが、挙動を理解していないとヒヤッとする事になる。
今のところ、122psを発揮する1.4TSI(シングルチャージャー)エンジンの動力性能に不満は一切感じていない。むしろ、わずか1.4Lのエンジンがここまでズ太いトルクが出せるものなのかと驚いている。Dレンジでアクセル開度を程々に走っていると燃費を意識してDSGが電光石火の変速を繰り返し、常に6~7速で走っている。しかし、D→Sレンジに入れアクセルをグイッと踏み込むとさすがターボエンジン!!と言う様な胸のすく加速も楽しめる。常に修行僧のようにエコ運転・エネルギー回生を要求されるハイブリッドカーで燃費計の数値だけをお楽しみに走るのも結構だが、人間の本質的快楽としてTSIエンジンは面白さとエコを両立していると言っていい。燃費はまだ1回しか計測出来ていないが、満タン法で780.4kmを走行し、給油ランプが点灯したところで51.23Lを給油。15.2km/Lという結果である。車載のマルチインフォメーションディスプレイの数値を見る限り、市街地で11~13km/L。高速道路や山道などでは15~17km/Lで走行している様だ。おろしたての新車でこれだけの燃費が出るのは正直想定外だった。各部が馴染み、自分もこの車の癖をより掴んでくれば、もう少しの伸びしろはあると思っている。ちなみに、ゴルフはハイオクガソリン仕様だから、レギュラーガス仕様の国産ライバルと比較する上では8%程度の燃料価格差を考慮する必要があるだろう。
先述したずり下がりに加えてもう一点、ネガティブなポイントを報告するとすればエンジンブレーキの弱さ。原理的に考えても、車重に比較してエンジンの排気量が小さいから当然の結果なのだが、高効率なTSIエンジンが唯一抱えるウィークポイントかもしれない。むろん、強力なフットブレーキが備わるので通常はDドライブのままでなんら問題は無いが、私は低μ路が続く雪国で育ったからか、どうしてもエンジンブレーキ→フットブレーキと併用する癖があるので....。こればかりは慣れで解決していくしかない。
さて。困った事にドライビングフィールについて書こうと思っているのだが、特筆すべきポイントが無い。いや正確に言えば、不満に感じるポイントが無い。ズシッと重いドアに安心感を感じ、出来の良いシートと調整幅の大きなステアリングでポジションもバッチリ。倒れすぎていないピラーのお陰で視界も広く、前後左右の見切りも良好。見切りがエアロダイナミクスの犠牲になったプリウスやインサイトとは根本的に違う。静粛性についても、ゴルフⅥ世代は随分と力が入っているようで、一昔前のVW車とは隔世の感あり。しかし、アクセルを踏み込んでいくと結構気持ちよいエンジンサウンドが楽しめる。ただ、アイドリング時は直噴特有のチリチリしたノイズもあり良い音とは思わないが。
走りについても、終始余裕たっぷりでチラリとも限界を見せる気配が無い。まぁゴルフと言えども今や全幅が1785mmもあり、トレッドが1500mmを超える(前1535mm/後1510mm)から元々素質は充分。更に剛性感に富むボディと良く動く足回りのお陰で、私のような素人の腕前では一般道をチョロチョロ走る程度でその実力を全て出し切る事は難しい。すでに言い尽くされた言葉ではあるが「世界のベンチマーク」とは良く言ったもので、全ての面で平均点が高くココぞという不満点をあげる事が出来ない。むしろあまりの完成度の高さに「面白みが無い」とか「可愛げが無い」と感じてしまう事があるのかもしれない。
私が最後までゴルフと悩んだ
マツダ・アクセラの場合、山道へ持ち込むとコーナリングの切れ味は抜群で「ZoomZoom」を標榜するマツダのセッティングはとても面白いが、引き換えに市街地等では微舵領域の神経質さが感じられたり、先代モデルよりかなり改善されたものの、発進時にスロットルを意図的に大きく開く癖が残っていたり、良い意味でも「走りの楽しさ」「スポーティ」に振ったセッティングである事が伺えるが、ゴルフは正に万能選手。一見退屈な安定志向のようで奥行きの深さは相当なものだ。(アクセラは価格を考えれば大健闘だ。)このあたりはもう少し距離を進めて行く事で違う感想が出てくるかもしれない。色々と粗探しをしようと乗り込んでは見るものの、いつの間にか難しい事は抜きにしてゴルフに身を任せ、ドッシリとした走りを楽しんでいる自分がいる。
結局のところ(今更ながら)私にとって「良いクルマの指標・価値観」とはVW車を基準に構築されているって事なんだろう。徳大寺有恒氏が「間違いだらけのクルマ選び」を執筆する上で基準としたのはゴルフⅠであった事は有名な話ではある...。(私は彼の表現方法はあまり好きではないが)
この内容・品質・走りで275万円....。ある意味恐ろしいクルマですな。
◎
[Back to the VolksWagen] Golf Variant TSI Trendline 納車♪◎
◎
[試乗インプレッション]VW・ゴルフ ヴァリアントTSI Trendline◎
ブログ一覧 |
ゴルフⅥ ヴァリアント | クルマ
Posted at
2010/03/07 11:43:22