![[試乗インプレッション]ルノー「ルーテシア」インテンス テックパック [試乗インプレッション]ルノー「ルーテシア」インテンス テックパック](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/044/992/241/44992241/p1m.jpg?ct=622610dedde3)
先日試乗した日産「ノートe-Power」に続き、同じ「CMF-Bプラットフォーム」を共用するルノー「ルーテシア」をテストさせて頂いた。
テスト内容は約30分位で、コースには割と流れの良い郊外路や山道を少し含んでおり、色々と試すには申し分ない設定。国内メーカーの販売店は短時間かつ退屈で混雑する幹線道路の周回しか設定していないことが多いのは何故なんだろうか。まぁ客層の違いと言えばそれまでだが。
近年雑誌等の記事でルノー車の評価はちょっと不気味なくらい(笑)高く、半信半疑ながら、「ルーテシア」をテストするのを楽しみにしていた。当然ながら「ノートe-Power」との違いも大いに興味をそそられるところだ。
テスト車は現時点でトップグレードの「インテンス テックパック」。価格は276.9万円である。
「ルーテシア」(本国では「クリオ」なんだが、日本では過去にホンダがクリオ店を展開していた関係で名称が使えないのは残念。)のサイズは全長4075mm全幅1725mm全高1470mmでホイルベースは2585mm。車重は1200kg。
エンジンは1.3Lの4気筒直噴ターボで、131PS/5000rpm・24.5kg-m/1600rpmを発生。トランスミッションはツインクラッチ式の7段(7EDC)を組み合わせる。
個人的に、VWの7段DSG(乾式)に苦労した経験があるため、ツインクラッチ式には若干トラウマ(笑)があるのだが、「ルーテシア」は贅沢にも湿式のツインクラッチとのこと。まずは安心...?
先に試乗した日産「ノートe-Power」は色々課題があるが、価格面でも割高感が拭えない。同じ「CMF-Bプラットフォーム」を共用する「ルーテシア」は輸入車かつトップグレードでも276.9万円。もはや輸入車=割高でもない。但し、短絡的に「ルーテシア」がお買い得と言いたい訳ではない。販売店の少なさや、保証内容・期間等の違いに加え、整備コストの違いもあるので注意。
さて。ルノー「ルーテシア(クリオ)」は欧州市場において2013年から8年連続でBセグメントモデルの販売台数 No.1を記録する大ヒットモデル。日本ではかなり変化球的な選択肢だが、アチラではガチガチの売れ筋。このあたりをどう解釈するかで「ルーテシア」の評価は分かれるように思う。
早速「ルーテシア」に乗り込んでみると、フランス製のクルマに対し無意識に期待してしまう洒落た雰囲気ではなく、割とドイツ車に近い整然としたインテリアに寂しい感覚を覚えてしまうのは事実だが、やはりそこは欧州のベストセラーモデル。万人受けすることも至上命題だろう。
但し、細部を見ればドイツ車の様な実用一辺倒ではなく、差し色やメッキの加飾に加え、ソフトパッドが割と大規模に奢られ、Bセグメントモデルとしては望外な質感が得られる。全面ハードプラな日産「ノート」はこの面でもハッキリと劣る。
エンジンを始動しても、割と室内の静粛性は高い。吸音材をモリモリに奢った感じではないが、実用充分以上だろう。
心配していた湿式のツインクラッチ式7段ミッション(7EDC)は、幹線道路のストップandゴーを繰り返しても嫌なブルブル感がなく、言われなければツインクラッチ式と判らない程度に洗練されていた。少なくとも国内メーカーが広く採用するCVTよりはずっと良い。
一点気になったのは、電動パーキングブレーキの自動解除が割と鈍感というかのんびりしていること。オートホールドを多用する方は要確認。
エンジンのパワーは充分以上にパワフルで、ちょっとしたスポーツモデル然とした加速が味わえる。但し、昨今流行りのダウンサイジングターボユニットなので、高回転域までスカーンと回るタイプではない。同様に、エンジンブレーキは弱い。パドルでのシフトダウン操作も結構嫌がる傾向がある。まぁ慣れが解決する範囲の事象だと思うが。
エンジンサウンドは残念ながら快音を響かせるタイプではないが、モヤモヤしたこもり音を発する訳でもない。日々の実用車として問題は感じない。
ボディ剛性(感)は「CMF-Bプラットフォーム」の効果もあり、終始ガッチリしている。足回りの味付けも、「フランス」「ルノー」...から連想されるフワッフワ感ではなく、割とパンッと張ったような感触。それでもドイツ車のガチガチ感とは少し違う世界観はある。(実は日産「ノート」と一番共通性を感じるのもこのあたりだった様な)
スピードを上げていくとステアリングの手応えと呼応して足回りもピタッと落ち着いてくる感触が感じられたから、恐らく高速域は相当得意なクルマだろうね。
ステアリングは終始落ち着いていて信頼感に富むもの。ブレーキのフィーリングやペダルレイアウトにも違和感はなかった。
そろそろ結論を。
日産「ノートe-Power」のテストでは、電動パワートレーンの先進性は認めつつも、どうにも事務的なフィーリングに親近感を持てず、マイカーとしては不適と判断。同じ「CMF-Bプラットフォーム」を共用するルノー「ルーテシア」を続けてテストした次第。
まぁ結論を先に行ってしまえば、クルマ好きとして圧倒的に「ルーテシア」の方が好ましい仕上がりになっていて安心した。
既にクルマを取り巻く環境は「電動化」一本槍であり、今更「モーター」を搭載しない純然たるガソリンエンジンモデルを選択する後ろめたさというか、時代遅れの商品を選ぶ違和感があるのは理解するのだが、やはり「モーター」・「エンジン」のどちらであろうと、総合的な動的質感にはこだわりたいもの。
そういう意味で、「ルーテシア」は価格とサイズを加味した上で、大いに評価すべき値があると感じた。
一方で、「ルーテシア」を身銭を切るマイカー(フィアット500c後継)として評価すると、即決即断とは行かないから悩ましい。
私の場合、クルマの入れ替えは理屈ではなく、ほぼ衝動で決まってしまうことが大半。もし「ルーテシア」に衝動を感じていたとすれば、下取価格やローン金利などの「詰め」に入るところだが、この日はカタログを頂いて退却した。
文字に起こすのは難しいが、「ルーテシア」の完成度やコストパフォーマンスの高さは大いに共感するが、輸入車に期待する「華やかさ」や趣味の対象物として「癖」の様な部分が希薄な印象が否めない。やはり欧州ではベストセラーモデルなだけに、最大公約数的なまとまり感があるのだろう。
もはや「ルーテシア」の欠点でもなんでもなく、フィーリングもしくは相性の領域なんだろうね。VW「ポロ」を買う感覚で「ルーテシア」を見ると、かなり良い選択肢だと思う。ルノージャポンは今後国内市場に向け、追加グレードや特別仕様車でクルマオタクの物欲をくすぐって欲しい。
今回は時間の関係上乗れなかったが、熟成が進んだ「トゥインゴ」を次回は試してみたい。私の嗜好から言えば、コッチの方がマイカー候補に近いと思うんだよな....。
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Posted at
2021/04/05 00:28:39