![[フルモデルチェンジ]日産・エルグランド [フルモデルチェンジ]日産・エルグランド](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/019/311/211/19311211/p1m.jpg?ct=fed2c1766c12)
日産は「エルグランド」をフルモデルチェンジした。「エルグランド」は御存知の通り、日産の最上級ミニバンとして1997年に発売。発売当初はかなり売れたクルマだったが、真似好きのトヨタに目をつけられてしまったのが運の尽き。2002年にエスティマのFFプラットホームをベースとした「アルファード」が発売されてからはエルグランドのセールスはすっかり萎んでしまった。敗因としては、2002年に「アルファード」とほぼ同時に発売された2代目モデルもFRベースのプラットホームにこだわってしまった事と、日産らしいミスだが、価格の高い3.5Lグレードを売りたいが故に、ユーザーの求めている2.5Lの投入を意図的に遅らせた事が不評を買った。当初から2.4Lを用意していた「アルファード」とは大いに対照的だった。(エルグランドの2.5L追加は2004年12月まで待たされる事となり、アルファードの優位が既に確定していた)
トヨタがアルファードを早々と2008年5月にフルモデルチェンジを実施。「アルファード」に加えてよりフェイスを怖くした「ヴェルファイア」を追加するなど、盤石な体制を構築していく中、日産は2年以上も遅れてエルグランドのモデルチェンジとなった。まぁ正直言って、全てにおいて遅すぎる。日産は新型エルグランドを「キング・オブ・ミニバン」と呼び、エルグランドを王者に復活させたいと言うが、それは限りなく不可能である事は間違いない。スタートから厳しい事を書いてしまったが、エルグランドは日産の抱えている問題点がモロに影響してきたクルマと言えるだろう。
さて、新型をもう少し詳しく見ていくと最大のポイントは遅まきながらもFFベースのプラットホームへ移行した事だろう。エンジンは3.5L V6の「VQ35DE」と2.5L 直4の「QR25DE」エンジンを搭載。ミッションはFF/4WDも含め全車にエクストロニックCVT-M6を搭載する。グレード構成は単純に2.5Lのベースモデルに「250XG」があり、それ以外はすべて「350/250Highway STAR」となる。目標となる販売台数も1,900台/月と全盛期のエルグランドを思い出せば寂しい限り。「アルファード」と「ヴェルファイア」の月販目標はそれぞれ3000台ずつの計6000台である。
エルグランドのボディサイズ(250Highway STARの数値)は全長4915mm全幅1860mm全高1815mmホイルベース3000mmで車重は1920kg。先代(250Highway STARの数値)のが全長48355mm全幅1815mm全高1910mmホイルベース2950mmで車重は2020kgだった事を考えると、FF化によって全高が95mmも低くなった事に注目すべきだろう。車重も100kg軽くなっているが、先代はV6の2.5Lだった事を考慮する必要がある。個人的にはいい加減古臭い上に、あまり印象の良くない「QR25DE」エンジンを刷新出来ない日産にはガッカリしている。
今や、セドリック/クラウンの代わりに「エルグランド」や「アルファード」が憧れの高級車として君臨する時代。メーカーにとっても、ソコソコの出来栄えの安価なパワートレーンを使って高いお金を支払って貰えるこのセグメントは美味しいマーケットなんだろう。エルグランドは技術の日産の維持(?)でフロント:ストラット式/リヤ:マルチリンク式の4輪独立サスを奢った事は評価したい。トヨタの「アルファード」はフロント:ストラット式/リヤ:トーションビーム式に留まる。
スタイリングについては好みがあるのでなんとも評価出来ないが、フロントマスクの「取って着けた感」がどうにも違和感がある。本来ならもう少しAピラーを立てた方が似合っていると思うがどうだろうか。新型エルグランドは、まもなく北米でフルモデルチェンジされる「
クエスト」の顔違いモデルとなった。エルグランドのフルモデルチェンジと言うよりは「クエスト」の日本仕様だと思えば理解が早いだろう。

Posted at 2010/08/17 14:32:44 | |
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