
いよいよ、今回の本命(?)ボクスターに試乗する時が来た。ポルシェの販売店へ行くのはこれが初めての経験だったのでガラにもなく緊張(笑)。幸いなことに、埼玉のポルシェセンターは埼玉スバルが経営しており、スバルの販売店と併設されていたので入りやすかった。しかし、ポルシェでも911なんかを商談したい人にとっては(軽自動車を売っているスバルと併設では)物足りないかもしれないね。まず、軽く驚いたのがカタログのサイズ。普通A4版の写真集の様なものが一般的だが、ポルシェの場合はA5版の文庫本のような仕上がり。結構文字数が多く、カタログというよりは解説本という趣。私の記憶に寄れば、以前トヨタのアリストもこんなサイズのカタログだったような気がする。試乗に用意されたのは左ハンドルのティプトロニック(5AT)。全長4330mm全幅1800mm全高1295mmホイールベース2415mm。車両重量は1400kgでエンジンは水平対向6気筒2.7L(NA)/最高出力245ps/6500rpm 最大トルク 27.8kg-m/6000rpmを発揮。パワーウェイトレシオ 6kg/psとなる。ちなみに、10・15モード燃費は8.7km/Lと排気量が小さい割に悪い。価格は624万円(5MTに対して+42万円)雑誌などで「絶対にOP装着するべし」とよく書かれている「ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム(PASM)+27.3万円」は装着されていないクルマだった。左ハンドルのクルマだが、5分も走れば気にならなくなった。コンパクトなように見えて、実は全幅1800mm/重量1400kgもあるクルマなのだから仕方がないが、ライトウエイト的な感触は皆無でドイツ車らしいズッシリとした手応えが印象的だった。ボディ剛性もさすがと言うべきか。鉄の塊に囲まれているような雰囲気を感じられる。しかし、予想に反して(?)ティプトロニック(5AT)が割とフツーのトルコンATといった印象で、むしろ今時?と言いたくなるようなトルコンのスリップをズルズルと感じてしまい驚いた。先日、911(997後期型)がティプトロニックに代わる新しい2ペダルミッション「PDK=ポルシェ・ドッペルクップルング」が発売された。早い話、VWのDSGと基本的な発想は同じツインクラッチ式の2ペダルMTである。ボクスターにもPDKを早く搭載して欲しい。ポルシェのTipシフトは基本的には2速発進なので、5ATと言っても事実上は4ATのような使い勝手になってしまうのも走りの楽しさをスポイルする要因か。ブレーキはさすがポルシェという感じで、剛性感たっぷりで安心して踏み込んでいけるフィーリングだ。残念な事に、エンジンサウンドがいまいち魅力的ではなかった。好みもあるだろうが、一昔前の三菱製エンジンの様な音(?)と言えばいいのか...。事務的とは思わないが、このエンジンサウンドを聴くためにエンジンを無用に回したくなる...そんな類の音ではない。PASM無しの車両だったが、街乗り~郊外の幹線道路を走っていても覚悟していたほど堅い乗り心地とは思わなかった。雑誌等では「PASM無しで市街地走行は厳しい」等と書かれていることがあるが、これ位の堅さならBMWのMスポーツ系やS2000の方が断然堅い。タイヤサイズが前:205/55ZR17 後:235/50ZR17と比較的厚みのあるサイズを履いていることも要因だろう。オプションで19インチをオーダーした場合はどうなるか...。約1時間ほどドライブさせて貰ったが、最初の10分以内に答えは出ていた気がする。「ボクスター脱落」と言う結論が。ポルシェのバッジに憧れがほとんど無い私にとって、このクルマのパフォーマンスに総額700万円の値は感じなかった。多分、5MTに試乗すれば印象はかなり違ったと思うがエンジンサウンドや回転のフィーリングも今ひとつ、シンクロ出来なかった。写真の後ろ姿もイマイチ好きになれず、嘘のような本当の話の夢から始まった「ポルシェのオーナーになる」計画はここで終了した。やはり価格が高くなればその分、シビアに採点してしまうのかも知れない。





ポルシェのガイドブックや関連HPの他、Carviewの先輩方による購入記などを拝見していくうちに判った事がひとつ。もし私がボクスターを買うのだとすれば、自然の反応で右ハンドルの5MTモデルを想像していたが、これがとんでもなくマニアックな選択になるようだ。驚いた事に、ポルシェの場合右/左ハンドルの両選択肢が用意されていたとしても、大半のユーザーが左ハンドルを選択しているらしい。ペダル類のオフセットを気にしているのか、本国仕様に近いクルマを望むのか...その心理は私には判らないが、確実に左ハンドルが中心。更に、右ハンドルを選ぶ人の大半がAT(ティプトロニック)を選択している様で、右ハンドルの5MTモデルは基本的に本国オーダー。更に、生産枠が限定されているらしくタイミングが悪いと1年待ちになる事もあるとか。いきなりポルシェの知らない世界を垣間見た気がした。また、ボクスター(5MT)の本体価格は582万円だが、最低限必要かな...と思ったメーカーOPだけでも+35.5万円にもなり、本体価格は617.5万円に跳ね上がる(バイキセノンライトシステム 18.7万/ウィンドディフレクター 5.8万/シートヒーター 7.35万/フロアマット 3.65万)事にもう一度びっくり。正直、キセノンとディフレクターは標準装備アイテムなんじゃなかろうか...と腑に落ちなかった。当然、この他に登録諸費用とローン金利負担額が加算されるので支払い総額は700万円を超える見積もりが出来る事になる。うーん、さすがポルシェ。一番ベーシックなモデルでもこの金額。まぁその分リセールバリューも高い様なので、この段階では無理やり納得(笑)。昨年一時は日産GT-R(車両本体777万円~)を買うかと考えたときに比べれば遥かに安い(??)...。要するに、価格に見合うだけの走りの楽しさを実感出来るかどうかで清水から飛び降りるか否かを決めようと言う訳だ。恐る恐る、ポルシェの販売店(ポルシェセンター)へ試乗が出来るか問い合わせたのが4/上。案の定、右ハンドルのMTは試乗不可能で、左のATもしくは左のMTなら用意可能との返答。試乗車の都合と私のスケジュールをあわせて行くと、4月中は難しく5月のGW明けになる事が判った。それならば、その間にライバルとなるクルマに乗っておき、ボクスターと比較してみようと思い立った。<つづく>|
急転のクルマ選び〈続編〉 カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2025/09/02 07:53:25 |
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