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2024年08月13日 イイね!

[試乗インプレッション]マツダ「CX-3」15S Touring(AWD/6AT)

[試乗インプレッション]マツダ「CX-3」15S Touring(AWD/6AT) 久しぶりに「MAZDA3」と「CX-3」に短時間だが試乗をさせて頂いたので、それぞれインプレッションを書いておく。
今回は「CX-3」。テスト車はベースモデルの15S Touring(AWD/6AT)でボディ色はプラチナクォーツメタリック。
「CX-3」は2015年2月に発売された「デミオ(MAZDA2)」と基本コンポーネントを共有するコンパクトSUV。発売からまもなく10年が経過するロングセラーモデル。2022年6月に山口県の防府第1工場での生産を終了し、現在はタイ工場で生産された車両が輸入されている。
発売当初は1.5Lのディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.5」専用のモデルだったが、2017年夏にガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」搭載車を追加。翌2018年5月には、ディーゼルエンジンを新開発の「SKYACTIV-D 1.8」に換装。今回テストした1.5Lガソリンエンジン「SKYACTIV-G 1.5」搭載車は2020年の改良時に追加。10年販売が続いているのも凄いが、ここまでパワーユニットが色々変わったクルマも珍しいのではないか。更に言えば、2021年の一部改良で「SKYACTIV-G 2.0」搭載車が廃止され、現在は「SKYACTIV-G 1.5」と「SKYACTIV-D 1.8」の二本立て。エンジンが変わる都度、改良の手が入っていると思えばあながち悪い話でもないだろう。
個人的に「CX-3」はマツダ車の中であまり注目してこなかったモデル。正直「デミオ(MAZDA2)」とあまり変わらないのに随分と強気な価格設定に見え、コスパの面からマイカー候補に挙がらなかった。実際2015年末にマイカーとしてデミオのXDを購入した際「CX-3」の試乗車にも乗せて頂いた記憶が有るが、悩むことも無く「デミオ」を契約。それ以降今日まで「CX-3」を触れる機会が無かった。
時は流れ、「CX-3」も前述した変遷を経て低価格な1.5Lガソリン「SKYACTIV-G 1.5」搭載車が販売の中心となり、近頃妙に魅力的に見えてきた。「MAZDA2」がちょっと期待外れな方向に進んでいるのも要因のひとつ。若年層の支持を得たいのは理解するとしても、なんかコンセプトが軽薄だなぁ...。
話を戻して。「CX-3」が属するBセグメントSUVのカテゴリーに各社から力の入ったモデルが続々とリリースされて面白くなってきた。特に300万円以下の手頃なSUVとして、ガソリンエンジン搭載モデルに絞っても、トヨタ「ヤリスクロス」・ホンダ「ヴェゼル(AWDのみ)」に加えて期待のスズキ「フロンクス(Mハイブリッド)」が登場し、強力なライバルが揃って来た。既にモデル末期の「CX-3」はさぞ苦戦しているのかと思いきや案外セールスは好調らしい。
テスト車の「CX-3」は15S Touring(AWD/6AT)で価格は252.1万円(AWD/6AT)。今や贅沢な4気筒エンジンと6AT。更にはメーカーOP設定無しのフル装備でこの価格はお買い得。他社ならメーカーOPになるような360度ビューモニターやブラインドスポットモニタリングなんかもサラリと標準装備しているのがマツダらしい。
スズキ「フロンクス」(インド生産)は、マイルドハイブリッドの4気筒エンジンと6AT。メーカーOP設定無しのフル装備で共通しており、「CX-3」とキャラクターが被るポイントが多く是非試乗したい楽しみなクルマだ。ネット上の噂を総合すると、価格は280万円前後らしい(AWDモデル)。「CX-3」なら内外装がオシャレにドレスアップされた「15S Urban Dresser」が277.4万円で買えるから、モデルの古さを差し引いても「フロンクス」とイイ勝負になりそうな気がしている。
前置きが長くなったが、そんなわけで「CX-3」を改めて乗ってみた。
「CX-3」に乗り込んで公道を走りだす。つい先程「MAZDA3」で走ったコースをトレースしていく。なんだろう、すごくホッとするというか、田舎の実家に帰ったような安心感。ブレッド&バター(おにぎりと味噌汁)的なイイモノ感は登場から間もなく10年が経過するロングセラーモデルなだけに、尖った先進性を感じることは無いが、毎年のように積み重ねた改良の成果として円熟味を増したフィーリングがそう思わせるのだろうか。テスト車の15S Touringは見た目が地味な215/60R16サイズのタイヤを履くが、恐らく乗り心地にはプラスのチョイス。こういうクルマは長く乗っても飽きないだろうね。
「CX-3」を運転していて、2004年6月から2015年末まで12年近く販売されたマツダ「ベリーサ」を思い出した。私も2009年頃に所有していたが、こちらも尖ったポイントは無くともしみじみ良いクルマだった。「CX-3」は「ベリーサ」の生まれ変わりかもしれない。そう思うと、なんか両車がなんとなく似ている様な気もしてくるから不思議。
「CX-3」の中で「SKYACTIV-G 1.5」エンジンは軽量なパワーユニットだから、鼻先の軽快感もあって爽快な走りが楽しめる。更に言えば、このエンジンはパワーこそ111ps/6000rpm・14.7kg-m/4000rpmと大したことは無いが、高回転域まで綺麗に吹け上がるしサウンドも耳に心地良くクルマ好きにとって快音と呼べるものだから、乗っていて嫌になることが無い。
ライバルとなる「ヤリスクロス」は直列3気筒の1.5Lダイナミックフォースエンジンでパワー感こそあるものの、終始不快な雑音と振動に悩まされた。リセールは抜群だったが、もう一度買いたいとは思わない。まだ未試乗の「ヴェゼル(ガソリンG)」や「フロンクス」も機会を見つけ試してみたい。
昨年9月の改良で、マツダコネクトのセンターディスプレイが最新世代の横長8.8インチに変更された。モニターの解像度が上がり、精細な画面になったことで360度ビューモニターが見やすくなり、このクルマのリフレッシュに貢献している。
先に乗った「MAZDA3」と比較すると、やはり設計年次の古さから来る差異を感じたのも事実。特に静粛性やフロア振動等は「MAZDA3」にひとクラス以上の上質感があった。またステアリング周りの剛性感や操舵フィールにもアドバンテージが有る。まぁ直前直後に同ルートで乗り比べたから判ることでもあるが、その対価として50万円以上の価格差があるから十分納得の範囲だろう。
残念なのは「CX-3」にクルージング & トラフィック・サポート (レーンキープコントロール)が全車装備されないのはライバルに劣るポイントなだけに、次の改良で改善されることを期待しておく。
今回「MAZDA3」と「CX-3」に乗せて頂き、どちらも熟成が進み完成度の高いモデルになっていることが確認出来た。最新モデルを乗り継ぐのも面白いが、円熟味を増したモデルとじっくり向き合ってみるのも悪くないと思った。個人的にどちらか1つを選ぶなら僅差で「MAZDA3」なのだが、より価格が抑えられる「CX-3」を実用車としてガシガシ使い込んでみるのも渋い選択だと思う。



↓最近のMAZDA2。うーん。この方向性は理解出来ないなぁ....。

↓15S Urban Dresserのインテリア。

↓私が2009年頃に乗っていたマツダ「ベリーサ」

Posted at 2024/08/13 20:10:17 | コメント(0) | トラックバック(0) | 試乗インプレッション | 日記
2024年08月12日 イイね!

[試乗インプレッション]マツダ「MAZDA3」20S Proactive Touring Selection(AWD/6AT)

[試乗インプレッション]マツダ「MAZDA3」20S Proactive Touring Selection(AWD/6AT)久しぶりにマツダ「MAZDA3」と「CX-3」に短時間だが試乗をさせて頂いたので、それぞれインプレッションを書いておく。
まずは「MAZDA3」。テスト車はファストバックの「20S Proactive Touring Selection(AWD/6AT)」でボディ色はソウルレッドクリスタルメタリック。
2024年8月1日にリリースされた一部改良で「MAZDA3」はグレード展開が整理され「20S Touring」に集約された。
「MAZDA3」は2019年5月に第7世代モデルのトップバッターとして発売開始されているから、既に5年以上が経過。一般的にはそろそろモデル末期と呼ばれる時期だが、マツダの中では更に長寿な「MAZDA2/CX-3」や「CX-5」等の第6世代モデルが現役だからまだ当面は現役続行だろうか。個人的には第7世代ラージ商品群に属する「CX-60/70/80/90」の開発にリソースを集中したいのも理解はするが、マツダが「モノ造り革新」の中で説明していた「一括企画」が形骸化しているのではないかと心配ではある。
個人的に「MAZDA3」は何度もマイカー候補に浮上したが、タイミングが合わずお迎え出来ていないクルマ。そろそろ真剣に検討したいな...と思っている。
「MAZDA3」は一部改良の都度グレードやパワートレーンの統廃合が進み、私が本命視していた1.5Lの6MTモデルは2023年4月の改良でカタログ落ちとなり、少なからずショックを受けた。次期マイカー選定の際は、新車/中古車も含めた検討になるかもしれない。
ここ数年、マイカーにトヨタ車を選定していた関係でマツダ車に触れる機会が減っていた。トヨタ車を4台(ライズ・GR86・ヤリスクロス・ハリアー)購入し、お腹も満たされてきたから、そろそろ原点回帰。一番肌に馴染むマツダ車に戻ろうかという気分になっている。とはいえ、まだ納車予定のクルマもあるから具体的にはもう少し時間をかけて考えていく予定だ。
直近で「MAZDA3」のテストを実施したのは2021年6月にレンタカーで乗ったファストバックの15Sだったから、約3年ぶりに「MAZDA3」に乗れた。今回のテスト車は2.0Lの「20S Proactive Touring Selection(AWD/6AT)」。パワーユニットは2022年8月の改良時にマイルドハイブリッド化された"e-SKYACTIV G"を搭載している。
テスト車に乗り込んで公道を走りだすと、直ぐにあら??以前よりも足回りがしなやかに動くようになった印象を受けた。以前は「硬め」と表現したいセッティングだったと記憶しているからこれは好印象。18インチタイヤの履きこなしも以前より自然になった様に感じるから、各部の熟成が進んだ結果だろうか。
個人的に「MAZDA3」の残念ポイントはリヤサスをトーションビームにした事だと思っていたが、今回の試乗でネガティブに感じることは無かった。欧州車は熟成の進んだモデル末期に買うのが正解だと言われるが、マツダにも当てはまるかもしれない。オールニューのCX-60は品質問題に苦しんでいるようですしね。(それでもネットでは過剰に叩かれ過ぎていると思うが)
2.0Lの"e-SKYACTIV G"ガソリンエンジンは156ps/6000rpm・20.3kg-m/4000rpmを発揮。低出力モーター(6.9ps/5.0kg-m)のアシストを受けるマイルドハイブリッド。ゼロ発進時に少しモーターが助力しているかな...と思う程度で、ハッキリとモーターの存在を感じる程ではない。アイドリングストップから無音で再始動出来る方がメリットを感じるだろう。車重は1450kg(AWD)だから、アウトプットに不満を感じるシーンは無い。
先日レンタカーで乗ったスバル「インプレッサ」ST(AWD)が期待以上に良かったのだが、やはり「MAZDA3」はドライビングの解像度が一回り高いと感じる。マツダが提唱する「人馬一体」をロードスターの次に色濃く感じるのは「MAZDA3」かもしれない。ボディの四隅まで神経が行き届いている様な一体感はマツダ車共通の美点。
一点、「MAZDA3」は初期モデルから一貫してブレーキの制動が踏力に応じて増していくタイプで、一般的な国産車に共通する初動でガツンと効くタイプでは無い。ドライブ好きな人間には好ましいセッティングだが、コレに驚いてしまう方が居るような気がする。(乗っているうちにすぐ慣れるとは思うが)
「MAZDA3」は走りも素晴らしいが、やはり退屈な実用品ではなく、嗜好品・芸術品と呼びたくなるような美しいデザインは今も色褪せておらず、ロードスターの隣に置いて最もマッチするのはコレだなと改めて思った。マツダは「MAZDA3」の次期モデルをどうするつもりなのか判らないが、恐らくモデルチェンジには相当苦労するでしょうね。コレを超えるデザインなんてそう簡単には出てこないでしょうから。
うーん。やはり次期マイカー候補の筆頭は「MAZDA3」かな。次は「CX-3」に乗ります。




Posted at 2024/08/12 16:54:43 | コメント(0) | トラックバック(0) | 試乗インプレッション | クルマ
2024年07月22日 イイね!

[試乗インプレッション]スバル「インプレッサ」ST(AWD) "足るを知る"

[試乗インプレッション]スバル「インプレッサ」ST(AWD) "足るを知る"前回のスバル「レヴォーグ」に続き、レンタカーでスバルの新型「インプレッサ」が割り当てられた。昨年「クロストレック」にはチョイ乗りしているが、新型「インプレッサ」には乗れていなかった。
昨年乗った「クロストレック」は全車マイルドハイブリッドの「e-BOXER」だが、「インプレッサ」は今回乗ったベースグレード"ST"のみが純ガソリンエンジンとなるのが面白い。
「インプレッサ」"ST"のサイズは全長4475×全幅1780×全高1450・ホイルベース2670(mm)で車重は1430kg(AWD)。エンジンは水平対向4気筒2.0L直噴DOHCで154ps/6000rpm 19.7kg-m/4000rpmを発揮。カタログ燃費(WLTC)は13.6km/L。
車両価格は251.9万円と結構お安いが、テスト車はメーカーOPが6点セットで装着されており、+363,000円。(キーレスアクセス&プッシュスタート・本革巻ステアリング・ステアリングヒーター・フロントシートヒーター・11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステム・デジタルマルチビューモニター)合計すると288.2万円となる。
昨今のクルマ価格高騰を考慮すれば、これらメーカーOPを装着してもCセグのAWDモデルが300万円を切っているのは評価出来る。本当はメーカーOPではなく、全て標準装備した上級グレードを設けた方が、実質の支払額は変わらずとも、売却時の査定に正しく反映されるのでユーザー想いだと思う。
正直に言えば、新型モデルとは言え、「インプレッサ」にはあまり期待をしていなかった。昨年乗ったe-BOXERの「クロストレック」があまり好印象ではなかったのに加え、販売の主力が「クロストレック」となった現在「インプレッサ」の存在意義って何だろうと疑問に感じていた。特に外観も素っ気ないベースグレード"ST"は色々削って剥ぎ取った法人・レンタカー向けのスカスカなヤツなんでしょう....なんて先入観を持っていた。
新型「インプレッサ」を借り出し公道に出て数百メートルで「あら??」と驚くことになる。やはりクルマは乗りもせずあーだこーだ言うべきではないですね。反省。
結論から言えば、近年乗ったスバル車ではベスト。圧倒的にベストですね。まず何と言っても軽快。発進時からスゥーと軽快・爽快に加速していくのが好ましい。エンジンもボクサーらしくスムーズかつ綺麗に吹け上がっていくし、サウンドも雑味が無く聴いていて嫌になる要素が無い。
リニアトロニック(CVT)も不快なラバーバンドフィールがほぼ抑えられレスポンスもまずまず。
e-BOXERの「クロストレック」は常に薄味と言うか、線の細いアウトプットだと感じたが、純ガソリンの「インプレッサ」"ST"は尖った特徴は無いが、期待したとおりのアウトプットが得られるから何の不満も感じない。なんかこういう素の魅力が詰まったクルマって最近珍しいですよね。"一服の清涼剤"とはこういう時に使う言葉のような気がします。過去のクルマに例えるなら、ゴルフ5の前期モデル(TSI/DSGになる前)とか、初代のフォード・フォーカスあたりをぼんやりと連想しました。
もう少し分析してみると「クロストレック」の重量が1610kgだったのに対し「インプレッサ」"ST"は1430kg。その差なんと180kgもある事が要因ではないかと睨んでいる。更にその重量の大半はフロントのボンネット付近に集中すると思えば、「インプレッサ」"ST"がスッキリ軽快に感じても不思議ではない。恐らく、更に軽量なFFモデルの方が本命かもしれないね。
そして個人的に最大の評価ポイントとなったステアリングフィールの良さ。過去スバル車に乗る度に気になっていた鷹揚なステアリングフィールも、「インプレッサ」"ST"は別物??と思う程にスッキリしていて驚いた。このクラスでは贅沢な2ピニオン電動パワーステアリングの本領発揮なんだろうか。
最近このクラスでもリヤサスをトーションビームに格下げする事例が多くなっているが、「インプレッサ」"ST"は前ストラット/後ダブルウィッシュボーンの四輪独立懸架をしっかりキープしたのも評価すべき。このクルマのスッキリ軽快な走行フィールに多大な貢献をしている。
あえてネガティブなポイントを挙げるならば、前回乗った「レヴォーグ」と比較してロードノイズを中心に静粛性が少し劣る事と、エアコンのファンノイズが少し大きいと感じたが、価格差を考えれば充分許容範囲だろう。
今回は少し距離が伸びず143kmを走行。燃費はメーター読みで11.9km/L。カタログ燃費(WLTC)が13.6km/Lだからそんなもんでしょうか。純ガソリンの水平対向エンジンとは言え、このクラスの実用車に期待される燃費では無いが、走りは抜群に良かったので、私としては許容範囲。そういう意味で"足るを知る"マニア向け物件なのかも。
うーん。こういういぶし銀をマイカーに迎えてみるのも面白いかもしれませんね。その際はマツダ3あたりと比較検討して悩むんでしょうね。機会が有ればもう何度か「インプレッサ」"ST"を借りて色々試してみたいと思う。




Posted at 2024/07/22 23:57:48 | コメント(1) | トラックバック(0) | 試乗インプレッション | クルマ
2024年07月21日 イイね!

[試乗インプレッション]スバル「レヴォーグ」STI Sport EX

[試乗インプレッション]スバル「レヴォーグ」STI Sport EX先日レンタカーでスバル「レヴォーグ」STI Sport EXが来たのでレポートしておく。
最近レンタカーでスバル車が割り当たることが多くなった。以前はトヨタ車が続いていたが、今年になってスバル車が急増。「フォレスター」が中心だが「アウトバック」・「レヴォーグ」・「インプレッサ」にも乗っている。
出張のレンタカーが「レヴォーグ」なら「当たり」だと思うが、グレードが「STI Sport EX」となれば大当たりでしょう。カーマニア的にも大歓迎。早速仕事を忘れ(笑)テストドライブと撮影に本気を出してみた。
「レヴォーグ」STI Sport EXは水平対向1.8L DOHC直噴ターボ “DIT”を搭載するモデルで、現在の価格は434.5万円。更にこの個体はメーカーOPのスマートリヤビューミラー(+5.5万円)が装着されており合計440万円。乗出し価格で470万円に達する高級車。
同じ1.8Lターボエンジンを搭載する「レヴォーグ」のエントリーグレード「Smart Edition EX」は363万円だから、「STI Sport EX」は71.5万円も高価なグレードとなる。
カタログを読む限り「STI Sport EX」の専用装備は以下の3点。①電子制御ダンパー(ZF製)②ドライブモードセレクト(Comfort/Normal/Sport/Sport+/Individual)③専用の内外装加飾や本革シート(ボルドー/ブラック) 
やはりスバルに乗るなら「STI」に憧れるが、これら専用装備に+71.5万円の価値を感じるかが評価ポイントになりそう。恐らく「STI」を選んでおけばリセールも悪くはないだろう。
水平対向1.8L DOHC直噴ターボ “DIT”エンジンは177ps/5200-5600rpm 30.6kg-m/1600-3600rpmを発揮する。車重は1600kgだからパワーウエイトレシオ9.04kg/ps。数値の印象通り、不足は無いが驚くほどパワフルで俊足を誇るスペックではない。モアパワーを望む人には275psの2.4L直噴ターボを搭載する「STI Sport R EX」が用意される。(502.7万円~)
「レヴォーグ」で走り出すと、想像よりもフラットで上質な乗り味に舌を巻く。いつも色々なレンタカーで往復する荒れた国道の路面状況が少し良くなったと錯覚するくらいの効果はある。
また静粛性も車格に合ったレベルに達している。個人的にもう少しロードノイズを抑えたい気もするが「STI Sport」を名乗るスポーツグレードならこれくらいは許容されるだろう。
「STI Sport EX」の売りであるドライブモードセレクトを11.6インチの縦型モニターでセッティングを試みる。設定をしたら走ってみる。また設定を変えて走るを繰り返す。ソロ出張だから出来るが、同行者がいたらただの変態ですよね。
苦労の末ようやく落ち着いた設定は「Individual」でカスタマイズしたもの。パワーユニットは「S#」、ステアリングは「Sport」。一方でサスペンションは基本「Comfort」。路面次第では「Normal」を使うことも。
残念なのは、一旦エンジンを止めてしまうと、折角設定したドライブモードセレクトやオートビークルホールド・アイドリングストップ等の設定事項がリセットされてしまう。マイカーとして使う場合、恐らく段々面倒になって結局設定しなくなる様な気がする。オーナーの方は実際どうなんでしょうか。
「レヴォーグ」に乗って一番感心したのはステアリングフィーリング。近年色々なスバル車に乗る度に「うーん...」と思っていた路面からのフィードバックが薄く、なんとなく鷹揚なステアリングフィールが正直苦手だったが、「レヴォーグ」はかなりスッキリと改善されていた。2ピニオン式の電動パワーステアリングが良い影響を与えているのかも。特にドライブモードセレクトでステアリングを「Sport」にすると最も好みになったから、私はコレを常時固定しておきたい。
今回「レヴォーグ」で約200km程走行したが、メーター読みで平均燃費は約12km/Lと表示されていた。北海道の郊外路をまあまあのペースで走っての燃費だから、条件的にMAXではないだろうか。カタログ値(WLTC)は13.5km/Lだから、まぁそんなものだろう。最小回転半径が5.5mで、少し大回り傾向なのも気になるが、これは慣れるしかない。
そろそろ結論を。
今回テストした「レヴォーグ」STI Sport EXは、骨格からコストをかけて設計されていることがドライバーに伝わり「結構イイクルマに乗っている」と感じさせてくれることに疑いは無い。また昨今ステーションワゴンのジャンルが絶滅危惧種となり、レガシィの時代からこのタイプを愛用する方にとっては無くてはならない存在だろう。
一方で、価格やスポーティなスタイルから期待される程の動力性能には達しておらず、「STI Sport」の解釈に戸惑う。動力性能ではなく、足回りと内外装にコストをかけた知的なクルマと理解すべきなんだろうが、乗り出し価格で470万円にも達するクルマとしては若干モヤモヤが残った。(加速だけならマイカーであるトヨタ「ハリアー」ハイブリッドの方が速いかも??)
日本市場で「レヴォーグ」のライバルになりそうなVW「ゴルフヴァリアント」の1.5L eTSI4気筒ターボエンジン搭載モデルの価格は470万円以上になるから、「レヴォーグ」が無闇に高価とは思わないが、私がリアルに「レヴォーグ」をマイカーとして選ぶならば、GT-H EX(379.5万円)で充分かな...というのが正直な感想である。



Posted at 2024/07/21 17:05:18 | コメント(0) | トラックバック(0) | 試乗インプレッション | クルマ
2024年06月16日 イイね!

[試乗インプレッション]マツダ「CX-5」20S Smart Edition(4WD)

[試乗インプレッション]マツダ「CX-5」20S Smart Edition(4WD)先日スバル「フォレスター」のレンタカーに乗った際、改めてマツダ「CX-5」と比較したくなった。
丁度、1週間後に同ルートをレンタカーで走る予定があったので、「CX-5」をレンタカー屋さんにリクエストしていた。まぁこういう楽しみもないと過酷な長距離出張はやってられません。
スバル「フォレスター」はAdvance(e-BOXER/AWD)で、本体価格は339.9万円。メーカーOPでアイサイトセイフティプラスを装着して合計346.5万円の個体だった。
一方、今回のマツダ「CX-5」はエントリーグレードの20S Smart Edition(4WD)で本体価格は314万円。(メーカーOP設定無) 「フォレスター」との価格差は32.5万円とお買い得グレード。
完全に好みの世界だが、やはり「CX-5」のデザインは今も色褪せない。撮影していても飽きない「魂動デザイン」がマツダ車に共通する大きな魅力。まぁ私が根本的にマツダファンなんだろうね。
先に結論から書いておくと、今回乗ったマツダ「CX-5」のベースグレード「20S Smart Edition」は、「ブレッド&バター」とでも評したくなる"素"の魅力が凝縮されたマツダの良心みたいなクルマだった。流石に「CX-5」はモデル末期でリアルなマイカー目線ではチト選びづらいのだが、毎日通勤でそれなりに距離を走るような方には熟成された良い選択肢になりそう。但し、「20S Smart Edition」はクルージング&トラフィックサポート(レーンキープアシスト)が落とされるのが残念。但しマツダ・レーダー・クルーズ・コントロール (MRCC)は全車速で停止保持まで動作。ステアリング操作はドライバーの担当である。
「ブレッド&バター」といっても、スーパーで売られる格安の味気ない食パンではなく、素材にもこだわる専門店の食パンに、本物のバター(マーガリンでは無い)を乗せたくらいの潤いをイメージして頂くとよい。
あまりにも細かい話で恐縮だが、毎度「CX-5」に乗る度に気になるのがインテリアの造形。エアコンの吹き出し口が一般的な長方形ではなく、五角形なのは見ていて落ち着かない。太めのメッキで縁取られているから視覚的に余計目立つ。他のマツダ車には見られない造形だから、担当デザイナーの遊び心なんだろうけど私の好みではない。


マツダ「CX-5」で公道を走りだすと、やはり自然で適切なドライビングポジションと素直でインフォメーションが適切なステアリングフィールにホッとする。そして"SKYACTIV-DRIVE"と呼ぶ6速ATはレスポンスが良く、CVT特有の違和感が無いから極めてストレスが少ない。マツダが言う"人馬一体"は比較的大柄な「CX-5」でもしっかりと味わえる。思えば、2012年初代「CX-5」登場がフル「SKYACTIV」の幕開けだったのだから当然だろう。
「フォレスター」では全体的に鷹揚だと感じていたフィーリングが、「CX-5」ではピシっとボディの四隅まで神経が行き届いている様な一体感が有る。恐らく、これを"人馬一体"で最高!!と思うか、神経質で疲れると感じるかが別れ道なんだろうね。マツダが目指す"2%の顧客に選ばれるクルマ作り"。私は支持したい。
既にマツダは2024年5月の決算説明会で「CX-5」の次期モデルを開発していること。更にはマツダ独自のハイブリッド方式を搭載することも明言している。
テスト車は最もベーシックな4気筒2.0Lガソリンエンジン(156ps/20.3kg-m)を搭載するから、1600kgの車重に正直余裕綽々とは言えない。特に信号発進時などは意図的にアクセルを踏み込む場面が多い印象。
対して、先日テストしたスバル「フォレスター」のAdvance(e-BOXER)は水平対向4気筒2.0Lガソリンエンジン(145ps/19.2kg-m)にマイルドハイブリッド(13.6ps/6.6kg-m)を搭載する影響で比較的スムーズでトルクフルな印象があったから、やはり「マイルド」とは言えモーターの加勢は馬鹿にならないのだろう。
「CX-5」も決して非力なわけではなく、必要に応じアクセルを踏み増せばエンジンがスムーズに高回転域まで快音と共に回るからクルマ好きには楽しい作業。ただ、最近のモーター加勢に慣れた方には物足りなく感じるかも。「CX-5」はもう少しエンジンルームからの遮音に気を使えるとよかった。
マツダも同型エンジンを搭載する第7世代の「MAZDA3/CX-30」はマイルドハイブリッド化(6.9ps/5.0kg-m)している。「CX-5」はエントリーモデルとして提供するための選択なんだろうね。
燃費は返却時のメーター読みで12km/L程度。「フォレスター」は同じく約14km/Lだったから、やはりハイブリッド化の恩恵はそれなりにあるようだ。
「CX-5」や「フォレスター」で長距離を走っていると、「アテンザ」とか「レガシィB4」あたりのミドルクラスセダンが担っていたポジションなんだろうなと実感。特筆すべき必殺技は無くとも、全方位に完成度の高いクルマをリーズナブルに欲しいとすれば、モデル末期だが「CX-5」と「フォレスター」は今のうちに乗っておいて損は無い。




Posted at 2024/06/16 15:09:02 | コメント(0) | トラックバック(0) | 試乗インプレッション | クルマ

プロフィール

「@(ご) 下取価格って愛車の通信簿みたいなものなので、低い評価をされると買い換える気が失せますね。更に言えば自社銘柄の価格提示としては低過ぎて残念です。私もヤフオク売却経験有ります(^o^)。」
何シテル?   06/21 23:22
クルマとカメラが大好きで布袋寅泰の音楽を愛聴するヤツです。 随分と長いこと転勤で各地を転戦しましたが、ようやく地元北海道に戻ってきました。 マイカーはマツダ...
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