![[マイナーチェンジ]スバル・BRZ (トヨタ・86) 初の大規模MCを実施 [マイナーチェンジ]スバル・BRZ (トヨタ・86) 初の大規模MCを実施](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/038/359/444/38359444/p1m.jpg?ct=630c286e65d4)
スバル「BRZ」がマイナーチェンジした。(トヨタ「86」も同時MCだが、ここでは「BRZ」を取り上げておく)
早いもので、2012年3月の発売以来、約4年半が経過。途中、細々した仕様向上は続けられていたが、今回初めて「大規模MC」と言える内容。スバル「BRZ」とトヨタ「86」を合わせると、グローバルで約20万台の販売実績を残したと言うから、このメーカーを跨ぐスポーツカー・プロジェクトはとりあえず成功と言って良いのではないか。もちろん、スポーツカーは販売台数だけで語られるべき製品ではない。しかしビジネスである以上、一定の台数が販売され、利益を挙げてこそ次期モデルが企画される。そして他社からもライバルモデルがリリースされていくものだ。そういう意味で、「BRZ」・「86」の果たした役割は大きい。これからのモデルライフ後半も継続した話題提供とリフレッシュを続けてほしい。
大規模MCの内容を簡単に見ていくと、まずエンジンのパワー向上(MT車のみ)が目を引く。エンジン本体と吸排気系を改良すると共に、シリンダーヘッドとブロック結合部の剛性を強化し、最高出力5kw(7ps)、最大トルク7Nm(0.7kg・m)の向上。更に、ファイナルギア比を変更したことにより、全域での加速性能を向上さた。また、ボディ全体の剛性を強化し、足回りはコイルスプリングのバネ定数変更、ダンパー内部構造及び減衰力変更、リヤスタビライザー径の変更などを行い、操舵応答性と操縦安定性、乗り心地を大幅に向上。これまで以上にしなやかで上質な乗り味を実現したと言う。
次にエクステリアは、航空機のウィングチップ(翼端板)をモチーフにした新デザインのバンパーや、全ての光源にLEDを使用したヘッドランプとリヤコンビランプを採用。どうしてもエクステリアはトヨタの悪しき影響を感じてしまう部分だが、今回の改良でスバルらしさが高まったと思う。
「BRZ」の弱点とも言うべきインテリアは、インストルメントパネル、ニーパッド、メーターパネルバイザーにレザー調素材を新たに採用し、随所にレッドステッチを施した。また、ステアリングは新デザインを採用し小径化。操作性とグリップ性を向上。メーターパネルには4.2インチのマルチインフォメーションディスプレイを新たに採用、ヒーターコントロールパネルやドアスイッチパネルをカーボン調とすることで、走りのマインドを高める上質なインテリアを実現したと言う。残念ながら、素材レベルの質感向上は施されたが、根本的なデザイン変更は見送られた。トヨタの小手先デザインの弊害を一番感じる部分なだけに、根本的に作り変えて欲しいところだが....。相変わらず、右下からスタートする不可解な速度計も改められなかったのが惜しい。
「BRZ」の持つ走りのポテンシャルを最大限に高めるべく、「bremboブレーキ」と「SACHSダンパー(ZF社製)」を採用した最上級グレード「GT」の追加を2016年秋に予定している。価格は331.5万円~(6MT)である。
個人的に今回の大規模MCはこれまでの「BRZ」が抱えていた不満点を改善する内容であり、評価すべき内容だと思う。よく考えると、純粋な「スバル車」は北米に注力していることの弊害なのか、MT車がどんどん淘汰されている。また、2ペダル車はリニアトロニック(CVT)に固執しており、折角個性的な水平対向エンジンを搭載しているにも関わらず、その独特なフィールをスポイルしている事を一向に改める気配がない。販売好調で順調に稼げている今のうちにミッションの改革にもチャレンジして頂きたいところ。その意味で、「BRZ」はNAの水平対向エンジンと6MT/6ATを組み合わせる貴重なモデルである。内外装のデザインはトヨタの影響が感じられゲンナリしてしまうが、そこを妥協しても乗る価値が有るかもしれないと思う今日このごろ。
「BRZ」/「86」は当初、若者のクルマ離れに一石を投じるため、低価格での提供を期待されたが、残念ながら今回のMCを経て更に価格は上昇傾向。「BRZ」はR Customize Package(6MT)が243万円~。トヨタ「86」に至っては262.3万円~である。せめて「BRZ」だけでも、インプレッサに搭載している1.6L(NA)エンジンを搭載した低価格なエントリーモデルがあれば面白いのに。スポーツカーの価値は絶対的なパワーだけではないと思うのだが。
「BRZ」はリセールも悪くないようだから、下手に高年式の中古車を買うよりも、新車を購入した方がなにかとお得かもしれない。機会を見つけて大規模MC後モデルをテストしてみたい。


↓速度計のレイアウトに違和感があるが今回も改められなかった。性能的に260km/hまで切る必要は無いはずだが...。

Posted at 2016/08/10 14:13:37 | |
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