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2021年07月25日

[試乗インプレッション]トヨタ「GRヤリス」"RS"(FF/CVT) トヨタ車が初マイカーに??

[試乗インプレッション]トヨタ「GRヤリス」"RS"(FF/CVT) トヨタ車が初マイカーに?? 以前からずっと乗りたいと思っていたトヨタ「GRヤリス」にじっくりと乗ることが出来た。今回テストしたのは「GRヤリス」のエントリーモデル「RS」(1.5L/FF/CVT)。
「GRヤリス」と言えば、1.6Lの3気筒ターボエンジン搭載の過激な「RZ」系をイメージするのは当然だが、私が注目するのは比較的穏やかで手頃な「RS」。
過去の苦い経験(スバル「インプレッサWRX STi」)から、自身が好むクルマは過激なハイパワー4WD(所謂ラリーホモロゲ的なクルマ)では無いと骨身に沁みている(笑)。それ故「GRヤリス」でも過激な「RZ」系はマイカー候補に入れてない。(たまに乗るは大好きだが...)
とは言え、乗らず嫌いも具合が悪い。事前にトヨタ販売店で短時間ながら「RZ"High Performance"」に試乗させて頂いた。詳細はまた別記事を書く予定だが、電動化が叫ばれる時代によくぞ誕生したと嬉しくなる素晴らしいパフォーマンスのクルマだ。モリゾウ氏を筆頭とするトヨタの本気が結実していた。しかし、やはり私の日常使いにはオーバースペック。マイカーに迎えても終始持て余すことは必至だろう。
さて。「GRヤリス」のエントリーモデル「RS」に注目した理由は、Bセグメントながら贅沢な基本設計と生産工程(GRファクトリー)を与えられた稀有な開発背景に比してリーズナブルな価格(265万円)。そしてようやく登場したトヨタ謹製のスポーツモデルに乗ってみたいから。
最近は"ホットハッチ"なんて言葉も死語になりつつあるが、プジョー「208」やルノー「ルーテシア」あたりと競合する300万円前後の2ペダル・スポーツハッチだと思えば「RS」も結構面白い存在だと思うがどうだろうか。世間では「なんちゃってグレード」的な理解をされる節があるのは本当に残念。
何を隠そう、クルマに興味を持った小学生の頃からトヨタ嫌い。これまで28台のマイカーを乗り継いだが、今の所トヨタ車はゼロ。
豊田章男氏が社長に就任したのは2009年。「もっといいクルマづくり」「道が人を鍛え、クルマを鍛える」と繰り返し発言していた。その考え方には大きく共感するのだが、なかなかトヨタ製品からその兆しが見えず悶々としていた。
「86」も「GRスープラ」も他社の腹を借りて誕生したスポーツモデルだったのに対し、「GRヤリス」はトヨタ謹製のスポーツモデル。クルマの電動化・EV化が急激に加速する中、ギリギリ間に合った最終列車。
というわけで、今回の「GRヤリス」は割と本気のテスト企画。乗って良ければ初めてトヨタ車をマイカーとして新車購入するつもりで望んだものである。

札幌市内では「RZ」系の試乗車は複数存在するが、「RS」は用意されない。聞けば「RS」は2WD故に北海道では売れないと判断したらしい。
ならばレンタカーを調べたが札幌周辺で「GRヤリス」をレンタカーで提供する会社はなく、道内では旭川・函館・釧路のトヨタレンタカーで「RS」の用意が有るとの事。早速トヨタレンタリース旭川に予約を入れた。
前置きが長くなったが、レンタカーの「GRヤリス」で6時間・202kmを走行。(旭川~美瑛~十勝岳~富良野~芦別を往復するルート)途中結構なワインディングロードも含む絶好のドライブルート。
当日は気温35℃を超える異常な猛暑。日射病の懸念から、屋外での写真撮影は最低限になったのはチト心残り。もちろん「GRヤリス」のテストには充分過ぎる内容となった。

結論から言えば、「GRヤリス」のマイカー購入は断念である。これは本当に残念で、事前の期待値が高かったから結構ショック。まぁ仕方がない...これも現実。
私が感じたこのクルマの「良いところ」・「残念なところ」を以下に書いておくのでご参考まで。

まず「良いところ」から。
「GRヤリス」の実車と対面し、ベースモデルの「ヤリス」とは圧倒的に違う存在感(オーラ的なもの)にはちょっと驚かされる。張り出したフェンダーや18インチのタイヤ/ホイールが一般的な実用車とは違う事を自己主張してくる。
個人的に「GRヤリス」は後ろ姿が良い。バンッと張り出したリヤフェンダーを眺めているだけでクルマ好きは楽しめる。今時3ドアの専用ボディを纏うクルマなんてそう有るものではない。(アバルト595とか...)
サッシュレスのドアを開け、室内に乗り込むとサイドサポートの強いスポーツシートが否が応でも雰囲気を盛り上げる。
チト残念なのはメーターパネル。4.2インチ液晶を挟み、両側にタコメーターとスピードメーターを構成する極めてシンプルなレイアウト。視認性は抜群だが、なにやらもの寂しい意匠。大げさな加飾は不要だが、もう少しスポーツマインドを駆り立てるデザインや仕掛けも欲しいところだ。
走り出してすぐ驚かされるのは、ビシッと堅牢な高剛性ボディ。更にはベースモデルの「ヤリス」とは全く次元が異なる程によく動くサスペンション。225/40R18の大径タイヤを涼しげに履きこなす様はちょっと感動レベル。
従来的価値観で言えば、こういうスポーツモデルの脚は「ガチガチ」と相場が決まっているが、最近気合の入ったスポーツモデル程、実は脚がよく動く「しなやか」系に進化している。「GRヤリス」もこの系統だ。
ステアリングも剛性感に溢れ、その回転フィールも精緻で滑らか。ハンドルを回す行為そのものが「気持ちいい」と思えるのは大したもの。
エントリーモデル「RS」でもルーフはリアルカーボン。ボンネット、ドア、ハッチゲートはアルミの贅沢仕様。流石にブレーキはエンジン出力に見合ったサイズにダウングレードされるが、玄人好みのストローク量に応じて制動力が高まるセッティングに思わずニヤリとさせられる。
クドいが、これで265万円(税込)~なのだから、ここまで書いた内容重視で「RS」をオーダーしても損はしない。このクルマの「良いところ」はこんな感じ。

次は「残念なところ」。
異論を恐れず断言すれば、このクルマの弱点は「CVT」。もうこれしかない。
ベースモデルの「ヤリス」にも搭載される1.5L(NA)の3気筒ダイナミックフォースエンジンは120ps/6600rpm 14.8kg-m/4800-5200rpmを発揮。
スポーツモデルに搭載するエンジンとしてはギリギリのスペックだが、前述した贅沢なボディ・骨格・足回りを日常シーンで味わうクルマと思えばこんなもので充分。これで遅いならば、むしろ日頃の運転スタイルを反省すべき。但し、ドライブモードセレクトスイッチは常に高レスポンスになる「POWER」モード一択。このクルマに「ECO」は要らんでしょ??
この3気筒エンジンは今どき珍しい高回転型。ライバルが採用するダウンサイジングターボエンジンでは味わえない爽快な回転フィールが魅力。まぁその一方、3気筒特有の振動やノイズもあるから好みはあるだろうが。
ベースモデルの「ヤリス」でもガソリンエンジンモデルは発進用ギヤを持つ新開発の"ダイレクトシフトCVT"を搭載。ゼロ発進時に不快なラバーバンドフィール低減に成功したが、山道など加減速を繰り返すようなシーンでは、依然としてラバーバンドフィールが露呈していた。
「GRヤリス」に"ダイレクトシフトCVT"を搭載するにあたり、10速の(擬似的な)スポーツシーケンシャルシフトとパドルシフトを新たに追加している。発進時以外のラバーバンドフィールにも当然手が入れられたものと期待したが、根本的な解決はされなかった。
むしろ、折角搭載したスポーツシーケンシャルシフトも、動作・反応速度は悪くないが、変速フィーリングが悪い。「パンッパンッ」という感じではなく、「パウウン...パウウン..」と正にラバーバンドが揺れるような不快なフィーリングがあり、これが決定的な残念ポイント。
結局の所「CVT」に課題があると、エンジンの回転フィールも不自然なものとなり大きな影響を受ける。ワインディングロードに入ってドライバーとのシンクロ感が得られないのは致命的だった。
個人的に山道では2ペダルでもマニュアルシフトダウン・エンジンブレーキを多用したい。現状の「GRヤリス」では到底許容出来ないと感じた。(逆にほぼフットブレーキしか使わないタイプの方は感想が異なるかもしれない。)

....という訳で「GRヤリス」の「RS」は、デザインや骨格の贅沢設計など数多くの魅力を備えていた。更にこれだけこだわったモデルをこの価格帯で販売出来るのはトヨタだけだろう。
一方、AT限定免許の方にもスポーツモデルの門戸を拡げ、「GRヤリス」拡販の重責を担う「RS」にあの「CVT」が適役とは思えなかった。
勿論、ミッションを「GRヤリス」に専用開発なんてすれば価格はウナギ登り...となるのも見えるから、そんな簡単な問題ではないだろう。まぁ個人的に「CVT」はそろそろ全廃で良いと思うのだが。
ベースモデルの「ヤリス」に乗った印象ではCVTのガソリンモデルより、ハイブリッドモデルの方が圧倒的にスポーティーでストレスが無かった。「GRヤリス」も2ペダルはハイブリッドにした方がむしろトヨタらしく良かったのではないだろうか。
(もしくは目的と離れてしまうが「RS」にも6MTを設定するとか.....)
残念ながら、我が人生初のトヨタ車購入はお預けとなったが、機会があれば「GRヤリス」をマイカーに迎えたいという気持ちに偽りはない。是非今後の改良タイミングでトランスミッションに根本的な対策が施されることを期待したい。



ブログ一覧 | 試乗インプレッション | クルマ
Posted at 2021/07/25 21:09:16

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この記事へのコメント

2021年7月26日 15:13
全く同感です

自動車評論家の「CVTまったく気にならない」を真に受けて
買う気満々で試乗しましたが。。。。

同じく「どこがダイレクト」なんだよー
全然ダメダ。。。でした

通常のアイシンFF用8速AT、スペース的に
載せられないんだろうからもはやあきらめるしかないかも。。

新型NXに載ってくるダイレクト8速ATに全部きりかわってこればいいのですが
コメントへの返答
2021年7月26日 19:06
私も事前にYoutubeの試乗動画はチェックしましたが、CVTについて指摘された方は少ない印象でしたね。むしろ肯定するインプレが多く懐疑的でした。
ちょっとGRヤリスの看板を背負うには力不足なミッションでしたので残念です。
ベースモデルのヤリスも含め、CVTをすべて廃止する英断に期待したいです。

プロフィール

「@(ご) 下取価格って愛車の通信簿みたいなものなので、低い評価をされると買い換える気が失せますね。更に言えば自社銘柄の価格提示としては低過ぎて残念です。私もヤフオク売却経験有ります(^o^)。」
何シテル?   06/21 23:22
クルマとカメラが大好きで布袋寅泰の音楽を愛聴するヤツです。 随分と長いこと転勤で各地を転戦しましたが、ようやく地元北海道に戻ってきました。 マイカーはマツダ...
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