![[21年ぶりの全面刷新]スバル、主力の水平対向エンジンを新型へ移行。 [21年ぶりの全面刷新]スバル、主力の水平対向エンジンを新型へ移行。](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/019/763/593/19763593/p1m.jpg?ct=4f45ee962cb1)
富士重工業は21年振りにボクサーエンジンをフルモデルチェンジし、「新世代ボクサーエンジン」へ移行する事を発表した。市販モデルへの搭載は「フォレスター」のMCを皮切りに順次切り替えを進めていく予定だと言う。「新世代ボクサーエンジン」は4気筒の2.5L / 2.0Lの2 種類を用意する。スバルファンならずとも、スバルの象徴とも言うべき水平対向エンジンが新世代へ切り替わると言うニュースは高い関心と期待が寄せられる事だろう。その「新世代ボクサーエンジン」の特徴は下記の通り。
①エンジンの「ボア×ストローク」を見直し、これまで車体への搭載要件から困難とされてきたロングストローク化や燃焼室のコンパクト化を実現。これにより高い燃焼効率を得ることが可能となり、低燃費と実用性に優れた豊かな低中速トルクを実現した。新エンジンのボア×ストロークは「84㎜×90㎜」。従来型(EJ20)は「92㎜×75㎜」だった。
②吸気ポート形状最適化やポート内への隔壁設定、TGV(タンブル・ジェネレーテッド・バルブ)の採用、EGR(エキゾースト・ガス・リサーキュレーション)クーラーの採用等により高い燃費性能を実現。
③吸・排気バルブともにAVCS(アクティブ・バルブ・コントロール・システム)を採用。特に吸気側にバルブタイミングの進・遅角両制御を可能とする中間ロック式とし、吸・排気バルブのタイミングを緻密にコントロール、出力・燃費・排ガスといったエンジン性能を最大限引き出した。
④ピストンやコンロッドをはじめとした主運動系部品の軽量化や高効率な小型オイルポンプの採用等により、フリクションロスを約30%低減。燃費性能と回転レスポンスを高めた。
⑤エンジン冷却回路をブロック側、ヘッド側に分離させ冷却効果を最適化することで、燃費性能、出
力特性を高めた。
軽量・コンパクト・低重心・優れた振動バランスやシンメトリカル・レイアウトによるAWDシステムとの親和性など良い事尽くめの「水平対向エンジン」だが、デメリットとしてはエンジンのロングストローク化が難しい(車幅に物理的な限界・制約が出る)為、低中速トルクが薄くなる事が指摘されて来た。私自身も若い頃に
インプレッサのWRX STiを所有した経験が有るが、ターボが有効ではない極低速域でトルクがあまりにも細く、傾斜地に車庫入れするような時に難儀した記憶がある。最近スバルに限らず全般的に車幅が拡がって来た事もあって、ロングストローク化に踏み切れたのか。しかし「フォレスター」等の既存車種にも新エンジンが搭載されると言う事は、従来型エンジンとさほど変わらない全幅でロングストロークの新エンジンが開発されたのだろうか。興味は尽きない。
スバルファンにとってはターボ付きの存在も気になるところだろうが、それに関するアナウンスは無い。従来比約10%の燃費向上を実現したとの事だが、時代はダウンサイジング化や直噴化など進歩が目覚しい。正直、「新世代ボクサーエンジン」は期待していたよりも退屈な内容であった事は否めない。今後はこれをベースに直噴化などの改良が続けられていくのだろう。
予断では有るが、私が一番憧れたスバル車は「アルシオーネSVX」。雪国に住む人間にとって「オールラウンダーなスタイリッシュクーペ」っていうのはツボだった。エンジンは専用のEG33型 3.3L 水平対向6気筒エンジン。確か、レガシィの4気筒・2.2L(EJ22)をベースに2気筒追加したエンジンだから3.3L(1気筒あたり550cc)と言う不思議な排気量になったはず。今でも若い頃に縁が無く、マイカーに出来なかった事を悔やんでいる1台である。
スバルの「水平対向」エンジンとマツダの「ロータリー」エンジンは多くの熱狂的なファンを生んで来た文字通り「原動力」なだけに、コストや生産性など様々なハンデがあるのは間違い無いが、今後とも改良と進化を続けて頂きたい。

Posted at 2010/09/23 21:34:18 | |
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