![[フルモデルチェンジ]ホンダ・アコード 紆余曲折。ハイブリッド専用車に。 [フルモデルチェンジ]ホンダ・アコード 紆余曲折。ハイブリッド専用車に。](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/030/394/525/30394525/p1m.jpg?ct=a5c4a8306d39)
「ホンダ・アコード」が9代目へフルモデルチェンジした。「アコード」はホンダの主力車種であり、登場以来ずっと北米市場で量販する事を最大の目的とし進化してきたクルマ。それ故歴代「アコード」はどことなくバタ臭いというか、日本車離れした佇まいが魅力でもあった。先代(8代目)の「アコード」は日本+欧州仕様として開発された「アコード」であり、北米仕様の「アコード」は「インスパイア」として日本でも販売された。まぁ残念ながら、先代「アコード」「インスパイア」共に国内のセールスは超低空飛行。今回から日本の「アコード」は北米仕様がベースとなり、欧州仕様の「アコード」は姿を消した。「アコード」の変遷をここで辿るのは控えるが、なかなかの紆余曲折を辿ったモデルといえる。個人的に3~5代目「アコード」は知的な雰囲気があり結構好きだった。逆に日本市場専用ボディを採用した6代目にはサッパリ魅力を感じなかったと記憶している。
さて、新型「アコード」。とうとう日本市場ではライバルのトヨタ・カムリと同様にハイブリッド専用車となってしまった。個人的には残念に思うが、過去の販売台数を見れば懸命な判断であろう。カムリも先代までは細々としたセールスに終わっていたが、ハイブリッド専用車となった現行モデルはソコソコ売れているようだ。しかしながら、新型「アコード」の価格は365~390万円。意欲作と認める内容ではあるが、「アコード」のブランドイメージは200万円台のクルマじゃないのかな。それで先代も苦労していたんだと思うが...。
新型「アコード」は全く新しいハイブリッドシステムを搭載している。ホンダの執念というか、長年トヨタの後塵を排して来た事に対する渾身の回答なんだと思う。トヨタ・ハイブリッド方式の技術革新はここ数年、停滞気味だった様にも思う。やはり、技術は健全なライバルが存在してこそ進化するものなんだろう。華々しくデビューした現行「インサイト」が数ヶ月後に登場した「プリウス」の価格戦略(ダンピング)によってアッサリ息の根を止められてしまった事は記憶に新しく、ホンダの悔しさは相当のモノであっただろう。
新型「アコード」のハイブリッド技術に関し、全容を理解したとは思えないが、概要として2モーター(発電用+走行用)の連携により、70km/h以下の走行は基本的にモーター駆動(EV)であり、エンジンは発電機に徹するシステムである。新型「アコード」には機械的な変速機が搭載されていない。更に、システム電源を昇圧し700Vを達成。モーター単体で169ps/3857-6000rpm 31.3kg-m/0-3857rpm を発揮する。エンジンはアトキンソンサイクル(吸気弁の遅閉じ)にi-VTECを組み合わせることで、低燃費運転モードと高出力運転モードを使い分けることに成功したという。バッテリーはリチウムイオン。容量は1.3kWh。現行「プリウス」とほぼ同容量である。新型「アコード」の燃費(10.15モード値)は30.0km/Lを達成。ミラ・イースもビックリの数値をマークしてきた。ちなみに、トヨタ・カムリ(現行)は23.4km/L。プリウスも30.4km/Lであるから、いかに「アコード」の達成した数値が凄いかお判りだろう。三菱の「アウトランダーPHEV」にも通じる方式である。但し、アウトランダーPHEVの平均燃費(
e燃費によるユーザーの実効平均燃費)は14km/L程度に留まっている。新型「アコード」の実効燃費に期待したい。
ライバルのカムリは16.6km/L(6/23現在)と報告されている。
新型「アコード」に関する評価として、このサイズ(全長4915mm全幅1850mm全高1465mm)に加え車重が1620kgにも達する大型車にも関わらず、カタログ燃費で30.0km/Lを叩き出すテクノロジーについては称賛を贈りたい。私は現時点では日産リーフの様な「ピュアEV」は実用域に入っておらず、乏しい電池の性能範囲内で運用が可能な用途でのみ活躍可能な段階であると考えている。その点で「アコード」の様なガソリンエンジンを発電機(レンジエクステンダー)として利用するハイブリッド車は電池の残量を心配する必要がない。当面はこの方式がベストなのではないだろうか。
しかし、クルマ好きの視点から言えば、その走行フィーリングやサウンド(エンジン音と加速のズレ)に関してどの程度違和感があるのか気になるところである。是非、アコードは試乗して見たいと思う。
個人的に一番気になるのは、日本仕様のフロントマスク。北米仕様が比較的プレーンにまとめられたのに対し、日本仕様はゴテゴテしているが気になる。まぁ、リアルなセダン購買層にはこう言うギラギラした方が車格感も含め好まれるという判断だろうか。せめて、選択肢があれば良いのだが。新型「アコード」は数年後、中古が安くなった時にチャンスがあれば保有してみたい。それ位の興味はあります。クーペは今回も日本導入は見送りかな。これこそ、北米生産車を輸入して欲しいですね。別にハイブリッドじゃなくても良いんですけどね。

↓北米仕様の「アコード」「アコードクーペ」。

Posted at 2013/06/23 00:54:37 | |
トラックバック(0) |
クルマ | クルマ