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2010年11月28日

[試乗インプレッション]VW ティグアン・ライストン(Tiguan Leistung)

[試乗インプレッション]VW ティグアン・ライストン(Tiguan Leistung) 今回は「ティグアン」の最新モデル「ライストン」をじっくりとテストする機会を得た。「ライストン」は特別仕様車の扱いでは有るが、単なるお買い得モデルではない。スポーティな「スポーツ&スタイル」のエクステリア並びにインテリアをベースに、パワートレーンは「トラック&フィールド」に搭載されていた2.0L TSIエンジンの170PS版を採用。そして新開発の7速DSGと組み合わせたモデル。まぁこれが「ティグアン」の完成形ということなんでしょう。価格は385万円。ちなみに、ライストン(Leistung)とは「性能」、「効率」を意味するドイツ語だとか。
「ティグアン」は2007 年末にドイツ本国でデビュー。それ以来「ドイツのSUVセグメント」では常に販売台数上位を誇る人気モデル。日本市場には2008年9月に「トラック&フィールド」。翌年3月に「スポーツ&スタイル」が販売開始。さらに10 月にはスポーティな専用内外装の「R-Line」を導入している。日本においても、輸入SUV のセグメントではトップセールスを誇り、発売後約2年で累計販売台数は約5,000台を誇っている。最新のVWモデルラインナップ中でワッペングリルを未だ採用しているから、近い将来にフェイスリフトが予定されている事は容易に想像される。個人的にも「ティグアン」のスタイリングはチト無難すぎて面白くないと思う。これまで「ティグアン」には試乗したことも無く、VWファンの私の中で一番縁遠いクルマだったから、今回のテストはとても興味深いものだった。
全長4430mm全幅1810mm全高1690mmホイルベース2605mmで車両重量は1640kg。ホンダのCR-Vが全長4565mm全幅1820mm全高1690mmホイルベース2620mmで車両重量は1550kg前後(4WD車)に近いサイズと言えばイメージが沸くだろうか。SUVの世界では「コンパクト」と呼ばれるセグメントに入るクルマだか、日本で「コンパクト」と呼ぶのは抵抗があるサイズ。まぁ市街地でもギリギリ不都合無く乗りこなせるサイズだろう。
何と言っても、このクルマの最大の興味関心は最新型の7速DSGだろう。これは初めてSUVにも対応するDSGとして開発されたモノ。これまでは最大許容トルク350Nm(35.7kg-m) の「湿式」6速DSGと、250Nm(25.5kg-m)の「乾式」7速DSGの2種が導入されているが、今回の新型ミッションは「3番目のDSG」として新開発された「湿式」の7速DSG。これは重量級車両(商用車も含む)や、大トルクモデルへの搭載を目的に開発され、最大許容トルク600Nm(61.2kg-m)・最高許容出力275kW(375ps)・車体総重量3.2t までのモデルに対応するヘビーデューティーなミッション。ベースとなっているのは「湿式」6速DSGだが、7速化するにあたり多くの部分が新設計。最大の違いは、リバースギアの伝達プロセスの変更。6速DSGにあったリバースギア用シャフトを廃し、インプットシャフト、アウトプットシャフト2本の構成に変更したことで、7速化されたにもかかわらず、6速DSGと重量はほぼ同じに抑えられ、さらにコンパクト化にも貢献した。欧州ではこの新開発7速DSG は、2010 年初頭から商用車「T5」に搭載されている。「ティグアン」では4WD仕様のみにこのミッションが採用される。
最高出力170ps/4300-6000rpm 最大トルク28.6kg-m/1700-4200rpmで車両重量が1640kgの「ティグアン」にとって、このミッションがかなりオーバークオリティなのが良く判る。それは実際に走り始めた瞬間から「目から鱗」。これまでのDSGは「湿式」「乾式」どちらでも極低速域や坂道発進時などにプルプルっとした振動や半クラッチが苦手で後ずさりしてしまうなどのウイークポイントを持っていたが、「ティグアン」ではそれらがほぼ感じられない程に自然な振る舞いを見せる。もはやATかDSGかと言う議論さえ無駄に感じるほど滑らかで癖の無いフィーリングを達成した。それでいて、やはりDSGはMT車同様の伝達効率を誇るから、瞬間的な加速時などに「SUV」である事を忘れさせる程の切れ味を持っている。この新型ミッションによって「DSG」は新しいステージへ上ったと言えるだろう。
今回は私が基本的な評価ルートに設定している約200kmのルート(市街地・山道・高速道路を含む)を中心に「ティグアン」をじっくりと試す事が出来た。私がこれまで抱いてきた「SUV」のイメージを覆したと言う意味で、今回のテストはとても有意義なものであったと言えるだろう。
あまりSUVのジャンルは積極的に乗り比べてきた訳ではない為、現時点で「ティグアン」の完成度が国産ライバルと比較してどの程度アドバンテージを有しているのか、自信を持って書く事が出来ないが、私がこれまで乗ってきたSUVの中では「ダントツ」で乗りやすく、フラットな乗り心地を実現しているクルマだと思った。山道のコーナリングや高速道路のレーンチェンジでも腰砕け的なロールも無く、極めて自然な姿勢制御を披露するから凄い。ブレーキも重量級の車体を意識するような場面は無く、ドイツ車らしく剛性感にあふれるフィーリングだ。もちろんエンジンパワーに不足は無く、少し目線が高いだけでSUVに乗っていることをネガティブに意識する事がほとんど無いクルマだ。ゴルフよりも遮音性は一歩劣る印象だが、個人的にはコレくらいエンジン音が透過する方が逆に安心する。しかし世間一般的には「静か過ぎて困る事は無い」って事なんだろうか。
「ティグアン」のテストは非常に好印象であった訳だが、実際自分のマイカーとして迎える事をリアルに想像出来るかと言えば正直「NO」である。それはどう贔屓目に見ても中途半端なスタイリングと、ゴルフプラスからの流用があからさまなインパネデザインに興醒めしてしまうから。ビッグマイナーでフェイスリフトを実施する際にはインパネもリニューアルして欲しい。
最後に燃費の話だが、カタログ燃費11.6km/L(10.15モード値)は1640kgのAWD車である事を考えれば立派。実際のテスト時には市街地9km/L前後。郊外のテストルート走行時は11km/L前後(マルチファンクションインジケーターの表示値)で走っていた。SUVとしてはかなり良好な数字だろう。

ブログ一覧 | 試乗インプレッション | クルマ
Posted at 2010/11/28 22:25:03

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