![[試乗インプレッション]日産「ノート オーラ」G FOUR leather edition [試乗インプレッション]日産「ノート オーラ」G FOUR leather edition](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/045/392/029/45392029/p1m.jpg?ct=e9fc39904f17)
日産「ノート オーラ」に短時間ながら試乗出来たのでインプレッションを書いておく。
現行型(3代目)日産「ノート」は昨年(2020年)11月発表だから、現時点では登場から1年以内のニューモデル。更に今年(2021年)6月に追加発表されたのが「ノート オーラ」。簡単に言えば「ノート」の上級モデル。以前なら「ティーダ」のポジションだろうか。
全長は「ノート」同様の4045mmだが、全幅はノート+45mmの1735mmに拡幅し3ナンバーモデルとなった。今時「3ナンバーだから上級だ」なんてカビの生えた事を言いたい訳ではないだろうが、サイズアップ分をフェンダー張出し等の造形に使ったから表情は豊かに。専用のLEDヘッドランプ/テールランプも功を奏し「ノート」より確実に上質に見えるから目論見は成功している。
テスト車は上級グレードとなる"G FOUR leather edition"(AWD)で価格は295.7万円。これに評判の悪い(笑)抱合せメーカーOP(プロパイロット/カーナビ/BOSEサウンド等)が装着されていた。(+40.1万円)。合計で335.9万円也。
日産は何故「抱合せメーカーOP」にしたいのか理解に苦しむ。最初から全て標準装着した最上級グレード(メダリスト...?)を設定すれば済む話なのに。
「ノート オーラ」はセグメント的に「ノート」同様Bセグに属するモデルだと思うが、価格はCセグ/Bセグの中間くらいか。昨今サイズアップが顕著なCセグからのダウンサイザーを狙う戦略モデルのポジション。トヨタ「オーリス」と「ブレイド」の関係に似ているね。
デザインは各自好みがあるから、あくまで私的な感想だが、類型的ではない事は大いに評価したい。しかし「このスタイリングに惚れた!!」と夢中にさせてくれるほどでもない...。ちょっとホイルベースが短くてオーバーハング(特にフロント)が長く見えるのは古臭い。もう少しAピラーを引いて立てた方が好みかな。
一方、インテリアの印象はかなり良かった。割と事務的で殺伐としていた「ノート」に対し、効果的な加飾の配置が効いている。
木目調パネルとドアトリム・アームレスト・インストルメントパネルに配されたツイード調のファブリックがボルボ的(北欧的??)な上質感を演出していて好印象。少なくともトヨタには無いセンスだし、内外デザインでは絶好調のマツダも、インテリアは全般的に薄暗いのが玉に瑕。
「ノート」より静粛性に配慮し、各部に施された遮音対策のお陰でエンジンノイズや周囲の雑音は効果的にカットされていた。またその静粛性をベースに「BOSEパーソナルプラスサウンドシステム」が発するサウンドは確かにクラスを超越した迫力のある音質だったことに驚いた。運転席、助手席のヘッドレストにもスピーカーを配した事も効果的なんだろうね。
但し、事前の期待より荒れた路面で発生するロードノイズはそれなりに聴こえてくる。静粛性は何かを消せば、他が気になりだすイタチゴッコ。これ以上を求めると、ノイズキャンセルリング技術を用いて逆位相のノイズをスピーカーから出し打ち消すしか無いのかも。私の記憶が間違っていなければ、U13型「ブルーバード」が「アクティブノイズコントロール」の元祖だったような....。
システムを起動し早速走り出す。テスト車が炎天下に駐車されていため、エアコンがフルMAXで動作していたことと、バッテリー充電が不足していたようで、最初の5分くらいはずっとエンジンが動作していた。それでも耳障りなエンジンノイズや不快な振動は少なかった。
バッテリー充電が一定レベルに達するとエンジンが停止。車内の静粛性が増した。
「ノート」が搭載するフロントモーターは85kW/280Nmだが、「ノートオーラ」は100kW/300Nmにスペックアップ。「ノート」との差分は判らないが、充分以上のパワーが出ていた。
全般的にボディ剛性(感)は高く、路面の凸凹も割と涼しい顔をしつつもスムーズにいなしていくから、(常用域では)リヤサスがトーションビームである事をネガティブに捉える必要は無いが、価格と車格を考慮すれば、リヤサスはマルチリンク。ブレーキも4輪ディスクを奢って欲しかった。
「ノート」のテスト時にも感じたことだが、淡々とクールな走りを披露するタイプのクルマだから、運転していて「ワクワク」するキャラクターではない。既に2WDモデルに追加された「ノート オーラ NISMO」はそのあたりにも手が入っていることを期待したい。但し個人的にはレッドのアクセントは玩具っぽいので不要だと思うが。
そろそろ結論を。
「ノート オーラ」は「ノート」の上級モデルとしてボディの拡幅やインテリアの質感アップが成功しており、価格差を充分納得させるだけの内容に仕上がっていた。
正直なところ、「ノート」をフルオプションで買うならば素直に「ノート オーラ」を選択すべき...と感じた。
最近日産は
「ノート」の安グレード買いを推しているみたいですね。
テストを終えた感想としては、「ノート オーラ」が「ノート」の上級モデルではなく、「ノート オーラ」から色々削ったクルマが「ノート」なんだと思う。
さて。マイカー目線で「ノート オーラ」を評価するならば、残念ながら積極的に買いたいと思えるクルマではなかったのが正直なところ。
但しテストが15分程度の短時間で、混雑する市街地に限られていたから、機会があればもう少し長時間乗ってみたい。やはりクルマはそれなりの時間と距離を共にしないと判らないことも多い。
疑問な点として、最近トヨタのハイブリッド車には盛んに装備されているAC100V(1500W)のコンセントを日産やホンダは何故積極的に採用しないのだろうか。
折角エンジンと言う大きな発電機を持っているのだから、災害時やアウトドアで活躍するであろう電源コンセントを装備しないのは勿体無いし理解に苦しむ。
「ノート オーラ」は非常に良く出来たクルマなんだが、クルマ好きの心に刺さるポイントが見えないクルマ。ある意味こういう性格のクルマは趣味の対象としては選び辛い....と感じるクルマでした。
(毎日通勤で乗るなんていう需要にはバッチリだと思う。否定している訳ではなく、週末オンリーのクルマオタクには癖がなくて刺さらないというお話)
総じて「ノート オーラ」はガシガシ走らせて楽しむクルマではなく、主に低速な市街地を悠々と走らせていると魅力が際立つ印象だ。
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試乗インプレッション | クルマ
Posted at
2021/08/20 23:12:16