![[フルモデルチェンジ]トヨタ・ポルテ 悪顔の兄弟「スペイド」も登場。 [フルモデルチェンジ]トヨタ・ポルテ 悪顔の兄弟「スペイド」も登場。](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/027/230/643/27230643/p1m.jpg?ct=e85f0c3fcd86)
トヨタは「ポルテ」をフルモデルチェンジした。同時に「悪顔」の兄弟車として「スペイド」を設定した。「ポルテ」はトヨタ店とトヨペット店。「スペイド」はカローラ店とネッツ店で販売する。まぁ多少顔は違えど、ポルテは全店舗で売る主力商品へ成長した事になる。思い出せば、初代「ポルテ」は2004年7月のデビューだったから、8年もの長寿モデルだった訳だが、発売当初は数あるヴィッツ兄弟の「変り種」と言う雰囲気であり、あまり大きな期待を背負ったモデルではなかった。逆に「ユニバーサルデザイン」を標榜し、トヨタの良心をアピールした「ラウム」は既に生産中止となった。事実上「スペイド」は「ラウム」の後継車でもある。
新型「ポルテ」と「スペイド」は、「ラウム」のエッセンスは薄く、やはり大半は初代「ポルテ」のブラッシュアップ版というイメージ。コンパクトなボディに助手席側の大型電動スライドドアを特長とする。スズキの「ソリオ」が一番しっくり来るライバルであろう。トヨタではこの市場を「プチバン」と呼ぶそうだ。
個人的に「ポルテ」は嫌いなトヨタの中では好きな車種であり、「プロボックス/サクシード」「ハイエース」「ラウム」「ポルテ」はトヨタしか作れない傑作と思っている。そういう意味で、今回のフルモデルチェンジはかなり期待していた。「スペイド」は想定外だったが....。正直、「スペイド」の様な小手先の作り分けはイマイチと思う。どうらなら、「ポルテ・カスタム」と名乗ったほうが潔かったのではないか。まぁそういう部分もトヨタらしいとも言える訳で。ポルテの様な「走らないクルマ」を作らせたら、トヨタは一流だと思う。嫌味でもあるが、全てのユーザーが走りを求めている訳でもない。世界には「走る」クルマのエキスパートは数あるが、「走らないクルマ」が得意なメーカーは少ない。今後の高齢化社会において、「ポルテ」の様なクルマは重宝されるだろう。老人介護施設の送迎車に初代「ポルテ」を使っている例を良く目にするから、既に世の中は動き出しているのかもしれない。「ガラパゴス化」した日本車の最たる例かもしれないが、今後世界を席巻するジャンルに育つかもしれないと私は思う。
さて。新型「ポルテ」を見ていくと、ヒット車のモデルチェンジにありがちな悩みを感じる。初代があまりにも完成されていたため、フルモデルチェンジで「何を変えるべきなのか」見失っているのではないだろうか。確かに、初代のネガは潰したのだろうが、8年もかかった割に平凡なモデルチェンジに留まった印象は拭えない。むしろスタイリングは後退した印象である。初代「ポルテ」のスタイリングは登場から8年が経過した今日でも格別な古さは感じないが、新型のスタイリングに8年もの間、新鮮味を保つのは難しいのではないだろうか。
エンジンも1.3L/1.5Lの二種類を用意するが、1.3Lは一部の廉価グレートに限定し、大半は1.5L。1.5Lはアイドリングストップ機能がメーカーOP化される。装着すれば減税が50%→75%へ昇格するからオプション代は減税で相殺との説明をしているが、減税分がトヨタの取り分では意味がない。もはや、全グレードに標準でも良いはずだ。不必要な人はキャンセルスイッチを押せばよいのだから。更に、カローラでは全車標準にした「SRSサイド+カーテンエアバック」を「ポルテ」ではメーカーOPにしたのも見過ごせない瑕疵だ。「ポルテ」の様なファミリーカーこそ、全車に標準装備すべきだ。予算が限られるファミリー層が「使うかどうか判らない」SRSサイド+カーテンエアバックに追加コストを払うとは思えない。相変わらず、トヨタの薄汚い商売は続いている。トヨタの社長は低価格なコンパクトカーには興味がないようだが、こういうところに気を配らず「良いクルマ作り」などと軽々しく発言すべきではない。
正直、大量かつ低価格に選べる初代「ポルテ」の中古車ではなく、新車でこのクルマを買う価値を感じない。トヨタの中では好きなモデルだっただけに残念なモデルチェンジだった。

↓初代「ポルテ」デザインの完成度は圧倒的に初代だと思うが。

Posted at 2012/07/26 00:04:19 | |
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