![[試乗インプレッション]ホンダ・シビック ハッチバック(CVT) [試乗インプレッション]ホンダ・シビック ハッチバック(CVT)](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/040/750/500/40750500/p1m.jpg?ct=d7a60d6b1b27)
短時間だったが、ようやく新型「シビック」のハッチバックモデルに試乗することが出来た。
残念ながら(?)CVTモデルであったが、まぁこのご時世にMTモデルを試乗車にする勇気のある販売店はそうはあるまい。しかし、メーカーが苦労してMTモデルを国内向けに設定しても、販売店が試乗車を用意しないというのは如何なものか。せめてメーカー資本の入った直営販社くらいは積極的に試乗車を揃える位の意気込みを感じさせて欲しいものだ。
聞けば、新型「シビック」はセールスが絶好調で、ハッチバックは今から注文しても納車は来年6月以降とか。更に、ハッチバックモデルの約35%がMTを選択していると聞き、スポーティな「シビック」を待っていた方が結構いたということか。
多少納期がかかっても、クルマ好き人間が喜ぶスポーティモデルの選択肢があるというのは喜ばしいこと。シビックの成功が他社にも波及していくとよいのだが。
さて。新型「シビック」のテストである。全長4520mm全幅1800mm全高1435mmでホイルベースは2700mm。車重は1350kgと結構大柄なボディには往年の「シビック」の面影はないが、なかなか獰猛でスポーティな面構えは嫌いではない。ここのところ、ピンボケが多かったホンダデザインの中で稀な成功例だろう。
早速、室内に乗り込むと結構シートポジションが低い。あぁ昔の「シビック」や「アコード」「プレリュード」なんかはこんな感じに結構低いポジションだったなぁ...と思い出す。インテリアのデザインは先進的で品質感もソコソコある。高級とは思わないが、退屈な事務的でもなく、外装とのマッチングも良好で好印象。価格は280万円とカタログを読んだだけでは結構「割高」なイメージがあるが、実車を見ると納得。セールスが好調なのもうなずける。
アイドリング時の室内は割と静寂。見た目にはセンター二本出しのマフラーが印象的だが、実際はそんなに元気なサウンドを聴かせるタイプでもない。
走り出して直ぐにステアリングが結構軽いことに驚いたが、これもホンダ流儀。昔からホンダのクルマは結構ステアリングが軽かった。そして、私はこれがずっと嫌いだった(笑)。タイヤは235/40R18のかなり刺激的なサイズが奢られるから、ズシッと重い手応えのステアリングを妄想していたのもある。実際にはロードノイズこそ盛大に車内に侵入するからタイヤの存在を感じるが、乗り心地は決して悪くない。これなら毎日の通勤に使っても全く問題ないだろう。最小回転半径は5.5mだから、実用にもギリギリ耐えられる。但し、ボンネットの見切りはイマイチ。更に言えば後方・斜め後方の視界も良くはない。そのあたり注意が必要だ。
エンジンはステップワゴンにも搭載される1.5L 直噴VTEC TURBOエンジン。最高出力182PS/6000rpm 最大トルク22.4kg-m/1700-5500rpm(共にCVT)を発揮するから、パフォーマンスに不足はない。ハッチバックはハイオク仕様である。
短時間の試乗でこのクルマの走りを評価するのは難しいが、やはりCVTの採用がネックに感じた。ラバーバンドフィールと酷評する程悪くはないが、このエンジンに高性能な多段ATが採用されたら格段に良くなるのは間違いない。現状ではちょっとした加減速に融通が利かない...という印象が残る。
まぁスポーティーな味付けを期待する向きには「タイプR」があるということで、「ハッチバック」は爽やかで軽快なシティツアラーと理解するべきかもしれないが、やはり「シビック」と聞けば色々期待してしまうのは事実。個人的な好みを言えば、もう少しスポーティーなスパイスを効かせて欲しい。
昔風(ミラクルシビック)に言えば、「タイプR」は別格としても「SiR」位のキャラクターを期待していたが、まぁ3ステージVTECを積んだ「VTi」位の存在かな...。(判り辛いな)
新型「シビック」と価格的に競合しそうなマツダ「アクセラ」やスバル「インプレッサ」と比較してどうか。マツダ「アクセラ」の1.5Lディーゼルターボと比較すると新型「シビック」の方が軽快で走りも楽しいが、「アクセラ」には最終兵器の「2.2Lディーゼルターボ」が控える。価格的にも「シビック」と近いし6MTもある。カーナビ等を「シビック」にオプション装着すると価格はほぼ同等。安全装備はアクセラが優位だが、そろそろモデル末期。心情的には次期待ち。一方「インプレッサ」と比較すると「アイサイト」にどの程度期待するか。「インプレッサ」のパワートレーンは正直退屈な印象。但し、AWDの安心感は地域によっては絶大。スタイリングも「シビック」「アクセラ」に比べ実用車然としていて魅力に乏しい。買うなら「XV」かな。
そろそろ結論を。期待していた新型「シビック」だが、直ぐにも欲しい!!と商談に突入する程の衝撃は残念ながらなかった。特にCVTが走りの印象を悪くしているのが惜しい。是非6MTで再度の試乗をしてみたいところ。
一方、スポーティーで新鮮味のある内外装デザインは悪くない。日本のメーカーが生産するクルマではあるが、アメ車・欧州車とも少し違う独特の存在感を出せたことは評価したい。スポーティな走りを最優先に求めない向きには悪くない選択肢。昔の「シビック」なんぞ知らない世代の方が素直にこのクルマを評価出来るかもしれないネ。

Posted at 2017/11/23 16:40:12 | |
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