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当ブログにおける過去記事の中で、一番アクセス数があったのが今年の6/13に投稿した"
[試乗インプレッション]マツダ・アクセラスポーツ 15C"である。「試乗インプレッション」の記事はどれも比較的アクセス数が多いのだが、この
アクセラ15Cだけは段違いの数字に驚いている。その理由は定かではないが....。まぁ人気ならば続編を。と言うことで、同じアクセラスポーツであり、話題のアイドリングストップ機能(i-Stop)を装備した2.0Lモデルに試乗することが出来た。
試乗したグレードは「20S」で価格は214万円。メーカーOPとして「ツーリングコンフォートPKG」が装備されていた。(+82,950円)17インチアルミとディスチャージヘッドランプ、カラー液晶のマルチインフォメーションディスプレイが装着される。20Sを買う場合にはほぼ必須のメーカーOPになるだろう。
ボディサイズは全長4490mm全幅1755mm全高1465mmでホイルベースが2640mm。車重が1340kgとなっている。エンジンは2.0Lの直噴・直4DOHCで150ps/6200rpm 19.0kg-m/4500rpmを発揮。レギュラーガス仕様で圧縮比は11.2。今のところ、話題のアイドリングストップ機能は2.0Lエンジン(2WD)だけの専用装備となっている。パワーウエイトレシオは8.93kg/psでミッションは5AT(4WDは4AT)を組み合わせる。(1.5LはCVTとの組み合わせ)
私がアクセラを買うなら、ベーシックな15Cか今回試乗した20Sのどちらかで悩むだろう。(マツダスピードアクセラは別格扱いとして)エコカーとして少しでも燃費が良い方を求めるなら、断然1.5Lの15Cだろう。プリウスやインサイトよりも低価格な166万円~という価格もイイ。ただ、難点はDSC(横滑り防止装置)がメーカーOPでも装着不可な事。SRSサイド+カーテンエアバッグはメーカーOPで設定される。(セットOPのため単独オーダーは出来ないが+68,250円)
一方、20SはDSCやSRSサイド+カーテンエアバッグも標準装備。スポーツシートになる他、ドアミラーウインカーや革巻きステアリングなど装備差も結構大きい。15Cに装着不可なDSCを除いて、"20S相当"にアップグレードするべくメーカーOPを装着すると+21万円の187万円となる。(セットOPが邪魔をして15CにSRSサイド+カーテンエアバッグを希望すると僅か3パターンの組み合わせしか許されない。特に革巻ステアリングを含むスポーティコンフォートPKGが同時装着不可になるのが理解出来ない。)それでもDSCを含め20Sとの装備差は依然として残ってしまうし、111ps→150psと39ps分のパワーアップを考慮すると20Sの214万円と言う価格はもの凄いバーゲンプライスだと判る。15Cを買うときは割り切って、なるべく素の状態で買うべきなのかも知れない。
さて、前置きが長くなったが20Sで試乗をスタート。室内を見渡すとシートがスポーツシートになりサイドサポートが若干増しているが、それ以外はパッと見て15Cと大きな違いはない。ステアリングもチルト+テレスコが装備されていてポジションもOK。日本車としては少し重めのパワステも個人的には好き。先代のアクセラは(特に初期型)アクセルレスポンスが意図的に過敏になっていて、必要以上にスロットルが開かれる味付けが気になったが、今やエコカー的性格も与えられているお陰(?)で、幼稚な味付けが陰を潜めたのは朗報だろう。ただ、判りやすいスポーティ感という意味ではマイルドになったと感じる方もいるだろう。誤解を恐れずに言えば、VWゴルフの互換機。そんなイメージと言えばいいのだろうか。先代ゴルフ5の2.0L(FSI)+6ATだったGLiに乗っているかのような感覚。もちろん、2台を並べて交互に乗り比べれば色々と相違点が出ると思うが、概ね似たような範疇に入れることが出来そうだ。(最近の1.4TSI+7DSGと比べると少し違うけど)ただ、静粛性については断然アクセラの勝ち。ゴルフ6は結構静かになったから良い勝負か。それと、ゴルフの品質感はあるが退屈なデザインのインパネよりも躍動感があって、見やすい位置にMID液晶を設置したアクセラの方に軍配を上げたい。逆に、足回りの落ち着き感やビシッとした直進安定性、重厚なドアの開閉音と言ったところは未だゴルフにアドバンテージがある。多分ゴルフ5に満足している人のリプレイス対象としてアクセラを見た場合、ひと味物足りなく感じさせる部分でもあろう。
肝心のアイドリングストップ機能について。雑誌等でも「思ったようにエンジンが停止しない」という記述を良く目にするが、確かに信号などで停止する度にエンジン停止が必ず実施されるわけではなかった。ブレーキをジワジワと踏み増すような止まり方だとエンジン停止されない傾向がある様に感じた。ただ、試乗の後半にはかなりの確率でエンジン停止していたから、ある程度の癖を掴んでしまえば問題ないだろう。驚いた事に、試乗車は約4800kmを走行した個体であったが、累計のアイドリングストップ時間が22時間を超えていた。(写真左上)試乗車という性格上、お店付近の市街地をトロトロ走る機会が多いことは想像出来るが、それでも22時間という長い間エンジンが停止出来るものなのかと感心した。目先の燃費よりも大気中に放出しているCO2の削減効果を考えたら、今後は全車に標準装備すべき機能だと実感した。エンジンの再始動に際するショックは皆無ではなかった。言葉にすると「ブルッ」とかすかに震えるような感じか。オーディオをOFFにしていたら始動音も僅かに聞こえる。ただ、個人的には少しもネガティブには感じなく、むしろアクセラの特徴として好意的に感じた程だ。今回の試乗は流れの良い幹線道路を中心とした約30分の一般道コースだったが、2分54秒のアイドリングストップが実施され、概ね10%の時間がエンジン停止中だったという計算だ。
さて、先ほどから悩み続けている15C vs 20Sだが、試乗後は更に悩みが増す結果となってしまった。1.5LエンジンとCVTの組み合わせも絶品であり、20Sに対してなんら引けを取るものではない。1.5LにDSCとSRSサイド+カーテンエアバッグが標準装着されていたら15Cにするかもしれないが、現実的な組み合わせで考えるならば20Sになるような気がする。前回15Cを試乗したときも感じたことだが、アクセラは「ここが不満だ」という明確なネガティブポイントを感じないクルマ。完成度が高く、コストパフォーマンスは国産車中でもピカイチと言える。エコカー減税に対応していることもあり、アクセラのセールスはまあまあ順調という事らしいが、もっと注目を浴びるだけの実力を持っているクルマだ。次回は丸一日かけて長距離ドライブテストへ連れ出したいと思っている。

Posted at 2009/10/03 19:26:26 | |
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