![[新グレード追加]スズキ・アルトワークス 15年間の眠りから復活!! [新グレード追加]スズキ・アルトワークス 15年間の眠りから復活!!](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/037/096/094/37096094/p1m.jpg?ct=5edf8096f21f)
東京モーターショーに出展されていた「アルト・ワークス」が発売された。「アルト・ワークス」の歴史は2代目「アルト」の1987年にまで遡る。軽自動車に64psの自主規制枠が設定されたのは、この初代「アルト・ワークス」が発端。さすがに、2代目は私の時代ではなく、リアルタイムで見ていたのは4代目もしくは、新規格となった5代目(この型でアルトワークスは一旦途絶える)である。個人的に、5代目の「アルト・ワークス」は違和感の有るヘッドランプが生理的に受付けなかった。素直に3/4代目の路線を継承していれば、もっと売れたのでは無いか。当時の友人・知人にも結構「アルト・ワークス」や「ミラ・TR-XX」に乗っている奴らがいて、結構速かったのを記憶している。でも当時一番凄かったのはスバル「ヴィヴィオ・RX-R」。コレの加速やコーナリングには驚かされたものだ。まぁ時代は既に「アルト」から「ワゴンR」へ移行し、「アルト」は営業車もしくは地方の下駄車としてエントリーモデルに徹する事となり、「ワークス」は2000年のMC時に廃止。少しのブランクを経て2002年に「Kei・ワークス」として継承されるが、その後も盛り上がりに欠けたまま月日が流れ、2009年に「Kei」の生産終了と同時に「ワークス」の歴史も途絶えていた。
現行の「アルト」は8代目であり、ベースモデルは2014年12月に発売開始。プラットホームを一新し、最新のテクノロジーを結集した結果、大幅な軽量化に成功。ベースモデルで610kgを達成した事で、燃費を向上させながら、運動性能も高まる事に。「ワークス」復活の兆しは2015年3月に登場したスポーツグレード「ターボRS」から始まる。「ターボRS」はミッションをシングルクラッチAMTの「5AGS」に限定したチト不思議な仕様だった為、ファンの間から「MT」のスポーツモデルを求める声がスズキに多数寄せられたとか。まぁ開発チームの作戦勝ちと言う気もするが、ならばと単純に「RS」の5MTを追加するに留まらず、各部ブラッシュアップも含め「ワークス」復活へと開発が進んでいった。この短期間で「ワークス」のリリースまで漕ぎつけるスズキの開発力にも驚くが、それ以前に日本国内市場の声に応えようとする姿勢が嬉しい。スズキは「コペン」・「S660」に相当する軽オープンスポーツを持たないが、それらより遥かに低価格で「ワークス」をリリースした事もスズキらしいところ。個人的に
若い頃「カプチーノ」を所有した経験があり、復活を期待しているが、それは難しいかな。スズキらしく、合理的な「アルト」をベースにした低価格のシティ派オープンモデルでも面白いと思うのだが。オープンカーは必ずしも「スポーツ」である必要はないのだから。
現行「アルト」はRJCカーオブザイヤー2016を受賞している。新開発の軽量プラットホームや「ラパン」「ターボRS」「ワークス」などの幅広いモデル展開が評価されたようだ。ちなみに、2015年のRJCカーオブザイヤーは「ハスラー」だったから、スズキは二年連続の受賞。日産「ノート」をRJCカーオブザイヤー2013に選んでしまった汚点があるのが残念だが、全般的には日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)よりマトモなクルマを選んでいると感じている。
本題の「アルト・ワークス」だが、2WD/5MTなら670kgである。エンジンは最高出力64PS/6,000rpm 最大トルク10.2kg-m/3,000rpmを発揮するから、パワーウエイトレシオは10.5kg/ps トルクウエイトレシオは65.7kg/kg-mとなる。ホンダ「S660」の6MTが830kgに対し、最高出力64ps/6,000rpm 最大トルク 10.6kg-m/2,600rpmを発揮するから、パワーウエイトレシオは13.0kg/ps トルクウエイトレシオは78.3kg/kg-mとなる。いかに、「アルト・ワークス」の軽量設計が数値的に有効かは明らかだが、実際の走行フィーリングがどの様に違うのかは近いうちに試してみたい。ちなみに、価格も「アルト・ワークス」の150.9万円に対し、「S660」はベースモデルの「α」で198万円。価格差やクルマの生い立ちを考慮すれば、この2車を同じ土俵で比較する事は無意味。今「コペン」も含めこれらの選択肢が有る事を喜ぶべきだろう。
「アルト・ワークス」を「ターボRS」と比較した場合、単に5MTが選べるだけではなく、案外変更点が多い。ボディ色に「ターボRS」の3色(赤・黒・白)に加え、新色として「スチールシルバーメタリック」を加えた全4色を設定。15インチのアルミホイルはインチサイズは同一だが、幅を4.5Jから5Jに拡大。ブレーキキャリパーが赤塗装となるのもポイント。KYB製のショックアブソーバーや電動パワステの専用チューニングを実施。「R06A」型ターボエンジンも専用のチューニングが施され、最大トルクを0.2kg-mアップし、10.2kg-m/3000rpmに向上。更には燃費よりも加速時のレスポンス重視の味付けが実施されているのも楽しみなポイント。
ファンが期待する「5MT」はシフト操作の愉しさを追求し、ショートストローク化。1~4速をクロスレシオにしたことや、クラッチペダルストロークに対して、トルク伝達がリニアに立ち上がるクラッチ荷重特性にもこだわりを見せている。東京モーターショーでコキコキと試した限りでは、かなりショートストロークでカチカチと決まる典型的なスポーツ志向のミッションと感じた。
インテリアでも専用開発のレカロシート採用やターボ過給圧が高くなると色が白から赤に変化するブーストインジケーターを装備し、スポーツムードを高める。「ターボRS」から約20万円高となる「ワークス」だが、スズキらしくお買い得な内容と言える。
今後、「ターボRS」と「ワークス」をどう売り分けるのか勝手に心配しているが、「ターボRS」は129.3万円~と言う価格が魅力。いずれ5MTが追加されることを期待したい。クルマ好きのセカンドカーとして、「ワークス」より低価格で楽しめる選択肢があっても良い気がする。「ワークス」をテストする時を楽しみにしたい。こんなにワクワクするクルマもそうあるもんじゃないですよね。
Posted at 2016/01/01 23:23:29 | |
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