![[フルモデルチェンジ]ダイハツ・ミライース 燃費より安全装備 [フルモデルチェンジ]ダイハツ・ミライース 燃費より安全装備](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/039/814/855/39814855/p1m.jpg?ct=d7189bf7e629)
ダイハツは軽乗用車「ミラ イース」を6年ぶりにフルモデルチェンジした。
初代「ミラ イース」は2011年9月に発売。リーマンショック前夜の燃料代高騰や東日本大震災による燃料の供給不安に加え、長引くデフレや節約志向なども追い風となり「第3のエコカー」として当時のガソリン車としては最高となる30.0km/Lを実現。更に80万円を切る低価格を実現したことで、ちょっとした社会現象を巻き起こした事は記憶に新しい。その後、スズキは「アルト・エコ」で徹底抗戦。軽自動車業界は低燃費戦争へと突入していった。
それ以前の軽自動車は税金や保険などの維持費は安いが燃費はソコソコ。リッターカークラスのエンジンの方が効率が良く燃費が稼げると言われていたネ。
初代「ミラ イース」の登場から早くも約6年が経過。あんなに白熱していた軽自動車の燃費競争はスズキの圧倒的勝利で決着が着いた。ダイハツは色々と屁理屈を並べてはいるが、実際問題として燃費競争から離脱した。恐らく、スズキは新型「ミラ イース」の燃費が万が一にも現行「アルト」を超えて来たとすれば、即座に「ワゴンR」に採用した「マイルドハイブリッド」システムで反撃に出てアッサリと新型「ミラ イース」を打ち負かすよう準備を整えていたハズ。スズキは新型「ミラ イース」に肩透かしを食らった事だろう。本当に大切なことはカタログ燃費ではなく実効燃費。「ミラ イース」と「アルト」のどちらも実効燃費は20~23km/L程度。これだけ走れば問題はあるまい。個人的には見かけのカタログ燃費のためにガソリンタンク容量を削るのは感心しない。
一方、最近世間を騒がせているのは高齢者(を中心とする)の事故。アクセルとブレーキの踏み間違いによる痛ましい事故の話題は連日耳にする。特に地方部では生活の足として軽自動車は欠かせない存在。高齢者から運転免許とクルマを取り上げるだけでは何も解決しない。
最近は「自動ブレーキ」と呼ばれる衝突回避支援システムの類が急速に進化・普及しつつあるが、やはり地方の足として活躍するスタンダードな軽自動車に「標準装備」してこそ本領が発揮されるというもの。ダイハツは「タント」で採用を開始した衝突回避支援システム「スマートアシストⅢ」を「ムーヴ」よりも先に最も低価格な新型「ミラ イース」に採用したことは快挙と言える。これがあれば万全とは思わないが、ある程度は事故を未然に防ぐ事が出来る。最後の問題は、このクルマを乗るべき消費者にどうやって正しく情報を伝えるかだろう。
恐らく、売れ筋となりそうな「X“SAIII”」(FF/CVT)が108万円。もう少し簡素な「L“SAIII”」(FF/CVT)ならアンダー100万円を達成し93.9万円である。新型「ミラ イース」に対し、スズキは「アルト」をどう改良し、対抗するのか楽しみだ。
個人的に新型「ミラ イース」は価格と軽量化を考慮したのか、全車スタビライザーが前後共に省かれるのが惜しい。安全装備に拘るなら、走りの基礎・基本にも配慮が欲しい所。まぁそのあたりは遠からずマイナーチェンジが施されるであろう「ムーヴ」に期待。現行「ムーヴ」の「L “SA Ⅱ”」は120.9万円。最近仕事でコレにチョクチョク乗る機会が有るのだが、なかなか骨太な走りを披露する。マイナーチェンジでもう少し見た目がスッキリすれば良いのに。
クルマ好きな方はあまり軽自動車には興味が無い様で、毎度軽自動車の話題はガクッとアクセス数が少ない。しかし、私は軽自動車が面白いと思う。日本市場専用で開発されているからこそ、この国の問題点や世相が見えてくる。日本人が元来得意とする小型・軽量化の技術が活かされるのも軽自動車だ。狭い国土で短距離移動が多い生活スタイル。新型「ミラ イース」がどんな走りを見せるのか興味がある。機会を見てテストしてみたい。


↓デザインは「アルト」の勝利だと思うが、これは好みが分かれるところか。

Posted at 2017/05/22 22:47:29 | |
トラックバック(0) |
クルマ | クルマ