![[とうとう生産中止決定]日産・シーマ / プレジデント [とうとう生産中止決定]日産・シーマ / プレジデント](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/018/296/974/18296974/p1m.jpg?ct=e366f3976719)
とうとう日産は「シーマ」と「プレジデント」を生産中止にするようだ。バブル期を象徴するフレーズとして「シーマ現象」なんて言葉も生まれた様に「シーマ」は一時期の日本を代表する高級車だったと言えるだろう。
初代のシーマは1988年(昭和63年)発売。このクルマが売れていた頃、私はまだ中学生だったがリヤをグッと沈めて加速していく姿に憧れていた記憶がある。同級生のウチがグリーンのシーマに乗っていたっけ。ステアリングにスイッチが沢山有って訳も判らずスゲ~と驚いた。フジミのプラモデルを作った(笑)記憶もある。でも、私にとってはセド/グロ(Y31)のグランツーリスモの方がお気に入りだったけどね。
そんな初代の輝きに比べると、2代目以降のシーマは決して悪いクルマではなかったが、再びヒットモデルへ返り咲く事は無かった。微妙に英国調だった2代目(1991)。特徴が無く退屈な3代目(1996)。どちらもインフィニティQ45(1989年11月~1997)に遠慮したのか、V8-4.1Lと言う中途半端な排気量も疑問だった。そして、2001年1月に発売された4代目シーマ。確かに渾身のモデルチェンジだったと思う。ようやくエンジンはV8-4.5Lになった。ヘッドライトは特徴的な「バルカンヘッドランプ」を採用。北米では3代目インフィニティQ45として華々しくデビューしたのだが、日本ではセルシオや輸入車に奪われたシェアを取り戻す事は出来なかった。北米では日本よりも早く2006年には販売を中止している。
「プレジデント」についてはトヨタ・センチュリーと双璧をなす「ショーファードリブン」として長い歴史をもつが、本物の「プレジデント」と呼べたのは初代だけ。2代目は「インフィニティQ45」。3代目は「シーマ」のお化粧直しをしただけ。ベースモデルの面影が随所に感じられるプレジデントに対し、センチュリーは全てが専用に造られ、国産唯一のV12エンジンを搭載。デザインもフルモデルチェンジを経て殆ど変わっていない。トヨタ嫌いの私でもセンチュリーの存在感は認めざるを得ない。プレジデントのモデル廃止も止む無しだろう。センチュリーやプレジデントの様な車種を持ち続けるのは利益よりも、メーカーとしてのステータスだろう。もはや日産にはそれを維持し続けるだけの体力もモチベーションも失われている。
「シーマ」「プレジデント」の後継車種は用意されておらず、「フーガ」が日産のトップモデルとなる。既に北米市場でも「インフィニティM(フーガ)」がトップモデルである。今後日産に資金的・精神的な余裕が出来た時には、レクサスLSやメルセデスベンツ・Sクラスに対抗するトップモデルを開発して貰いたい。インフィニティブランドには必要な車種なんじゃないかな。
最終モデルとなってしまった4代目シーマだが、スタイリングは結構好きだった。トヨタ車のように保守の王道には意地でも行かないぞ...という日産のこだわりがビンビン。現在日産の認定中古車でシーマは結構美味しい価格帯になってるんですが、現実的に「マイカー」として迎えたいとは残念ながら思いません。全長5120mmにも達する巨大なボディや4.5Lなんて無駄なエンジンには全く興味ナシ。
今はクルマに求められる価値観やこれまで通用していたステータスが無意味になって行く御時世。大きなボディに大排気量のエンジン。本革と木目パネルで埋め尽くされたセダンが高級車として有り難がられた時代は終わったのかもしれない。最近は価格が安く、燃費の良いコンパクトカーと一般的なサラリーマンには到底手の届かない超高額車の二極化が進んでいる。一般的なユーザーにとってクルマが憧れの存在では無くなって来た以上、中途半端な高級車には需要が無いのかもしれないね。「シーマ」「プレジデント」のモデル廃止を聞いて、改めてクルマを取り囲む時代の空気が変わっていることを感じずにはいられない。

Posted at 2010/05/30 11:46:17 | |
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