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2023年05月20日 イイね!

[試乗インプレッション]スバル「インプレッサスポーツ」1.6i-L EyeSight

[試乗インプレッション]スバル「インプレッサスポーツ」1.6i-L EyeSight出張の相棒として先代「インプレッサスポーツ」に乗った。ご存知の通り「インプレッサ」は既にフルモデルチェンジを受けており、今更旧モデルに乗ってもね...と若干ガッカリしたのは否めないが、良く考えると先代「インプレッサスポーツ」は発売時に少しだけ試乗させて頂いた程度だった。
今回のレンタカーは「1.6i-L EyeSight(AWD)」で価格は222.2万円(税込)。Cセグメントの車格を備え、隅々までしっかりと丁寧に作られていることが感じられるクルマである割にリーズナブルな価格設定だと思う。スバル謹製のクルマとしてはコレがベースラインとなるだけに、法人やレンタカー需要も見据えた戦略的な価格設定なのだろう。
先日発表された新型「インプレッサ」はベースグレードの「ST」のみマイルドハイブリッド(e-BOXER)を省いて251.9万円(税込/AWD)としたが、エンジンが1.6L→2.0Lに換装された事を考慮しつつも、やはり価格高騰の影響を感じてしまう。新型「インプレッサ」も機会を見つけて試してみたい。
今回レンタカーで乗った「インプレッサスポーツ」は1泊2日で約300km程度走らせたが、総じて印象は良かった。乗り出した直後は2.0Lのグレードなのかな??と車検証を確認した位だから、パワー不足は感じなかった。
当たり前だが、一般国道や高速道路を100km/h前後で巡行している限りでは何ら不満もなく、総じて快適な移動環境が保たれた。
SGPを採用した新世代のスバル車は以前に比べ、乗り心地がしなやか傾向になっているのは美点。ボディ剛性感の高さはモデル末期のモデルとなっても評価出来るポイント。
リニアトロニック(CVT)もネガを感じるほどの弱点は無く、燃費性能に課題を抱える水平対向エンジンにはコレが欠かせないというのも理解しなければならないのだろうか。
相変わらず、スバルの水平対向エンジンは滑らかな回転フィールである。コレはマイカーのGR86でも感じる。回転数が高まっても雑味のある振動が抑えられている。最近Bセグメントで増えている3気筒エンジンに慣れてくると、水平対向エンジンの滑らかさは以前よりも際立って感じられるかも。
ちょっと意外だったのは燃費。おとなしく郊外を巡行している環境だったこともあるが、ホテル到着時点で19.3km/Lを記録。翌日札幌に戻り、返却した時点でも16.9km/Lだったから、レギュラー仕様であることも含め経済的だったと言えるだろう。
逆に、直進安定性は期待値に届かない印象。スバル車と言えばAWD。それ故、高速道路やロングツーリングではビシッと安定した直進安定性が得られる故に疲労感も少なくて済むと思っていたが、この個体はそれ程でもなく、僅かにふらつく様な落ち着きのなさを感じた。スタッドレスタイヤを履いていたことも有るだろうが、ちょっと疑問。可能ならば別の個体を試してみたい。
それとアイサイト・ツーリングアシストが装着されていたが、設計年次の古さなのか、レーンキープ機能の白線認識精度やACC機能の先行車認識やブレーキ制御の介入タイミングがイマイチだなと思う事が結構あった。このあたりは新型「インプレッサ」でどの程度改善されたのか確認してみたい。出張で長距離を走る際は、ACC機能を活用し少しでも運転の疲労度は抑えたいもの。結構各メーカーの技術力や設計思想が出て面白いと思う部分ではある。
個人的に最近のスバル車は主にデザイン面で「欲しい」と思わないため、マイカー候補とはならない傾向だが、改めてじっくり乗ってみると細部までしっかりと作り込まれた良いクルマだとしみじみ感じさせるものがあり、スバリストと呼ばれる熱烈な支持者を生む源泉は大いに感じられる。
正直なところ、昨年レンタカーで乗ったトヨタ「カローラツーリング」の方が個人的なインパクトは大きかった。価格差も結構あるから、同じ尺度で評価するのはフェアではないだろう。
近いうちに、気になっている新型「クロストレック」は是非乗っておきたいと思う。場合によっては次期マイカー候補に入るかもしれない。

Posted at 2023/05/20 11:09:09 | コメント(0) | トラックバック(0) | 試乗インプレッション | クルマ
2022年12月29日 イイね!

[試乗インプレッション]トヨタ「アクア」HYBRID "Z"(E-Four)仕事と乗り納め

[試乗インプレッション]トヨタ「アクア」HYBRID "Z"(E-Four)仕事と乗り納め早いもので2022年もまもなく終了。歳を取ると時間の経過が早くなるというが、もしかしたら、それは本当なのかもしれない。
仕事納めに加えレンタカーの乗り納めという事で、今回レポートするのはトヨタ「アクア」。レンタカーで「ヤリス」は頻繁に乗っているが、新型「アクア」が割り当てられたのは初めて。
以前のチャンネル制だったトヨタ販売網では「ヴィッツ」と「アクア」を作り分ける事に一定の意義は有ったと思うが、現在は全車種併売となり、同セグメントの「ヤリス」と「アクア」を店頭でどう売り分けるのか勝手に心配しているのだが、まぁ消費者目線で言えば選択肢は多いほうが良いのかも。
2021年7月にフルモデルチェンジを受け、2代目へと進化したトヨタ「アクア」だが、正直初代モデルのような大ヒット作とはなっていないようだ。
近年のトヨタ車の中でも際立って駄作だった先代「ヴィッツ」から「ヤリス」への変貌はあまりにも衝撃的だったのに対し、「アクア」のモデルチェンジはちょっとインパクトが薄かったのは否めない。
更に言えば、「ヤリス」は「ヤリスクロス」と「GRヤリス」が派生モデルとしてあるから、余計に「アクア」は日陰の存在になっているように思う。個人的に「アクア」はホンダ「フィット」の様に、もう少しユーティリティーを追求した方が「ヤリス」と差別化出来たような気がするのが惜しい。残念ながら「アクア」に3代目は無いかもしれないね。
今回テストした「アクア」はトップグレードの"Z"(E-Four)。更にトヨタチームメイト・アドバンストパークやブラインドスポットモニターに加え、合成皮革パッケージも装着され、謎のフルオプション仕様だった。ボディ色も癖の強い"ブラスゴールドメタリック"でリセールの悪そう(笑)な個体だ。
トヨタ公式ページで見積りシミュレーションをしてみると乗り出し価格はざっと300万円弱。なるほど...思っていたよりも高価格車両である。
結論から言ってしまえば、最近色々なトヨタ車をレンタカーで乗っている中で「アクア」の印象はイマイチだった。
日常のアシとして乗るなら「ヤリス」の方がスッキリとしていて好みだったし、「ヤリス」よりも少し上級な乗り味を「アクア」に求めるならば、断然「カローラ」を選んだほうがイイモノ感がある。(その上、あまり価格が変わらないという意味では「カローラ」がお買い得だと思う)
「アクア」の良いところは、「ヤリス」と比べて穏やかな乗り心地と、若干静粛性に優れるところ。そしてトヨタ自慢のバイポーラ型ニッケル水素電池を搭載したことで、EV走行可能な領域が若干拡大され、モーターのレスポンスも速くなったように感じるところ。
「ヤリス」は私のようなクルマ好きはともかく、一般的なユーザーにはもう少し穏やかな足回りのほうが良いのでは??と思っていたが、「アクア」に乗って意図的な作り分けがされているのだと確信した。まぁこれは好みの問題なのかもしれない。
「ヤリス」は静粛性が課題(特にロードノイズ)だが、「アクア」は少し改善された印象を受けた。とは言え、「静か」「静寂」なんていう言葉を使う気にはなれない程度。最近のトヨタ車は何故か静粛性がイマイチ。Youtube動画では新型「プリウス」の静粛性がかなり上がったとレポートされているから、次世代モデルに期待だろうか。
「アクア」のイマイチポイントは、まず乗り込んで直ぐに感じる大きく倒れ込んだAピラーの圧迫感と、フロントの見切りが悪くボンネットが全く見えないこと。更に、キックアップするボディのサイドデザインの影響で、斜め後方の視界が悪い。個人的には、この時点でマイカー候補としては脱落だ。
そして「アクア」の最も気になるポイントはインパネから生える「エレクトロシフトマチック」の操作性の悪さ。近年高齢ドライバーを中心に誤操作による事故が多発しているが、「エレクトロシフトマチック」もその要因になりそうな気がした。「ヤリス」は一般的なフロアシフトなだけに、トヨタ車で統一した操作性を考える時期だろう。足踏み式のパーキングブレーキもイマイチ。モデルの性格を考えるならば電動パーキングブレーキを採用すべきだった。
唯一「エレクトロシフトマチック」の恩恵として、トヨタチームメイト・アドバンストパークの自動車庫入れ機能は圧巻だった。スイッチを入れ駐車スペースを指定すれば、あとは全自動で前後移動も含め駐車が完了するのは驚いた。
個人的には、もう少しインテリアの質感にはこだわるべきだったと思う。インパネは目障りで無駄なラインが多くてスッキリしない。逆にドアトリムは無愛想なハードプラでガッカリ。
最後に雪道の走行インプレッションを。
今年の札幌は12月からまとまった積雪量があり、郊外路は圧雪路面となっていたが、E-Fourのお陰で雪道の走行は安定していた。毎度思うが、電動パワートレーンは雪道が得意だと思う。低出力なリヤモーターと馬鹿に出来ない能力を発揮しており、低ミュー路でも涼しげに発進していくのは流石。また「Power+」モードを選択すると「快感ペダル」と呼ぶ弱めのワンペダルドライブモードになるが、雪道で気を遣う減速も適切・適度に得られるため、ブレーキングで姿勢を崩すことが少ない。降雪地域の方はE-Fourを選んで損はないだろう。
ボディやステアリング周辺の剛性感は高く、常にどこかがブルブルしていた先代「アクア」とは隔世の感あり。ブレーキのフィーリングも違和感はない。
ハイブリッドのシステム最高出力は116PSで、取り立てて不足を感じることはない。但し、日産「ノート」のe-powerと比較すると、線の細さとノイズからヒト世代前の印象を受けてしまうのも事実だろう。
燃費を含めた効率は確実にトヨタ方式に軍配が上がるのだが、ドライバーの感じるフィーリングの部分(斬新・新鮮・パワフル・好レスポンス...は)ホンダ・日産の後塵を拝しているのがTHSIIの現在地だろう。
残念ながら、私の評価では中途半端な印象に留まった「アクア」だが、欧州風味の「ヤリス」より昔ながらのトヨタイズムを感じさせる「アクア」を好む方が居ることは何ら不思議ではない。やはり選択肢があることを喜ぶべきだろう。



↓ヤリス(2022年2月に試乗した個体)
Posted at 2022/12/29 00:09:09 | コメント(1) | トラックバック(0) | 試乗インプレッション | クルマ
2022年11月06日 イイね!

[試乗インプレッション]トヨタ「カローラツーリング」HYBRID W×B 本気撮影

[試乗インプレッション]トヨタ「カローラツーリング」HYBRID W×B 本気撮影2022年もいよいよ後半戦。今年の総括をするにはまだ早いが、2022年に色々と試乗車やレンタカーを乗った中で、今のところ一番印象に残っているのはトヨタ「カローラツーリング」。
長年当ブログを読んで頂いている方はお気づきだろうが、昨年あたりからトヨタ車のインプレッションが急増している。その要因として、トヨタ車がレンタカーとして割り当てられるようになったからだろうか。
以前は「マツダ車」をお目当てに、「タイムズカー」を利用していたのだが、大人の事情(笑)で「タイムズカー」が利用出来なくなった。
現在は「日産レンタカー」もしくは「トヨタレンタリース」。それに加え札幌近隣の移動には「トヨタシェア」をメインに利用している。
マイカーのトヨタ「ライズ」も、昨春にレンタカーで乗った印象が良く購入しているから、こういう出会い方もあるのだろう。「ライズ」のご縁でトヨタ販売店の試乗車に乗せて頂ける機会も増えた。元々トヨタは車種数が多いので、トヨタ車のインプレッションが増えるのは当然ということか。
さて。今回のトヨタ「カローラツーリング」は、今年の6月に一度レンタカーで乗っているが、事前の期待値に対して、乗った印象がかなり良かったので、再度じっくりと乗りたいと思っていた。
今回は「カローラツーリング」をピークを迎えている紅葉撮影に駆り出し、私的評価コースに加え、定番ドライブルートの支笏湖まで足を伸ばし、じっくりと評価検証をすることが出来たので書いておきたい。
本年10月にカローラシリーズは一部改良を受けており、外観やパワートレーンに変更が入っている。今回のテスト車両は改良前のモデルとなる。
改めて「カローラツーリング」と対面すると、やはり日本市場専用にナロー化した全幅1745mmのボディは絶妙なサイズ感だと思う。昨今のCセグは1800mmオーバーも珍しくない。最小回転半径も5.0~5.3mに留まるから、実用車としては申し分ない。反面、後席のレッグルームは少し狭いような印象が有るが、もはやこのクルマで後席を常に使う用途はあるまい。
個人的に、「カローラツーリング」のデサインは近年のトヨタデザインでも傑作だと思う。今でも街で見かけるとオッと目で追う位のインパクトと鮮度は保たれている。少なくとも、過去のカローラシリーズにこういう経験はない。
今回はテストドライブに加え、撮影にも時間をかけてみた。幾多のクルマがある中、写欲の沸かないクルマというのも結構あるものだが、「カローラツーリング」は良く考えられたデザインだと思う。撮影する方もつい真剣になってしまう。
「カローラツーリング」で走り出しても、「ヤリス」「アクア」とは明確に違う「イイモノ感」をしっかりと感じられるのは大したものだ。
特に落ち着きのある乗り味はBセグでは味わえないもの。贅沢を言えば、もう少しロードノイズを抑えられると更に満足度は高まりそう。先日の一部改良で対策が進んでいれば良いのだが。
今回のテスト車は4WD(E-Four)なので、後輪に低出力モーター(7.2ps)を搭載し、HVバッテリーはニッケル水素を積む仕様だから、正直グイグイと後輪が積極的に作動しているような実感はない。また、最新世代のトヨタHV車が採用するリチウムイオンもしくはバイポーラ型のバッテリー搭載車と比較すると、EV走行範囲が狭いのは否めない。
先日テストした新型「シエンタ」もニッケル水素バッテリーを搭載するせいで、EV走行範囲が狭く、常にガーガーとしたエンジンノイズが鬱陶しく印象が悪かったのに対し、「カローラツーリング」はエンジンが主体で、モーターは加勢する役割だとすんなり腹に落ちた。やはりエンジンの違い(3→4気筒)や根本的な静音・振動対策の違いだろうか。
嬉しいことに、今回の一部改良でハイブリッド車は、全ての電動モジュールを刷新した1.8Lハイブリッドシステムを採用。モーター性能の向上他、4WD(E-Four)のバッテリーもリチウムイオン化を果たしている。おそらく走りの印象も大きく向上したと推察している。是非乗ってみたい。
今回「カローラツーリング」で私的評価コースや支笏湖へ向かう峠道を走らせていて感じたこととして、まずドライブモードセレクトを「SPORT」にすると、ステアリング特性も変化し、少し重めのセッティングになるのが良かった。当然パワートレーンもモーターのレスポンスが向上するのに加え、エンジンが高回転域をキープして積極的に走ろうとするのは面白い。
また、ACA(Active Cornering Assist)やばね上制振制御が効いているのか、ワインディング走行のコーナリングでは綺麗にスパーンと曲がっていくのはちょっとした驚きのレベル。更に不快なピッチングが抑えられているから、「カローラ」の名称から連想する走りとはもはや別世界。これはもっと評価されても良いのではないかと思う。
一方で、パドルシフトやシフトレバーでのシーケンシャル操作が不可なのは惜しい。「B」レンジで多少強めの減速感は得られるが、物足りなさを感じた。また峠の下りでバッテリーの回生充電がMAXになると突然エンジンブレーキが「グワーン」と発生するのは驚いたが当然か。
個人的にマイカーは走りの楽しさを最重要視して選定しているため、未だHV車を選択したことはないのだが、そろそろ電動モーター付きのクルマを選ぶべき時期に来ていると感じている。その際は「カローラツーリング」も候補になりそう。
もしかしたら、今後はトヨタ車がマイカーになる頻度が高くなるかもしれませんね。数年前では全く考えられなかった事態ですが、それもまた面白いなと。商品が変われば評価も変わる。そういう柔軟性は持っていたいですね。




Posted at 2022/11/06 00:12:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | 試乗インプレッション | クルマ
2022年10月09日 イイね!

[試乗インプレッション]トヨタ「RAV4」"X"2.0Lガソリン(AWD/CVT) 現代のカムリ

[試乗インプレッション]トヨタ「RAV4」"X"2.0Lガソリン(AWD/CVT)  現代のカムリ先日短時間ながらレンタカーでトヨタ「RAV4」の2.0Lガソリンモデルに乗ったので書いておく。グレードはエントリーモデルの"X"(AWD/CVT)。
細かい仕様は判らない部分も有るが、ディスプレイオーディオが装着されていなかったので、恐らく2019年4月に登場した初期モデルだと思う。
※「RAV4」は2020年8月の一部改良でディスプレイオーディオが全車標準に。価格は当時291万円。最新モデルは316.9万円に値上がりしている。
写真からも分かる通り、それなりに使い込まれた個体で、お世辞にも新車同様とは言い難い状態だったが、ある程度距離を走った場合のコンディションを確認出来るのもレンタカーの面白いところ。毎度どんな車種が割り当てられるのか密かな楽しみである。
「勝手評価ルート」としているコースもトレース出来たため、トヨタ「RAV4」2.0Lガソリンモデルの傾向が見えてきたように思う。
「RAV4」は北米で今や「カムリ」を抑えトヨタの最量販車種であり大黒柱。その前提で「RAV4」を検証すると、なるほど確かに万人受けする嫌味のないフィーリングは完成度の高さの裏付けだろう。
先日マツダ「CX-5」の2.0Lガソリンモデル(20S Black Tone Edition)を試乗したばかり。この両車の違いも興味深い結果となった。
まず結論から書いてしまえば、私が好むのはマツダ「CX-5」。これは走り始めて数分で確信。その最大の要因はやはりCVTとロードノイズ。
今回乗った「RAV4」が経年劣化していることと、既にスタッドレスタイヤを履いていたことは割引いて評価しているつもりだが、それでも結論は変わらない。
もう少し細かく分析していくと、「RAV4」はSUVの王道と言うべきか、乗り心地は比較的マイルドで、ステアリング特性もそれに合わせてゆったりとした操舵感が心地良い。そんなキャラクターで統一された世界観。
エンジンも通常の踏み加減で走行している限りでは、CVTとの連携も功を奏し、可能な限り低い回転数でまったり走る傾向。正直、2.5Lだっけ??と思わせるくらいの演技力は有るから、この味付けは間違ってはいないと思う。
一方「勝手評価ルート」は比較的ワインディングロードが中心の内容だから、「RAV4」でトレースしても心躍るアウトプットは得られず、大柄なサイズや車重を意識する結果に。CVT特有のモワモワ~と走る曖昧なフィーリングは不快だし、同時にエンジンノイズが盛大に響くのも興醒め。やはり主戦場は高速道路を中心に淡々と長距離ドライブをするような用途には最適だろう。
※「RAV4」の一部グレードは「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を採用するから、印象も異なるかもしれない。
その点、やはりマツダ「CX-5」は「人馬一体」の血筋を隠せないようで、割と大柄なボディサイズであるものの、隅々まで神経が行き届いているような一体感は「RAV4」では得られないもの。特に「CX-5」は6ATを採用するから、違和感が無く、ドライバーの意思に忠実に走る印象が強い。更に言えば、「RAV4」で気になったロードノイズも「CX-5」は結構静かに感じた。
という訳で、私はマツダ「CX-5」が好きです。買うならコッチです。と結論を出すのは簡単だが、走っていてハタと気づいたことが有る。
最近のトヨタ車(TNGA以降)は全般的に硬質でスポーティーな味付けを志向するモデルが多いが、「RAV4」は最新のGA-Kプラットフォームを土台としながらも、トヨタが長らく紡いできたコンフォートな味付けをあえて施しているようにも感じる。
特に北米では「カムリ」に変わるトヨタの最量販モデルに成長しただけに、歴代「カムリ」を乗り継いだ人が違和感無く移行出来る味付けなのかもしれない。そう考えると結構スッキリした。これこそ現代の「カムリ」なんだなと。
※コレは褒めてます。私は以前から北米「カムリ」の大型だが高級ではない「普段遣い感」が好き。
いつものモアイ像前で写真を数枚撮ったが、やはり私の好みから言えば「CX-5」の様にもう少しスッキリ出来ないかな....と思うが、一般的には「RAV4」の方が分かりやすいスタイリングだろう。(丁寧に手洗い洗車してニヤニヤする類ではなく、洗車機に放り込んでもOKみたいなタフ感はあるよね)
案外、広大な北海道の直線道路でちょっと雑音混じりなラジオでも聞きながら延々とドライブするには「RAV4」がハマり役なのかもしれない。今度機会があれば、地方出張の際に再度「RAV4」のレンタカーを借りて検証してみたいと思う。

Posted at 2022/10/09 23:53:47 | コメント(1) | トラックバック(0) | 試乗インプレッション | クルマ
2022年10月02日 イイね!

[試乗インプレッション]トヨタ「シエンタ」HYBRID Z 7人乗り(E-Four)1420kgは重い..

[試乗インプレッション]トヨタ「シエンタ」HYBRID Z 7人乗り(E-Four)1420kgは重い..話題の新型モデル。トヨタ「シエンタ」にじっくりと乗ることが出来た。まだ街中で見かけることも稀なモデルなだけに、貴重な経験をさせて頂きました。
グレードは7人乗りのトップグレード"HYBRID Z 7人乗り(E-Four)"で価格は312.8万円(北海道地区)。メーカーOPが複数装着されていたので、少なくとも乗り出し価格は350万円を超えるなかなかの高額モデル。
新型のトヨタ「シエンタ」は3代目モデル。初代は2003年に登場し、2010年に一度生産終了したが、2011年に復帰を果たす珍事を経て2015年に2代目へスイッチ。
初代は人畜無害・プレーンなデザインだったが、2代目は一転して歌舞伎顔(?)スニーカー風(?)のクドい系のデザインに。ジャパンタクシー(JPN TAXI)が2代目「シエンタ」をベースに開発された事は有名なエピソード。
3代目となる新型「シエンタ」はまたもやキャラクターを変え、どことなく初代「シエンタ」や懐かしい「ファンカーゴ」を思い出させる道具感を強調したデザインを採用。一部からはフィアット「パンダ」とかルノー「カングー」に似ていると話題になったが、実車を見るとそんな声も無くなるのではないか。
個人的にも、初代/2代目「シエンタ」は興味が無かったが、3代目のデザインは結構好き。このジャンルでデザインが好きって結構珍しいので大いに注目しています。更に、モデルチェンジを機にTNGA-B プラットフォームを手に入れたことで、走りの性能も上がったと期待。
新型「シエンタ」の諸元は全長4260mm全幅1695mm全高1715mm(E-Four)でホイルベースは2750mm。車重は1420kg。
ハイブリッドのパワートレーンは3気筒1.5Lのガソリンエンジン(91ps/5500rpm・12.2kg-m/3800-4800rpm)と前モーター80ps/14.4kg-m・後モーター3.0ps/4.5kg-mを組み合わせる。
バッテリーは、従来型のニッケル水素。アクアで採用されたバイポーラ型ではない。ヤリスはリチウムイオンを採用するから、各モデル毎にバッテリーを変えられるのもトヨタの器用なところか。但し、後述するが、結構走りの印象も異なるようだ。
私はミニバンタイプの乗用車とは最も無縁なカーライフを送っているから、新型「シエンタ」がミニバンとしてどうなのか...は評価しない。ただ、テスト車を触って見た限り、3列目シートは緊急・短時間の用途に限定されるだろう。
そういう意味で、荷室をフラットかつ広々と使える2列シート車(5人乗り)の方が新型「シエンタ」のキャラクターともマッチするような気もするが、やはり折角なら「イザとなれば3列目が使える」方が好まれるらしい。
TNGA-B プラットフォームを共用する「ヤリス/ヤリスクロス」・「アクア」は内装の質感に不満を感じていたが、新型「シエンタ」は随所にファブリックが貼られ、造形にも気を配られるから特に不満は感じない。本来は「ヤリス」・「アクア」もこのレベル位までは頑張って欲しいところ。
テスト車で市街地を走り出して、直ぐに「ん??」と困惑。正直に言えば、クルマが重く非力に感じる。
物理的な車重(E-Four)でも「ヤリス」1180kg。「ヤリスクロス」1270kgに対し、新型「シエンタ」は1420kg。「ヤリス」より240kgも重ければ、相応に非力になるのも明白。
更に、バッテリーを従来型のニッケル水素とした結果なのか、明らかにモーターのレスポンスが悪くなっている。「ヤリス」はゼロ発進から40km/h位までの領域では積極的にEV走行が可能。レスポンスも良くなかなか爽快だった。「ヤリスクロス」になると若干重さは感じるものの、レスポンスは悪くなかった。
新型「シエンタ」は「EV」ボタンを押してゼロスタートしても、直ぐに「アクセルを踏みすぎ」のメッセージが出てEVモードが解除され、エンジンが始動してしまう。事実上、EVモードで市街地走行は困難。(あまりにも非力で遅いので周囲の流れに乗れない)せいぜい、パーキングスピード領域のみと感じた。
結局のところ、エンジン走行が主力で、モーターは裏方としてアシストに徹するタイプの乗り味になるから、新鮮味はなかった。
「エレクトロフトマチック」も直感的に操作し辛いので好みではない。シフトレバーはコンベンショナルなゲート式で良いのではないだろうか。
山道などパワーが必要となるシーンでは、遠慮なくアクセルをガバッと踏み込めばエンジンが頑張ってパワーを絞り出すから実質的な問題はないが、それなりのノイズと振動も感じるから、総じて350万円に達する領域の乗用車として褒められたものではない。
恐らく、そう遠くない将来ホンダ「フリード」がフルモデルチェンジを実施すれば、「フィット」や「ヴェゼル」同様の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」を採用するだろう。そうなると「シエンタ」は色褪せるだろうな...。
新型「シエンタ」の良いところも書いておく。
やはりTNGA-B プラットフォームを手に入れたことで、ボディの剛性感はガッチリと安心感があり、ナローかつ背高ボディの「シエンタ」でも軽快にコーナーに入っていけるのは最新世代ならでは。タイヤサイズは全車で乗り心地重視の185/65R15を履く。見た目重視の大径タイヤを用意しないことも良識。正直、山道を攻め立てるクルマではないから、このセッティングで正解だと思うが、個人的な嗜好に照らせばもう少しキレのあるコーナーリングを期待したくなるシーンもあった。マイカーのトヨタ「ライズ」と比較し、同じコーナーだと10km/h位は速度を落としたくなるようなキャラクターだと思う。
とはいえ、以前2代目「シエンタ」をレンタカーで乗った際は、あまりにも退屈で眠い走りに辟易した記憶が有るから、その差は歴然。少なくとも乗っていて嫌になるようなことはない。
特にステアリング周辺の剛性感と、ステアリングを回したときの精緻なフィーリングはTNGA-B プラットフォームの美点だ。
「ヤリス」ではロードノイズ対策が貧弱で終始ゴーゴーと響くことに閉口したが、「シエンタ」はかなりの改善を感じた。「静寂」と書くにはまだ抵抗があるが、Bセグメントとしてこれくらいは実現してほしいところ。
私が勝手に評価コースと設定しているルートを走らせた結果も踏まえ、新型「シエンタ」を総括すると、車重に対してパワートレーンが非力で物足りない。このクルマの場合もっと高出力なモーターと、高レスポンスなバッテリーが必要になるだろう。そうでなければ、350万円に達する価格は許容できない。
数ヶ月前にテストしたトヨタ「カローラツーリング」HYBRID W×B (E-Four)が同一コースでかなり好印象だったのとは対照的だった。
「カローラ ツーリング」のトップグレード「HYBRID W×B(E-Four)」を見積しても350万円には達しないから、私が買うならコッチかな。
新型「シエンタ」の2列シート車を買って、車中泊しながら北海道一周の旅に出ようか...なんて妄想をしていたが、ソレの相棒はこのクルマではない(笑)事が判ったのは収穫だった。



↓初代「シエンタ」

↓2代目「シエンタ」
Posted at 2022/10/02 21:22:32 | コメント(1) | トラックバック(0) | 試乗インプレッション | クルマ

プロフィール

「@(ご) 下取価格って愛車の通信簿みたいなものなので、低い評価をされると買い換える気が失せますね。更に言えば自社銘柄の価格提示としては低過ぎて残念です。私もヤフオク売却経験有ります(^o^)。」
何シテル?   06/21 23:22
クルマとカメラが大好きで布袋寅泰の音楽を愛聴するヤツです。 随分と長いこと転勤で各地を転戦しましたが、ようやく地元北海道に戻ってきました。 マイカーはマツダ...
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