日産は「プレサージュ」「ラフェスタ」の仕様を向上し発売する。「プレサージュ」はカーウイングスナビ(HDD方式)装着車にETCユニットを標準設定とした。また、一部グレードにメーカーOPで設定していたプラズマクラスターイオンフルオートエアコン、運転席・助手席SRSサイドエアバッグシステム、SRSカーテンエアバッグシステムを全車標準装備とした。「ラフェスタ」は運転席・助手席SRSカーテンエアバッグシステムを全車標準装備とした。「ハイウェイスター」グレードに、リモコンオートスライドドア(助手席側)、インテリジェントキー+エンジンイモビライザーを標準装備。またカーウイングスナビ(HDD方式)装着車にETCユニットを標準設定した。私は今回の仕様変更は高く評価している。「プレサージュ」や「ラフェスタ」と言ったミニバンは当然、子育て中のファミリーが多く購入する車種であるだけに、予算が厳しいためかメーカーOPで設定される安全装備の装着率は低い。どうせ、エクストラコストを払うのであれば電動スライドドアやカーナビに....と「使うかどうか判らない安全装備」よりも毎回使う快適装備が優先されてしまうのも致し方ないと言うべきか。だからこそ、メーカーはオプションではなく標準で安全装備を装着していかなければ普及は進まない。




ホンダ・オデッセイが4代目へとフルモデルチェンジを実施した。プラットホームは基本的に先代を踏襲し、エンジンを改良型へ換装しミッションにCVTを組み合わせた(2WD)事が大きなニュースか。価格は「M」(2WD/CVT)259万円~「アブソルート」(4WD/5AT)361万円。スタイリングはキープコンセプト。燃料電池車「FCXクラリティ」のデザインテーマ(ボディ色も似てるね)が踏襲されている。今後、暫くホンダはこのデザインテーマで行くのだろう。先代の悪顔はさすがに抵抗感を感じたが、新型の顔はまぁ許容範囲かな。それでもアブソルート系は過剰だと思います。個人的にはミニバンに悪顔は要らないと思います。初代のオデッセイの様にほのぼのとしたフェイスの方がイイと思うんだが。デカイ悪顔で前のクルマに威圧感を与えるようなクルマを喜んで乗っている人のセンスはいかがなものですかね。インテリアも先代からキープコンセプト。映画に出てくる宇宙船(?)の様に奇怪なデザインがオデッセイの特徴なんだろうか。まぁ百歩譲って、そんなデザインテーマが「アリ」だったとしても、そこに木目を貼るって言うのは変じゃないの。宇宙船に木目...。さて、オデッセイを含む3列シートミニバンって言うジャンルは私にとって全然興味がない(というか必要性がない)のですが、最近国産の「ステーションワゴン」が減って壊滅状態な中、オデッセイは背が低いこともあって、3列目シートを常時畳んでおけば「ステーションワゴン」の代替になるかな...と思い始めている。ただ、そこには2WDでも1620kg前後ある車重がネックになる。新型オデッセイ(2WD/標準系)は圧縮比をレギュラーガス仕様で10.0まで高め、CVTを組み合わせることで10.15モード値を13.2km/Lまで高めているが、ストップアンドゴーの多い街中ではおそらく二桁は難しいだろう。やはり燃費には軽量なボディが一番有効なのだから。そう言う意味で、最近見直しているのが日産のラフェスタやマツダのプレマシー。ラフェスタは1420kg前後(2WD/CVT)、プレマシーは1490kg前後とオデッセイよりも200~130kgも軽い。(クルマの世界で200kgも軽量化することがどれだけ大変か考えればその差は小さくない)両車共に10.15モード値は15.0km/Lを達成している。常に7名が乗車し3列目シートがフル活用される様な家庭で「オデッセイ」を選択する事は少ないだろう。そうなると私には「オデッセイ」と言うクルマは過剰で中途半端なクルマに見えてしまうのだ。(その無駄が雰囲気だったり車格を表すって言うことは理解してるのだが)贅沢にも(?)ほぼ日本市場専用の「オデッセイ」に全長4800mm全幅1800mm全高1545mmのボディサイズが最適解だったのか私は疑問に思っている。(ラフェスタ・プレマシー以外にもトヨタ・ウイッシュやアイシス。ホンダ・ストリームも検討車種に含めないと不公平かも)




トヨタとは不思議なメーカーだなぁといつも思っている。今や世界一の生産台数を誇る大メーカーであるにも関わらず、記憶に残るクルマやいわゆる名車と呼ばれるクルマを生み出す能力はかなり低い。80点主義なんて言う言葉もあるが、意図的に「名車」にならないように作ってます~なんて言うことはないでしょうから、それがトヨタの社風なんでしょう。しかし、トヨタは別の角度から見ると凄いメーカーだなと驚くことも多い。一例ではハイエースやプロボックスなど商用車を作らせれば天才。そして、今回取り上げる「ラウム」。こんなクルマはトヨタ以外からは絶対に出てこないでしょう。何故なら、トヨタは販売系列が未だに「トヨタ店」「トヨペット店」「カローラ店」「ネッツ店」そして「レクサス」と5系列もっている。お陰でプラットホームを共有した「兄弟車種」が多く誕生する背景がある。他社ならトライできないような実験的な車種を送り出す余裕があるんでしょう。「ラウム」の他に「ポルテ」なんかもそんな匂いがしますね。2代目となる現行「ラウム」は2003年05月に登場。「クルマづくりにおけるユニバーサルデザインの追究」を開発テーマに掲げ、すべての人にやさしく、使いやすいことに徹底的にこだわり、新たに策定したユニバーサルデザイン評価指標を用いた開発手法によりそれを具現化。21世紀のクルマの新しい価値観を反映した「人と地球にやさしく、使って楽しい、次世代ビークル」として、今後のトヨタのクルマづくりの方向を示唆するものとかなり意気込んで開発されたクルマである。「ユニバーサルデザイン」という言葉も私はこのラウムで初めて認識したように思う。まぁ難しい言葉は抜きにしても、走りの性能ではなく「すべての人にやさしく、使いやすいことに徹底的にこだわったクルマ」という開発コンセプトって実はもの凄くトヨタっぽいなと思ってます。クルマの本質(走る曲がる止まる)とは別次元のベクトルを追求しているメーカーと言うのはまだそんなに多くはない気がしてます。ほぼ同時期の2003年09月に発売された現行「プリウス」にも似たエッセンスを感じる(ステアリングは共通か?)が、高齢化社会や自動車に対する価値観の変化を考えた一つの回答として「ラウム」は個人的に評価している。運転席に乗り込んでみると毎回驚かされるが、前後左右の見切りが良い。最近、ミニバン的にAピラーが前進しボンネットからワンモーションフォルムで構成されるデザインが流行(我が家のR2もその1台)だが、案外斜め前方の視界を遮られる事が多い。また、インパネもボタンが大きく操作しやすい(汎用タイプの純正ナビは除外)。最近タント等も採用し、珍しく無くなって来たが「パノラマオープンドア(助手席側センターピラー内蔵ドア)」とパワースライドドア(助手席側)の採用はお年寄りやチャイルドシートを必要とする乳幼児だけのものにしておくのは勿体無い。クルマに趣味性を求めず、ただひたすらに使いやすさを求めるならば「ラウム」はもう少し評価されても良かったクルマではないか。まぁ過去に試乗した記憶を辿れば走りに関しては驚くほど本当に普通(笑)。退屈な運転フィールがユニバーサルデザインの具現化ではないと思うのだが。また、トヨタの一番の悪い癖は「熟成」が出来ない事。仏作って魂入れず。ラウムは2003年の発売以来、これまで5年以上大きなマイナーチェンジを受けていない。(一部改良は05/06年に2度実施)エンジンは1.5L(NA)の1NZ-FE型/直4気筒DOHCで最高出力109ps/6,000rpm 最大トルク14.4kg-m/4,200rpm。車重は1,150kg(全て2WD/Gパッケージ)パワーウエイトレシオは10.6kg/ps。ミッションは未だに4速AT。このエンジンはトヨタの主力エンジンであり、カローラアクシオなどは既にSuper CVT-iが採用されている。また、売りであるはずの「パノラマオープンドア」がネックになりサイド/カーテンエアバッグが設定されていないが、同じトヨタで「パノラマオープンドア」を採用する「アイシス」にはSRSサイド+カーテンエアバッグ(フロント・セカンドシート)が+6.3万円で設定されている。(アイシスはラウムより1年後の04年9月発売)これらは本当に惜しい。皮肉にも「21世紀のクルマの新しい価値観を反映した」クルマであったはずが、燃費対策や安全装備の装着が遅れている現状を放置している。ラウムに次期モデルがあるという噂は今のところ聞かないが、願わくばトヨタはラウムのようなクルマ作りを続けて欲しい。





スズキは新型コンパクトカー「スプラッシュ」を発売する。ハンガリーの「マジャールスズキ社」で生産し、日本に輸入して発売するスズキ初の自社ブランドの輸入車。昨年の東京モーターショーにもひっそりと展示されていた。私は結構楽しみにしていたクルマ。少なくと、オデッセイのフルモデルチェンジよりは興味深い。「スプラッシュ」は、スイフトのプラットフォームを共有。日本仕様にはマイナーチェンジ後のスイフトと共通の1.2LエンジンとCVTを採用した。国内の販売目標台数は500台/月と極めて控えめな数字。モノグレード構成で2WDのみ。価格は123.9万円となっている。ボディサイズは全長3715mm全幅1680mm全高1590mmホイールベース2360mmで、車両重量1050kg。スイフトの1.2XG(1.2L/2WD/CVT 119.7万円)が全長3755mm全幅1690mm全高1,510mmホイールベース2390mmで車両重量1000kgなので、スプラッシュは40mmショートで80mmトールなボディになる。燃費は10・15モード値で18.6KM/L。エンジンの型式は「K12B型」で直列4気筒の1.2L(NA)。レギュラーガス仕様ながら、圧縮比11.0を達成した新エンジン。最高出力88ps/5600rpm 最大トルク11.9kg-m/4400rpmを発揮する。パワーウエイトレシオは11.9kg/psとなる。雑誌などの事前情報では輸入コストの関係もあり、スイフトよりも高めのプライスになると言われていたが、蓋を開けてみればびっくり仰天のバーゲンプライス。まず、なんと言っても運転席・助手席SRSエアバッグに加え、カーテン+サイドエアバッグが標準。チルトステアリング・運転席シートリフター・ヘッドレスト(フロント2名分、リヤ3名分)・リヤELR3点式シートベルト(3名分)等の安全装備が惜しげもなく標準装備された。横滑り防止装置(ESP)が用意されなかった事を除けばコンパクトカーとしては破格の内容だろう。更に、インフォメーションディスプレイ[時刻・外気温・燃料計・オドメーター]やイモビライザー・セキュリティアラームシステムの他、タイヤは185/60R15のアルミ付を奢る。前述したスイフトの1.2XGよりも僅か4万円高のプライスであるが、スイフトにはカーテン+サイドエアバッグの設定が無く、リヤのヘッドレスト/シートベルトは2名分のみ。そしてアルミホイルも装備されない事を考えれば、「スプラッシュ」はお買い得と言っていいだろう。ボディ色もポップなカラーが多く好印象。(個人的には足踏み式ではなく、昔ながらのレバー式パーキングブレーキである事も加点要素)全高が1590mmと一般的な立体駐車場の高さ制限1550mmよりも高い事がネックになる人もいるだろうが、僅か500台/月のセールスボリュームを考えれば大した事ではあるまい。機会があれば、是非試乗してみたいクルマです。

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急転のクルマ選び〈続編〉 カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2025/09/02 07:53:25 |
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