![[試乗インプレッション]ダイハツ「コペン」GR SPORT (FF/CVT)コペンの完成形?  [試乗インプレッション]ダイハツ「コペン」GR SPORT (FF/CVT)コペンの完成形?](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/045/476/978/45476978/p1m.jpg?ct=d49dd32da593)
							
							かなり久しぶりにダイハツ「コペン」に試乗させて頂いた。グレードは2019年10月に追加された「GR SPORT」 (FF/CVT)。
その名の通り、トヨタのスポーツブランド"GR"を冠したトヨタ/ダイハツのコラボモデル。
当時のリリースには「トヨタのGAZOO Racingがモータースポーツ活動を通じて培ってきた知見の共有を通じて、ダイハツが開発を行ったモデル」と表現されているから、開発の主体はダイハツが担ったと理解すべきだろう。
既存モデルに対し、ボディ剛性を一層高めるため、アンダーボディに補強材の追加や形状変更を施したことで、ボディのねじれを抑制し、安定感のあるフラットな乗り心地を実現。また足回りの最適化や、空力を向上させるパーツの採用により、しなやかな動きと安定性を向上したと説明しているから、ボディ骨格に関わる部分まで手を入れられたのはトヨタとのコラボあってこそなのだろう。
コペン「GR SPORT」の価格は238.2万円(CVT)。今となっては割安にも感じるから不思議。
早速乗り込むと、インテリアの造形はちょっと古臭く感じる。特に最上段が2DINのカーナビ(販売店OP)を装着すべくポッカリと穴が空いていた。折角トヨタとコラボをしたならば、ディスプレイオーディオを装着すれば良かったのに。
標準でレカロシートが奢られるのは良いが、ステアリングがテレスコしないのは残念。私の好みではもう少しステアリングを寄せたい。
エンジンを始動すると、結構野太いサウンドが聴こえてニンマリ。今後はスピーカーから合成音を聴かせるクルマが増えるだろうから、リアルな音を今のうちに楽しんでおきたい。
販売店から国道へ出る。アクセルを軽く踏み込むとエンジンは軽快に吹け上がっていく。テスト車はCVTだが、所謂ラバーバンドフィールは最小限に抑えられていて市街地を軽快に駆るに不自由はなかった。その気になればパドルシフトのシフトダウンも使える。
正直言って、先日レンタカーを手配した
「GRヤリス」のRS(CVT)よりも、パドルによるシフトダウンは切れ味が鋭くて実用的と思った。
コペン「GR SPORT」の真骨頂は専用に強化されたボディと脚回り。
公式の説明を引用すると「フロントブレース追加やセンターブレースの形状変更などボディの最適な剛性バランスを実現。その造り込んだボディ剛性に対して、サスペンションのスプリングレートを最適化し、専用のショックアブソーバーとの組み合わせによって、しなやかな動きと接地感のあるフラットな乗り味を追求しました。」
「今回専用にチューニングされた電動パワーステアリングと相まって、ステアリング操作とクルマの動きとの一体感醸成に寄与。」
そういう薀蓄を抜きにしても、ベースモデルとの違いは明確。ボディ剛性(感)の向上と良く動く脚回りによるしなやかな身のこなしは最新のスポーツカー流儀。
ステアリングも若干重みを増し、センター付近がドシッと安定した様で、直進安定性が向上しつつも、スッキリとしたステアリングフィールに感心した。
実は「GR SPORT」の後で「エクスプレイ」の5MTモデルを比較のため同一コースでテストしているが、正直10年くらい古いクルマを運転しているような感覚を覚えるくらいに異なっていた。見た目の好みはあるだろうが、個人的には「GR SPORT」一択である。
難点としては、5MTモデルのペダルレイアウト(特にペダルの角度)や踏力がイマイチしっくりこない上に、シフトノブがちょっと前方に寄り過ぎている様で、慣れに時間を要したこと。更にヒルホールドアシストが装備されないことも古臭い印象だ。コペンは案外CVTで乗るのも悪くないと感じた。
総括すると、コペン「GR SPORT」は想像以上に走りのパフォーマンスが向上しており、もはや駆動方式がFFであるとか、リヤブレーキがドラムだとかのカタログスペックで悶々とするくらいなら、一度乗ってみれば「面白いね」とすんなり腹落ちするだけの説得力を身に着けていた。
実は私自身も現行「コペン」初期モデルの印象があまり良くなかったせいで、それ以降のキャッチアップをして来なかった事を反省している。
既にホンダ「S660」は生産中止が確定しており、入手不可能となった今、再び軽オープンスポーツは「コペン」が孤軍奮闘することとなった。残念ながら、現時点で「コペン」にはADAS(先進安全装備)は与えられておらず、このままでは数年後に販売が出来なくなる可能性がある。※既存車種は2025年12月以降に販売する車種が法規制の対象となる。
「コペン」に次期モデルがあるのか。それともここ数年でモデル廃止となるのかは判らないが、2022年はコペン誕生20周年のアニバーサリーイヤーである。
もしかしたら「20周年記念車」が設定されるかもしれませんね。「GR SPORT」をベースにした「20周年記念車」だったら買おうかな...。(妄想)

↓私の愛車だった初代コペン「10thアニバーサリーエディション」
							
						
					 
					
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						Posted at
						2021/09/20 22:59:32