![[9年目のいぶし銀]トヨタ・プロボックス/サクシード [9年目のいぶし銀]トヨタ・プロボックス/サクシード](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/020/992/902/20992902/p1m.jpg?ct=44cd092f805a)
新年一発目となる記事は「トヨタ・プロボックス/サクシード」にスポットライトを当てたいと思う。
昨年末に「
ラクティス」「
ヴィッツ」が相次いでモデルチェンジを実施。不景気や円高の影響を受けたんだろうが、正直言って、トヨタの嫌らしい体質がモロに現れている。思い出せば、バブル崩壊後に発表したトヨタのクルマにも似た様な現象を感じた記憶がある。94年のカムリや95年のカローラ(写真一番下)なんかモロに影響を受けていたと思う。トヨタ側の都合によるコストダウンをユーザーに平気で押し付けてくるのはトヨタの一番嫌いな部分だ。残念ながらトヨタは90年代の失敗をまた繰り返そうとしているのだろうか...。
私が現行トヨタ・ラインナップの中で一番良いクルマだと思うのが「プロボックス/サクシード」。ハイエースと並んで傑作だと思う。「カローラ・バン」「カルディナ・バン」の後継であるから、基本的にビジネスカーである事に特化したクルマ。沢山の荷物を満載して長距離を走る事まで想定されているから、低価格なのに走りはトヨタ車の中で異例にビシッとしている。高速道路を走っていると矢の様に追い越し車線を爆走する「プロボックス/サクシード」を見た事があるだろう。静粛性はイマイチだし、内外装の質感は最低限のレベルだが、走りについては骨太なクルマ。小細工が無い分、運転の楽しさが濃厚に感じられるのだろう。
プロボックスのサイズは全長4195mm全幅1695mm全高1510mmホイルベース2550mmで車両重量は1030kg(ワゴン"F"の2WD/5MT車)。エンジンは主力が1.5L(1NZ-FE)で109ps/6000rpm 14.4kg-m/4200rpmを発揮する。かなり車重が軽いから、軽快な走りが楽しめる。更に、贅沢にもスタビライザー(フロント・リヤ)が全車に標準装着。快適装備はシンプルだが、走りの部分には案外「スポーティ」な素質を持っている事が判る。ATは4速だが、最近では珍しい5MT車を豊富に用意する(サクシードのワゴンは4ATのみ)から面白い。「軽量・安価・頑丈でMTが楽しめるクルマ」。実はビジネスカーに留めて置くのは勿体無いクルマだと思う。
一般ユーザーが使うには貨物車登録の4ナンバー車は税金が安いメリットがあるものの、車検が初回を除き、毎年になるなどデメリットもあるから、5ナンバー登録の「ワゴン」が無難だろう。(先述したとおりサクシードはワゴンの場合4ATのみとなるのがネック)トヨタも判っている様で「ワゴン」には乗用需要を見越した特別仕様車が用意されている。プロボックスなら「
F"エクストラパッケージ・リミテッド"」。サクシードなら「
TX“G package・limited”」である。各種モール類をボディ同色とする他、アルミホイールや専用のシート表皮を採用する事で乗用車寄りの演出を施したグレード。もちろん、その積載性などはベースモデルと共通だから、プロ仕様のクルマを一般ユースで使うには一番馴染みやすいモデルだろう。(私は黒の素地バンパーでも気にならないが...。)
昨年の6月に実施した一部改良でエンジンの燃費性能向上のほか、外板色に特別色として「マルーンブラウンマイカ」を追加するなど細々とアップデートされているのも見逃せない。(マルーンブラウンのプロボックスはまだ見た事が無いですね..)価格はプロボックスのF"エクストラパッケージ・リミテッド"が142.6万円(2WD/5MT)~171.5万円(4WD/4AT)。サクシードのTX“G package・limited”が163.3万円(2WD/4AT)~184.3万円(4WD/4AT)となっている。
「プロボックス/サクシード」は2002年7月に発売されたクルマだから、既に登場から8.5年が経過したロングセラーモデル。この先も、まだまだ現役続行だろう。このクルマは新車で買うよりもトヨタの純正中古を割安に買うのが一番美味しい買い物だと思う。年式・程度・予算によって色々と選択肢がある。残念ながら、横滑り防止装置やSRSサイド+カーテンエアバッグはそもそも設定が無い。まぁ商用車ベースと言う性格と設計年次を考えれば止むを得ないだろう。2003年に実施された
JNCAPの衝突安全性能試験では運転席・助手席共に☆☆☆☆☆☆(6つ星)を獲得しているのは凄い。これも専用設計の恩恵と理解すべきだろうか。
近いうちに、プロボックスのレンタカーでも借りてきてじっくり走りこんでみようかな。置き場所さえあれば、安い中古車を買って下駄代わりに使いたいクルマなんですよね。
「いぶし銀」の意味について辞書を開いてみると、【燻し銀】「見た目の華やかさはないが実力や魅力があるもの」だそうで。正にプロボックス/サクシードに最適な表現かと。

↓1995年の8代目カローラ。行き過ぎたコストダウンによって顧客離れが発生。毎年の様にマイナーチェンジを実施し、品質向上を実施する事となった。

Posted at 2011/01/03 22:12:53 | |
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