![[試乗インプレッション]ダイハツ「コペン・セロ」ベースモデル(FF/CVT) [試乗インプレッション]ダイハツ「コペン・セロ」ベースモデル(FF/CVT)](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/046/271/820/46271820/p1m.jpg?ct=1aa6cf8f933d)
少し時間が経過してしまったが、ダイハツ「コペン・セロ」のインプレッションを書いておく。
本年の6月19日にコペンはメデタク誕生20周年を迎えた。それを記念した「コペン20周年記念特別仕様車」が1000台限定で発売されたが、数日で完売したのは正直驚いた。
私はスポーツ系のクルマはトランスミッションにMTの選択肢があるならば、積極的にMTを選びたいのだが、現行「コペン」だけは例外的にCVTを選んでおこうかな....と思っている。今回は改めてそのあたりを確認させて頂いた。
試乗したグレードは「コペン・セロ」のベースモデルで価格は195.4万円(FF/CVT)。
コペンにはビルシュタインのサスやBBSホイールで武装した「コペン・セロS」や、トヨタGRとのコラボモデル「コペン・GR SPORT」など、役付モデルが用意されるから悩むのだが、2ペダル(CVT)を選ぶなら、割り切って最もシンプルなベースモデルで充分...と思うところもあり、改めてベースモデルを試したいと思っていた。
以前「コペン・GR SPORT」に試乗した際、それ以前のモデルと比べ、格段に熟成され剛性感を増したボディと、しなやかに躾けられた脚回りに驚いた。その分、価格も239.3万円に跳ね上がるから、ざっと+43.9万円。内容を考えると充分にリーズナブルと思うが、やはりベースモデルの手頃な価格も捨て難い。
テスト車のボデイ色は鮮やかなマタドールレッドパールで、内装色はベージュ。なかなかカジュアルなチョイスで良い感じ(^o^)。
コペンは毎度思うが、ドライビングポジションが悩ましい。ペダルで合わせると、ステアリングとシフトレバーが遠く感じる。特に5MT車はシフトレバーの角度も好みではない。コペンはCVT...と思う主要因。結局のところ、シートを前に出すから、膝周りが窮屈に感じてしまう。マイカーなれば慣れるかもしれないけどね。
「コペン・セロ」のベースモデルで公道を走り出す。マイカーのホンダ「S660」やマツダ「ロードスターRF」と比較すると、ボディ剛性(感)は緩め。路面の段差等で、ブルッンとボディ全体がバタつく感じは初代のコペンにも通じるところ。「コペン・GR SPORT」ではこのあたりに明確な改善を感じるから、GR専用の補強ブレース等が効果を発揮しているのだろう。
但し、それ故ベースモデルをダメと言うつもりはない。シートもサイドサポートが張り出すタイプではないから、市街地や郊外を颯爽とドライブする様なシーンでは、コレくらいの緩さが有ったほうが馴染みやすいかも。ベースモデルではステアリングのパドルシフトも省かれるが、シフトレバーでシーケンシャル操作は可能だ。
恐らく、タイヤサイズがベースモデルでも165/50R16と随分奢ったサイズになるから見た目は大変良いのだが、本来は14~15インチ程度に留めておくべきバードウェアなんだろうな...。
このクルマの美点はエンジン音とエキゾーストノートが心地よいこと。これはホンダ「S660」の弱点でもあるから面白い。
やはりコペン最大の特徴は広大なトランクスペース。屋根を閉じていれば、ちょっと驚くほどにデカいトランクスペースがあるのは何かと役に立つ。本格スポーツとマニアに持て囃された「S660」が短命で消えたのに対し、FFでドラムブレーキと揶揄された「コペン」が20年も存在しているのは、やはり軽自動車である以上、実用性も無視できないと言うことだろう。
ステアリングやブレーキに特筆すべき癖はなく、慣れ親しんだFFのソレである。N-BOXの様な背高な軽自動車が氾濫する昨今において、コペンは全高1280mmしかない。黙っていても低重心で、それなりにキビキビとしたコーナリングを披露する。
そろそろ結論を。コペンには色々な仕様があるが、私が買うなら最も低価格な「ベースモデル」か、最新の設計が施された「GR SPORT」のどちらか。両極端だが悩ましい選択肢。但し、「GR SPORT」なら欲を出して5MTを選びたくなるから、ここは「ベースモデル」をCVTでサラッと乗るのが、コペン本来の選び方なんだろうな...と感じている。
以前、ミツオカ「大蛇(オロチ)」の事を「ファッションスーパーカー」と評していたが、コペンも「ファッションオープン軽スポーツ」と理解すると、すんなり行きそうだ。コレ褒めているつもりです。
残念ながら「コペン20周年記念特別仕様車」は買いそびれてしまったが、2代目コペンもいずれはマイカーに迎えたいと思っている。
よく考えたら、軽量コンパクトかつ低燃費。なんともエコでSDG'sなスポーツカー。恐竜の様な大パワー・大排気量のガソリンスポーツが絶滅しても、最後までしぶとく生き残るのはコイツかもしれない。

Posted at 2022/08/13 23:30:06 | |
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