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早いもので、今年もお盆の時期である。幹線道路では帰省なのか他県ナンバーのクルマが家族フル乗車で走っている姿を見かける。毎年の事とはいえ、ドライバーさん(最近はお父さんが運転とは限らないようだ)は大変だ...。
さて、今回取り上げるのは「カローラ・ルミオン」。2007年10月に登場したモデルなのだが、実は今でも現役で販売されるロングセラーモデル。正直、もうとっくの昔にモデル廃止されたものと思い込んでいたから、軽く衝撃である。ついでに言えば「イスト」や「bB」の販売も続いている事に驚いた。しかし、なんでトヨタはこいつらを生産・販売終了にしないのだろうか謎である。
「カローラ・ルミオン」は北米で
サイオン「xB」として発売されている。元々は初代「bB」をサイオン「xB」として北米で販売したのがルーツだが、北米で初代「bB」ベースではボディサイスが小さいと評価され、二代目「xB」として開発されたモデルの日本市場向けが「カローラ・ルミオン」。(ややこしい!!)当時は「デカbB」なんて噂されていたっけ。ついでに言えば、国内向けの二代目「bB」はダイハツへ開発・生産が委託され「パッソ/ブーン」がベースのモデルへ格下げ。まぁこの頃のトヨタは生産台数世界一を目指し社内はバブル気味。個別モデルに対する真剣な検討が行われず、結果として中途半端なモデルが大量に登場した暗黒の時代。正直「カローラ・ルミオン」もその影響を受けたモデルと言える。少なくとも、今ならば「カローラ・ルミオン」が商品化されることは無いだろう。
発売当初「ゴツンとルミオン」をキャッチフレーズに、ゴロゴロ転がりながら四角いボディを強調するテレビCMを見た記憶があるが、その後はトヨタ得意の放置プレイ。雑誌・Web媒体等で取り上げられることも少なく、非常に目立たない存在である。個人的には、二代目サイオン「xB」のスタイリングを変えず車名は「カローラxB」として国内にも導入したほうが良かったのではないかと思う。どうせ多くの販売台数が期待できないのであれば、アメリカの雰囲気をもっと強調した方が面白かったのに。まぁ「キャバリエ」や「ヴォルツ」のトラウマがあるからそうも行かないだろうが。
そんな「カローラ・ルミオン」だが、改めて見ると結構面白く微妙(絶妙では無く)なポジションにあるクルマだと思う。軽自動車の世界では四角くて背の高いトールワゴンが今でも隆盛だが、普通車の世界では四角いコンパクトカーは停滞気味。このジャンルはマツダ「デミオ」・日産「キューブ」等が先行し、トヨタも「ファンカーゴ」「bB」「ラウム」等で対抗して来たが、既に「デミオ」はスタイリッシュ系へ路線変更し戦線離脱。「キューブ」も現行型は安易に輸出を意識しキャラクターが中途半端な存在に。ホンダ「シャトル」や「フリード・スパイク」の様に荷室重視なら徹底的に。あるいは、乗車定員重視ならトヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」の様に三列シートの5ナンバーミニバンへ。二列シートでもトヨタ「ポルテ」やスズキ「ソリオ」の様なスライドドアを与えより特化した利用シーンを担うモデルもある。それだけコンパクトカー市場が成熟し、ジャンルが細分化されたのかも知れぬ。
「カローラ・ルミオン」は前述のとおり、初代「bB」ではボディが小さ過ぎると言う北米の需要に応え開発されたモデルで、ボディサイズは全長4210mm全幅1760mm全高1630mmと結構大柄。特にワイドな全幅が目立つ。まぁ今となっては1760mmの全幅に驚きはないが、このジャンルでは珍しい。リヤシートを前倒しにすれば1640mmの荷室が確保出来るから、客貨両用で使うには悪くない。
エンジンは1.8Lと1.5Lの二本立て。車重が1270~1400kgとそれなりにあるから、本来は1.8Lで乗るクルマ。サイオン「xB」は2.4Lである。価格は180万円~223.2万円で最新のハイブリッドカーも狙える価格帯だから、販売の苦戦も止むを得ないところだが、四輪ディスクブレーキやSRSサイド&カーテンエアバッグ・チルト&テレスコピックステアリングが全車に標準装備となるなど、意外と(?)真面目な側面もあるから面白い。
新車で買うには色々と抵抗があるクルマだが、不人気を反映して中古車は結構お買い得。トヨタの純正中古車で60万円台から程度の良さそうな個体が探せる。ワイドな全幅が許容可能であれば、案外実用的かつマニアックな選択肢として他人と違うクルマを欲する方にオススメ。これで(私の嫌いな)「CVT」ではなく、「6AT」なんかが採用されていたりすると「お宝」認定したいのだが、現実は全車「CVT」で残念。まぁ中古のトヨタ車にトラブルの少なさ(安い維持費)を期待し、ゲタ車として日々黙々と走らせるには「CVT」でも問題はなかろう。スタイリングも最近のトヨタ車程には無駄なラインや装飾が無く「飽きない」部類ではないか。
機会あれば試乗をしてみたい。「カローラ・ルミオン」がいつまで販売されるのか気になるが...。

↓北米ではサイオン「xB」として販売。こっちの方が本来の姿である。

↓テレビCM
Posted at 2015/08/17 11:12:01 | |
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