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2018年09月15日 イイね!

[試乗インプレッション]ホンダ・クラリティPHEV 588万円の価値

[試乗インプレッション]ホンダ・クラリティPHEV 588万円の価値先日ホンダ「クラリティPHEV」を試乗する事が出来た。正直なところ、ホンダはこのクルマを是が非でも沢山売ろうとは考えていない様子。7月20日発売だったから、まもなく2カ月が経過。クルマビジネスにおいては新車効果のあるうちに売り捌くのが鉄則ではあるが、このクルマに限っては全く話題になっているとは思えない。実車の展示・試乗も限られた店舗のみとか。恐らく、大半の要因は588万円(税込)という半端に高価なプライスだろう。新型トヨタ「クラウン」のハイブリッドモデル(2.5L)も買える価格帯なだけに、ちょっとした目新しさで消費者が飛びつくにはハードルが高い。特に、降雪地である札幌ではAWDの設定が無い事も災いし、現時点で一般ユーザーからの注文はゼロらしい。(担当販社では)
実車と対面するとかなり「デカい」印象。全長4915mm全幅1875mm全高1480mmだから、新型トヨタ「クラウン」の全長4910mm全幅1800mm全高1455mmと比べても全幅以外はそう変わらない。特に「クラリティPHEV」のボディ後半部はかなりボリューム感があり大きく見える。正直、デザインはもう少しスッキリとまとめることも出来たのではないか....と思う所。好評の「シビック」なんかと比較すると、ひと世代古いデザインに見えてしまうのは惜しい。2016年3月に発売した燃料電池車「クラリティ FUEL CELL」と共通ボディだから仕方のない事ではある。
運転席に座り、スタートボタンONで当然ながら無音のままシステム起動。エレクトリックギアセレクターの「D」を押し下げると試乗開始である。
大柄なボディに対し、モーターの軽快かつ図太いトルクのお陰で、さも軽量なクルマを転がしているかのような錯覚を受けたのは新鮮な体験。実際には1850kgもあるクルマだが、それを感じさせないのは面白い。ホンダ車の特徴であるパワステの軽さはこのクルマでも顕著。毎度思うが、これは嫌い。しかし、ホンダ車として味付けの筋は通っている。
ブレーキについては自然なフィーリングで、電動車特有の違和感(回生ブレーキと通常ブレーキの差)は感じなかった。足回りはマイルド志向で、北米で喜ばれそうなキャラクターか。個人的にはシートのサイドサポートも含めもう少しヨーロピアンなチューンも期待したいが、現状はこれで悪くはなかった。ボディサイズから言っても山道をゴリゴリに攻めるクルマでもない。
「クラリティPHEV」は無鉛レギュラーガソリン対応であるが、タンク容量が26Lしかない。仮に外部電源でバッテリーを満充電にして100kmを走行したのち、26Lのガソリンで発電しながら走行する際の燃費は28.0km/L(JC08モード値)である。この手のクルマは約60%の実効燃費と仮定すると、16.8km/L。20Lの給油インターバルとすれば336km。バッテリー走行と合計しても実効436kmとなる。あくまでも理論値だから、断定はしないが価格・車格から考え実効的な航続距離が物足りないのではないか。少なくとも、日頃ディーゼルエンジン車に乗る自分には許容し難いものがある。
一方で、自宅の太陽光発電や深夜電力を用いて、毎日バッテリーをフル充電し、1日あたりの平均走行距離が100kmに満たないという利用シーンの方にとっては「ほぼEV」で走行出来る上に、たまの遠出はガソリンさえ入っていれば対応可能と言うのはメリットだろう。どこへ行っても充電スポットの心配をするピュアEVとは違う安心感がある。現時点では「乗り手」を選ぶクルマとも言えそうだ。
インテリアは588万円のクルマだと思えば物足りなさもあるが、まぁ許容範囲かな。ホンダは上級セダンとして「アコード」・「レジェンド」に「クラリティPHEV」を加えたが、どれも全く売れていない。結局のところ消費者の期待に反した価格設定の問題。何故繰り返してしまうのか....。
最後に、「クラリティPHEV」に注文を。先日の「北海道胆振東部地震」でも改めて感じた事だが、電動車は災害時に外部給電する機能は必須だと思う。冷蔵庫・テレビ・LED照明・携帯充電器の4点を動かすことが出来れば、あとは何とかなるもの。残念ながら「クラリティPHEV」には100V/1500Wの外部給電用コンセントは備わらない。急速充電ソケットからV2Hに対応した外部給電は可能だが、高価なV2H接続機器が必要になるからハードルが高い。588万円の価格設定をするなら、100Vコンセントを着ける位は当然の様に対応して欲しいものだ。これにはガッカリした。
そろそろ結論を。予想に反し、走りは楽しく違和感が少なかったのは収穫。可能であれば丸1日かけてロングドライブに連れ出してみたいクルマだ。
一方で、リアルなマイカー候補として見ると色々な問題点が噴出する。特に唐突感のある価格(588万円)は納得のいくものではない上に、ホンダの純正「残価設定ローン」でも3年後残価は36%とかなり低い評価であることからも、素人は簡単に手を出すべきではないクルマだ。
5年後くらいに投げ売り価格で中古車が出たら買おうかな....と思わせる魅力はあるのだが、現時点の販売状況では中古車市場でもレアな存在になるのは必至。
ちなみに、先日MCをしたばかりの三菱「アウトランダーPHEV」は燃料タンクが45Lを確保するから、長距離走行には「クラリティPHEV」より適役かもしれない。こちらもいずれ乗ってみよう。
Posted at 2018/09/16 01:22:41 | コメント(1) | トラックバック(0) | 試乗インプレッション | クルマ

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「@(ご) 下取価格って愛車の通信簿みたいなものなので、低い評価をされると買い換える気が失せますね。更に言えば自社銘柄の価格提示としては低過ぎて残念です。私もヤフオク売却経験有ります(^o^)。」
何シテル?   06/21 23:22
クルマとカメラが大好きで布袋寅泰の音楽を愛聴するヤツです。 随分と長いこと転勤で各地を転戦しましたが、ようやく地元北海道に戻ってきました。 マイカーはマツダ...
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