![[ニューモデル]スズキ・イグニス ハスラーの兄貴分がデビュー [ニューモデル]スズキ・イグニス ハスラーの兄貴分がデビュー](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/037/238/800/37238800/p1m.jpg?ct=cc39fc8a80d1)
スズキ「イグニス」がデビューした。昨年の東京モーターショーに参考出展し発売が予告されていたモデル。スズキのライナップ中でハスラーの兄貴分となる5ナンバーサイズのコンパクト・クロスオーバーモデルで、案外ヒットモデルになるのではないかと期待している。
「イグニス」を見ていると、「ハスラー」と言うより2000年に「カルタス」の後継として登場した初代「スイフト」の再来と感じる。初代「スイフト」は軽自動車「Kei」と血縁関係にあり、最低地上高が165mm確保されていた。当時はクロスオーバーなるコンセプトが今ほど市場の理解が進んでおらず、モデルライフの後半は低価格路線が強調されていたっけ。(泣く子も黙る79万円)ちなみに、初代「スイフト」の海外車名は「イグニス」だったから、あながち間違いでもない。想像力を豊かにすれば、ハンガリーで生産され日本にも輸入されていた「スプラッシュ」のエッセンスも感じる。メーカー側もスズキのDNAを各所に施したデザインと説明しており、「スイフト」「エスクード」「セルボ」「フロンテクーペ」等のモチーフを取り入れている。細かい話は置くとしても、街中から長距離ドライブまで幅広く使え、実にスズキらしい市場の隙間を狙ったコンパクトカーと言えるだろう。
「イグニス」は全車にISG(モーター機能付発電機)とリチウムイオンバッテリーによる「マイルドハイブリッド」を搭載する。「ソリオ」にも採用される新開発プラットホームの効果により、車重は880kg~920kgに収まっているのは流石。エンジンはお馴染みの1.2L(K12C型)直列4気筒デュアルジェットエンジンを搭載し、91ps/6000rpm ・ 12.0kg-m/4400rpmを発揮する。更に3.1ps/1000rpm ・ 5.1kg-m/100rpmのモーターによりエンジンをサポートする。ミッションは副変速機構付CVTを採用する。
「イグニス」の価格は138.2万円~187.5万円と内容に対し割安な価格設定。「マイルド版」とは言え、高価なハイブリッドシステムを搭載し、エンジンも今となっては贅沢な4気筒エンジンである。装備に不足はなく、スズキ車では珍しくSRSサイド+カーテンエアバックが「デュアルカメラブレーキサポート」システム等とセットOP(+97,200円)で用意された事もニュース。惜しいのは、リヤ中央席にヘッドレストが備わらない事。全幅が1660mmと5ナンバーサイズを使い切らないコンパクトサイズだから、実質後席に三名乗車は少ないと割り切ったのだろうが、カタログ上の乗車定員を5名としたからには全席分のヘッドレストを用意するのがマナー。最悪でも販売店OPでヘッドレストの後付けが出来る構造にすれば良いのに。(ダイハツ・ミライースは後付け可能)低価格との両立にスズキ社内でも検討した末の結論だろうが、メーカーの良心として安全装備は削るべきではない。
毎度のことながら、ミッションが副変速機構付CVTに限られることも残念。これにMTモデルがあれば喜ぶ趣味人も結構いそうなものだ。2ペダルもそろそろCVTを卒業し多段ATへ移行して欲しいが、もう少し時間がかかるだろうか。噂だがまもなく発売予定のスズキ「バレーノ」は1.0Lターボ「ブースタージェットエンジン」を搭載し、ミッションは6ATだとか。まぁ仕様的に100%満足な製品など存在しない。「イグニス」はコストパフォーマンスを考慮すると、現状の仕様でも充分に満足のいく内容だと感じるが、最近のスズキはどんどん進化していくから、「イグニス」も近い将来、ストロングハイブリッドや「ブースタージェットエンジン」の搭載などの進化があっても驚かないだけに、暫くは様子見かな。是非、機会を見つけてテストしてみたい。

Posted at 2016/01/26 08:31:19 | |
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