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日産は「ノート」に新電動パワートレイン「e-POWER」搭載車を追加するとともに、シリーズをマイナーチェンジした。
「e-POWER」は搭載するガソリンエンジンを発電専用に利用し、100%モーターの力で走行するもの。日産「リーフ」の様なピュアな電気自動車は価格に占めるバッテリーコストが大きく、なかなか量産効果による価格低減やエネルギー密度に対する技術革新が進んでおらず、未だガソリンエンジン車に匹敵する価格や航続距離を実現出来ないのが実情。また、集合住宅が多い日本の環境では、自宅で電気自動車の充電環境を用意するのは容易ではない。やはり、当面は化石燃料をベースにしつつも低燃費技術の開発による環境保護や資源の延命効果に期待せざるを得ない。
そういう意味で完全にハイブリッド車の開発には遅れを取っていた日産がたどり着いた結論は、「リーフ」のノウハウやユニットを最大限活用しつつ、ガソリンによる自立走行を可能にした「e-POWER」であったのは必然と言うべきだろう。スズキも同様の研究を進めていたようだが、未だ市販車としては陽の目を見ていない。
「ノート」の詳細は公式HPを見て頂くとして、個人的に「e-POWER」はある意味理想的な電動パワートレインだと思う。遠くの発電所で作った電力を延々と送電線を伝って送り、重く高価なバッテリーに蓄えて走るピュアな電気自動車よりも、地産地消。電気が欲しいところで発電し消費した方が効率が良い。ただ、残念なのは燃料が高価なガソリンである事か。エンジンを発電機と割り切った時点で、燃料や方式の自由度は増す。単価の安い軽油やLPGで発電すればランニングコストは下がるだろう。(イニシャルは多少上がるだろうが)将来的な展開が楽しみである。
妄想を脹らませば、もはや発電機のエンジンがフロントボンネット内にデンと鎮座する必要はない。2013年12月にマツダがひっそりと発表した試作車「
マツダ RE レンジエクステンダー」と言うのがあり、水平に寝かせた1基のロータリーエンジン(330cc)を発電機に使うデミオのEVがあった。レイアウトの自由度を高める将来的なアイディアとしては画期的。
「e-POWER」はフロントシート下に設置したリチウムイオンバッテリーの容量が1.5kWhに限られるから、仮にバッテリーがフル充電であっても走行時にエンジン停止している時間は短い。走行時にエンジンノイズがどう感じられるかテスト時に確認したい。
最も残念なのは、ベースとなった「ノート」が不甲斐ない事か。チープな内外装に厚化粧を施した程度でお茶を濁してしまったのは惜しい。折角の新電動パワートレイン「e-POWER」のデビューなのだから、ボディも新開発を期待したかった。パワートレインの性格を考えると「ノート」より「セレナ」の方がお似合いだったかも。折角エンジンを発電専用に仕立てたのだから、災害時やアウトドアで発電した電気を外部給電する機能も難しくは無いはず。
それと、トヨタ「アクア」対抗でカタログ燃費37.2km/L達成のため、電動エアコンすら削って軽量・低燃費化に走った燃費スペシャルモデル「e-POWER S」が存在するのはガッカリ。相変わらず素人を騙して売りたい社風は変わっていない。(なにせオプションでもエアコン装着は不可)通常の「e-POWER」搭載車のカタログ燃費は34.0km/L。まぁ大切なのはカタログ燃費ではなく、実効燃費。トヨタ「アクア」だって実効燃費は23km/L程度であり、JC08モード燃費の達成率は6~7割である。(e-燃費のデータから)日産「ノート」の「e-POWER」搭載車がどの程度のパフォーマンスと実効燃費なのかは興味があるところ。もう7~8年近くは日産のお店へいった記憶がないが、久しぶりに行ってみようかな....。


Posted at 2016/11/17 22:59:34 | |
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