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2011年04月30日 イイね!

[試乗インプレッション]スズキ・MRワゴン "T" (2WD/CVT) 新型エンジン搭載。

[試乗インプレッション]スズキ・MRワゴン "T" (2WD/CVT) 新型エンジン搭載。スズキの新型軽自動車「MRワゴン」をテストした。もちろん一番の興味はスズキが16年ぶりに新規開発した「R06A」型ロングストロークエンジンのフィーリング。テスト車はトップグレードであり、唯一ターボ付きの「R06A」型エンジンを搭載する「T」であった。私が購入するとしたら「T」だろうと考えていたので好都合だった。価格は139.3万円と、軽自動車としては結構高価なクルマだが、話題の「タッチパネルオーディオ」も装着され、まず装備レベルに文句は出ないだろう。「T」の2WDには軽自動車として異例な事だが「SRSサイド・カーテンエアバッグ」と「ESP(横滑り防止装置)」がセットでメーカーOP装着可能。価格は+11万円高の設定で合計150.3万円となる。
スタイリングは基本的にオーソドックス。タイヤを四隅に追いやりロングホイルベース化。ボディ上部へ行っても絞込みを極力少なくし、ロングルーフを採用する事で室内の広さは驚くべきほど。愛嬌のあるフロントマスクのお陰で上手くカモフラージュされているが、MRワゴンの実用性能はかなり高く真面目なクルマと言える。個性的なフロントマスクに対して事務的な後姿には多少の物足りなさも感じるが、全般的に無印良品的なサッパリとした新しい魅力を感じるのが面白い。イメージ的には三菱「eKワゴン」がスズキの技術を使ってフルモデルチェンジした様な印象を受けた。残念ながら三菱にこのレベルの軽自動車は作れないだろうね。
室内は例の「タッチパネルオーディオ」とホワイトのインテリアパネルが目を惹く。高級感を感じる程では無いが、軽自動車にファーストカーの質感を求めるニーズにも応える内容だろう。折角の新エンジン搭載にタコメーターが無いのは残念。フロントシートはもう少し背もたれに高さが欲しいが、適度な堅さとホールド感は一昔前の軽自動車では考えられなかったレベル。139.3万円のプライスも充分に納得の範疇と思う。それに比べるとスプラッシュのインパネは若干チープな印象を抱くかも。
キーレスプッシュスタートボタンを押してエンジン始動。この段階から「R06A」型エンジンを実感。想像以上に低振動で静粛性が高い。2WD車はペンデュラム(振り子)式エンジンマウントを新採用した効果だろうか。「K6A」型は3気筒エンジン特有の振動を感じたし、アイドリング時にそれなりのエンジン音も聞こえていた。それらは必ずしもネガティブ要因とは思わないが、MRワゴンは軽自動車のレベルを一歩引き上げたのは間違いない。
インパネシフト型のレバーを操作し、走り出した瞬間から副変速機構付のCVTとロングストローク型「R06A」型エンジンの相乗効果が発揮され、グッと太いトルクで発進し加速していく。ターボも低回転域から黙々と仕事をしている様で、大人2名乗車程度の負荷では何ら不満を感じない。タコメーターが無いので詳細な回転数は不明だが、巡航時はかなり低回転に抑えられている様だ。副変速機構付のCVTは出来が良く、CVTにありがちな違和感(加速とエンジン回転数のズレ等)が少ない。これはちょっとした驚きと表現しても良い。従来の「K6A」型特有のエンジン音を響かせながら加速していたが、MRワゴンは余裕すら感じさせるフィーリング。「R06A」型はあまり個性を主張してくるような性格のエンジンではないが、16年ぶりの新エンジンはその進化幅を充分に感じさせてくれた。
売れ筋のNAエンジンについてインプレッションする事は出来ないが、贅沢にも吸排気VVTを装備。ターボ同様に副変速機構付のCVTも組み合わせる。車重も800kg前後と軽量に抑えられているから心配は無用だろう。ただ、NAエンジン搭載車はフロントスタビライザーが省かれ、タイヤが155/65R14 → 145/80R13へ格下げされるのは残念なところ。私が買うならば「T」と思う要因である。流石にABSは全車に装備されるが、そろそろこの価格帯の軽自動車はスタビライザーも標準装備して欲しい。まぁダイハツ製軽自動車の大半はスッパリとスタビライザーが省かれるのだが。
MRワゴンのターボモデル「T」はスポーツモデルという位置づけでは無い。内外装の装飾や足回りにも格別な差別化を施された印象も無く、全般的にサッパリとした穏やかな味付け。ターボも裏方に徹するマイルドなチューニングだから、MRワゴンをメインカーとして長距離走行や高速道路を多用するユーザーに最適なモデルだろう。「タッチパネルオーディオ」にiPodを接続し、のんびりドライブを楽しむのが似合うクルマと感じた。まぁ旧タイプのクルマ好きとしては、MRワゴンのポテンシャルを存分に生かしたスポーツ系のグレード「ワークス」があったら面白いのにと思う。タイヤも燃費指向から155/65R14をチョイスしたのだろうが、本来は165幅の15~16インチを奢った方が良かったと思う。
そろそろ結論を。MRワゴンは全身最新鋭の軽自動車。内外装の斬新さに加え、パワフルで静か。CVTとのマッチングやステアリングのフィーリングも良く、これまで経験した軽自動車の中で最も「上質」と言える。しかし、価格もそれなりに高価。スイフトのトップグレード「XS」が147.5万円(2WD/CVT)だし、先日一部改良を受けた「スプラッシュ」は128.7万円(2WD/CVT)で買える事も考慮しなければならない。私も含め「走り」の項目がクルマ選びの大半を占める様な好き者には「スイフト」や「スプラッシュ」を魅力的に感じてしまうが、軽自動車のコンパクトなボディを生かした機動性や後部座席・荷室の広さ等はMRワゴンが勝る部分。税金・保険・有料道路など軽自動車の優遇措置も通勤などで毎日クルマを使う方には無視出来ないポイントだろう。間違い無く、普通車と比較出来るだけのクルマに仕上がっている。
「R06A」型エンジンはこの先、ワゴンRやパレットなど既存の主力車種にもMCのタイミング等で搭載されて行くと思うが、第一印象として「パワフル・静か・低燃費」の優等生。しかし、私が気に入っていた「K6A」の心地良いビート感や回転フィーリング・サウンドも捨てられない魅力。「R06A」型が今後熟成していく過程で、これらフィーリング面でも進化していく事を期待したい。

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Posted at 2011/04/30 01:39:41 | コメント(0) | トラックバック(0) | 試乗インプレッション | クルマ
2011年03月30日 イイね!

[試乗インプレッション]レクサス・CT200h F-SPORT

[試乗インプレッション]レクサス・CT200h F-SPORTレクサス初のハッチバックボディを与えられたエントリーモデル「CT200h」をテストした。これまでレクサスは"バカの一つ覚え"とセダンばかりをラインナップしてきたが、SUVの「RX」とハッチバックの「CT200h」が加わった事でようやく彩りが出てきた。個人的にはステーションワゴンと大人の似合うクーペがあればなぁと思う。
さて、今回テストした「CT200h」のグレードは一番スポーティな「F-SPORT」。価格は405万円で専用にチューニングされた足回りや、内外装が与えられている。しかし、パワートレーンはプリウス譲りの1.8Lアトキンソンサイクルエンジンにモーターの組み合わせ。システムとしてのトータル出力は136ps。パワーユニット部は「F-SPORT」専用にチューンされた箇所は無く、燃費に違いも無い。スポーツグレードとは言え過度な期待は禁物だろう。
デザインに関して言えば、ゴチャゴチャと無意味なラインを多用する小手先のトヨタ方式ど真ん中っていう感じ。オマケに天地の狭いリヤウィンドゥと太いCピラーのお陰で後方視界はかなり悪い。リヤカメラとバックソナーの装着が前提なのだろうが、個人的にこのクルマのデザインは全く惹かれない。(特にお尻がヒドイな。クルマは美尻が基本と思います)
インテリアは比較的低く座らせるポジションと多少古典的なT字型のインパネは品質感もあり、良く出来ている。シートも短時間のテスト中にはネガティブな感想は無かった。恐らく、BMWの1シリーズを相当意識したんじゃないかな。妙に握りの太いステアリングまで似ているのはどうかと思うが。ただ、もう少しスイッチ数を減らせないものだろうか。カーナビもマウス型のデバイスに慣れを要する。まぁ「HS250h」は内外装共に最悪のセンス。それに比べれば「CT200h」のインテリアは合格レベルに達していると思う。
プリウス同様、スタートスイッチを押してもエンジンは始動しない。モーターのみで走り出す事が可能。よく雑誌等でホンダのハイブリッド車について「EVモード(モーターだけで走る)が無い(もしくは少ない)からダメ」って言う評価を目にするが、それってそんなに大切な事だろうか疑問だ。「CT200h」は価格帯から期待するよりも、エンジンやモーターの音がキャビンに漏れ聞こえてくる。走り出しは電車のような音。そして途中からエンジンがあまりにも素っ気無い音を発してくるのが興醒め。少なくとも「F-SPORT」と呼ぶスポーツモデルならばもう少しサウンドにも配慮が欲しい。
「CT200h」のパワーは1400kgのボディを駆るには充分なもので、我慢を強いられるような事は無いだろう。10.15モード値で32.0km/Lだから、実効燃費でも20km/L前後は行くのではないか。レクサスといえども、このクルマはレギュラーガソリンで済むのも燃料費高騰の昨今、朗報だろう。
「F-SPORT」専用にチューニングされた足回りはプリウスとは違い、リヤにダブルウィッシュボーンを採用し、前後にパフォーマンスダンパーも装着される。パフォーマンスダンパー非装着の標準グレードを乗り比べていないので効果の程は不明だが、ゴツゴツと来る程にスパルタンな味付けではない。フワッとしたトヨタ式の乗り味に慣れた身には堅く感じられるかもしれないが。それでも嫌なバタつきは無く、タイヤサイズも215/45R17と欲張り過ぎていない事もあって好感が持てた。残念ながらプリウスでも感じた回生ブレーキの違和感は払拭出来なかったようだ。(これは違和感ではなくハイブリッド車の味と理解すべきなのだろうか.....。でもやはり気持ち悪い)標準モデルより重めの味付けと言うステアリングも私にはまだ軽い。これは重すぎるBMWの1シリーズとは違う部分。フィーリングも一昔前の電動パワステ。もっとインフォメーションが欲しい。400万円前後の価格帯を考えると、この程度の仕上がりではガッカリと言わざるを得ない。
最後にエコ→ノーマル→スポーツと走行モードを選択が出来る「ドライブモードセレクト」も一通り試してみた。スポーツモードにするとメーターパネルも赤い照明になり、エネルギーモニターがタコメーターに切り替わるなど視覚的な演出は面白いが、各モード間の差異が小幅に感じられた。特に「スポーツモード」はもう一味スパイシーな設定でも良かった気がする。最後まで「F-SPORT」という特別なスポーツモデルに乗っている高揚感を感じることが出来なかったのは残念だった。
そろそろ結論へ。ゴルフやアウディA3・BMW1シリーズのライバルとなり得る「CT200h」。個人的にもリアルに購入候補としてリストアップが出来そうなモデルだっただけに、期待が大き過ぎたのかもしれないが現時点では価格に見合うだけのオーラは感じられなかった。少し上等になった「プリウス」レベルに留まっていたのは残念。本来であれば、レクサスブランドのエントリーモデルとしてもっと骨太な完成度を期待していたのだが....。もっと言えば、現時点の「CT200h」位の仕上がりに「プリウス」が到達していて欲しいのだ。当然「CT200h」はもっと上を目指して欲しい。
まぁそれでも「カーナビ」や「バックカメラ」等も含め豪華装備が標準装備となり、レクサスの誇る「オーナーズデスク」や「ヘルプネット」等各種サービスが受けられる事も加味して考えれば、ハードウェアが60点でもサービスとの合わせ技でギリギリ合格ラインか。このクルマは一番安い355万円のベースモデルをサラッと肩に力を入れず乗るのがクレバーと思います。

Posted at 2011/03/30 00:59:15 | コメント(0) | トラックバック(0) | 試乗インプレッション | クルマ
2011年02月20日 イイね!

[試乗インプレッション]久し振りのマツダ・デミオ 13C (e-4WD)

[試乗インプレッション]久し振りのマツダ・デミオ 13C (e-4WD)久し振りにマツダ・デミオに乗った。レンタカーとしてデミオを車種指定で借り、1泊2日で約170km程走った。レンタカーでデミオに乗るのは2007年12月の四国・高松以来だから、3年以上の月日が経過している。しかし、いきなり結論めいた事を書いてしまうが、改めてキビキビかつビシッと走る良いクルマだった。今年のマイナーチェンジ(新エンジン「SKYACTIV」の搭載など)が本当に楽しみ。スズキ・スイフトと並んで国産コンパクトの傑作です。
毎年この時期は妻の誕生日を祝し、旅行へ行くのが恒例となっている。昨年は暖かい気候を求め沖縄へ行ったのだが、今年は熱い温泉を目指し北海道の登別温泉へ。私は札幌出身の道産子であるが、登別温泉に泊まった経験は無い。近場の定山渓温泉か、どうせ遠くの温泉に行くならば洞爺湖温泉や湯の川温泉まで足を延ばしていた。新千歳空港でレンタカーを受け取り、道央自動車道を経由して登別温泉へ。路面のコンディションはシャーベット状の雪道が一部あったものの、大半はウエット路面。当然ながらスタッドレスタイヤでのインプレッションとなる。
借りたクルマはベースモデルの「13C」で4WD(e-4WD)だった。昨年7月に登録され、既に走行距離は2.5万キロを走破している固体だ。価格は2WD車に対し、約20万円の追加となる138.9万円。
「e-4WD」と呼ぶ電動モーターで後輪を駆動する「電気式4WDシステム」は2WD車に比べ車重は80kg増となる。このシステムは日立製で、日産車(ノート・キューブ等)と同等の内容である。発進時から30km/hまでの間で後輪を駆動し、滑りやすい路面での発進や登坂をアシスト。残念ながら、高速道路走行時などに直進安定性を向上させる様な効果は無い。また、必要な電気はその都度エンジンの回転を利用し発電をするから、専用バッテリーの用意が無く、ハイブリッド車の扱いにはならない。当然ながら、回生ブレーキ等のエネルギー回収機能も無い。まぁ一般的には「生活四駆」と呼ばれるカテゴリーに入れてOKだろう。
デミオのボディサイズは全長3885mm全幅1695mm全高1475mmホイルベース2490mmのコンパクトなサイズ。ボディ重量も13C(FF/4AT)が990kgと1トンを切っているし、今回テストした13C(e-4WD/4AT)でも1070kgに収まっている。2007年7月の発売以来、既に3.5年が経過した3代目デミオだが、その秀逸なデザインは全く色褪せておらず、退屈なスタイリングが氾濫する国産コンパクトカーの中では稀有な存在と言えるだろう。
高速道路でもパワー不足を感じる事は無く、マツダらしい切れ味の良いステアリング特性はかなり好み。ベリーサでも感じていた現象だが、ミッションが1速でグッーと引張り気味になるセッティングはマツダ流のZoom-Zoomテイストなんだろうが、そう少し穏やかな味付けでも良い気がする。4速ATに留まる事が商品力的に惜しいが、実用上の問題点は感じなかった。爽やかに高回転側まで吹け上がっていくエンジンのフィーリングはクラス随一。このクルマは5MTで乗ったら結構面白いだろうね。可能ならば、デミオのMT車を試してみたいが、試乗するチャンスは無いだろうな....(誰か乗せて下さい~)
残念ながら、デミオには横滑り防止装置の設定は無く、有料のオプションでも選択肢が無い。サイド+カーテンエアバッグも一部グレードにオプション設定である。また、最近では常識になりつつある燃費計等も省かれているから、これらについて時代遅れと言わざるをえない。スタイリングが色褪せていないだけに残念。是非、今年の大規模MCの際にはこれらについても改善される事を期待したい。
久し振りに乗ったデミオ。ヴィッツやフィットの様に無機質で、運転していても何一つ訴えるものが無い退屈なクルマが売れてしまう日本市場だが、デミオやスイフト(もしくはスプラッシュ)と言う選択肢がある事は幸せなことだと思う。
Photo : RICOH GR DIGITAL III
Posted at 2011/02/20 20:31:12 | コメント(1) | トラックバック(0) | 試乗インプレッション | クルマ
2010年12月05日 イイね!

[試乗インプレッション]VW NewBeetle Prime Edition 日本最終モデル

[試乗インプレッション]VW NewBeetle Prime Edition 日本最終モデル今回取り上げるのは「ニュービートル」の日本最終モデルとなった特別仕様車「ニュービートルプライム エディション」。既にメーカー公式ページから「ニュービートル」の情報は削除されており、事実上の新車販売は終了している。あとは極僅かな流通在庫が存在している程度と聞いている。もし最後の「ニュービートル」を買いたいと言う方がいたら急いだ方が良いだろう。
少し昔話を。「ニュービートル」のルーツは1994年のデトロイトショーで発表された「コンセプト1」まで遡る。その後、1995年の東京モーターショーで市販化へ向けて発展した「コンセプト1(生産型)」が発表された。そして、1998年3月北米で販売開始。日本では1999年9月から正式な販売が開始されている。当時24歳で社会人2年目だった私も「ニュービートル」の発売を心待ちにしていた一人。発表と同時期に開催された第33回東京モーターショーの会場で実車と初対面。その翌週末には数万円の予約金を支払い「右ハンドル」「イエロー」「ベースグレード」のニュービートル(239万円)をオーダーした。発売当初に納車されたクルマの大半が左ハンドルであり、「右ハンドル」に拘った事で、私のクルマは翌2000年の3月まで納車を待たされる事となった。当時は物凄い注目度で、どこへ行っても質問攻めにあった事を覚えている。妻と出会ったのもこの頃だった。あれから既に11年もの月日が流れた。日本では累計約82,000台以上を販売したヒットモデルとなった。
今年の3月に日本でもニュービートルの生産中止と、最終モデルとなる特別仕様車「ニュービートルプライム エディション」がリリースされた。もしかしたら「ニュービートル」も初代「空冷ビートル(TypeI)」と同様に何十年も生産され続けるのではないかと勝手に(?)信じていたから、「ニュービートル」が生産中止になり、過去のクルマになってしまうと言う現実が私にはとても寂しく感じられた。もちろん、現代のクルマは電子部品が多数使われ、安全・環境性能など最新のテクノロジーをキャッチアップしていく為にはマイナーチェンジでは対応出来ず、フルモデルチェンジが必要となるのは理解しているが、それくらい私の中で「ニュービートル」と言う不思議なクルマは「別格」な存在である。
さて「日本最終モデル」である特別仕様車「ニュービートルプライム エディション」のおさらいを。ベースモデルは1.6Lの「EZ」だ。「EZ」は2004年9月に追加されたエントリーモデル。特別装備として、エクステリアには16インチアルミと、ダークティンテッドガラス。インテリアには、レザー巻きのステアリングとハンドブレーキグリップ、シフトノブを採用。さらに、前席シートヒーターとパークディスタンスコントロールを装備。価格はベースモデル+4万円に抑えた249万円。最後を飾るのは豪華装備のお買い得モデルとなった。ボディサイズは全長4130mm全幅1735mm全高1500mmホイルベース2515mmで車両重量は1250kg。エンジンは1.6L(NA)の直列4気筒SOHC。102ps/5600rpm 15.1kg-m/3800rpmを発揮し、組み合わされるミッションは6段AT。10.15モード値は11.6km/Lである。
久し振りにニュービートルの運転席に座って気が付くのは、座面の低さと低く広大なダッシュボード。そして車両の中央付近にドライバーが座っていることだろうか。最近のVW車はせり立つようなインパネを好んで採用しているから、その差は大きい。カーナビが常識となった今では時代遅れのレイアウトだが、デザイン面では今も新鮮味を失っていないと思う。ステアリングは最新のゴルフに比べて大径で少し細身。もちろんチルト・テレスコが可能。シートもタップリとしたサイズで調整幅も広いから、好みのポジションがスパッと決まる。
最新の「TSIエンジン」にすっかり慣れてしまった今、古臭い1.6Lエンジンに特筆すべきポイントはない。81.0mm×77.4mmのショートストロークエンジンだから、発進時には6段ATと言えども遠慮なく回転数を高めていく。静粛性に力を入れている最新のゴルフと比べてしまうと「かなり賑やかなクルマ」と表現するしかない。しかし、不思議な事にクルマを運転していると言う実感は最新のゴルフよりも幾分濃厚に感じられるからクルマは面白い。TSIエンジンは超低回転域からターボやS/Cの効果によって分厚いトルクをモリモリと発生し、ワイドレシオのDSGがそれをアシストする事で、エンジンを極力低回転域に留まらせるセッティング。それは当然ながら燃費に大きく貢献する。しかし、一方でドライバーはエンジンサウンドの高まりと共に速度も増していく事でクルマとのリズムや一体感を味わっているのも事実。ニュービートルの古臭いパワートレーンから最新のVW車(TSI+DSG)では感じにくくなっている「クルマを操っていると言う実感」を感じてしまうのは皮肉な話だと思った。最新のテクノロジーによって何かを得ると同時に何かを失っていると言う事だろうか。一方で、上り坂や追い越し加速時にTSIエンジンの湧き出る様な怒涛のトルク感は当然ながらニュービートルには無い。アクセルを深く踏み込み、エンジンが唸りを上げるしかない。当然ガソリンも多く消費しているだろう。しかし、永年に渡って染み付いた感覚と言うのはそう簡単に変わるものではない様で、騒々しいニュービートルの中で何故かほっこりしていた自分がいる。
私の記憶の中にある「ニュービートル」と今回の「ニュービートルプライム エディション」の走りは少し違っていた。おそらく、重量とタイヤ。そして各部の熟成だろうか。「プライム エディション」は1250kgだが、「ニュービートル・カブリオレ」は1390kgと140kgも重い上に、ボディ剛性はオープンカーの宿命でかなり劣る。特に「プライム エディション」は1.6Lエンジンだから鼻先が軽快に感じられることも大きい。更に、タイヤが最新のVW車に共通してコンチのスポーツコンタクト2を奢られていた。以前はミシュランのオールシーズン(MXV4)で、硬めでグリップもイマイチだった。さすが「スポーツコンタクト」は食いつきも良く、ビートルには贅沢なタイヤだろう。ロードノイズはそれなりに発生しているようだが。足回りも熟成が進んだのか、ゴルフ4世代のトーションビーム式リヤサスだが随分シットリと路面を掴むようになった。以前は初期にもう少し「グラッ」と深めのロールを許してから後半踏ん張るようなフィーリングだったと記憶している。ボディの剛性感は最新世代のVW車と比べてしまうとさすがに分が悪いが、最新の日本車と比較して特に劣っているとは思わない。2008年2月の改良以降、ベースモデルから全車6ATを採用している事もあり、商品力はまだまだ健在だろう。やはり生産中止が惜しい。
デザイン優先のシルエットだから、高速走行時には風切り音が高まって来るし、太いAピラーが多少右前方の視界を遮る。後席の居住性やラゲッジスペースなどにしわ寄せが来ているのも事実。張り出したフェンダーや独特の視界のお陰で車庫入れにも慣れを要するクルマ。色々とネガティブな要素も抱えるクルマで有るが、案外中身はしっかりしたクルマでもある。
さてさて、そろそろ種明かしを。実はこのクルマ、試乗車では無く私のクルマである。色々悩んだ末の結論では有るが、やはり「ニュービートル」の最終モデルを見逃す事が出来なかった。自分でも笑ってしまうが、以前から「ニュービートル」が生産中止になるときは最後のモデルを買おう...と考えていたので決断した。私のクルマは「プライム エディション」のボディ色「ハーベストムーンベージュ」では国内最後の1台である。既に「サンフラワー(イエロー)」と「サルサレッド」は完売していた。
来年には2代目の「ニュービートル」が北米で発表になる予定だと言う。日本では恐らく、来年末に東京ビッグサイトで開催される東京モーターショーで実車を見る事が出来るだろう。その時、1999年の自分と同じく2代目の「ニュービートル」を予約する事になるのか楽しみにしたい。

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Posted at 2010/12/05 21:38:02 | コメント(5) | トラックバック(0) | 試乗インプレッション | クルマ
2010年11月28日 イイね!

[試乗インプレッション]VW ティグアン・ライストン(Tiguan Leistung)

[試乗インプレッション]VW ティグアン・ライストン(Tiguan Leistung)今回は「ティグアン」の最新モデル「ライストン」をじっくりとテストする機会を得た。「ライストン」は特別仕様車の扱いでは有るが、単なるお買い得モデルではない。スポーティな「スポーツ&スタイル」のエクステリア並びにインテリアをベースに、パワートレーンは「トラック&フィールド」に搭載されていた2.0L TSIエンジンの170PS版を採用。そして新開発の7速DSGと組み合わせたモデル。まぁこれが「ティグアン」の完成形ということなんでしょう。価格は385万円。ちなみに、ライストン(Leistung)とは「性能」、「効率」を意味するドイツ語だとか。
「ティグアン」は2007 年末にドイツ本国でデビュー。それ以来「ドイツのSUVセグメント」では常に販売台数上位を誇る人気モデル。日本市場には2008年9月に「トラック&フィールド」。翌年3月に「スポーツ&スタイル」が販売開始。さらに10 月にはスポーティな専用内外装の「R-Line」を導入している。日本においても、輸入SUV のセグメントではトップセールスを誇り、発売後約2年で累計販売台数は約5,000台を誇っている。最新のVWモデルラインナップ中でワッペングリルを未だ採用しているから、近い将来にフェイスリフトが予定されている事は容易に想像される。個人的にも「ティグアン」のスタイリングはチト無難すぎて面白くないと思う。これまで「ティグアン」には試乗したことも無く、VWファンの私の中で一番縁遠いクルマだったから、今回のテストはとても興味深いものだった。
全長4430mm全幅1810mm全高1690mmホイルベース2605mmで車両重量は1640kg。ホンダのCR-Vが全長4565mm全幅1820mm全高1690mmホイルベース2620mmで車両重量は1550kg前後(4WD車)に近いサイズと言えばイメージが沸くだろうか。SUVの世界では「コンパクト」と呼ばれるセグメントに入るクルマだか、日本で「コンパクト」と呼ぶのは抵抗があるサイズ。まぁ市街地でもギリギリ不都合無く乗りこなせるサイズだろう。
何と言っても、このクルマの最大の興味関心は最新型の7速DSGだろう。これは初めてSUVにも対応するDSGとして開発されたモノ。これまでは最大許容トルク350Nm(35.7kg-m) の「湿式」6速DSGと、250Nm(25.5kg-m)の「乾式」7速DSGの2種が導入されているが、今回の新型ミッションは「3番目のDSG」として新開発された「湿式」の7速DSG。これは重量級車両(商用車も含む)や、大トルクモデルへの搭載を目的に開発され、最大許容トルク600Nm(61.2kg-m)・最高許容出力275kW(375ps)・車体総重量3.2t までのモデルに対応するヘビーデューティーなミッション。ベースとなっているのは「湿式」6速DSGだが、7速化するにあたり多くの部分が新設計。最大の違いは、リバースギアの伝達プロセスの変更。6速DSGにあったリバースギア用シャフトを廃し、インプットシャフト、アウトプットシャフト2本の構成に変更したことで、7速化されたにもかかわらず、6速DSGと重量はほぼ同じに抑えられ、さらにコンパクト化にも貢献した。欧州ではこの新開発7速DSG は、2010 年初頭から商用車「T5」に搭載されている。「ティグアン」では4WD仕様のみにこのミッションが採用される。
最高出力170ps/4300-6000rpm 最大トルク28.6kg-m/1700-4200rpmで車両重量が1640kgの「ティグアン」にとって、このミッションがかなりオーバークオリティなのが良く判る。それは実際に走り始めた瞬間から「目から鱗」。これまでのDSGは「湿式」「乾式」どちらでも極低速域や坂道発進時などにプルプルっとした振動や半クラッチが苦手で後ずさりしてしまうなどのウイークポイントを持っていたが、「ティグアン」ではそれらがほぼ感じられない程に自然な振る舞いを見せる。もはやATかDSGかと言う議論さえ無駄に感じるほど滑らかで癖の無いフィーリングを達成した。それでいて、やはりDSGはMT車同様の伝達効率を誇るから、瞬間的な加速時などに「SUV」である事を忘れさせる程の切れ味を持っている。この新型ミッションによって「DSG」は新しいステージへ上ったと言えるだろう。
今回は私が基本的な評価ルートに設定している約200kmのルート(市街地・山道・高速道路を含む)を中心に「ティグアン」をじっくりと試す事が出来た。私がこれまで抱いてきた「SUV」のイメージを覆したと言う意味で、今回のテストはとても有意義なものであったと言えるだろう。
あまりSUVのジャンルは積極的に乗り比べてきた訳ではない為、現時点で「ティグアン」の完成度が国産ライバルと比較してどの程度アドバンテージを有しているのか、自信を持って書く事が出来ないが、私がこれまで乗ってきたSUVの中では「ダントツ」で乗りやすく、フラットな乗り心地を実現しているクルマだと思った。山道のコーナリングや高速道路のレーンチェンジでも腰砕け的なロールも無く、極めて自然な姿勢制御を披露するから凄い。ブレーキも重量級の車体を意識するような場面は無く、ドイツ車らしく剛性感にあふれるフィーリングだ。もちろんエンジンパワーに不足は無く、少し目線が高いだけでSUVに乗っていることをネガティブに意識する事がほとんど無いクルマだ。ゴルフよりも遮音性は一歩劣る印象だが、個人的にはコレくらいエンジン音が透過する方が逆に安心する。しかし世間一般的には「静か過ぎて困る事は無い」って事なんだろうか。
「ティグアン」のテストは非常に好印象であった訳だが、実際自分のマイカーとして迎える事をリアルに想像出来るかと言えば正直「NO」である。それはどう贔屓目に見ても中途半端なスタイリングと、ゴルフプラスからの流用があからさまなインパネデザインに興醒めしてしまうから。ビッグマイナーでフェイスリフトを実施する際にはインパネもリニューアルして欲しい。
最後に燃費の話だが、カタログ燃費11.6km/L(10.15モード値)は1640kgのAWD車である事を考えれば立派。実際のテスト時には市街地9km/L前後。郊外のテストルート走行時は11km/L前後(マルチファンクションインジケーターの表示値)で走っていた。SUVとしてはかなり良好な数字だろう。

Posted at 2010/11/28 22:25:03 | コメント(0) | トラックバック(0) | 試乗インプレッション | クルマ

プロフィール

「@(ご) 下取価格って愛車の通信簿みたいなものなので、低い評価をされると買い換える気が失せますね。更に言えば自社銘柄の価格提示としては低過ぎて残念です。私もヤフオク売却経験有ります(^o^)。」
何シテル?   06/21 23:22
クルマとカメラが大好きで布袋寅泰の音楽を愛聴するヤツです。 随分と長いこと転勤で各地を転戦しましたが、ようやく地元北海道に戻ってきました。 マイカーはマツダ...
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