![[試乗インプレッション]スズキ・ワゴンR スティングレー X (FF/CVT) [試乗インプレッション]スズキ・ワゴンR スティングレー X (FF/CVT)](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/027/830/869/27830869/p1m.jpg?ct=ef71722b5eb0)
話題のニューモデル「スズキ・ワゴンR」に約20分程度の短時間だが、試乗することが出来た。グレードは「スティングレー」の「X」でFFのモデルであった(NA/CVT)。価格は133.3万円である。
先代のワゴンRはベルトラインをボディ後半へ行くに従って高くしていた事で、スポーティなイメージを表現していたのだと思うが、個人的には「つんのめっている」様に見えて落ち着かなかった。更に「スティングレー」はどうにもチグハグと言うか、取って付けた様なフェイスが目に馴染まなかった。そういう意味で、新型「ワゴンR」はチグハグなイメージもすっかり消え、とてもバランスが良くなったと思う。逆に、先代のスタイリングが好きだと言う方には「保守的になった」と見えるのかもしれない。
生憎の雨模様であり、混雑する夕方の時間帯に試乗をしたのであまり断定的な事は言えないが、総じて好印象であった。軽量化された事で、NAエンジンであっても加速に不満は無く、CVTの嫌なズルズル感もかなり影を潜めた。副変速機構付きCVTも熟成が進んでいるのだろう。軽量化によって、ボディ剛性(感)が失われたのではないかと心配していたが、その心配も無用。一昔前の軽自動車とは比較にならない程ガッチリしたフィーリングは大したものだ。静粛性も高く、エンジンやCVTの発するノイズもあまり気にならなかった。まぁ1.3Lクラスの普通車にも劣らないプライスを掲げるのだから、ある意味当然なのだが。
13km/h以下になるとエンジンが停止する新しいアイドリングストップ機能も、何の違和感も遠慮もなくエンジンをバンバン停止していた。再始動も速いし、スターターノイズも耳には届くが決して不快な程ではない。慣れてしまえば気にならなくなる程度だろう。つい1週間前とは違い、気温は20度に届くかどうかと言う状態だったから、蓄冷材による「エコクール」の威力については体感が出来なかった。助手席座面下に配置したリチウムイオンバッテリーに減速エネルギーを充電する「エネチャージ」については、メーター内に「電池マーク」が表示されている間は充電がされているという意味らしい。個人的にはエコな技術は黒子に徹し、その存在を感じさせないのがベターと思う。「ワゴンR」の方向性は支持したい。実効燃費はいずれ明らかになるだろうが、結構期待出来るかもしれないね。
既に「ワゴンR」が事実上の日本における「国民車」になって久しいが、新型「ワゴンR」もやはり、最新の「国民車」に君臨する実力に疑いは無かった。見切りや取り回しの良さ、ステアリングやブレーキのフィーリング、室内・荷室の広さや質感。そして高い再販価値も含め、「ワゴンR」の実力は大したものだと改めて感心した。もちろん、カーマニア的視点から言えばもう少し追求したい項目は幾つかある訳だが、そんな事は「ワゴンR」にとって大した問題ではない。一度「ワゴンR」で満足してしまった人を再び普通車の世界へ戻すのは並大抵のことではないと思う。それ故、スズキには軽自動車の安全性向上にはより一層の努力を期待したい。現状ではSRSサイド・カーテンエアバッグの設定が無く、ESP(横滑り防止装置)が「スティングレー」系にメーカーOPされるに留まっているのは残念。その点において、まもなく登場するホンダ「N-ONE」は数歩先へ行っていると聞いている。

Posted at 2012/09/23 23:34:15 | |
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