![[フルモデルチェンジ]トヨタ・プリウス TNGAの第1号車 [フルモデルチェンジ]トヨタ・プリウス TNGAの第1号車](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/037/223/163/37223163/p1m.jpg?ct=3058bc2fc5cc)
そろそろ新型「プリウス」の話題でも。国内市場で「プリウス」は好き・嫌いに関わらず、このクルマの動向は注目しなければならない。新型「プリウス」のセールスは順調の様で、2015年12月9日の発売からおよそ1カ月の
2016年1月17日時点で約100,000台と発表されている。クルマが売れない時代と言いつつも「プリウス」は例外。しかし、先代の発売時は
初月で約18万台を受注していたから、「プリウス」への一極集中はハイブリッド車の普及により落ち着いてきたと解釈する事も出来る。最新技術を満載する新型「プリウス」を真っ先に購入し、体験したいと考える「アーリーアダプター」と呼ばれる人達が購買層なのか。まぁそんなに慌てて買いに走るクルマでも無いと思うが、こういう人達が良質な中古車を供給してくれる側面もある。もはや、単なるハイブリッドでは技術的な目新しさは感じない。メルセデスはディーゼルと電気モーターのハイブリッドを導入しているし、よりバッテリー容量を大きくし外部電源からの充電を可能としたPHVもモデル数を増やしている。新型「プリウス」の本命は今後追加されるであろう「PHV(プラグインハイブリッド)」の進化(電池容量とEV走行可能距離)と、低価格の両立が気になるところ。
4代目となる新型「プリウス」のトピックスは今後トヨタのクルマ作りを大きく変えて行くであろう「TNGA(Toyota New Global Architecture)」の第一号車であること。これまでの「プリウス」はハイブリッドシステムの先進感はあるものの、クルマとしての基本的な出来栄え(走る・曲がる・止まる)はお粗末なものだった。各部がチグハグな動きをしていてクルマとの一体感がまるで感じられず、会社のクルマやレンタカーであっても敬遠していた。走りだけを言えば、先代「プリウス」に惨敗したホンダ「インサイト」の方が自然で違和感は少なかった。まぁ個人的にはどちらも問題の多い発展途上の製品と言う評価ではあったが。
豊田章男社長が言う「もっといいクルマづくり」がようやく形になって表れたのが「TNGA(Toyota New Global Architecture)」だと理解している。(根本的にはVWのMQBプラットホームに通じる思想か。)パワートレーンユニットとプラットフォームを刷新し、一体的に新開発することにより、クルマの基本性能や商品力を向上させる。その上で、グルーピング開発による部品・ユニットの共用化をすすめる。更に原価低減も推進することで得られるリソースも含め、先行技術開発や商品力強化に再投資していくもの。まぁ言うまでもなく、マツダが「SKYACTIV」を掲げ開発した新世代商品群がその象徴である。極力個別開発を排し、多様な車種で共用可能なハードウエアを造る代わりに、基本部分にはしっかりとコストを投入。「TNGA(Toyota New Global Architecture)」の主目的がコスト削減ではなく、プロダクトのレベル向上がホンモノなのかはこれからの車種展開を見る必要がある。現時点では真っ当なトヨタ車が増えていく事を期待している。
一方で、どうしても理解できないのは「プリウス」のスタイリング。先進イメージを表現しつつ、オリジナリティの高いデザインであることは認めるとしても、実用上、あきらかにデメリットの多いトライアングルシルエットはいい加減どうなんだうか。後方視界(特に斜め後ろ)は新型も褒められたものではない。空気抵抗係数(Cd値)に有利な形状なのは承知しつつも、プリウスのシステムで出せる速度域を考えた場合、得られるメリット(燃費)より実用上のデメリットが上回るのではないか。まぁトヨタ的に「プリウス」は先進イメージの象徴であり、実用性を求めるなら「カローラ・フィールダー」のハイブリッドを買ってくれと言う事か。
私の好みが保守的なのかもしれないが、最近のトヨタデザインは無駄なラインと抑揚が多く、見ていて落ち着かない。新型「プリウス」も、もう少しスッキリしたデザインにならんものかと思うのだが、勝てば官軍。世間の支持は受けているのだから、私の感覚が少数派なんだろうネ。
新型「プリウス」が先代比どの程度燃費向上したかなんて全く興味は無いが、「TNGA(Toyota New Global Architecture)」で新型「プリウス」の走りがどう良くなったかは大変興味があるところ。20分程度のチョイノリでは見えてこない部分もあるだろうから、そのうちレンタカーでも借りてじっくり乗ってみよう。豊田章男社長が言う「もっといいクルマづくり」が実感出来ることを期待して。

Posted at 2016/01/23 21:30:46 | |
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