トヨタとダイハツは新型7人乗り3列シート車を発売する。トヨタは「パッソ セッテ」(カローラ店)、ダイハツは「ブーン ルミナス」と名乗る。「広くて、使いやすい、7シーター スタイリッシュ コンパクト」をテーマに、扱いやすい5ナンバーサイズのボディは全長4180mm全幅1695mm全高1620mmホイルベース2750mm。室内長は2550mmを誇る。日産ノートの全長が4020mmだから、全長4180mmの「パッソ セッテ」は+160mmでしかない。(フリードは4215mm)ダイハツが開発・生産を担当。ダイハツからトヨタへOEM供給する。正直、そんなに語るべきポイントは見当たらないクルマと言っていい。エンジンも直4 1.5L(3SZ-VE型)一本で最高出力109ps/6000rpm 最大トルク14.4kg-m/4400rpmを発揮し、車重は1190kg前後。ミッションはコストを重視して4ATのみ。10・15モード値は15.6km/Lと平凡な数値である。(トヨタ・シエンタの1.5L/CVTは18.6km/L)スタイリングも正直言って魅力的とは言いかねる。いかにもコスト掛かってません...と言った安っぽいボディパネルワークがもの哀しい(まるで東南アジア戦略車?と言う雰囲気)しかし、それなりに快適装備を奢った上で149万円(X/FF/4AT)~203.3万円(S/4WD/4AT*価格はパッソ セッテの場合)に納まっているのだから、価格相応。あまり文句も言えまい。最近売れ筋の軽自動車「ダイハツ・タント」だって簡単に150万円を超えている時代だから...。ライバルはホンダのフリードだろうか。しかし、フリードの3列7名乗りは169万円~と少し高価。(その替わりフリードはスライドドアになるのだが)トヨタお得意の「お手軽クルマ」。不景気の真っ直中にデビューするクルマとして夢も希望も感じない退屈な白物家電製品のようなクルマだが価格の競争力だけはある。トヨタの販売力をもってすればこんな商品でもどれ位売り捌くのか注目したい。それにしても...もう少し気の利いたデザインには出来ないモノなのだろうか。コストが割けられないのならばアイディアとデザインで勝負するのがクルマ作りだと思っているのだが。

ここのところ連日の様に米国ではビックスリーに政府の支援をすべきなのか否かと言うニュースが伝えられ、日本ではトヨタが赤字になりそうだとか、期間従業員や派遣労働者を解雇したという暗いニュースが続いている。こうもネガティブな話題ばかり聞かされれば、とりあえず不況のあおりを受けていない消費者だってクルマを買おうかな...という購入意欲が削がれるのも無理はない。日本の年間自動車販売台数は500~600万台位だと言われているが、仮に新車を検討している人が10人いたとして、折からの不況ムードに飲まれ「今回は車検を取るか..」と2人が新車購入を断念すると、あっという間に年間で100~120万台の新車販売が落ちてしまう。これは極端な表現ではあるが、必ずしも消費者は必要に迫られて買い替えているわけではなく、世の中のムードに乗っている面もあろう。結構短期でクルマを買い替える方だと自負している私でさえ、クルマの買い換えにどことなく後ろめたさのようなモノを感じているのだから。まぁ元々アメリカ人のように借金に借金を重ねて消費に走る(住宅価格の値上がり分を担保に、追加の借金をしてクルマを買うなど。ホームエクイティローン?)のは正にバブルとしか言いようがないだけに、暫くは自動車の需要そのものが萎むのは免れまい。(ローン審査も相当厳しくなっているようだし)しかし、私はここ数年日本のメーカーにも危うさを感じていた。北米重視、売れる市場へ売れるモノを供給する。経済の原理から言えば正しい行動なのかも知れないが、どんどんボディサイズは拡大し、エンジンの排気量も拡大の一途。しまいには従来アメリカメーカーが得意としていたフルサイズピックアップまで作り始めた。先日、グアムへ行ったときもトヨタや日産のバッヂをつけた恐竜のようなトラックがよく走っていた。私はブログ上でも常に日本のメーカーに対し、北米重視でボディサイズと排気量を無闇に拡大していくことに懸念を表明してきたつもりであるが、トヨタやホンダの苦境を伝えるニュースを聞く度に、彼らの社内で日本では売り物にならないような巨大なクルマを生産し続けることに問題意識はなかったのだろうかと思っている。以前、V36スカイラインの発表会へ招待されたときに、折角のチャンスだからと開発主管の方へ「ライバルがBMWの3シリーズだとすればもう少しボディは小さくて軽量、エンジンだって4気筒の2.0L位から用意した方が宜しいのでは?」と直接質問をしたことがあるが、彼は私の質問がもの凄く意外だったようで「4気筒エンジンは考えたことがない」「3シリーズの価格で5シリーズ並みの商品を提供したい」「日本の市場を忘れていないからこのボディサイズに留まっている」「北米で売れているからここまで開発費がかけられる」と自信満々で答えていた。裏を返せば、同じ価格なら大きくて排気量が大きいクルマを好む北米市場を重視しているという意味だし、北米で売れなくなれば自ずとスカイラインは無くなるんですよと受け取ることも出来よう。スカイラインはタイミング悪く(?)先日のマイナーチェンジでエンジンを3.5L→3.7Lへ換装している。気がつけば、トヨタ・日産・ホンダに3.5L前後の排気量を持つクルマが多くなっている事に驚く。ボディサイズも全幅1800mmを超えるクルマが珍しくない。これら全てが悪だとは言わないが、安易に北米で売れる商品を開発してきたツケを払わされていると言うことは間違いないと思っている。個人的には北米の価値観はグローバルスタンダードではないと思っている。純粋な北米ブランドのクルマがグローバルで評価されているわけではないことからも明らかだ。少なくとも、新年の賀詞交換会を辞めるのが大切な訳ではなく、偏った商品の開発思想を改めるときではないだろうか。何故、BMWの3シリーズはグローバルで評価され、スカイラインやシビックは自分の国で人気が低迷しているのか。この不況を機会として、売らんがための安易な商品開発姿勢が改められる事を祈りたい。
ボローニャモーターショーでVWはゴルフプラスのフェイスリフト版を発表する。とても判りやすいフェイスリフトで、ゴルフ6のデザインテイストをトレースしてきた。フロント周りだけでなく、リヤバンパーも新しくなったようだし、ルーフレールも装備された。残念ながら、日本では既にカタログ落ちしてしまったゴルフプラスだが、導入当初からこのスタイリングであれば、もう少し売れ行きも違ったであろう。導入当初のゴルフプラス(写真一番下)はあまりにも地味でブサイクだった。トヨタ・ナディア程酷くはなかったが、さすがのVWファンと言えども見ない振りをしたくなるルックスであったことは間違いない。ただ、パッケージ的にはとても優れたクルマであった。おそらく、これが日本で売られることはないだろう。ただ、今後トゥーランやヴァリアントが予想よりも早い時期に、ゴルフプラス同様のフェイスリフトをするかも知れませんね。ワッペングリル嫌いとしては早くそうなる事を祈ってます。


結婚記念日を祝して、久し振りに海外へ脱出。やはり寒い時期は南の島へ行きたくなります。格安のツアーではあるが、グアムへ。ツアー代金そのものは低価格だったが、高騰していた原油価格の余韻のせいで燃油サーチャージ(正確に言えば燃油特別付加運賃)が1名当たり26,000円(往復/JAL)もかかるのが驚き。来年1/1以降の出発分からはかなり燃油サーチャージも値下がりするようだ。年間を通して、気温は26度前後とまさに常夏の島。空港からホテルまでの送迎で乗せられたのはGMCのサバナ。巨大なボディサイズに圧倒されました。さっそくアメリカ気分を満喫(笑)日本で言えば、ハイエースのスーパーロングかな。現地ではツアーのメニューにショッピングバス(一番下の写真)の無料パスが含まれていたので、これに乗ってのんびり移動。グアムプレミアアウトレット、マイクロネシアモール、Kマートなどの郊外型モールと中心街にあるDFSギャラリア、タモンサンズプラザなどをフラリフラリ見て回るだけで結構な時間がかかりますねぇ。最近の円高傾向のお陰で概ね94~95円のレートで滞在することが出来た。新婚旅行の時は125円位だったから2割以上も安くなっている。まぁ物価も本土から遠く離れた島だから仕方がないが全般的に高い。一部のブランド品を除けば日本と比較して安いというイメージはない。



三菱自動車は、「ギャラン フォルティス」の5ドアハッチバック車「ギャラン フォルティス スポーツバック」を発売する(192.1~301.3万円)。なんとも、長ったらしいネーミングであるが、久し振りにランサーの5HBが復活したと言うべきだろう。1988年に発売されたランサー(ランサーフィオーレの後継)は「アクティブセダン」というキャッチフレーズで5HBだった。(ミラージュのスポーツモデルが「サイボーグ」と名乗っていた頃ですね)同時期にギャランの兄弟車種「エテルナ」も5HBだった...うーん懐かしい。さて、「ギャラン フォルティス スポーツバック」は、「ギャラン フォルティス」のスポーティグレードである「ラリーアート」のフロントデザインを全グレードに採用しているのが特徴。グレード展開は、ベーシックグレードの「ツーリング」と、18インチタイヤやスポーツサスペンション、本革巻きステアリングホイールなど内外観の装備を向上させた「スポーツ」、さらにスポーティ4WDグレード「RALLIART」の3グレードを設定。パワートレインは、「ツーリング」と「スポーツ」に2.0L/MIVECエンジンとINVECS-III 6速スポーツモード付CVTの組み合わせを採用。「ラリーアート」には2.0L MIVECインタークーラーターボエンジンと、6速自動マニュアルトランスミッション「Twin Clutch-SST(Sport Shift Transmission)」の組み合わせを採用。目標販売台数は500台/月である。ボディサイズは全長4585mm全幅1760mm全高1515mmホイルベース2635mm。セダンに比べて+15mmロングである。私は結構5HBって好きで、古くはトヨタ・コロナSFや日産のプリメーラeGT。一番好きだったのはマツダのファミリア・アスティナかな。ダイハツのアプローズも5HBでしたね。最近ではマツダ・アテンザの奮闘で5HBも違和感が無くなって来たのではないか。ただ、この「ギャラン フォルティス スポーツバック」については尻が重たそうなデザインであまり好きではない。インプレッサのように素直なHBボディにした方が良かったんじゃないかな...。

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急転のクルマ選び〈続編〉 カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2025/09/02 07:53:25 |
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