![[フルモデルチェンジ]ホンダ・ステップワゴン [フルモデルチェンジ]ホンダ・ステップワゴン](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/015/300/472/15300472/p1m.jpg?ct=f3ab21922abb)
ホンダは「ステップワゴン」をフルモデルチェンジした。4代目となる新型「ステップワゴン」は、「みんなの楽」=“皆楽”をキーワードに、ホンダお得意の低床・低重心パッケージをベースとし、家族みんなが楽しく、楽に移動できるクルマを目指して開発した。見ての通り、初代/2代目を彷彿とするボックスフォルムに回帰。今となっては「日産セレナに似ているね」と言われてしまいそうだが、本来はステップワゴンの方がカクカクだった。先代の開発時にホンダは「低床・低重心パッケージ」をベースにライバルと同等の室内容量が確保出来るのならば、全高は低い方が走りも安定して喜ばれると考えたのだろうが、実際の消費者はより広く見える背高のカクカクした日産セレナを支持した。もちろん、基本的にホンダの考えは正しいと思うが必ずしも正義が勝たないのが日本の自動車市場。3代目ステップワゴンは失敗作と言うほど売れなかったわけではないが、ライバルの日産セレナには完敗した。そのリベンジに燃える意気込みが4代目からはビンビンに感じられる。
先代から全長を50mm・全高を45mm拡大することで、室内高1,395mmとクラス最大のゆとりある室内空間を実現。数値以上に、見た目のボリューム感はもはやマイクロバス。もちろん、これは初代/2代目のステップワゴンの特徴でもあったわけで、原点回帰は成功したと言えるだろう。個人的にはオデッセイやストリームのような目をつり上げた"バカ面"じゃないのもイイ。いまでも2代目ステップワゴンはほのぼのしていて悪くないと思う。
新型の最大の特徴は「3列目床下格納シート」を採用したことだろう。利用頻度が低い3列目が床下に格納しておけるのは荷室が広く使える。ライバルは左右跳ね上げが多いから、これはセールスポイントになりそう。先代で話題になったフローリングフロアも引き続き設定有り。
パワートレーンは2.4Lを廃止し、2.0L i-VTECエンジンに一本化。バルブタイミング制御と同時に、DBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)によってスロットルバルブを最適に制御する可変吸気量制御により、吸気抵抗によるポンピングロスを大幅に低減し、燃費性能を向上。更に、トルクコンバーター付CVTを2WDに採用。燃費はクラストップの14.2km/Lを達成(2WD)。これは「平成22年度燃費基準+25%」に該当するので取得税と重量税が75%軽減される。
一見して、新型ステップワゴンのモデルチェンジは手堅く、消費者のニーズにも合致していてヒットの予感がする。スタイリングも先代よりも広く受け入れられるだろう。ただ、一点だけ難点を指摘するとすれば安全装備については全然ダメだ。過去に何度も指摘しているが、このタイプのミニバンは子供のいるファミリー層が好んで買う。予算的にも色々と制約がある中で、カーナビや電動スライドドアといった高額オプション品に目を奪われてしまい、使うかどうか判らない安全装備をメーカーOPで注文することは難しい。残念ながら日本人の意識なんてそんなものだ。VSA(横滑り防止装置)やSRSサイド+カーテンエアバッグはトップグレードの"Li(320.8万円)"しか標準にならない。それ以外はメーカーOP設定なのだが、調べて行くと「VSA(横滑り防止装置)」と「SRSサイド+カーテンエアバッグ」は両方同時にオーダーが出来ない。トップグレードの"Li"が両方装着されているので技術的要因で排他設定になっている訳ではないだろうから、理解に苦しむ。2009年に登場した最新型としてはあまりにもお粗末。事故に遭遇し、薄れゆく意識の中で後悔しても遅い。ユーザーの意識が変わらないならば、変わるのはメーカーが先だと思うのだが.....。
Posted at 2009/10/11 17:04:43 | |
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